本・本屋

『ミュージアムグッズのチカラ』

『ミュージアムグッズのチカラ』大澤夏美 著(国書刊行社)
https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336071071/
 
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ミュージアムグッズの本、と言うマニアックながらも魅力的な本が出ました。そう、博物館や美術館に売っている、他に手に入らないよねコレ?ここでしか手に入らないよねコレ?と言うアレらに関する本です。
 
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博物館・美術館等のグッズ紹介やグッズ開発者のインタビューなどが掲載されている本。と書くと面白い商品紹介本かと思われそうですが、この本を読むと、ただ面白いものを紹介してるだけではなく、そのグッズに対する熱量が違う!愛が違う!と言う事に気がつきます。
 
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ミュージアム、と言っても美術館や博物館、資料館、水族館などかなり幅広いジャンルを取り上げています。そして全国の館を網羅しているのが凄いです。「北は北海道の知床、南は大分の中津まで」とあります。これだけジャンルも場所をお一人で把握しているのが凄い。筆者の大澤さんは北海道に住んでいる方なので、地方へ目を向ける事に力を入れている様です(各地に行くのも大変でしょうに)。
 
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また、各章頭に掲載されているグッズ開発者インタビューがとても読み応えあります。山種美術館の開館時エピソード、長谷川町子美術館のグッズに対する想いなど。すべてのグッズに、グッズの数だけストーリーがあるのですね。各館の特色が反映されていて、グッズには館の魅力が詰まっているのがわかります。つまり、ただの面白グッズ紹介本ではないのです。
  
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そうは言っても面白いグッズたくさんありますね。埴輪発掘できるクッキー、刀剣マステホルダーとか。冒頭にミュージアムグッズと言うマニアックな世界、と書いては見たのものの、実は子供の頃博物館や水族館に行って、帰りに記念に買って貰ったと言う思い出は多くの人があるのではないかと。かなりの人の心にミュージアムグッズはある!そう言う意味ではかなり裾野は広い層向けの本だと思います。
 
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遊びに行った時の思い出。そんな形の無い思い出を、後に再生することができるのが形があり、残っていくグッズですよね。こだわりのグッズ達。ナニコレ!?と言うもの、凄い!と言うもの、多種多様なグッズ。ミュージアムグッズのチカラ!
  

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ドラえもん1コマ拡大鑑賞展

ドラえもん1コマ拡大鑑賞展
https://www.1101.com/hobonichiyobi/exhibition/3946.html
ほぼ日曜日(渋谷PARCO8階) 入場無料
2021/3/1-4/18 11:00〜20:00
 
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ドラえもん、日本人で知らない人はいないですよね?、と言うくらい有名な、藤子・F・不二雄先生が描く漫画です。出てくるキャラクターに関してもほとんどの人がドラえもんやのび太をひと目で把握できるのではないでしょうか。
 
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お父さんもお母さんも、男の子も女の子も、誰もが知っていると言う幅の広さ、本当にすごいですよね。年代によっての差もなく、男女の差もない、そんな漫画他にないのでは?その国民的人気漫画を1コマだけ取り出して観てみようと言うのがこの展覧会。タイトルどおりなもの。そして、なんと、入場無料で撮影可能の展示です。
 
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つまり、一つの絵としての完成度や構図の素晴らしさ、もしくはそれだけで背景や心情が分かるようなコマの絵として楽しもうと言うことですね。一コマを細かく大きな絵で見ることで新たな発見があります。「ハクション」の模様がこんなだったなんて、普通に漫画を読んでるだけだとまず気がつきません。
  
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今回、小学館さんの内覧会に参加させていただきました。並んでいる1コマの絵たちは確かにすごいはすごいのですが、そのすごさの種類がいろいろあるのがわかります。ただ表現力や技術がすごいだけではなく、風景画としてすごい、心情を表すものとして凄い、描き込みが凄い。そして一つの絵として成り立っているのがすごいな、と。こう言う視点で漫画のコマをあまりみたことがなかったです。
 
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原画を高解像度で拡大しているので、筆跡やホワイトなどのリアルさが分かります。そう、これ、印刷された漫画になってしまうとこの痕跡は分からなくなるのですよね。近くで見たくなったでしょう?拡大図をちょっと見せますね。
 
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髪の毛などもこうやって細かく描いているのです。あの小さなコマの中でこれだけ細かく描くとは!そして主要キャラはなるべくスクリーントーンは使わないと言う話も聞きました。キャラクターが描かれるスケールが変わると、スクリーントーンだとスケールを合わせられないので、メインのキャラクターは手書きで模様を描き、その時その時のスケールに合わせているのだと!こだわり!
  
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この絵は構図がすごかった。誰もいない街にのび太が一人。道の奥にキリコが描くマネキンが居いてもおかしくないですよ。それくらい不思議な空間に見えました。静けさの表現とリアルなのに現実味がない世界観がとにかくすごい。あと、この影も描いてますねー。
 
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構図もすごければ、描き込みもすごい、といえばこの絵。ポツンとした二人を主人公なのに小さく端の方に描くことで月面の広がりがわかります。月面の表現、空間の広がり、下手すると空気がないことすら絵として表現できているのではないかと思います。この構図はとても好き。
 
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THE GENGA ART OF DORAEMON ドラえもん拡大原画美術館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09199069
 
さて、この展覧会のきっかけになったのはこちらの本『THE GENGA ART OF DORAEMON ドラえもん拡大原画美術館』。漫画のストーリーの一部ではなく、一つの絵としてじっくり1コマを見てみましょうと言う発想で作られた本です。一つ一つのコマをじっくりと細かいところまで見るとここまで見方が変わるのか!と言うことに気づかされます。ここから今回の展覧会が生まれたのですね。美術ファンとしては橋本麻里さんが参加しているのも注目です。美術品とドラえもんの共通点などもあります!
 
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展覧会会場のセレクトショップもあります。ドラえもんグッズ、まぁ、こちらは文句なしにいろいろ面白いものがありますよね。ほぼ日手帳もドラえもんの手帳カバーなど出しています。
 
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そして今回の展覧会用のグッズもあり、サコッシュや絵柄、カラー、サイズを選べるセミオーダーTシャツやなどもカッコイイ。そして、この展覧会ならではのオリジナルグッズとして「1コマ拡大ポスター」。私は月面の図柄をゲット!これを額に入れると展覧会再現ができますね。
 
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オンラインショップ
https://www.1101.com/store/doraemon_museumshop/index.html
 
これらはオンラインショップもありますので、展覧会に行けない人、後でゆっくり選びたい人などは展覧会公式ページをチェックです。
 
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なんと、オリジナルドーナツも販売。ドラえもん、のび太、しずかちゃんをそれぞれイメージした味があります。東京は永田町駅近くのドーナツ屋さん「HOCUS POCUS」とのコラボドーナツです。
 
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HOCUS POCUS
https://hocuspocus.jp
 
上の写真はしずかちゃんドーナツ。さつまいもの入ったシナモンの香りがするふわっとした食感の生地。桜味のホワイトチェコがかかっていました。
  
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川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
http://fujiko-museum.com
 
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムオンラインショップ
https://www.movic.jp/shop/pages/fujiko-museum.aspx
 
そして拡大ではなく藤子・F・不二雄先生の描いた生の原画が観たい!と言う人へのおすすめとして、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムならいつでも「ドラえもん」はもちろん「オバケのQ太郎」「パーマン」「キテレツ大百科」のキャラたちにも会えます。そして今回の展覧会とミュージアムの連動企画『ミュージアムに行って、このコマを探そう!』に参加するとプレンゼントがもらえるとのこと。オンラインショップもあります。
 
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渋谷PARCO-パルコ-
https://shibuya.parco.jp
 
会場のある渋谷パルコはご飯どころとしてもオススメ。地下1階のカオスキッチン(このフロアの環境デザイン設計はなんと建築家の藤本壮介!)には「はまの屋パーラー」、「グッドラックカリー」、「うどん おにやんま」などカジュアルで美味しいお店が多く入ってました。緊急事態宣言も開けそうですし、春の陽気にお散歩オススメです。

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ショーン・タンの世界展

ショーン・タンの世界展
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/91789/
ちひろ美術館・東京
5/11-7/28
 
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ショーン・タン、文字が一切無い絵本『アライバル』などが有名な絵本作家さんです。また『ロスト・シング』という絵本作品はご本人が参加して短編アニメーション作品も作成。それでアカデミー短編アニメーション賞を受賞しているので、それで知っている人も居るかも。展覧会では原画の展示、立体作品、インタビューや『ロスト・シング』の映像などの展示がありました。
 
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原画は鉛筆や油絵など多彩な技法で描かれています。それぞれの作品に最も合う表現としての技法。名作『アライバル』を創り上げていく経過が展示内容にあるのですが、技法の学び、その移り変わり、実験やサンプル作成、そんな試行錯誤がされているのがわかります。一つの作品にどれだけしっかりと時間をかけ、真面目に取り組んででいるか。どこにもやっつけ仕事が無い、丁寧な作り方だというのが伝わってくる展示内容でした。
 
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絵本の作家だからほんわかしてるのかと思ったら、決して気ままに描いてるのではなくとても緻密に計算されている部分もあり。でも、その発想は自由なんです。作家曰く、それらは描くことから生まれてくると言う。とにかく描く。描いているうちにその線が意味や形を持ってくる。
 
普段の景色や旅先の景色を油絵で描いた小さな作品がありましたが、それも良かった。こういう普段の身の回りの世界からあのどこでもない、でもどこにでもある、そんな不思議な世界観が生まれて来るのですね。日本の浮世絵や漫画などにも影響を受けているとのこと。
 
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ショーン・タンの世界観、その自由さは子ども目線でもあります。ただそこには大人しかわからない悩みもあり、シニカルで、でも救いもある。最新作『内なる町から来た話』(邦訳仮題)に出てくる熊の裁判の話はラストがとてもアイロニカルでした……。
 
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本当にこの人の頭の中どうなってるの?という様な素晴らしいアイデア達、そこから生み出される不思議な世界観がたまらない、必見の展覧会でした。図録には作家のインタビューも載っています(会場にはその一部の映像が流れていました)。更に作家からのメッセージドローイングの複製付き!これは買ってしまいますね……。
 

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「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展
八王子市夢美術館
7/13-9/2
 
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ナンセンス絵本で大人のファンも多いエドワード・ゴーリー。絵本と言うと一般的にはほんわかしたものが多い中、残酷でダークな世界観のゴーリーの絵本は世界中に熱心なファンを生み出しています。そのゴーリーの展覧会が日本で実施されるのをはじめに聞いたのは2015年とか2016年くらいだったでしょうか。2016年に大阪から始まり日本各地を巡回して東京に来るのをずっと待っていました。
 
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ゴーリーの描くモノクロで精細なペン画。表紙のタイトルや本文の文字なども本人が描いているものも多いです。謎かけのような文章、韻を踏んだ言葉たち、ABC順で展開される残酷な物語、ミステリー的な世界などとにかく独自な世界。絵が独特で、この世の物でないような生き物たちが活躍する物語はムーミンの作者トーベ・ヤンソンや、映画監督のティム・バートンもゴーリーファンだということに納得します。
 
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代表作でもある『うろんな客』という物語に出てくるマフラーを付けキャンバスシューズを履いた変な生き物などは謎を通り越して可愛く思えてしまいます。シュールなエンディングを迎える『優雅に叱責する自転車』、ABC順でただただ子どもが死んでいく『ギャシュリークラムのちびっ子たち または 遠出のあとで』など不思議な物語魅力にはまってしまいます。ゴーリー本人が困った時は「アルファベット・ブック」と言っていたようにABCで順を追って話が進んでいく話は幾つかあります。
 
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舞台も好きで、ブロードウェイの舞台『ドラキュラ』のセットと衣装デザインを担当。他にも様々なポスターデザインや、ギルバート&サリバンの喜歌劇「ミカド」の衣装デザイン画の展示もありました。
 
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そして、小さな子どもも本の中では何人も殺しているのに、猫だけは殺していないゴーリー。実際に6匹の猫と一緒に暮らしていた愛猫家だったとのこと。ミュージカル「キャッツ」の原作である詩人T.S.エリオットのテキスト『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』の挿絵なども手がけているようです。挿絵と言えばナンセンス詩人であるエドワード・リアのテキストに挿絵をつけた『ジャンブリーズ』『輝ける鼻のどんぐ』も必見。
 
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東京展は終了してしまいましたが、次は来年2019年1月19日から3月10日まで新潟市新津美術館で巡回されるようです。その後もまだ巡回されるのでしょうか?巡回情報は以下のWEBに出ています。
 
「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展」巡回情報更新!& MOE特別編集「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」発売中!
 

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ビーマイベイビー 信藤三雄 レトロスペクティブ/コレクション展「新収蔵・北杜夫コレクションを中心に」

ビーマイベイビー 信藤三雄 レトロスペクティブ
世田谷文学館
7/14-9/17
 
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信藤三雄、レコードやCDジャケットのデザインで有名なデザイナーさんです。入口に有名な方々からのお花が……。
 
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松任谷由実、サザンオールスターズなどからピッチカートファイブ、フリッパーズギター、ミスターチルドレン、MISIA、さらには最近のAKB48まで様々なアーティストのジャケットデザインやポスターなどを手がけた人。
 
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80年代から最近までのアートワークがここぞとばかりに並ぶ会場は、もう、懐かしかったり、思い出が蘇ったり、大変でした、笑。
 
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展示会場デザインは遠藤治郎。コンサートの舞台美術などを手がけている方です。
 
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女優の夏帆を取り上げたポスターもいい感じです。
 
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会場内でピッチカートファイブやコーネリアス、UA、YEN TOWN BAND、ブランキジェットシティなどのポスターを観るたびにあの頃何をしていたか、甘い出来事やほろ苦い恋などが思い出されるのですよね。
 
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音楽と記憶って、何か結びついてますよね。曲を聴くと思い出す、あの何か。それと密接に結びついているジャケットデザイン。
 
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あの子はこのバンド好きだったなぁ、とか。カラオケで良く歌ってたなぁ、とか。アルバムの貸し借りしたなぁ、とか。
 
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いまトピの言うメディアでこの展覧会に関するコラムを書かせていただきました。こちらも参考に。
 ↓
東京は夜の七時で真夜中のマシンガンで笑って咲く花になろうよ「BE MY BABY 信藤三雄 レトロスペクティブ」
 
AKB48や夢見るアドレセンスなど、現在のアイドルなども手がけているのも凄いな、と思います。ただ、今のデータ配信時代になっている世の中、こう言うデザインと曲と思い出が結びつく事は少し弱まってしまうのですかね?
 
 
 
コレクション展「新収蔵・北杜夫コレクションを中心に」
世田谷文学館
4/28-9/17
 
北杜夫の原稿、そして北杜夫の父、齋藤茂吉関連の資料を展示してありました。ムットーニコーナーに新しい作品が追加されたということで、見て行きたかったけど、時間が会わず断念。次に来た時は観たいです。
 

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全アートファン必見!『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?(ついに来週発売!)

アートブログの第一人者ともいえる青い日記帳 Takさんの著書『いちばんやさしい美術鑑賞』が来週!発売になります。書店では8月8日の発売だそうです。お店によっては配本が8月6日からだという事で予約していれば6日や7日位にフラゲできる所もあるかもしれませんね。
 
 
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先日、ブロガー有志でこの本の著者、青い日記帳のタケさん及び筑摩書房の編集者 大山さんにインタビューをしてきました。中身についてのレビューは本を入手後にじっくり読んでから書こうと思いますが、まずはインタビューの情報などを含めながら事前にどんな本なのか簡単にご紹介したいと思います。
 
アートブログ 青い日記帳←ご存知タケさんのブログ
 
 
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さて、この本がどのような本かと言うと……
 
美術の専門家が書いた美術の解説本ではありません。これは 「素人による素人のための指南書」。様々なジャンルから15作品を選んで、それぞれの見かたに関するヒントを教えてくれます。ここ大事です、作品の「解説」ではなく「見かた」なんです。
 
「見かた」と言っても、こう見なさい!という一方通行のものではなく、あくまでも鑑賞術としてヒントを投げかけてくれています。その見かたを採用するも、そこから発想して別の見かたをするのも読む側の自由。例などを分かりやすく挙げて、一歩踏み込むきっかけをつくってくれています。
 
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インタビュー時に見せて頂いた表紙や帯の刷り見本
 
食わず嫌いだった筍もこう言う漬物があるよ、と教えてもらって食べたら美味しかったとか。キライな茄子もこう味付けなら大丈夫かも?とヒントを貰って、料理してみたら美味しかったとか。そういう経験ありませんか?まぁ、それでも、私は茄子は食べませんけど。
 
話を戻して。そうは言いつつも各作品について書いているうちに、どうしても説明が増えてしまう時もあったそうです。そう言う時に編集者 大山さんは「美術の専門家が書くような内容は書かなくても良い!」とバッサリと切り捨てていく時もあったとか。
 
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表紙の刷り見本
 
この「美術の専門家が書くような内容は書かなくても良い!」と言うのは何度も編集者 大山さんが言っていた言葉です。学者ではなく、ライターではなく、アートが好きな人が書く本が欲しかったと言っていました。
 
もちろん知識を伝える本にその役割があり意味合いがある。ただ、一アートファンとして見かたを伝える本にもその役割がある。もっと美術に気軽に接するための本があっても良いのでは無いか!と言う考えで作られた本、それがこの『いちばんやさしい美術鑑賞』なんですね。
 
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この本がきっかけになって、美術を見る良さを語り合ってほしい。新書であるこの本、美術コーナーで無いところにあるこの本が、多くの人の目に触れ、様々な人に手にとってもらえると嬉しい。と編集者の大山様は言います。
 
まずはわからなくても良い、わからなかったら調べればいい。そしてそこから一歩踏み出していくのが大事。この本が1つのきっかけになって、自分の見かたをみつけて、美術が少しでも面白いと思ったら絵の前に立って欲しい。と著者の青い日記帳のタケさんは言います。
 
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この本では西洋美術から7作品、日本美術から8作品、それぞれ絵画から立体物まで。それも日本で見ることが出来る作品を取り上げています。この、実際に日本で見ることが出来る作品が取り上げられているというのもイイですよね。
 
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帯の刷り見本(取り上げている作品の幾つかが判りますね)
 
アートファンだからこそ書けた本だと思います。展覧会を観る楽しみを伝えたい、美術の良い所を皆に知って欲しい、一人でも多くの人に美術展へ足を運んで欲しい、そんな青い日記帳のタケさんのスタンスが表に出ている本だと思います。批評や批判書ではない、良いところを伝えるこの読後感の良さ。だからこそ美術館に行きたいと思わせる、そんな本です。
 
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展覧会は面白い!あと一歩踏み込むとさらに面白い。美術に詳しい人にもネタになる。幅も広がる。
 
はい、これは全アートファン必見です!
 
一緒にインタビューをしたかるびさんが詳細のインタビュー記事を書いています。詳しくは是非こちらを見てください!
ブログ「青い日記帳」Takさんにいろいろインタビューしてみた!~新書『いちばんやさしい美術鑑賞』出版によせて~(前編)
 
なお、先日この本の出版を記念したパーティーの案内をこのブログでもさせて頂きました。そのパーティーはあっという間に満席となってしまいましたが、他にもこの本の出版記念トークがあるようです。それも青い日記帳のタケさんと6次元のナカムラクニオさんのトークなんです。これはもうすぐ埋まっちゃうかな?
 
 
噂によるともう一つ決まっているとの事。まだ公表はされていませんが8月の最後の方、水曜日くらいですかね、そこら辺で都内でトークショーがあるようです。また詳細は決まったらタケさんのホームページやツイッターで発表されるかもしれませんね。
 
アートブログ 青い日記帳
 
要チェックです!

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青い日記帳のTakさん著『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティを行います!

【下記のイベントは好評により満席となりました。】
お申込み頂いた皆様、情報を拡散して頂いた皆様、参加は出来ないけどお祝いの気持ちを頂いた皆様、ありがとうございます。イベントには既に申し込みは出来ませんが、皆様Takさんの新書の発売をお待ち下さい。宜しくお願いします。
 
有名アートブログ「青い日記帳」のTakさんの著作『いちばんやさしい美術鑑賞』(ちくま新書)が発売されます!
 
そしてその発売のお祝いに友人たちで出版記念パーティを開催しようと言うことになりましたのでそのご案内です。このパーティ、私も不詳ながらもお手伝いさせて頂いてます。友人たちで主催する敷居の低い会でありますので、Takさんを祝うため、Takさんの知り合いはもとよりブログやツイートを見たことある方など、是非、皆さま気軽に参加お待ちしております。
 
 
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『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティ
日時:8月11日(土/祝)18時~20時(受付17時40分から)
場所:ムロマチカフェハチ(muromachi cafe hachi)
 (新日本橋駅4番出口直結、三越前駅約4分、神田駅徒歩約5分)
会費:5000円
 
↓参加申し込み:こちらよりお願いします(8月7日締め切り)
『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティ 出席エントリー
 
ご存知Takさんのブログ
「弐代目・青い日記帳」
 
 
そしてTakさんの書いた本『いちばんやさしい美術鑑賞』は筑摩書房から8月6日の発売です。
 
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著:青い日記帳
 
私は早速本屋さんで予約しました。簡単にTakさんから話を聞いていますが今回の本は有名なアート作品を幾つか取り上げ、その見方や面白さを解説するといったものの様です。
 
美術を見始めた人がとりあえず指南書として手に取るに相応しいものになっているようです。ただ、私みたいにアートファンを長くやっているものの、特に美術の教育を受けておらず、なんとなく見ていた人間にとっても色々な発見がありそうです。知っている知識の再確認にもなりますしね。
 
アートファン初級から中上級くらいまで、もしくは美術にビジネスとして関わっている人向けへの「やさしい教科書」の様な本になるのでは無いでしょうか?これは出版されたら改めて読んでレビューしたいと思います。
 
 
さて、8月11日の出版記念パーティですが、この本の内容の紹介以外にも裏話などが(多分)飛び出すTakさんのトークなども検討されています。そして、そのトークのお相手としてはなんと、三菱一号館美術館 高橋明也館長の名前があがっています。3年ほど前に高橋館長は同じくちくま新書で『美術館の舞台裏: 魅せる展覧会を作るには』と言う本を出しています。これは楽しみです。
 
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著:高橋 明也
 
三菱一号館美術館
 
 
そして、Takさんと言えばフェルメール!そう、今年はフェルメールが8点も日本に来るというとんでもない展覧会が開催されますよね。
 
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フェルメール展
 
たぶん、この展覧会の話も出るはずですよ!出ますよね!?今段階ではまだどのフェルメール作品がくるのか4作品しか発表されていません。この出版記念パーティの段階では8点全て発表されているはず。
 
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そうそう、以前もTakさんが関わる本の出版記念パーティーやりました。2012年、もう6年ほど前です。そのときの本が『フェルメールへの招待』でした。
 
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監修に國學院大学の小池寿子先生、そしてフェルメール30作の解説と全体の編集をTakさんが担当された本です。今年のフェルメール展の予習に必読です。
 
この6年の間にTakさんは『カフェのある美術館』の監修、『美術展の手帖』の編集などにも関わっています。
 
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監修:青い日記帳
 
 
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編集:青い日記帳
 
Takさんが今まで関わった本では自分で文章を書いた物もありましたが監修や編集などといった役割が多かったです。今回はTakさんが自分ですべて文章を書いた著作となります。今までのブロガー暦の集大成とも言えるのでは無いかと思います。
 
また、ツイッターをやっている方、現在タケさんのアカウントで今回の本の編集者やタケさん自身に聞きたい事などを募集しています。タケさんをフォローしている人は是非に質問などしてみてください。
 
出版記念パーティ、本当にTakさんの知り合いが沢山集まって祝う会にしたいと思っております。気軽に参加していただきたいと思っております(なお、カジュアルな会なので服装は何でも大丈夫!)。
 
↓参加申し込み:こちらよりお願いします(8月7日締め切り)
『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティ 出席エントリー
 
楽しい会になるとおもいます。みなさんぜひ来て下さい!
 
 
【パーティ概要】
 
『いちばんやさしい美術鑑賞』出版記念パーティ
日時:8月11日(土/祝)18時~20時(受付17時40分から)
場所:ムロマチカフェハチ(muromachi cafe hachi)
 (新日本橋駅4番出口直結、三越前駅約4分、神田駅徒歩約5分)
会費:5000円
 
 
【関連サイト】
 
 
 
 
 
 

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ブルーノ・ムナーリ展/抽象の悦び/百花繚乱、そして葉山女子旅きっぷ

葉山女子旅きっぷと言うものを使って神奈川県立近代美術館 葉山に行ってきました。この切符お得でいいです。女子旅なのに男性でも使えます、笑。このチケットは今度いまトピの方でレビューしようかと思っております。
 
神奈川県立近代美術館 葉山で観た展覧会は「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」とコレクション展の「抽象の悦び」。後は近くの山口蓬春記念館「百花繚乱 ― 山口蓬春の心を魅了した花鳥の世界 ―」を見ました。葉山あたりを小旅行気分でぶらぶらしたのも楽しかったです。
 
 
 
ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
神奈川県立近代美術館 葉山
4/7-6/10
 
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さて、ムナーリ展とても面白かったです。ムナーリ関連の展示で以前まとまってみたのは2007年の板橋区立美術館でのこと。この時は駒形克己さんが図録を手がけたりしていて良かったなぁ。
 
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ブルーノ・ムナーリ祭状態で、もう、まとまらない私
 
久々に見たムナーリは本当に良かったです。はじめは未来派の画家としてのムナーリ。そして「役に立たない機械」などの作品。後半に絵本などの展示と言う構成でした。
 
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ブルーノ ムナーリ (著)、谷川 俊太郎(翻訳)
 
とにかくアイデアあふれる人です。持ち運べる折りたたみ彫刻、コピー機を使った作品、家具やプロダクトのデザイナーとしての活躍、そして様々なユーモアたっぷりの絵本など本当に無限に産まれ出てくるアイデアたち。
 
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「闇の夜に」(amazonより)
ブルーノ ムナーリ (著)、藤本和子(翻訳)
 
センスのある絵本やアイデア溢れる本ばかりです。本が好きな人、本を作る人、本だけでなく何かを作る人、そんな人たちすべてに見て欲しい展覧会です。
 
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そういえば世田谷美術館で11月17日から「ブルーノ・ムナーリ 役に立たない機械をつくった男」と言う展覧会が始まるんだけどこれはタイトルが違うけどこの展覧会の巡回展なんですね。
 
 
 
コレクション展「抽象の悦び」
神奈川県立近代美術館 葉山
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併催のコレクション展。抽象系の絵画は掴みにくい感じです。イサム・ノグチの彫刻もありましたね。後半にあった新収蔵品の砂澤ビッキ作品が面白かったな。
 
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この館に来ると中庭にあるイサム・ノグチ「こけし」を撮影したくなります。閉館となった神奈川県立近代美術館 鎌倉館の中庭にあったやつです。葉山館の方に来てめっきり明るい空間に設置されましたが、来館者の人気者なのは相変わらずで、この空間にすっかり馴染んでいました。
 
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それとは対照的に同じく鎌倉館から来たゴームリーの彫刻は控えめに裏の庭へと続く道を眺めていました。
 
 
 
百花繚乱 ― 山口蓬春の心を魅了した花鳥の世界 ―
山口蓬春記念館
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近代美術館のすぐ近くに山口蓬春の記念館があったの知りませんでした。山口蓬春が実際にすんだ家を記念館として使っているようで、この写真の左側のエリアは建築家の吉田五十八が設計した画室になっています。それ程大きくない部屋を3部屋展示室として使っていますが、別館のほうではセルフサービスの喫茶コーナーがありますので入館料600円でゆっくり時間を過ごすには良いですね(近代美術館のカフェが混んでいるときなどに)。
 
 
 
さて、先にも書いたように今回は京急のお得な切符「葉山女子旅きっぷ」と言うのを使いました。細かい葉山レポはいまトピの方に書くつもりですのでこちらでは簡単に。
 
葉山女子旅きっぷ | おトクなきっぷ
 
この切符は電車の乗車券+葉山周辺エリアのバスフリー乗車券、選べるごはん券、選べるおみやげ券のセットで3,000円(品川から)です。ランチで2000円前後、おみやげで1000円前後なのでそれだけでお得です。そして「女子旅」きっぷなのに男性でも使えるということ、笑!
 
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という事でせっかくなので葉山をぶらぶらしました。森戸海岸の近くでごはんをして森戸神社にお参り。この神社、恋愛成就などに効くようで、だからかこの女子旅きっぷを持った女子が沢山居ました。途中のバスでもみんなこの切符持っていましたね。流行っているのかな?
 
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有名な肉屋さんのコロッケとチャーシューをお得な切符のおみやげにしました。これは美味かった!
 
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他にも蔵をつかって宿泊施設をつくるプロジェクトを覗いてみたり。
 
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森戸海岸から一色海岸まで歩く途中にマウントレーニアのCMで使われたバス停を発見したり。
 
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建築展で見たことのある葉山Window house(道路挟んだ住居側から海が見えるように窓を大きく作った家)も見つけました。
 
葉山 Window House(吉村靖孝建築設計事務所)
 
バスは乗り放題でしたが、せっかくの海なので歩くと色々楽しいです。
 
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昼の森戸海岸からは富士山は見ること出来ませんでしたが、帰りのバスの窓からは江ノ島と富士山の頭の方のシルエットが見えて、なんか嬉しかったです。
 
 

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猫思考 自由に生きるためにやらニャいことAtoZ

以前、この本の著者のナカムラクニオさんが「やらないことリスト」を配布するワークショップをやっていたのを知って、「やらない」って良いなぁと思ってました。それがこんな形で本になるのとは!
 
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著:ナカムラ クニオ、出版社:ホーム社
 
世の中にはToDoリストは山ほど溢れているけど、この断捨離時代、確かに「やらないこと」を決めておくのは大事かもしれません。でもね、正直○○リストを作りましょうって指南本みたいなのって沢山あって、まぁ、そういうのの中からこれを選んで、それもわざわざ紙の本として手に取るのってなかなかハードル高い気がしますよね。
 
ただ、はい、こう来たか、と。
 
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でした。確かに、はい、確かにです。
 
ただただ猫人気に便乗と言うのでなくて。はい。猫って憧れなんですよね。ほら、会社に出かけなくてはいけないというのに、ねこが陽だまりの中で寝ているのを見て「あー、ネコはいいなぁ」とか「ネコになりたいなぁ」って思ったことありますよね。私は何度もあります。はい、そう言うネコの姿勢を見ていたら自動的に「やらないことリスト」へと繋がっていた、とそんな具合でしょうか?
 
そしてネコの写真集として確立できそうな、ネコの態度の見本としても使えそうなそんな写真をばかりの本を出しておきながら……後半は小説展開をするという仕掛けまで取り入れています。
 
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※画像はイメージです。本に使用されているものではありません。
 
ネタバレしてしまうと、後半の小説に前半の要素がほぼ入っているので、後半を読めばほぼからくりがわかるのですよね。実は後半が大事だったんじゃないの?と言う感じです。ま、小説とかだと頭に入りにくい人もいるだろうし、なんと言ってもネコの写真の説得力ですよね、前半の魅力は。
 
さて、途中途中にある「やらないことリスト」をチェックしつつ読んでいくことになるのです。が、「やらない」と言う判断って結構大変なんですよね。読んでいくと、リストに誘導される流れに沿っていくことと、「やらない」を自分で決められる意志というのがどうも徐々に食い違ってきます。
 
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※画像はイメージです。本に使用されているものではありません。
 
そのモヤモヤが最後に書いてあるナカムラさんの言葉を見てすっきりします。
 
大事なことはやらないことリストに束縛されないこと
 
そうそう、そうなんですよね。結局決めるのも行動するのも自分なので、やらない事も大事だけどそれに固執してしまったり、ルールとして縛りつけてしまっては意味が無いのですよね。なぜ「やらない」のか、「やらない」ことでどうなるのか、どうしていくのかそれを「考える」ことが大事なんだろうな、と思いました。
 
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※画像はイメージです。本に使用されているものではありません。
 
おそらくこの本の中で、私にとっては自分の中の優先順位を「考える」ということが一番大事。
 
そして自分のなかのその理由をハッキリ掴むことが大事。その上でやらないということを「決める」ことが大事。
 
でも、その優先順位と理由と判断によっては最終的には「やっても」いいのだと思う。そこは柔軟に。その自分の中の指針を掴むことが出来れば。
 
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※画像はイメージです。本に使用されているものではありません。
 
でも、それをあのグータラ寝ているだけの猫に教えられるとはなぁ、笑。
 

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「国宝応援プロジェクト」先陣を切って週刊ニッポンの国宝100の創刊号発売!

昨日、9月5日創刊号発売の『週刊ニッポンの国宝100』、創刊号の付録鳥獣戯画トラベルケースが欲しくて2つ入手してしまいました……。これで500円(創刊号限定)はイイですよ……
 
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週刊ニッポンの国宝100
 
 
先日「国宝応援プロジェクト」と言うものが発表されました。小学館、東海旅客鉄道、日清食品、日本出版販売が参加しています。応援大使は、はなさんです。
 
国宝応援プロジェクト(Facebook)
 
 
JR東海のコンテンツはなんと国宝新幹線!団体専用の新幹線で山下裕二先生と井浦新さんの車内国宝解説アナウンスなどがあるファンにはたまらないものですね。他にも国宝展と絡めたツアーなど。内覧会に入れるツアーなどもあるのですね。
 
JR東海「国宝新幹線」運行決定
 
「国宝新幹線」アナウンス収録メーキング
 
 
日清食品が火焔土器型のカップヌードルクッカー!和樂とのコラボでつくるそうです。いやー、これは……本気だ、欲しい。一番国宝と関係無さそうなメーカーですが、実は一番気になるコラボですよね、笑。
 
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日本出版販売は国宝検定。初級は小学館の『週刊ニッポンの国宝100』の内容から8割出題されるとの事。
 
国宝検定
 
 
小学館は『週刊ニッポンの国宝100』の刊行。全50巻。1巻で2つの国宝を紹介するので全部で100の国宝を紹介する全集のようなものになります。また、国宝応援団と言うTwitterアカウント(@kokuhou_project)も発足されています。
 
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週刊ニッポンの国宝100
 
 
そして仏像女子でもある、はなさんが応援大使です(大事なことだから二度言いました)。
 
 
「国宝応援プロジェクト」発足
 
 
今年は京都博物館の国宝展が開催されますし、茶の湯展やこれからの運慶展なども含めて日本美術好きにとっては国宝ザクザクでかなり嬉しい一年なんですよね。
 
開館120周年記念 特別展覧会 国宝 | 京都国立博物館
 
特別展「運慶」
 
 
 
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この国宝応援プロジェクトの先陣を切って昨日発売された『週刊ニッポンの国宝100』の創刊号を早速買ってきました。先にも書いたように付録のトラベルケースがかなりいい出来です。中にも鳥獣戯画のイラストが印刷されています。これで創刊号500円。まぁ、創刊号は安くしてその後は急に高くするのかと思ってたら2号以降でも630円。こんなにカラー写真のページ使っててこの値段で大丈夫でしょうか?と心配になってきます。
 
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内容に関してもかなり充実しています。創刊号は「国宝二大スーパースター 阿修羅/風神雷神図屛風」。国宝の一部を原寸で紹介したり、世界の名宝と比較したりしています。国宝界のイケメンアイドル阿修羅に至ってはダビデ像と比べられ、顔面3面比較され、CTスキャン撮られています。さらには腕フェチな人が居たのでしょうか、笑?国宝解体新書とした腕特集のようなページがかなり気合入っています。
 
他にも国宝を観に行く旅や京都や奈良のお寺へのアクセスなど「旅」に焦点を当てたページがあったり、後は地味ーに有り難いのが表紙裏にある「今週見られる国宝」。どこかの美術館や博物館、企画展で今見ることが可能な国宝を紹介しています。
 
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これから将来国宝にしたい作品の紹介をする「明日の国宝」や個人的に思い入れのあるものを紹介する「MY国宝」(ツイッターで #MY国宝 で既につぶやき広がっています)などの企画もあるようです、楽しみ楽しみ。
 
今後も2号「東大寺 金剛力士立像/松林図屏風」、3号「燕子花図屛風/金印」……と続きます。個人的には18号の「紅白梅図屛風/舟橋蒔絵硯箱」が気になるなぁ。これで日本美術に興味を持つ人が増えるといいなぁ。百貨店の展覧会でも昔はモネとかルノワールとかセザンヌとかの展示の方が入ったそうなんですよ。最近はそれよりも琳派とか若冲とか日本美術の展示が混む様になっていると言う話も聞いたことがあります。
 
「週刊ニッポンの国宝100」創刊号CM
 
ただ、それでもまだ日本美術とか国宝とか言うと難しいと思う人もいるかもしれないですが、個人的には難しいことが判らなくても圧倒推される何か、それが迫力だったり美しさだったりしますが、それを持っているのが国宝だったりするのですよね。もちろん本当に難しいところに価値があるタイプの国宝もありますけど。
 
なので、今まであまり日本美術に触れてこなかった、歴史をあまり知らない、そういう人にとって国宝から触れていくというのはありだと思っています。大丈夫、そこから入って、もう一度国宝を観に行くとさらに深い面が見えてきて、さらに深い沼に入り込むことに……、いえいえ、とりあえず凄いもの見に行こう!感じで京都の国宝展行かねばですね。
 
 
 

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