« 石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか | トップページ | 2020年の展覧会、今年の10本 »

美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語

美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2020_3/index.html
サントリー美術館
2020/12/16-2021/2/28
 
Img_e8515
 
サントリー美術館リニューアルオープンの記念展、今回の「美を結ぶ。美をひらく。」3つ目となりますが、本当に全部レベルが高い展覧会です。もちろんそれだけコレクションの質が高いのもありますが、展覧会の企画やまとめ方、見せ方も全てレベルが高い。今までも特別な展示品を海外から持ってこなくても、良い展覧会を実施してきたサントリー美術館の自力をこのコロナのご時世に改めて感じ入りました。
 
Img_8525  
 
さて、今回は用の美的な作品が並びます。それも東洋と西洋を結びつけた様なものたち。古伊万里、鍋島、紅型、和ガラス、江戸・明治の浮世絵、ガレという6つの項目が織り上げられています。初めは西洋で求められ、マイセン窯などに影響も与えた古伊万里。水注、花形、面取り(六角、八角)、人物の模様などで区分け、そこに見られる西洋への影響、西洋からの影響などを展示で解説。
  
Img_8556  
Jazy7732
 
そして鍋島藩が献上品として採算度外視で作らせた良品が鍋島様式の器。目を引くのが今のデザインに引けを取らないセンスの良さ。このデザイン、今、モダンな雑貨屋さんにも売ってるよね?というくらい完成度が高い良いデザインばかり。いや、今の効率化を求められるデザインだとここまで良いものを生み出すのが難しいかもしれません。
 
Img_8599
Img_8593

 
今回の展覧会の中でも琉球の衣装である紅型の展示は素晴らしかった。紅型でちゃんと1コーナー使ってじっくりと見せています。紅型の模様のうち、山が幾つも連なる絵柄って最近どこかで見た気がするのだけど……。連山の模様は様々なところで使われている文様や絵のモチーフの様です。どこかで見たことあるものなのかも。これから注目して見てみたいところ。
 
Img_8606
Img_e8611

 
紅型の型紙を見せる見せ方も良いです。グラフィックの模様としても使われていますが、直接本物と影を見せたり、プロジェクションでの演出をしていたり。豆腐を乾燥させた台を使って模様を彫り出しているいるとかいう記述もあって、なかなか面白い。余談ですが、壁に穴があいていて隣の鍋島コーナーを覗きみえるのも良いですね。九州と琉球のつながり、というわけでもないでしょうが。
 
Img_e8653  
Img_8627
Img_8643_20201228154901

 
和ガラス製品は良いの持ってますよねー、さすがサントリー!西洋のガラスへの憧れから、日本独自のものへと進化していった和ガラス。薩摩切子の完成度の高い輝き!かんざしや櫛にまでガラスを取り入れるガラスの小道具も面白い。
 
Img_8680
Img_8674

 
さて、江戸時代のグラビアとも言える浮世絵もどんどんと技術的にも進化していき、西洋の様式なども取り込み明治時代には新しい表現を取り込みながら続いていきます。歌麿の養蚕場で働く女性たちの版画、服の模様が版押しで立体的にエンボスかかってて凄かった。小林清親の世代になるともう表現が別物でグラデーションの表現なんか素晴らしいです。刷り師さんが苦労しそう。
 
Nrev1121
Img_8685
 
最後のガレのコーナーはここだけで1時間いる事が出来そうなくらい良かった……。見事なガレの名品が並んでいます。私がガレを好きになったのは北澤美術館で「ひとよ茸」を見てから以降になるのですが、この「ひとよ茸」をサントリー美術館も持ってたのですね。ガレがデインした家具と合わせて展示されていました。
 
Gwxg1832
Img_e8729
 

最後のにあったのがガレの壺「風景」。少し手前にあった花器「木立」と併せて新所蔵品だそうです。花や虫などを表現していたガレは器の中に一つの自然界を描こうとしていたのか。それほど大きなものでもないのに、大きい視点の器です。
 
今回までのリニューアル・オープン記念展3連発で、こんなにコレクション品を出してしまって良いの?と思うくらいコレクションを見てしまった気がしますが、まだまだ凄いものは残っていそうです。サントリー美術館を見ているとこれからの展覧会の一つのあり方をみる様な気がします。

|

« 石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか | トップページ | 2020年の展覧会、今年の10本 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか | トップページ | 2020年の展覧会、今年の10本 »