澤田知子 狐の嫁いり
澤田知子 狐の嫁いり
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-3848.html
東京都写真美術館
2021/3/2-5/9
証明写真を使った作品で有名な澤田知子の個展です。あの作品、卒業制作だったのですね。あのアイデアはすごいですが、それだけで続けられるわけではないだろうし、どうやっていくのかな、と思っていたら、すいません見くびっていました、あのアイデアを更に広げてはいながらも、アイデアを一本通してやっておられました。凄いです。
アイデンティティとは?自分とは?……と深読みする作品ですが、その上でそうする人を翻弄したりするような点もあります。その上で澤田さん自身はまじめに個性というものを考えていたりするもの。
あと、1日に3回澤田さんが好きな曲達が流れる時があります。シャッター音やお喋りが気にならない時間。展覧会は静かと言うアイデンティティへのアプローチでしょうか。私が行ったときに丁度音楽タイムでした。気にならないと言うか、音楽がかかっている方が好みです、私。
いろいろな人になりながら多様な個性を見せてるかと思えば、メイクの楽しさなど自分と言う軸をその中に見つけたりして、他人になることで自分を見つめ様としてる様にも見えます。結局はそこにある自分性を映しているのか。作品タイトルが床にあるのもいいですね。
眼鏡、後ろ姿、化粧など様々な展開を見せてくれます。ワンアイデアがここまで広がるとは思っていませんでした。面白い展示です。そして私は眼鏡をかけてそれが似合っていれば好きなんだ、と言うことに改めて気づきました。ええ、澤田さんの眼鏡姿結構好きです。
ケチャップとマスタードの作品も有名で、多面性はありながらも、これは違うタイプのものだと頭の中で勝手に思っていました。ただ、改めて見ると、これ国の言葉=国民性(民族性)などを表現しているのですね。これも国としての個性や色合いになっていくと思うと本当に一本筋の通った作品を作る方だな、と思いました。
外にあった新作の映像は個性を完全に消して影として表現。そこにどこまで個性が出るかどうかというものですね。余談ですが、イスが面白かった(展覧会とは関係なくいつもあるもの?)。丸椅子二つに穴の開いた板をかぶせてベンチにしてますね。
証明写真で有名になり、このアイデアでどこまで……?と思ったら、ちゃんとスタイルを残しながら広げています。そして最後の作品。このタイトルにもかけた作品。これ初期作品なのですね。これも自己と言うものにかかって来るものでしょうか。
この恵比寿ガーデンプレイス、三越が閉店しましたね。スーパーが入る様ですが、いろいろと景色も変わっていきます。
| 固定リンク
コメント