建築・インテリア

2021年の展覧会、今年の10本

今年見た展覧会の、私的によかったもの10本!毎年恒例で一年を振り返ってみたいと思います。
 
今年もコロナの影響が色濃かった年です。中止や会期短縮になった展覧会も多くありました。作品は会場に並んでいるのに見ることができない……私たちも残念ですが、作り上げる側の無念さは計り知れないです。
 
事前予約が必要な展覧会も増えました。仕事の関係上、予定がつきにくい私としては、空き時間でふらっと展覧会に行く事が多かったのです。結果、予約が取れず行けなかった展覧会もありました。
 
来場者減、コロナ対策などの影響もあってかチケット代が2000円を超える様な展覧会も少なくはありませんでした。予算の都合もあり、高額なものは見に行くのを絞らざるを得ないという本音もあります。
 
そんなこんなで展覧会を見る本数も減りました。そんな中での今年の10本です。※去年までの「今年の10本」のリンクは一番下に貼っておきます。
 
まずはいつもどおり今年の10本、基本的には順位はつけず、見た順番で古いところから書いていきます。
 
 
【今年の10本】
 
阪本トクロウ|デイリーライブス
武蔵野市立吉祥寺美術館 2021/1/9-2/28
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/02/post-109ffe.html
 
吉祥寺美術館は規模としては小さな箱ではありますが、だから一つ一つをじっくり見る事ができて、それがトクロウさんの絵の鑑賞方法にハマっていた感じがあります。年明けに、そしてこんな時期だからこそ、見ていて安心する、どこかで見た事がある、でも視点が新しい、そんな景色を欲しているのかもしれません。 
 
 
冨安由真展|漂泊する幻影
KAAT EXHIBITION 2021/1/14-1/31
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/01/post-c115c3.html
 
印象にとにかく残る展示でした。いろいろな仕掛けがハマっています。正直、資生堂ギャラリーの時は好きな展示なんだけどお化け屋敷の流れでで今後どこまでいけるのか、と言う勝手な心配をしたものですが、この前のいちはらアートミックスの展示などを見ても、スマートながらも印象的なものを残す展示が良かったので、アートフェス系などでこれからひっぱりだこになるのではないかと?
 
 
千葉正也個展
東京オペラシティアートギャラリー 2021/1/16-3/21
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/02/post-a05b89.html
 
アイデアが面白いのはもちろんですが、それを展覧会にするときの手を抜かないその完成度にもびっくりしました。亀が見るための絵画展示。それを見る私たち。亀を見る私たち。私たちを見るカメラ。あれ、亀とカメラは駄洒落で繋がっている?まぁ、とにかく、これなんだろう?と思ってそれが亀の通路だと分かって、それを見せられていたのかと分かった時の衝撃はなかった……。
 
 
複製芸術家 小村雪岱 ~装幀と挿絵に見る二つの精華~
日比谷図書文化館 2021/1/22-3/23
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/02/post-b7dfcf.html
 
日比谷図書文化館と三井記念美術館が小村雪岱展を開催。二つとも満足な展覧会でした。個人的にはごちゃっとした図書文化館の展示が好きでしたのでこちらをあげていますが、二つで一つの展覧会として見ても面白いです。 
 
 
電線絵画展-小林清親から山口晃まで-
練馬区立美術館 2021/2/28-4/18
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/03/post-db83b5.html
 
なかなか企画が面白い展覧会でした。今年あちこちで見た新版画もあったし、それを描くか描かないか、と言う画家の差が面白い。ミスター電線風景、朝井閑右衛門はヤバかった。現代アートもあってとにかく楽しく見る事ができた展覧会です。
 
 
澤田知子 狐の嫁いり
東京都写真美術館 2021/3/2-5/9
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/04/post-57d4d1.html
 
証明写真のあの人が、基本のアイデアを変えないまま大きく広がっていました。あのアイデアだけでは厳しそうだなぁ、と思っていた私が失礼でした。アイデアをここまで膨らませて、レベルアップしていたとは!素晴らしい展覧会であり、素晴らしい作品でした。
 
 
マーク・マンダース―マーク・マンダースの不在
東京都現代美術館 2021/3/20-6/20
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/04/post-212545.html
 
今年の展覧会の中でも、後々まで記憶に残りそうなものでした。良くわからないコンセプトを自分なりに解釈して楽しむ、そんな現代アートならはの楽しさがある展覧会。コンセプトを無視しても単純に見ていても、作品や空間に雰囲気があるのも良いですね。企画展の後に同じ作品を別の構成で再構築した展示、マーク・マンダース「保管と展示」をそのままMOTで開催したのも良かったです。
 
 
あやしい絵展
東京国立近代美術館 2021/3/23-5/16
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/04/post-e5d870.html
 
企画展の濃さでは今年一番だったのではないかと。あやしい、と言うタイトルに負けないあやしい絵が集まっていました。良くぞここまで集めたと言うのもあります。広告ポスターや小村雪岱の絵も出ていて良かった。
 
 
イラストレーター 安西水丸展
世田谷文学館 2021/4/24-9/20
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/08/post-c08578.html
 
安西さんが自分で企画した様な楽しい展示。安西さんの雰囲気を感じる事ができる様な作品達。シンプルで印象的なその絵達は今でも記憶に残っていくもの達ばかりでした。一つ一つが全て魅力的な展覧会でした。
 
 
ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?
ポーラ美術館 2021/9/18-2022/3/30
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/12/post-e9421b.html
 
素晴らしい展覧会。こちらも後々まで記憶にはっきりと残りそうな展覧会です。見た目だけで見ても美しく楽しめる。意味合いを解釈しようとしても楽しめる。現代の展示ではそのバランスが両方取れている展示が心に残っていくものになるのかもしれません。まぁ、そんな難しいことを考えなくても好きな展示でした。それだけでも良いのかもしれません。
 
 
ここまでが今年の10本です。これ以外にコメントしたい展覧会を幾つかあげます。
 
 
 
【トピックス】

移転のため、現在の地では最後の展覧会に滑り込む事ができたのが静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」展武蔵野美術大学美術館「膠を旅する」展も面白かったです。画の材料としての膠をこれほど掘り下げた展示は今までにあったでしょうか?延期により開催がなくなるかと思われた「いちはらアート×ミックス2020+」(2021/11/19-12/26)に友人達と一緒に行く事が来たのも良い思い出。その時に見た市原湖畔美術館「戸谷成雄 森―湖:再生と記憶」展(2021/10/16-2022/01/16)もよかったです。『ミュージアムグッズのチカラ』(大澤夏美 著)と言うグッズに注目した本も発行されてました。
 
「旅立ちの美術」展
静嘉堂文庫美術館 前期 4/10-5/9、後期 5/11-6/13延長
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/06/post-631ba5.html
 
膠を旅する―表現をつなぐ文化の源流
武蔵野美術大学美術館 2020/5/12-6/20
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/06/post-04cfc0.html
 
『ミュージアムグッズのチカラ』大澤夏美 著(国書刊行社)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/cat4230671/index.html
 
 
 
【西洋美術】
 
西洋美術では印象派とその周辺の美術動向がわかる展覧会をまとめてみる事ができるのが良かったです。三菱一号館美術館「印象派・光の系譜」展Bunkamura ザ・ミュージアム「甘美なるフランス」展ポーラ美術館「モネ-光のなかに」展を同時期にみて印象派に影響を与えた、印象派が影響を与えた動きを見る事ができました。この流れでは事前予約がなかなか取れなかったゴッホ展に行けなかったのが残念。三菱一号館美術館「コンスタブル展」アーティゾン美術館「琳派と印象派」展なども合わせてかなり理解できた気がします。
 
イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜― モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン
三菱一号館美術館 2021/10/15-2022/1/26
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/11/post-13b707.html
 
テート美術館所蔵 コンスタブル展
三菱一号館美術館 2021/2/20-5/30
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/04/post-08d704.html
   
 
 
【日本美術】
 
川端龍子作品と現代アートが並ぶ大田区立龍子記念館「川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション」、三菱系三館の名品が並ぶ三菱一号館美術館「三菱の至宝展」、さすがの企画力なサントリー美術館「ざわつく日本美術」、美術館ではこれは出来ないだろうイベント「北斎づくし」、力の入った東京藝術大学大学美術館「渡辺省亭」展、酒井抱一 夏秋草図屏風と鈴木其一 夏秋渓流図が並んだ根津美術館「鈴木其一・夏秋渓流図」展など良いものも多かったです。
 
川端龍子 vs. 高橋龍太郎コレクション ―会田誠・鴻池朋子・天明屋尚・山口晃―
大田区立龍子記念館 2021/9/4-11/7
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/09/post-f56fdf.html
 
ざわつく日本美術
サントリー美術館 2021/7/14-8/29
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/08/post-1e2494.html
 
北斎づくし
東京ミッドタウン・ホール 2021/7/22-9/17
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/07/post-b92af9.html
 
渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画
東京藝術大学大学美術館 2021/3/27-5/23
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/03/post-8438e5.html
 
 
 
【新版画/挿絵】
 
上の日本画ジャンルの中でも今年は新版画や挿絵、装画などの展示が多かったのが印象的です。小村雪岱はベスト10にもあげていますが太田記念美術館「鏑木清方と鰭崎英朋」たばこと塩の博物館「杉浦非水」など挿絵などに関する展示が多かったです。 そして新版画周辺の動きとしては太田記念美術館「笠松紫浪」東京都美術館「吉田博展」平塚市美術館「川瀬巴水」大田区立郷土博物館「川瀬巴水」SOMPO美術館「川瀬巴水」、そして新版画総集編とも言える様な日本橋高島屋S.C.「新版画ー進化系UKIYO-Eの美」と揃いすぎ。電線絵画展にも出ていましたし、MOA美術館でも吉田博と川瀬巴水の展覧会をやっていますね。
 
川瀬巴水-版画で旅する日本の風景-
大田区立郷土博物館 前期:2021/7/17-8/15、後期:2021/8/19-9/20
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/09/post-45b059.html
 
千葉市美術館所蔵 新版画ー進化系UKIYO-Eの美
日本橋高島屋S.C. 本館 8階ホール 8/25-9/12
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/09/post-1ce0ad.html
  
 
 
【現代美術/建築/デザイン/カルチャー
 
現代アートはベスト10に入れていますが、東京オペラシティ アートギャラリー「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」はコロナで企画展が中止になったのをうまく展開していました。目黒区美術館「包む」、国立科学博物館「木組」なども面白かったです。東京国立近代美術館「民藝の100年」は賛否分かれて色々な意味で注目されていますね。国立新美術館「庵野秀明展」のごちゃ混ぜ感も印象に残ります。建築ではパビリオン・トウキョウ2021、世田谷美術館「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」、松濤美術館「白井晟一 1部」、などが面白かったです。隈研吾展、佐藤可士和展などもありましたね。展覧会ではありませんが昨年から引き続きTHE TOKYO TOILETもチェックしています。
 
「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
東京オペラシティ アートギャラリー 2021/4/17-6/24
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/06/post-eab91a.html
  
包む-日本の伝統パッケージ
目黒区美術館 2021/7/13-9/5
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/08/post-110364.html
 
パビリオン・トウキョウ2021
新国立競技場周辺エリア9か所 2021/7/1-9/5
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/08/post-5364d5.html
 
アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話
世田谷美術館 2021/3/20-6/20
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2021/06/post-3dc7e1.html
 
  
 
今年見た展示は全部で200本となっています。多い時は300本だったので少ない方ではありますが、コロナだけではなく、私の活動量が落ちているのも正直あるかと思います。もちろん展覧会は数だけではないのですが、数をこなしてわかることも確か。ただ、これからは見方を変えていく、そんな時期なのかもしれません。
 
今年、いろいろ大変な歳ではありましたが、来年は今よりも良い年になります様に。良い年にしていきましょう!
 
 
 
以前2012年に10年間の振り返りと言うのをやりました。10年後2022年にもう一度やろうかと思っていたらもう来年じゃないですか。出来るかな……。
 
過去10年で印象に残った展覧会10本選定
過去10年で印象に残った展覧会洗出し編

 

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隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則/ニッポンの名作130年/鉄とたたかう 鉄とあそぶ

隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/kumakengo/
東京国立近代美術館
2021/6/18-9/26
 
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今やどこもかしこも隈研吾建築!ってくらいあちこちで設計した建築を見ることができる気がします。そんな隈研吾の展覧会。オリンピックと併せての開幕です。
 
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孔、粒子、やわらかい、斜め、時間などのキーワードが並んでいます。そして猫!まぁ、キャッチャーだし、普通の良くある建築展にはしたくなかったのでしょうね。しかし……先生の発案かな、誰か止めなかったのか。まぁ、いいや、笑。
 
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木を使った建築が有名です。ルーバー状にしたものが多いでしょうか?木組にしているものも。
 
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最近は石を使っているものも多いですね。V&Aダンディーや角川武蔵野ミュージアムなどの重厚なデザインはカッコいい。
 
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国立競技場や高輪ゲートウェイ駅などを見ると構造にも絡まないし、木をただの装飾に使っている感が強いので、そこまで無理に使わなくても……と言う気がします。高輪ゲートウェイの天井はH鋼の間に気を入れてるだけだしね……
  
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木などのイメージが強いのですが、かなりいろんな素材を試している感じです。吉祥寺のLANケーブルを使ったインテリアの焼き鳥屋とか。三鷹の車輪を使った横丁とか。
 
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明治神宮ミュージアムや根津美術館などの斜めの庇の感じは好きです。由布院のミュージアムもそんな感じでした。
 
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これだけ官公庁などの仕事をこなしてるのを見ると、プレゼンが上手い事務所なんだろうな、と。デザインがどれだけ優れてても、担当者が上の人へ伝え、OKを貰って、外部へ説明するのに、資料が必要で、わかりやすいコンセプトなどが必要で、うまく丸め込む、ぶつからない、そんな説明しやすいものでないと通らないのが官公庁。
  
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そして、ある程度、自分の意志を通しつつも融通を効かすコミュニケーション術。そこら辺が揃っているのだろうな、それは曲者が多い建築界で、引っ張りだこになるだろうな、と勝手に想像しながら展覧会を見ているのでした。
 
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猫については特にコメントはありません。CGの猫に違和感あるね、くらいです。
 
 
 
MOMATコレクション 特別編 ニッポンの名作130年
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20210525/
東京国立近代美術館
2021/6/1-9/26
  
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いつも名作だらけのコレクション展で名作集めました。つまり、いつもとそんなに変わらないけど、名作ばかりです。
 
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横山大観の生々流転、小原古邨、藤田嗣治、東山魁夷、加山又造、
 
 
 
鉄とたたかう 鉄とあそぶ デイヴィッド・スミス《サークルⅣ》を中心に
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/davidsmith2021/
東京国立近代美術館
2021/6/18-9/26
 
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鉄がテーマ。大きなものが、変なものが転がっている。ちょっといいですよね。カルダーのモンスター、これが見れたのだけでも満足です!
 

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パビリオン・トウキョウ2021

パビリオン・トウキョウ2021
https://paviliontokyo.jp/
2021/7/1-9/5
 
新国立競技場周辺エリアを中心に東京都内各所 
ビクタースタジオ前/明治神宮外苑 いちょう並木入口/国際連合大学前/旧こどもの城前/渋谷区役所 第二美竹分庁舎/代々木公園 パノラマ広場付近/kudan house庭園/浜離宮恩賜庭園 延遼館跡/高輪ゲートウェイ駅 改札内、特別参加:ワタリウム美術館 向かい側の空地 
 
参加者:藤森照信、妹島和世、藤本壮介、平田晃久、石上純也、藤原徹平、会田誠、草間彌生、特別参加:真鍋大度 + Rhizomatiks

関連イベント:「パビリオン・トウキョウ2021展 at ワタリウム美術館」(2021/6/19-9/5)
 
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アート・建築好き必見の「パビリオン・トウキョウ2021」有名なアーティストや建築家が手掛けた9種類のパビリオンが都内10か所で公開というこのイベント、全種制覇してきました(※全か所ではない)。
 
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ちなみに私は以下のルートで回る感じでした(1日では回りませんでしたし、1箇所行ってませんが)。
 
 ↓ 渋谷駅から歩き
草間彌生/オブリタレーションルーム
(渋谷区役所 第二美竹分庁舎)
 ↓ 歩き
藤原徹平/ストリートガーデンシアター
(旧こどもの城前)  
 ↓ 歩き
平田晃久/Global Bowl
(国際連合大学前) 
 ↓地下鉄 表参道駅から九段下駅
石上純也/木陰雲
(kudan house 庭園) 
 ↓地下鉄 九段下駅から青山一丁目駅
会田誠/東京城
(明治神宮外苑 いちょう並木入口) 
 ↓歩き
真鍋大度 + Rhizomatiks/映像作品“2020-2021”
(ワタリウム美術館 向かい側の空地) 
 ↓ハチ公バス 神宮前三丁目から明治神宮
藤本壮介/Cloud pavilion
(代々木公園 パノラマ広場付近) 
 ↓バス 原宿駅前から千駄ヶ谷地区二丁目
藤森照信/茶室「五庵」
(ビクタースタジオ前)
※中に入るのなら一度ワタリウム美術館で受付が必要。
 ↓歩き
番外:新国立競技場 
 ↓地下鉄 国立競技場駅から汐留駅
妹島和世/水明
(浜離宮恩賜庭園 延遼館跡) 
 ↓JR 新橋駅から高輪ゲートウェイ駅
藤本壮介/Cloud pavilion
(高輪ゲートウェイ駅改札内)
 
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10箇所一日で回るならこれから紹介する番号順のルートもおすすめですね。表参道から一度九段下に行って青山一丁目まで戻る事になるけど。
 
 
1.藤本壮介/Cloud pavilion
(代々木公園 パノラマ広場付近) 
 
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建築家 藤本壮介のパビリオン。バルーンで作られた雲の造形。一応、屋根代わりになるからパビリオンと言う言葉はギリギリな感じかな。私が行った時は少し元気ない感じでしたね。普段はこんなに萎んで無いようです。これは高輪ゲートウェイ駅にも同じものがあるようです。代々木公園には原宿駅側の入り口に淺井裕介が地面に買いた絵があるのでそれも見逃さない様に。
 
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JR 原宿駅、地下鉄 明治神宮前駅が最寄り駅。ハチ公バス停 明治神宮(原宿駅)も使えます。国立競技場方面にもバスや電車で行けるので起点にしても良いかも。
 
 
2.草間彌生/オブリタレーションルーム
(渋谷区役所 第二美竹分庁舎) 
 
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アーティスト 草間彌生のパビリオン。前の草間彌生展でもやっていた参加者が丸いシールを貼っていくもの。シールが貼られていくとカラフルなドットで空間が埋まり、ものの形がなくなっていく(見えなくなっていく)と言うもの。
 
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渋谷駅から歩くのが良いです。ハチ公バス停 宮下公園前も利用可。 
 
内部入場には事前予約が必要。
https://paviliontokyo.jp/news/reservation
 
 
 
3.藤原徹平/ストリートガーデンシアター
(旧こどもの城前)  
 
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建築家 藤原徹平のパビリオン。すぐ隣に平田晃久のパビリオンもあります。植木鉢が埋まっている櫓組み。その中に入って上まで登ることができます。上にはベンチがありましたね。上から岡本太郎のオブジェ越しに道路を見るのが気持ち良い。
 
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渋谷駅から2.経由で来るか、地下鉄 表参道駅から4.経由で来るのが良いでしょう。
 
 
4.平田晃久/Global Bowl
(国際連合大学前) 
  
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建築家 平田晃久のパビリオン。形は複雑な3次元曲線で構成されている様な木で作られたお椀。中に入って座ったりもできます。これこの形のままどこかに残しておきたいです。
 
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渋谷駅から3.経由で来るか、地下鉄 表参道駅から来るのが良いでしょう。 
 
 
5.石上純也/木陰雲
(kudan house 庭園) 
 
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建築家 石上純也のパビリオン。ここは少し遅れて公開になりました。二日目か三日目くらいに行ってみたら絶賛工事中。まぁ、これは作るの時間かかりますね。その分見応えはあり。庭園を全く別のものに変えています。樹々の配置を考えて天井の穴があるので、うまく突き抜けています。焼杉と同じ方法で黒くしてあるのも効果的。雰囲気はあります。納期に間に合っていればね……(コロナ禍の影響もあったのでしょうがここだけ間に合わなかったのは何か……)。
  
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地下鉄 九段下駅が最寄り。JR 飯田橋駅からも歩き可能。 
 
 
6.会田誠/東京城
(明治神宮外苑 いちょう並木入口) 
  
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アーティスト 会田誠のパビリオン。段ボールハウス、ブルーシートハウスのお城版をこの場所に作ってしまうとは。アーティストの会田さんらしい、皮肉的と言うか、投げかけというか。建築家人選だけではこう言うアナーキーなものは出てこなかったでしょうね。
 
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地下鉄 青山一丁目駅または外苑前駅が最寄り。 
 
 
7.真鍋大度 + Rhizomatiks/映像作品“2020-2021”
(ワタリウム美術館 向かい側の空地) 
 
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アーティスト 真鍋大度 + Rhizomatiksの映像作品。ワタリウム美術館の道挟んで正面です。正面に偏光フィルムの様なものが貼ってあるので近くからは何が映っているのかわからない。少し引くと文字の流れが見えたりする。チンポムの非常口くんの絵とのコラボを楽しめます。
 
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地下鉄 外苑前駅、ハチ公バス停 神宮前三丁目が最寄り。
 
 
関連イベント:ワタリウム美術館
 
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私はまだ行ってませんが「パビリオン・トウキョウ2021」の制作時のプロセス、スケッチや図面、コンセプトに関する展覧会が開催。8.藤森照信/茶室「五庵」の内部に入る場合の受付もこちらです。
 
 
8.藤森照信/茶室「五庵」
(ビクタースタジオ前)  
 
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建築家 藤森照信のパビリオン。内部への入場は当日予約制。予約受付場所は「ワタリウム美術館1階カウンター」で。藤森さんらしい茶室。新国立競技場を眺めながらのお茶会でしょうか。横のにじり口から入り、上に登っていくのですね。
 
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ワタリウム美術館から歩き。外だけ見るために直接行くならJR 千駄ヶ谷駅か地下鉄 国立競技場駅。 
 
 
番外:新国立競技場
 
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藤森さんの茶室のすぐ横には建築家 隈研吾設計の新国立競技場。ここで大運動会やっていた(まだ続きそうですが)のですね。
 
 
9.妹島和世/水明
(浜離宮恩賜庭園 延遼館跡)
 
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建築家 妹島和世のパビリオン。パビリオンと言うか、曲水の宴をイメージしてる造作物。水は入っているけど、流れているのかな?近づけないのが残念です。仕方ないけど造花なのも残念。雰囲気は良いので、せっかくなら浜離宮庭園を楽しむついでに行きたいところ。
 
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地下鉄 汐留駅または築地市場駅、ゆりかもめ 汐留駅が最寄り。JRまたは地下鉄 新橋駅からも歩き可能。  
 
浜離宮恩賜庭園への入園の事前予約が必要です。
https://paviliontokyo.jp/news/reservation
 
 
10.藤本壮介/Cloud pavilion
(高輪ゲートウェイ駅改札内)  
 
建築家 藤本壮介のパビリオン。代々木公園のと同じものがJR 高輪ゲートウェイ駅構内にある様です。自然中の雲と建築物の中の雲のイメージの違いを感じるのも良いかも。
 
 
また、まとめ版をいまトピにも書いています。
 
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【この夏限定】有名アーティストや建築家のパビリオン、体験するしかない!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9998.html 
 

 

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北斎づくし

生誕260年記念企画 特別展「北斎づくし」
https://hokusai2021.jp/
東京ミッドタウン・ホール
2021/7/22-9/17
 
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※掲載の写真は内覧会で許可を得て撮影しております。
   
もう、なんて言えば良いのでしょう?超変態的(←褒めています)な展覧会です。毎年、浮世絵に関する展覧会は色々と開かれていて北斎の作品はどこかで見ることができます。
 
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そして今年は北斎絡みの展覧会が多いです(生誕260年記念に加え、おそらくオリンピック開催に合わせて海外の人に対し、有名な北斎を取り上げた企画が多く出たのでしょう。しかし、海外から来る人は大きく減ってしまいましたが……。)。しかし、その中でも最も深く、こだわりが強く、ハマる展覧会と言えるのではないでしょうか?この展覧会は。
 
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北斎漫画のコレクター 浦上満さんのコレクションの凄さ、建築家 田根剛さんの思い切った会場デザイン、アートディレクター 祖父江慎さんのこだわり、ライターの橋本麻里さんのわかりやすい解説とクリエイションにも手を抜いていないものになっています。
 
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初めの部屋、『北斎漫画』の全ページ公開の部屋ですでに圧巻。この展覧会の凄さを見ることができます。天井のバナー、床や壁へのプリント、そして500巻ほどの展示冊子、本当に北斎漫画、全部。北斎漫画は15巻あり、それを各ページ全て見せているのです。本来は本をばらさないとそんな事は出来ないはずですが、それが出来る簡単なアイデアがありますね。本が(各巻満遍なく均等に)500冊程あれば全てのページを開いて見せる事が出来るのです。
 
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いやー、アイデアとしては簡単と言っても、それを持っていないと出来ません。そして、それを持っているのがコレクターの浦上さんなんです。実際には1500冊ほど持っていると言う事で、良い状態のページを選りすぐって展示しているとのことです。
 
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人物、動物、景色など様々なもののスケッチ集として人気絵手本だった『北斎漫画』。これを全てのページをいっぺんに見ることが出来る展覧会は今回限りなのではないでしょうか?
  
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そして北斎といえば『富嶽三十六景』。こちらも全部です。三十六景に加え人気で追加された十景を合わせた46枚をずらっと並べています。人気の赤富士や神奈川沖浪裏ももちろんあります。
  
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赤いぐるっと回る大きな空間。美術館などではなかなか出来ない贅沢な使い方ですね。『北斎漫画』も全部、『富嶽三十六景』も全部、まさに北斎づくしと言うタイトル通りの展覧会になっています。
 
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デジタル技術を使ったシアターも面白い。静止画である北斎漫画の登場人物たちが動いています。凸版印刷の技術を使った入り込む映像コーナーが作り上げられていました。
 
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北斎は物語の挿絵も手掛けています。『新編水滸画伝』などの流行りの物語のダイナミックな挿絵本が展示されていました。馬琴の書く物語に北斎が劇画を付けていく、そんな贅沢なコンビで作られた本があったなんて!実はこの部屋は一番の必見コーナーなのではないかな、と思いました。こちらも床から壁まで劇画が埋まっている空間造りになっています。
 
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最後の展示室は『富嶽百景』。よく、百も富士山が出てくる景色を描けますよね。アイデア枯渇しないのかしら?本当の天才だったのでしょうかね。そう考えるとこの展覧会の狂った偏執さ(褒めています!)は北斎自身のその偏執さを展覧会という形にしたものなのではないかと思えてきます。北斎と言う人の才能や正体をイメージとして見せてくれる、その一つの解がこの「北斎づくし」なのですね。
 
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出口にあったこの「サヨウ二」。 Tシャツになっていましたね(これ、初日に一度売り切れたとか!)。そうこちらミュージアムショップも面白いです。
 
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祖父江慎さんのブックデザイナーとしての本領発揮しているのが図録です。新聞紙大のサイズの冊子に全ての『北斎漫画』が掲載。こちらも「北斎づくし」なものになっています。他にも会場で天井から吊り下がっていたバナーを一筆箋にしたもの、豆皿や絵葉書など。先にあげたTシャツもそうなのですが祖父江慎さん+ミュージアムグッズ担当会社のEASTさんとのコラボ製品など、目を引くものばかり。
 
狂気の展覧会、あれも全部、これも全部な、「北斎づくし」の名に恥じない展覧会でした。

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オムニスカルプチャーズ/膠を旅する/片山利弘+武蔵野美術大学 図書館(藤本壮介)、武蔵野美術大学建築(芦原義信)

オムニスカルプチャーズ-彫刻となる場所
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16432/
武蔵野美術大学美術館
2020/4/5-6/20
 
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緊急事態宣言があけて再開、ただし一般の入場は土日のみ、前の日までの予約制ということで、予定つかなさそうだったのをなんとか間に合って行けました。タイトルの下に三沢厚彦作品の熊。
 
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参加作家は戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さち。豪華なメンバーです。杉戸洋さんが会場構成及び会場図、全体の監修を三沢厚彦さんが担当。
 
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会場で目を引くのが三沢厚彦作品のキメラ。どーんと鎮座。よく見るとあちこちに隠れキャラが!
 
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須田悦弘作品は4か所確認。この日、トークでご本人が来ていたからどこかに1点くらい増やしていったとか無いだろうか……?
 
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小谷元彦作品。足フェチなので足を。この作品が出ていた藝大の展覧会に行けなかったのでここで見れてよかった。そして小谷元彦作品の細部は仏教的。
  
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舟越桂、顔だけでも船越桂。絶対的に桂作品になってしまうのですね。
 
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青木野枝、DNAループな螺旋の輪っかと石鹸。
 
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クリムトな棚田康司作品、ジーザスな西尾康之作品。
 

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他にも金氏徹平の立体作品など。様々な立体作品の形態を見ることができる展覧会でした。
  
 
 
膠を旅する—表現をつなぐ文化の源流
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/17269/
武蔵野美術大学美術館
2020/5/12-6/20
 
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この「膠を旅する」展も良かった。ニカワという日本画に欠かせないもの。でもそれを深掘りしたことはないはず。

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接着剤というイメージだけの膠がやけに生々しく、生き物から生まれた素材として、手間暇かけてつくられたものとして目の前に現れていました。こんなに苦労して、生き物のエッセンスを使っているなんて。
 
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現在の膠はもっと簡易的に作られたものもあるようですが、やはり昔からの作り方のものとは違うようです。煮こごりとかコラーゲンとか思い出してすっぽん鍋とか食べたくなりました。膠で修復した作品として丸木さんの作品などもありましたね。
 
 
 
片山利弘—領域を越える造形の世界
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16441/
武蔵野美術大学美術館
2020/4/5-6/20
 
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こちらの展示も見応えあり。NSビル吹き抜け床のデザインはこの方なんですね。あと、カレンダーが凄く良い。このデザインのカレンダー欲しいな。平面のものでも立体のデザインを意識して生まれているのかな、と。
 
 
 
そして、ここに来たら図書館見ないと。
   
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藤本壮介設計の武蔵野美術大学 図書館。木々の緑が映り込んで綺麗。
  
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そして武蔵野美術大学のあちこちにある建築、芦原義信の設計。アトリエ棟は特に独特です。芦原さんはこの前ブログに書いた杉並アニメーションミュージアムの入っている杉並会館を設計した人ですね。
 
 
 
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最寄駅から玉川上水緑道を通って行く道がとても気持ちよかった。






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アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話/驚異の三人!! 高松次郎・若林奮・李禹煥―版という場所で

アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00202
世田谷美術館
2021/3/20-6/20
 
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フィンランドの建築家 アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト夫妻を紹介する展覧会です。建築・インテリア関連の展覧会、丁寧にしっかりと取り組んだ展示がとても良かったです。
 
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夫のアルヴァが建築、妻のアイノが家具やインテリアという分け方をしていると言うのが通説になっていますが、決してそう区分けされているわけではないのが判ります。もちろんアイノの方がテキスタイルが得意、などという方向性はありそうですが、建築などに関してアイノおかげでアイデアがまとまっていることもありそうです。
 
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家具のため、木の曲げ加工の技術の説明などもありました。木にスリット上の切れ目を入れ、そこに埋め木の様に入れることで曲がるような工夫をしているのです。
 
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モダニズムの時代に、そのエッセンスは踏まえながらも、自然主義でヒューマニズムの路線は北欧フィンランドの色にも合ったのではないでしょうか。
 

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住宅の設計などを見ると、もう図面をみるだけできっと過ごしやすいだろうなぁ、と思うような雰囲気が漂います。
 
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パリ万国博覧会やニューヨーク万国博覧会のフィンランド館の模型や再現なども面白いです。
 
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また日本では北欧デザインと言えば出てくるのがアアルトの家具や雑貨。あの独特の形のガラス器の型もおなじみの展示です。ゆっくり時間をかけて作られてきたものをゆっくり観る、と言う至福の時間でした。
 
 
  
ミュージアム コレクションⅠ
驚異の三人!! 高松次郎・若林奮・李禹煥―版という場所で
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00110
世田谷美術館
2021/4/17-6/13
 
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高松次郎・若林奮・李禹煥という濃い3人の作品を取り上げたコレクション展。この3人の版画などの作品が並びます。同じ版を使った作品といえどもアプローチは違うのですね。
 
小コーナーで写真家の安齊重男を追悼する展示もあり、様々なアーティストたちの一瞬を切り取り、残し、今に伝える写真の力強さはすごい。
 
 
 
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砧公園の散歩と併せてカフェの屋外席で一休み。駅から遠いのでなかなか足を延ばせませんが、良い美術館ですね。少し歩いたところのバス停から渋谷へバス1本で行けることも判ったので、もう少し気軽に来ようっと。
  
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先の静嘉堂文庫美術館のエントリにも書きましたが、静嘉堂文庫美術館から世田谷美術館まで歩くことができるのに気づき、1日で2館はしごすることにしました。最終的には暑い日だったのでバスで移動。砧公園を歩きながら美術館へ向かいました。

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東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム/ベイブレードワールド展/杉並会館/素描家shunshun原画展 「小さな町の光と暮らし」

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
https://sam.or.jp/
 
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日本初のアニメ総合博物館である「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」に行ってきました。先日テレビでも紹介されていました。少し駅から遠いからかそれほど人も来ている多くはなく、そしてなんと無料なんですよ、ここ。
 
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東京工芸大学とネーミングライツ協定を結んでおり、アニメ制作を体験して、アニメーションについて楽しく学ぶことができる施設。
 
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ゾートロープの様なアニメの原理体験、動画に合わせて声を吹き込むアフレコ体験、アニメ作家の机の再現などの展示は子供だけでなく大人が行っても楽しいもの。
  
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受付の裏側にある柱には様々なアニメ関係者、漫画家などの落書きサインがあります。これ見ごたえあり。
 
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そういえばこちらの館長はラーメン大好き小池さんのネタになった方なのですね。あちこちに小池さんネタがあります。
  
 
 
ベイブレードワールド展
https://sam.or.jp/kikaku-list/beyblade
東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
2021/4/10-7/11
 
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企画展も開催されています。この時はベイブレードワールド。コマ回しですよ。ベーゴマをかっこ良く言うとこうなる。結構古くからやっているアニメなんですね。
 
 
 
杉並会館
https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/katsudo/suginamikaikan/1007019.html
 
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そして、アニメーションミュージアムが入っているこの杉並会館の建物。なかなか良い建物です。
 
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ソニービル、国立歴史民俗博物館、東京芸術劇場などを手掛けた芦原義信氏の設計。
 
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良い時代に建てられた感じがしますね。効率化などより、手を抜かない感じを優先にした。建築ファンも楽しめます。
 
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杉並会館の正面にある荻窪八幡神社も良いところ。猫がベンチに居ました。かわいい!  
 
 
 
素描家shunshun原画展 「小さな町の光と暮らし」
『三春タイムズ』刊行記念
https://www.title-books.com/event/8854
Title2階ギャラリー
2021/5/15-6/3
 
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荻窪からアニメーションミュージアムへ歩いていくと、途中にある本屋さん「本屋 Title」。展示をやっているので見てきました。
 
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shunshunさんの描く素描がとてもいいです。海の水面に輝く光が好きでした。絵によってはモノクロなのにそこに色や光が見えるようです。
 
「本屋 Title」さんは荻窪から歩いて、四面道の交差点から大通りをしばらく歩いていくとあります。街の本屋さんですが、カフェやギャラリーもあるので疲れた時に一休みする場所としてもおススメ。
 
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この「Title」がある通り、八丁通り商店街と言って、大きな青梅街道沿いでかなり広い範囲に渡っています。
 
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『科学忍者隊ガッチャマン』(C)タツノコプロ
 
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『巨人の星』(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社・TMS
 
この大通り沿いの商店街「八丁通り商店会」にあるアニメのフラッグ。これはアニメ制作会社が多い“アニメのまち杉並”をアピールするためのもの。
 
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『魔法の天使クリィミーマミ』(C)ぴえろ
  
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『機動戦士ガンダム』(C)創通・サンライズ
 
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『ラブライブ!』(C)2013プロジェクトラブライブ!
 
杉並区の情報発信を行う「中央線あるあるプロジェクト実行委員会」、荻窪駅から青梅街道を5分ほど歩いた先にある「八丁通り商店会」、八丁通り商店街の近くにある「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」の連携によるPR用フラッグで3年くらい掲示をするようです。
 
見上げればあのアニメ!?好きなキャラクターに出会える街
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9828.html
 
ここら辺はいまトピにも書いていますので見てみてください。
 


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LOUIS VUITTON &

LOUIS VUITTON &
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/articles/lv-and#
jing
2021/3/19-5/16
 
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ルイ・ヴィトンが様々なアーティストとコラボした作品などをまとめて展示していました。
 
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入り口すぐにあったのが池田亮司の作品。
 

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特注トランクはフェルメールの絵を運ぶトランク、ダミアン・ハーストとのコラボのトランクなど。海老蔵のトランクなど。
 
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アーティストがデザインしたテキスタイルの部屋。ジェフ・クーンズとのコラボなど。
 
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ザハ・ハディドがデザインしたバッグ、フランク・ゲーリーの設計した建物、青木淳の銀座並木通店など建築ファンも楽しめます。
 
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川久保玲とのコラボもいくつか展開しているのですね。
 
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ダミアン・ハースト、ジェフ・クーンズ、色々なアーティストとのコラボのバッグ。
 
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リチャード・プリンス、村上隆、ジャン=ミシェル・オトニエルなどとのコラボ作品も。
 
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草間彌生コラボの部屋はすごいですね。
 
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村上隆コラボ作品もかなり量がありました。
 
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そしてファッションショールックの部屋。リチャード・プリンスのナースルック。他にも男性、女性それぞれ服装出てますね。
 
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猫が居ました。猫。
 
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山本寛斎から最近のデザイナーまでのコーナー。インタラクティヴ展示もありました。デビッドボウイが着たタイプのスーツ、迫力ありますね。
 
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何年か前に赤坂見附で開催されたルイ・ヴィトンの展示造りこみが凄かったので、それと比べたら簡素に見えましたが、作品の量がなかなかありましたね。
  

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アートフェア東京2021

アートフェア東京2021
https://artfairtokyo.com/
東京国際フォーラム
2021/3/19-3/21
 
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なんと、サントリー美術館の会員になっていると無料で入れるのですよ、アートフェア東京。通常で入るとちょっと高い(方針が変わり、ここ数年で値上がりした)ので、まずチケット買うことができないですが、無料ならと顔写真も登録して行ったら、顔認証されず、普通にQRコードかざして入りました。
 
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アートフェアでは知らなかった作家さんの作品に出会えること。今回はこの吉田泰一郎「夜霧の犬」(GALLERY KOGUREブース)が良かったです。猫の作品もありました。
 
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Tomura Leeブースで見た小澤香奈子さんの何かわからない不思議な生き物も良かった。ちょっと欲しい!と思わせる、うちに迎えたくなる何かでした。
 
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ギャラリー玉英ブースで見た内田望さんの愛嬌のある鳥たちと野口哲哉のちょっとお疲れな武士、MAHO KUBOTA GALLERYブースのジュリアン・オピー、金巻芳俊、先にも書いた小澤香奈子、野原邦彦、ex-chamber museumブースで見た田島大介のパース具合、超絶技巧な髙橋賢悟、古美術鐘ヶ江ブースで見た前原冬樹のなんと一木彫作品など。ex-chamber museumブースには小坂学のケント紙立体作品も。
 
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夢工房ブースには四代 田辺竹雲斎の巨大な作品。まさかこのサイズの竹工芸がここで見ることが出来るとは。
 
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小山登美夫ギャラリーブースで見たシュテファン・バルケンホールの平面?と思ったらレリーフでした、彫ってあります。KENJI TAKI GALLERYブースには塩田千春、ANOMALYブースでは柳幸典、SH ART PROJECTブースで見たBackside works.の描く女の子も目を引きましたね。

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ZEAL HOUSEブースの展示は目をひきました。古い大日如来の頭と現代アートを並べています。
 
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SHUGO ARTSブースのリー・キット、ルーシー・リー、シスレーとモネなども、藤田嗣治と竹久夢二と池永康晟が並び、彦十蒔絵・小黒アリサの金物にしか見えない漆芸、鈴木祥太の金工作品。
   
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あの話題のスギちゃんこと杉田陽平作品(みんなのギャラリーブース)も。また、現代アートだけでなく古美術もあるのもアートフェアの良いところ。
 
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下山直紀の動物、岡部賢亮のかわいい仏像など。
 
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そしてこの建築の力に改めてびっくりするのですよね。このサイズの建物を両脇の柱(と片側の会議棟の壁)で支え、力を逃がしていく力学は凄いです。
 

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THE TOKYO TOILET (坂茂、片山正通 ワンダーウォール、槇文彦、田村奈穂、坂倉竹之助、安藤忠雄):有名建築家の渋谷区トイレリニューアル2020年全箇所回りました

THE TOKYO TOILET
https://tokyotoilet.jp/
 
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THE TOKYO TOILET。渋谷区の17か所の公共トイレをクリエイターたちが手掛けるプロジェクト。いまトピにも書きました。
 
話題のスケスケトイレは壮大な計画の始まりだった
https://ima.goo.ne.jp/column/article/8820.html
 
他にもあった!あのスケルトントイレに続く有名建築家のトイレ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/8964.html
 
全17か所のトイレのリニューアルのうち2020年に7か所工事終了したので見てきました。去年見たものですが、今さらあげてみます。
 
2020年は坂茂、片山正通 ワンダーウォール、槇文彦、田村奈穂、坂倉竹之助、安藤忠雄のデザインしたトイレが完成。今後、藤本壮介、伊東豊雄、マーク・ニューソン、NIGO、安藤忠雄、隈研吾、佐藤可士和のトイレが公開予定。   
 
はるのおがわ コミュニティパーク
坂 茂 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/haruno_ogawa/
 
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SNSで話題になったのがここ。坂 茂デザイン。代々木公園駅近くです。中に人が居ない時は透明になっています。 
  
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人が中に入り鍵を閉めると不透明になるガラス壁。あられもない姿が公開される心配はないはず。ウムガラス系の電極を通すと不透明になるガラスを使っています。
 
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普段は透明なので夏場は中が凄く暑いです。冷房もないので厳しいですね。
 
 
代々木深町小公園
坂 茂 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/yoyogifukamachi_mini_park/
  
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先のはるのおがわコミュニティパークの色違い。場所もそれぞれすぐ近くにあります。坂 茂デザイン。
 
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先に書いたように夏には厳しいですが、あれだけ話題になって、このプロジェクトが注目されるきっかけを作ったトイレなのは評価できるところ。
 
  
恵比寿公園
片山正通 ワンダーウォール 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/ebisu_park/
  
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片山正通デザイントイレは恵比寿駅の西口から少し先の公園。
 
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木目の様な模様のコンクリートを積み木の様において少し迷路感のあるトイレ。
 
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結構硬派な感じですね。個人的には一番好きなデザインかも。
 
 
恵比寿東公園
槇文彦 2020年8月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/ebisu_east_park/
 
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恵比寿駅東口から少し先の川沿いの公園です。槇文彦 デザインのトイレ。
 
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中央に坪庭の様な空間があり、ぐるっと小屋の様に個室やガラス仕切りが配置。休憩用のベンチもあるのが素敵。

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たこ滑り台があるので通称タコ公園、そこにあるイカトレイと槇さんが言っている様です(タコは槇さんデザインではありません)。
 
 
東三丁目
田村奈穂 2020年8月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/higashi_sanchome/
 
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恵比寿駅から北側に少し行き、線路沿いにあるトイレです。プロダクトデザイナー 田村奈穂のデザイン。
 
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よくぞこんなところに、と思う狭いエリアを三角形の建物の構造をうまく使って建てています。
 
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赤いビビッドさなど目立ちますが、結構使いやすいかも。
 
 
西原一丁目公園
坂倉竹之助 2020年8月31日 オープン
https://tokyotoilet.jp/nishihara_itchome_park/
  
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幡ヶ谷駅近く、坂倉竹之助デザインのトイレです。坂倉準三の息子さんなのですね。
 
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白い部分は半透明で中には木々のグラフィック。外に生えている樹木の影と相まって良い感じ。
 
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夜になって電気が点くと全体が行燈の様に光る様です。そこに浮かび上がる木のグラフィックの影が綺麗なのかな。
 
 
神宮通公園
安藤忠雄 2020年9月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/jingu-dori_park/
 
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渋谷駅から北側へ、MIYASHITAパークを抜けていったところにある公園のトレイは安藤忠雄デザイン。
 
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片側にせり出した屋根、ルーバータイプで外光を取り入れる通路の壁。
 
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機能は特に犠牲になっていなくて、比較的オーソドックスな形状。両側から入れるのも機能的。
 
    
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今年にこの恵比寿の駅前トイレもリニューアルされるのですね。ここは佐藤可士和デザインになるとか。
 


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