« MOTアニュアル2020 透明な力たち/MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す | トップページ | 美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語 »

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/
東京都現代美術館
2020/11/14-2021/2/14
 
Img_8373
 
とにかくパワフルで、情報量も多くて、圧倒される展覧会でした。事前にギンザグラフィックギャラリーで併催されている展示を見て、準備運動しておいて良かったかも。いきなり、この圧倒感の世界に飛び込むのは心臓に悪いです。それくらい圧巻という内容でした。良い展覧会でした。でも疲れた。
 
アートとデザインの差についてたまに話が出ているのを見ますが、答えは色々、もしくは無い、とような堂々巡りの話に大抵なります。野暮を承知で石岡さんのやっていることはジャンルとして分けるとデザインの領域。でも、そんな区分け方関係ないよね、と言える物ばかり。パワー的にも、質的にも、志的にも。ただし、やっていることは間違いなくデザインの仕事。
 
Img_8375
 
まぁ、そんなことをわざわざ書いているのだから、私はデザインとアートの区分けに関して気にしているのだということなんですが、そんなことをチマチマ気にしている私の鼻を明かすようなものなのです、石岡さんの作品や言っていること、そこにある志が。すごい人がいたものです。昔からジェンダーレスを言っていて、それを体現もしている。そして何よりそれを実現出来る信念と実行力と想い。
 
結局、ジャンルとか、そう言う物をチマチマ気にしているのではなく、それらに対する想い、そしてその思いに対して伴う行動と言うものが大事なんですよね。
 
Img_e8383
 
資生堂に入って、現状の表現を変えてやると思いながら活動したこと。パルコや角川書店の広告で実施した人種や性別にとらわれないセンセーショナルなもの。Bunkamuraオープンの時代にタイムレス、エイジレス、ジェンダーレス、クラスレスの指標を上げていること。誰の真似でもないからできること。展示会場のあちこちで流れる石岡さんのインタビューの声と合わせて、強い想いが突きつけられます。
 
マイルス・デイビスと向き合うだけでも普通の人間は負けてしまいそうです。でも、石岡さんは真っ直ぐに向き合う。映画や舞台の衣装も、『ミシマ』『ドラキュラ』などを見てもただの一つの道具ではないもの。そう言えば『ドラキュラ』の衣装にクリムト「接吻」モチーフの衣装があったのは、映画を見たときには気がつかなかった。今回の展示で知りました。
 
Img_e8438
 
そしてターセム・シンの映画の衣装。きっと、衣装から導き出される物語もあったでしょう。『ザ・セル』は個人的に好きな映画ですがこうやってみると衣装から発しているシーンもあるのだな、と。『落下の王国』も同じく。
 
結構、思うままにやっているグレイス・ジョーンズのツアー衣装。シルク・ドゥ・ソレイユ:ヴァレカイの衣装も世界観が強い。北京オリンピックは色々と制限があったようで、デザイナーとしては20%も出来なかったと言っていました。まぁ、演出総監督のチャン・イーモウの世界観が強すぎましたかね。すごい演出した。オペラ ニーベルングの指環の衣装もオペラの世界の外の石岡さんだからこそのデザインでしょう。ただ、ビョークのビデオはビョークという奇才とのコラボならもっと素っ飛んだものになっても良かったなぁ、と思ったけど。
 
最後に石岡さんが作った最初の作品、高校生の時に作った絵本で締め括られている。世界に向けて英語で作られたこの本は夢を持った「えこ」という女の子のお話。石岡さんの想いを伝えるものでした。サラッと見ることを許してくれない展覧会です。

|

« MOTアニュアル2020 透明な力たち/MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す | トップページ | 美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« MOTアニュアル2020 透明な力たち/MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す | トップページ | 美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語 »