« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

都美セレクション グループ展 2021(体感A4展/暗くなるまで待っていて/版行動 映えることができない)

都美セレクション グループ展 2021
・体感A4展
・暗くなるまで待っていて
・版行動 映えることができない
https://www.tobikan.jp/exhibition/2021_groupshow.html
東京都美術館 2021/6/10-6/30
 
Img_6103
 
東京都美で開催している3つのグループ展のグループ展、と言う言い方で良いのかな?企画公募で選ばれた体感A4展/暗くなるまで待っていて/版行動 映えることができない、と言う3つの展示をまとめて展覧会として見せています。
 
 
体感A4展
https://www.taikanten.com/
 
Img_6074_20210629114601
 
一番大きな面を使っています。A4というテーマ。中之条ビエンナーレなどに関わった作家を集めたものです。
 
Img_6075_20210629114601
 
大山里奈、日付を虫眼鏡で焼き付けるという作品。これは河原温へのオマージュ?
 
Img_6076_20210629114601
 
大和由佳、A4の比率である白銀比、人の顔の比率やつけまつげ、銅という貴金属であり卑金属でもある。
 
Img_6094
 
西島雄志、A4サイズの動線をコピー、どんどんズレていく、それでつくられる壺。
 
Img_6092
 
巳巳、この建物を手掛けた建築家 前川國男と対峙し、不思議なでっぱり(展望台)に注目し、その真下に立方体。
 
Img_6085
 
藤原京子、A4サイズのガラス、A4サイズに抜かれたガラス。
 
Img_6078
 
大野公士、コピー機に、穴だらけの兵器。
 
 
暗くなるまで待っていて
https://until-it-gets-dark.tumblr.com/
 
Img_6098_20210629114701
 
5人の作家の作品が連動して順番に再生していく。全体で一つの作品の様にも見え、どこが作品の区切りなのかも曖昧になる。
 
 
版行動 映えることができない
https://hankodo.net/
 
Img_6101
 
版画、版というものに注目をした作家たちの展示。版行動の第一回目の展覧会になるもの。

 

| | コメント (0)

オムニスカルプチャーズ/膠を旅する/片山利弘+武蔵野美術大学 図書館(藤本壮介)、武蔵野美術大学建築(芦原義信)

オムニスカルプチャーズ-彫刻となる場所
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16432/
武蔵野美術大学美術館
2020/4/5-6/20
 
Img_5050  
  
緊急事態宣言があけて再開、ただし一般の入場は土日のみ、前の日までの予約制ということで、予定つかなさそうだったのをなんとか間に合って行けました。タイトルの下に三沢厚彦作品の熊。
 
Img_5055
 
参加作家は戸谷成雄、舟越桂、伊藤誠、青木野枝、三沢厚彦、西尾康之、棚田康司、須田悦弘、小谷元彦、金氏徹平、長谷川さち。豪華なメンバーです。杉戸洋さんが会場構成及び会場図、全体の監修を三沢厚彦さんが担当。
 
Agby7305
 
会場で目を引くのが三沢厚彦作品のキメラ。どーんと鎮座。よく見るとあちこちに隠れキャラが!
 
Usgc3008
 
須田悦弘作品は4か所確認。この日、トークでご本人が来ていたからどこかに1点くらい増やしていったとか無いだろうか……?
 
Img_5047
Img_5049
Img_5073_20210622184901
 
小谷元彦作品。足フェチなので足を。この作品が出ていた藝大の展覧会に行けなかったのでここで見れてよかった。そして小谷元彦作品の細部は仏教的。
  
Img_5123
Img_5128
 
舟越桂、顔だけでも船越桂。絶対的に桂作品になってしまうのですね。
 
Img_5096
Img_5065_20210622184901
 
青木野枝、DNAループな螺旋の輪っかと石鹸。
 
Img_5051
Img_5057
 
クリムトな棚田康司作品、ジーザスな西尾康之作品。
 

Img_5069
Img_5066
 
他にも金氏徹平の立体作品など。様々な立体作品の形態を見ることができる展覧会でした。
  
 
 
膠を旅する—表現をつなぐ文化の源流
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/17269/
武蔵野美術大学美術館
2020/5/12-6/20
 
Img_5082
Img_5084
 
この「膠を旅する」展も良かった。ニカワという日本画に欠かせないもの。でもそれを深掘りしたことはないはず。

Img_5087
Img_5085
 
接着剤というイメージだけの膠がやけに生々しく、生き物から生まれた素材として、手間暇かけてつくられたものとして目の前に現れていました。こんなに苦労して、生き物のエッセンスを使っているなんて。
 
Img_5083
Img_5088
 
現在の膠はもっと簡易的に作られたものもあるようですが、やはり昔からの作り方のものとは違うようです。煮こごりとかコラーゲンとか思い出してすっぽん鍋とか食べたくなりました。膠で修復した作品として丸木さんの作品などもありましたね。
 
 
 
片山利弘—領域を越える造形の世界
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/16441/
武蔵野美術大学美術館
2020/4/5-6/20
 
Img_5097
 
こちらの展示も見応えあり。NSビル吹き抜け床のデザインはこの方なんですね。あと、カレンダーが凄く良い。このデザインのカレンダー欲しいな。平面のものでも立体のデザインを意識して生まれているのかな、と。
 
 
 
そして、ここに来たら図書館見ないと。
   
Img_5136
Img_5137_20210622184901
Img_5140
  
藤本壮介設計の武蔵野美術大学 図書館。木々の緑が映り込んで綺麗。
  
Img_5045
Img_5043
Img_5042
 
そして武蔵野美術大学のあちこちにある建築、芦原義信の設計。アトリエ棟は特に独特です。芦原さんはこの前ブログに書いた杉並アニメーションミュージアムの入っている杉並会館を設計した人ですね。
 
 
 
Img_5038_20210622184801
 
最寄駅から玉川上水緑道を通って行く道がとても気持ちよかった。






| | コメント (0)

Group Exhibition「Youth(仮)」/菅木志雄 集められた〈中間〉/ヴィヴィアン・スプリングフォード/小野祐次 Luminescence

Group Exhibition「Youth(仮)」
中原正夫、奈良美智、上村洋一、谷口正造、ナタリー・ホーバーグ
http://www.ykggallery.com/exhibitions/youth/
Yutaka Kikutake Gallery
2021/4/10-6/19
  
Img_5497
Img_5495_20210624144501
 
奈良美智さん原案のグループ展、エネルギーやカオスと言ったパワー感じる展示でした。
 
Img_5500
Img_5496
 
あちこちに仕掛けがあるような展示で、細かいところをみているのが楽しい展覧会でした。
 
 
 
菅木志雄 集められた〈中間〉
http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/suga2021/
小山登美夫ギャラリー
2021/6/5-7/10
 
Img_5464
Img_5469_20210624144501
Img_5466_20210624144501
 
菅木志雄作品らしく、木や石などが並ぶものですが、今回は少し整然としていて、何かアートと言うよりデザインプロダクト的なイメージがある。
 
Img_5471_20210624144501
Img_5476
Img_5473
 
奥の部屋にある石と糸さすがの菅さんの世界観。緊張感がありました。
 
 
 
ヴィヴィアン・スプリングフォード
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/25057/
タカ・イシイギャラリー
2021/6/1-6/26
 
Img_5462
 
50から70年代の作品なのですね。ステイン・ペインティングという技法。
 
 
 
小野祐次 Luminescence
http://shugoarts.com/news/61010/
シュウゴアーツ
2021/4/24-6/19
  
Img_5485_20210624144501
 
モノクロの写真はシャンデリアを写したもの。光をともすシャンデリアに光を入れそのシャンデリア自体の輝きを写真に収める。
 
 
 


| | コメント (0)

エキシビジョン・カッティングス/Metamorphosis Garden 名和晃平/アートスロープ

「エキシビジョン・カッティングス」マチュウ・コプランによる展覧会
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210423/
銀座メゾンエルメス フォーラム 2021/4/23-7/18
 
Img_5432
Img_5442_20210624143101
 
マチュウ・コプランがキュレーションする展覧会。木で作られたベンチ、植物を育てるケース、流れる音楽。もう一つのエリアには映像。かっティングと言う言葉、複層の意味。キューレターらしい投げ掛けてくる感じの展覧会。
 
 
 
Metamorphosis Garden(変容の庭) 名和晃平
https://ginza6.tokyo/news/94805
GINZA SIX 2F 中央吹き抜け
2021/4/12-2022/4月(予定)
 
Img_5419
Img_5421
 
GINZA SIXの吹き抜け、恒例のアート、今回は名和晃平。名和さん、最近、鹿が多い?いや、名和さんを見かけることが多いということですね。雲の楽園に住む神の使い、というシーンを勝手にイメージしました。
 
 
 
アートスロープ
https://www.sogo-seibu-transculture.jp/a47_art_sloap/
渋谷西武 美術画廊・オルタナティブスペース
2021/6/2-6/20
  
Img_4950
 
渋谷西武で全館プロモーションを開催した作家からの展示。大竹寛子・小野川直樹・鬼頭健吾・SHUN SUDO・鈴木ヒラク・高山夏希・竹村京・冨安由真・三鑰彩音・三家俊彦・吉田明恵。
 
Img_4952
Img_4963_20210624143101
 
鬼頭健吾、小野川直樹などの作品が目を引きます。鈴木ヒラク、竹村京などの作品もありますね。
 
Img_4967_20210624143101
Img_4993_20210624143101

他にも冨安由真・三鑰彩音など最近話題の作家さんたちも。
  
Img_4981_20210624143101
 
各地の震災などで破損したアンティーク美術品をベースにした作品もありました。
 


| | コメント (0)

ミネアポリス美術館 日本絵画の名品/YUKATA/立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」/北井一夫「村へ、そして村へ」

ミネアポリス美術館 日本絵画の名品
サントリー美術館
2021/4/14-6/27
 
Img_4728_20210622184201
 
サントリー美術館「ミネアポリス美術館 日本絵画の名品」、良い作品来ていますね。水墨画、狩野派、やまと絵、琳派、浮世絵、文人画、革新者、そして近代。素晴らしい名品ばかりで一通りの日本画を見尽くす、この贅沢!
 
Img_4745_20210622184201
Img_4764
 
狩野探幽、狩野山楽の屏風。しかし、渋い屏風を海外の人は買ったものですねぇ。探幽の間がイイ。
 
Img_4773_20210622184201
Img_4788
Img_5716_20210622184301
 
土佐派(伝 土佐光吉)も渋い。擬人化キリギリスが描かれているきりぎりす絵巻もなんでこの作品を海外の人が買おうと思ったのでしょう?ただ、この絵巻、文字がすごく綺麗なのですよね。
 
Img_4778
Img_5740
 
そしてやはり私は琳派好きだなぁ、と改めて思いました。武蔵野図屏風、酒井抱一の団扇の渋さ。と言うかこの展覧会は全体的に渋いですね。
 
Img_4799
Img_5725
 
中村芳中のカワイイ女性絵もいいけど、やはり酒井抱一の間の取り方が好きです。
 
Img_5723
 
そして琳派コーナーで一番良かったのが鈴木其一「三夕図」。和歌に歌われた夕景色、浦と山と沢の三題を絵にしたもの。和歌の言葉の隙間を絵で表現できるとは思ってもみなかったです。隙間を描く天才……。
 
Img_4831
 
人気者、若冲の鶏屏風。
 
Img_4821
Img_5742
 
日本で若冲が人気があるというので結構出してくれたのですかね。
 
Img_4811
Img_5746_20210622184301
Img_5747_20210622184301
 
そして、この蕭白の脱力なのか勢いだけなのかわからないこの絵……これはすごい。見たら忘れられないです。
 

Img_4837_20210622184301
Img_4850
Img_4852_20210622184301
Img_4864
 
浮世絵も程度が良いものが揃ってますね。保管してあるので海外にあるものの方が状態が良いことが多いとか。
 
Img_5758
 
あちこちで話題になっていた、この覗きの絵、一体どんなシチュエーションで描かれたのか!?
  
Img_4883
Img_4889
 
柴田是真の漆絵までコレクションしていたのですか!こっけいな風神雷神は佐竹永海の絵。渡辺省亭もありました。いま、展覧会が開かれているのと併せているのでしょうか。
 
 
 
「YUKATA」
東京ミッドタウン店ギャラリー
2021/4/1-9/27
 
Img_4912
 
ゆかたの柄、浴衣と言うと夏ですよね。夏らしい今の季節の展示です。
 
Img_4913
Img_4920_20210622184301
 
夏の柄、描かれているものが夏の物だったり、色味が涼しかったり。
  
 
 
立木義浩写真展「遍照(へんじょう)」~世界遺産 東寺~
https://fujifilmsquare.jp/detail/2106110123.html
富士フイルムフォトサロン 東京
2021/6/11-6/30
 
Img_5692
 
東寺の迫力ある仏像群の写真。モノクロだからこそ光と影による立体感が浮き出てその迫力が伝わってくるのでしょうか。
 
 
 
北井一夫「村へ、そして村へ」
https://fujifilmsquare.jp/detail/21040104.html
富士フイルムフォトサロン 東京
2021/4/1-7/19
 
Img_5693_20210624144101
 
村を巡って撮影した連載の写真。今よりも交通手段や連絡手段が乏しい時代にこの様な観光地でもない村を巡る事自体が大変だったのでしょうね。
 

| | コメント (0)

アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話/驚異の三人!! 高松次郎・若林奮・李禹煥―版という場所で

アイノとアルヴァ 二人のアアルト フィンランド―建築・デザインの神話
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00202
世田谷美術館
2021/3/20-6/20
 
Img_4597
Img_4599
Img_4690
 
フィンランドの建築家 アルヴァ・アアルトとアイノ・アアルト夫妻を紹介する展覧会です。建築・インテリア関連の展覧会、丁寧にしっかりと取り組んだ展示がとても良かったです。
 
Img_4627_20210622182901
Img_4702
Img_4682
 
夫のアルヴァが建築、妻のアイノが家具やインテリアという分け方をしていると言うのが通説になっていますが、決してそう区分けされているわけではないのが判ります。もちろんアイノの方がテキスタイルが得意、などという方向性はありそうですが、建築などに関してアイノおかげでアイデアがまとまっていることもありそうです。
 
Img_4700
Img_4694

 
家具のため、木の曲げ加工の技術の説明などもありました。木にスリット上の切れ目を入れ、そこに埋め木の様に入れることで曲がるような工夫をしているのです。
 
Img_4605_20210622182901
Img_4615
Img_4650_20210622182901
 
モダニズムの時代に、そのエッセンスは踏まえながらも、自然主義でヒューマニズムの路線は北欧フィンランドの色にも合ったのではないでしょうか。
 

Img_4620_20210622182901
Img_4629
Img_4630_20210622182901
 
住宅の設計などを見ると、もう図面をみるだけできっと過ごしやすいだろうなぁ、と思うような雰囲気が漂います。
 
Img_4664
Img_4669_20210622182901
Img_4678_20210622182901
  
パリ万国博覧会やニューヨーク万国博覧会のフィンランド館の模型や再現なども面白いです。
 
Img_4673
Img_4665
Img_4658
 
また日本では北欧デザインと言えば出てくるのがアアルトの家具や雑貨。あの独特の形のガラス器の型もおなじみの展示です。ゆっくり時間をかけて作られてきたものをゆっくり観る、と言う至福の時間でした。
 
 
  
ミュージアム コレクションⅠ
驚異の三人!! 高松次郎・若林奮・李禹煥―版という場所で
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection/detail.php?id=col00110
世田谷美術館
2021/4/17-6/13
 
Img_4716
 
高松次郎・若林奮・李禹煥という濃い3人の作品を取り上げたコレクション展。この3人の版画などの作品が並びます。同じ版を使った作品といえどもアプローチは違うのですね。
 
小コーナーで写真家の安齊重男を追悼する展示もあり、様々なアーティストたちの一瞬を切り取り、残し、今に伝える写真の力強さはすごい。
 
 
 
Img_4591
Img_4701
Qvij5552
 
砧公園の散歩と併せてカフェの屋外席で一休み。駅から遠いのでなかなか足を延ばせませんが、良い美術館ですね。少し歩いたところのバス停から渋谷へバス1本で行けることも判ったので、もう少し気軽に来ようっと。
  
Img_4573
Img_4580
Img_4574
Img_4583
Img_4584
 
先の静嘉堂文庫美術館のエントリにも書きましたが、静嘉堂文庫美術館から世田谷美術館まで歩くことができるのに気づき、1日で2館はしごすることにしました。最終的には暑い日だったのでバスで移動。砧公園を歩きながら美術館へ向かいました。

| | コメント (0)

「旅立ちの美術」展

「旅立ちの美術」展
http://www.seikado.or.jp/exhibition/2021003.html
静嘉堂文庫美術館
前期 4/10-5/9、後期 5/11-6/13延長
 
Img_4565
 
この地で最後の展覧会「旅立ちの美術」開催中の静嘉堂文庫美術館へ行ってきました。この美術館は2022年に丸の内へ移転になります。この坂を息を切らしながら登るのも最後ですね。
 
Img_4568
 
静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」。緊急事態宣言で会期途中で臨時閉館、宣言明けに少し会期を延期となったのでギリギリ行けました。最後は入館に並んだみたいですね。
 
Img_4562
 
旅立ち、をテーマにした展示。この地最後と言うこともあり岩崎家の名品たちが並びます。後期展示には国宝は3点。曜変天目は通期見ることできました。太田切も良い。重文の光琳の硯箱も良い。他にもひょろっとした花入や丸っとした茶入も良かったです。河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》もみることが出来ました。
 
Img_4569_20210622162401 
 
裏側の門を出て、川へ下りたりする道。歩いて二子玉川へ行くときにこちらの階段を下りていきました。本当に美術館の移転前に最後来ることができてよかった。また、丸の内で!
  
Img_4570
 
今回はここから世田美まで歩けることに気づいて、この後世田美まで言うことにしました。実際はバス一日券を買ったのでこちらの道からバス停へ……。
 

| | コメント (0)

「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展/project N 82 松田麗香

「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
https://www.operacity.jp/ag/exh239/
東京オペラシティ アートギャラリー
2021/4/17-6/24
  
Img_4360
 
東京オペラシティアートギャラリーで開催される予定だったライアン・ガンダー展。このコロナ禍で企画展中止となりましたが、その変わり、全館を使ってライアン・ガンダ―が選ぶ所蔵品展として開催されました。ライアン・ガンダ―がキュレーションし、見せ方などを工夫した展覧会、所蔵品展と言うことで混んでいませんが、いや、これは面白い、面白い作品の見方が出来ます。見なきゃ!な展覧会です。
 
Img_4367
Img_4370
Img_4371
 
上フロアは「色を想像する」。モノクロがテーマ。モノクロの絵や写真のみが壁いっぱいに展示される「サロン・スタイル」です。ところが逆の壁には作品の位置やサイズと対応する枠線のみ。そしてそこにキャプションがあります。
 
Img_4378
Img_4372
Img_4373
 
結果、見ている人はまず作品のみ見ます。作家や作品名の情報なしに。そして気になる作品を知りたければその位置とサイズを記憶しながら逆の壁に。もしくは逆の壁を見ながら気になる作家があればその作品を確認するという形です。
 
Img_4468_20210622162201
Img_4471
Img_4472
Img_4473
 
モノクロと言っても写真もあり、具象画も抽象画もあり、有名な人もそれほどそうでない人も。もちろん同じ作家の作風の変異などそういうものを知りたいときには向いている形ではありませんが、美術館にありがちな作家の名前に引きずられない様に出来る作品の見方です。
 
Img_4399_20210622162101
Img_4400_20210622162101
Img_4402

 
さて、下のフロア、こちらが面白いです。暗い空間の中、ペンライトを使って一つ一つの作品、もしくは作品の一部を見ていくタイプの展示。
 
Img_4403_20210622162101
Img_4404
Img_4405
Img_4406
 
作品の一部に注目、作家名を見てから、もしくは作品を見てから、少し引いて全体像をぼんやり、複数人で全体を照らしてみるなどいろんな見方が出来ます。
 
Img_4425
Img_4413_20210622162101
Img_4420
 
作家からはヒントの様なもの(各章タイトル)が出ていますが、まぁ、完全に自由な空間。自動的に1点ずつに注目してみていきます。さーっと流して見ると言うことはしにくい。
 
Img_4458
Img_4426
Img_4431
 
彫刻の影を楽しむの面白い。影も自分で角度や濃さを調整できますね。
 
Img_4437
Img_4434
Img_4435
Img_4454
 
引いて観れないと言う点はあるが、一つ一つの作品への注目度が高くなります。筆のタッチ、素材感などはより分かりやすく感じられたと思います。
 
Img_4440_20210622162101
Img_4445
Img_4451_20210622162201
 
ペンライトで作品を傷つける、暗いから作品にぶつかる、光の具合や一部だけを見ることで作品の解釈に誤解を生みかねない、などの不安もあったかもしれませんが、コロナ禍で所蔵品展なら来客は多くは無いだろうし、所蔵品だというのもあり、思い切りが出来る展示方法が試せたのでしょう。
 
Img_4421
Img_4441
Img_4461_20210622162201
Img_4466
 
あと、ペンライトに映える作品というのもある。相笠昌義さんの作品はこう言う見方にピッタリです。デートやグループで来て、複数のペンライトで大きな作品を観るとか、そう言う楽しみ方も出来ますね。
 
 
 
project N 82 松田麗香
https://www.operacity.jp/ag/exh240.php
東京オペラシティ アートギャラリー
2021/4/17-6/24
 
Img_4379
Img_4381_20210622162001
Img_4384
 
所蔵品展が上のフロアから見ることになったので、所蔵品に挟まれた合間の個展扱い。美しいグラデーションの絵。
 
Img_4382
Img_4385_20210622162101
 
ところが近くで見ると、これらの色の層を構成しているのが細かいリングだということに気づくく。輪っかを無数に描き、色を構成していく絵。
 

| | コメント (0)

国宝 鳥獣戯画のすべて/鳥獣戯画展スピンオフ

国宝 鳥獣戯画のすべて
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2009
東京国立博物館 平成館 2021/4/13-6/20
 
鳥獣戯画展スピンオフ
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2083
東京国立博物館 本館 特別1室・特別2室・14室 2021/3/23-6/20
 
Img_4316
 
あの高山寺所蔵の鳥獣戯画、甲・乙・丙・丁全4巻を全巻一挙公開で話題の展覧会。絵巻物なので普通は部分部分の公開で期間によって巻き替えする形が普通の展示なのですよね。特に鳥獣戯画ほど長い巻物を全部開くことができるケースなどはそうそう無い。今回はそのために会場を作ったようです。それも絵の前で止まらない様に動く歩道まで作って(人気の甲巻のみ)います!
  
Img_4242
Img_4240
Img_4276_20210622165301

  
その企画展と連動して本館でスピンオフ展。絵巻に出てくる動物に関する作品や絵巻、あとは鳥獣戯画の写しなどを展示しています。この写し、昔の鳥獣戯画の在りし日の姿を知るための資料でもあります。今はバラバラになってどこに繋がっているかわからない断簡や、今は無くなってしまった場面などをわかるものです。
 
 
以下、写真は本館の写しの写真です。企画展の方は撮影禁止。
 
 
Img_4284_20210622165401
Img_4286
Img_4288
 
鳥獣戯画 甲巻
兎、猿、蛙などが擬人化された一番有名な巻。相撲を取ったり、様々な人が行うことを動物などに置き換えています。アイデアが良いですよね。
 
Img_4291_20210622165301
Img_4296
Img_4298_20210622165301
 
この鳥獣戯画 甲巻は動く歩道で観ます。初めはそんなもの……と思っていたものの、結構快適です。早さも丁度よくこれは良いシステム!と思いましたね。まぁ、お金もかかるでしょうから、そう簡単には採用できないでしょうけど。
  
 
Img_4263_20210622165301
Img_4266
Img_4272
Img_4274
 
鳥獣戯画 乙巻
動物図鑑的なもの。前半は牛、鷹、犬など普通の動物。後半は虎や象など当時では珍しい動物や、麒麟や龍、獏など想像上の動物など。
 
 
Img_4250
Img_4251
 
鳥獣戯画 丙巻
前半が人物戯画、後半が動物戯画。耳引きなどの勝負事のシーンなどがコミカル。
 
 
Img_4252

Img_4255
 
鳥獣戯画 丁巻
ヘタウマな感じです。他の巻のモチーフをアレンジして描いてある箇所もあり。下手に見えるけど、線に迷いがないし、これはうまい人が描いたもの、という話ですが……。
 
Img_4232

 
今回は繋がっていないバラバラになった断簡や写しの展示なども踏まえて全巻がどうなっていたか紹介されていたり、まさに「すべて」の展覧会。他にも高山寺関連、明恵上人関連の展示もありました。最後にあった子犬の像が愛らしいですね。
 

| | コメント (0)

モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて

モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/mondrian/
SOMPO美術館
2021/3/23-6/6
 
Img_4210_20210607114101
Img_4212
 
緊急事態宣言があけ、展覧会が再開したものの、会期残り数日しかない!そんな中、行ってきましたー、モンドリアン展。
 
Img_4211
Img_e4225_20210607114101

モンドリアンと言えば赤青黄のコンポジション。ただし、今回はそのコンポジション作品は少ないのですよね。それ以前の絵が多く、ハーグ派の暗い風景画から、ポスト印象派モドキの粗っぽい点描の絵、と色々やってみてなんかモノにできなくて、最後にようやく辿り着いたのがアレ、そういう流れが良くわかる展覧会です。具体な木々の絵から、抽象化され行き着くというその変容が判る展示で良かった。しかしいろいろ手がけていた人なんですね、モンドリアンさんって。
 
Img_4215
Img_4217
Img_4219
Img_4220
  
ハーグ派の絵だけでは暗くなってしまうところを少し明るくしてくれるのがデ・ステイル。デ・ステイルの流れは個人的に好きなので、リートフェルトの椅子など色々展示されていたのは嬉しい。サンローランのモンドリアンワンピースもありました。
 
まぁ、モンドリアン展としては、物足りなさはありますが、企画としては楽しみました。
 

| | コメント (0)

鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵/川瀬巴水展/柳原義達展

鏑木清方と鰭崎英朋 近代文学を彩る口絵 ―朝日智雄コレクション
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
太田記念美術館
2021/5/21-6/20

Img_e4113

さて、この後出てくる川瀬巴水の師匠筋にあたる鏑木清方。そして当時、清方とライバルであった鰭崎英朋。それぞれの本の口絵を紹介する展覧会です。正統派美人の清方。それに対して少し強気な色気のある美人を描く鰭崎英朋。前に弥生美術館で観た「もうひとつの歌川派?!」展で知った鰭崎英朋ですが、この方の描く女性を好きになる人、居ますよね、ええ、需要在ります。
 
 
 
荒井寿一コレクション 川瀬巴水展

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00239.html
平塚市美術館
2021/4/24-6/13
 
Img_4032
Img_4041

今年は新版画関連の展覧会が多いです。その中でも川瀬巴水は何館も開催される予定。今年注目の人ですね。今年は川崎浮世絵ギャラリー、大田区立郷土博物館、SOMPO美術館で個展が開催です。
 
Img_4048
Img_4050_20210528165101
Img_4060_20210528165101
 
美しい風景版画、本の装幀、雑誌の挿絵など幅広い作品があります。大正から昭和にかけた時代、西洋絵画の影響もうけ、より美しい摺り技術を使った新版画の中でも川瀬巴水の知名度は高いです。
 
Img_4052
Img_4054_20210528165101
 
鏑木清方に師事し、ただ美人画は限界を感じ、同門の伊東深水の風景画に影響を受け、日本各地の風景を版画作品として作っていった川瀬巴水。雪の表現、色の美しさなどとても良いです。 
 
Img_4035
Img_4037
 
新版画の時代背景もあり、海外で人気のあった川瀬巴水の作品。一人のコレクターがこれだけの作品を持っていることにも驚き。
 
 
 
柳原義達展
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/art-muse/page14_00240.html
平塚市美術館
2021/4/24-6/13
 
Img_4063
 
彫刻家、柳原義達。後半の展示にあったカラスが記憶に残ります。カラスを見ていたら知らないうちに孔雀鳩の彫刻になっていました。
 
 
 
そうそう、平塚市美術館に行ったらこの子達にご挨拶するのを忘れちゃいけないですよね。
 
Img_4029
Img_4030_20210528165101
 
三沢厚彦さんの少し間抜けた顔のユニコーン。おそらく世界でももっとも愛嬌のあるユニコーンではないかと思います。
 

| | コメント (0)

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム/ベイブレードワールド展/杉並会館/素描家shunshun原画展 「小さな町の光と暮らし」

東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
https://sam.or.jp/
 
Img_3726_20210528165501
Img_3732
 
日本初のアニメ総合博物館である「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」に行ってきました。先日テレビでも紹介されていました。少し駅から遠いからかそれほど人も来ている多くはなく、そしてなんと無料なんですよ、ここ。
 
Img_3753
Img_3747
 
東京工芸大学とネーミングライツ協定を結んでおり、アニメ制作を体験して、アニメーションについて楽しく学ぶことができる施設。
 
Img_3779
06612
14_20210528165401
06613
 
ゾートロープの様なアニメの原理体験、動画に合わせて声を吹き込むアフレコ体験、アニメ作家の机の再現などの展示は子供だけでなく大人が行っても楽しいもの。
  
06614
Img_3774
06615
  
受付の裏側にある柱には様々なアニメ関係者、漫画家などの落書きサインがあります。これ見ごたえあり。
 
Img_3794
Img_3790
 
そういえばこちらの館長はラーメン大好き小池さんのネタになった方なのですね。あちこちに小池さんネタがあります。
  
 
 
ベイブレードワールド展
https://sam.or.jp/kikaku-list/beyblade
東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム
2021/4/10-7/11
 
Img_3763
 
企画展も開催されています。この時はベイブレードワールド。コマ回しですよ。ベーゴマをかっこ良く言うとこうなる。結構古くからやっているアニメなんですね。
 
 
 
杉並会館
https://www.city.suginami.tokyo.jp/shisetsu/katsudo/suginamikaikan/1007019.html
 
06611
Img_3762
 
そして、アニメーションミュージアムが入っているこの杉並会館の建物。なかなか良い建物です。
 
Img_3755
Img_3758
 
ソニービル、国立歴史民俗博物館、東京芸術劇場などを手掛けた芦原義信氏の設計。
 
Img_3759
06616
  
良い時代に建てられた感じがしますね。効率化などより、手を抜かない感じを優先にした。建築ファンも楽しめます。
 
Img_3810
Img_3811
 
杉並会館の正面にある荻窪八幡神社も良いところ。猫がベンチに居ました。かわいい!  
 
 
 
素描家shunshun原画展 「小さな町の光と暮らし」
『三春タイムズ』刊行記念
https://www.title-books.com/event/8854
Title2階ギャラリー
2021/5/15-6/3
 
06617
 
荻窪からアニメーションミュージアムへ歩いていくと、途中にある本屋さん「本屋 Title」。展示をやっているので見てきました。
 
Img_3703
Img_3700
 
shunshunさんの描く素描がとてもいいです。海の水面に輝く光が好きでした。絵によってはモノクロなのにそこに色や光が見えるようです。
 
「本屋 Title」さんは荻窪から歩いて、四面道の交差点から大通りをしばらく歩いていくとあります。街の本屋さんですが、カフェやギャラリーもあるので疲れた時に一休みする場所としてもおススメ。
 
Img_3698
Img_3697
 
この「Title」がある通り、八丁通り商店街と言って、大きな青梅街道沿いでかなり広い範囲に渡っています。
 
06605
『科学忍者隊ガッチャマン』(C)タツノコプロ
 
06607
『巨人の星』(C)梶原一騎・川崎のぼる/講談社・TMS
 
この大通り沿いの商店街「八丁通り商店会」にあるアニメのフラッグ。これはアニメ制作会社が多い“アニメのまち杉並”をアピールするためのもの。
 
066thumb
『魔法の天使クリィミーマミ』(C)ぴえろ
  
06604
『機動戦士ガンダム』(C)創通・サンライズ
 
06610
『ラブライブ!』(C)2013プロジェクトラブライブ!
 
杉並区の情報発信を行う「中央線あるあるプロジェクト実行委員会」、荻窪駅から青梅街道を5分ほど歩いた先にある「八丁通り商店会」、八丁通り商店街の近くにある「東京工芸大学 杉並アニメーションミュージアム」の連携によるPR用フラッグで3年くらい掲示をするようです。
 
見上げればあのアニメ!?好きなキャラクターに出会える街
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9828.html
 
ここら辺はいまトピにも書いていますので見てみてください。
 


| | コメント (0)

« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »