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「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展/project N 82 松田麗香

「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
https://www.operacity.jp/ag/exh239/
東京オペラシティ アートギャラリー
2021/4/17-6/24
  
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東京オペラシティアートギャラリーで開催される予定だったライアン・ガンダー展。このコロナ禍で企画展中止となりましたが、その変わり、全館を使ってライアン・ガンダ―が選ぶ所蔵品展として開催されました。ライアン・ガンダ―がキュレーションし、見せ方などを工夫した展覧会、所蔵品展と言うことで混んでいませんが、いや、これは面白い、面白い作品の見方が出来ます。見なきゃ!な展覧会です。
 
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上フロアは「色を想像する」。モノクロがテーマ。モノクロの絵や写真のみが壁いっぱいに展示される「サロン・スタイル」です。ところが逆の壁には作品の位置やサイズと対応する枠線のみ。そしてそこにキャプションがあります。
 
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結果、見ている人はまず作品のみ見ます。作家や作品名の情報なしに。そして気になる作品を知りたければその位置とサイズを記憶しながら逆の壁に。もしくは逆の壁を見ながら気になる作家があればその作品を確認するという形です。
 
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モノクロと言っても写真もあり、具象画も抽象画もあり、有名な人もそれほどそうでない人も。もちろん同じ作家の作風の変異などそういうものを知りたいときには向いている形ではありませんが、美術館にありがちな作家の名前に引きずられない様に出来る作品の見方です。
 
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さて、下のフロア、こちらが面白いです。暗い空間の中、ペンライトを使って一つ一つの作品、もしくは作品の一部を見ていくタイプの展示。
 
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作品の一部に注目、作家名を見てから、もしくは作品を見てから、少し引いて全体像をぼんやり、複数人で全体を照らしてみるなどいろんな見方が出来ます。
 
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作家からはヒントの様なもの(各章タイトル)が出ていますが、まぁ、完全に自由な空間。自動的に1点ずつに注目してみていきます。さーっと流して見ると言うことはしにくい。
 
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彫刻の影を楽しむの面白い。影も自分で角度や濃さを調整できますね。
 
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引いて観れないと言う点はあるが、一つ一つの作品への注目度が高くなります。筆のタッチ、素材感などはより分かりやすく感じられたと思います。
 
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ペンライトで作品を傷つける、暗いから作品にぶつかる、光の具合や一部だけを見ることで作品の解釈に誤解を生みかねない、などの不安もあったかもしれませんが、コロナ禍で所蔵品展なら来客は多くは無いだろうし、所蔵品だというのもあり、思い切りが出来る展示方法が試せたのでしょう。
 
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あと、ペンライトに映える作品というのもある。相笠昌義さんの作品はこう言う見方にピッタリです。デートやグループで来て、複数のペンライトで大きな作品を観るとか、そう言う楽しみ方も出来ますね。
 
 
 
project N 82 松田麗香
https://www.operacity.jp/ag/exh240.php
東京オペラシティ アートギャラリー
2021/4/17-6/24
 
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所蔵品展が上のフロアから見ることになったので、所蔵品に挟まれた合間の個展扱い。美しいグラデーションの絵。
 
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ところが近くで見ると、これらの色の層を構成しているのが細かいリングだということに気づくく。輪っかを無数に描き、色を構成していく絵。
 

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