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2020年の展覧会、今年の10本

今年見た展覧会の、私的によかったもの10本!毎年恒例になりましたが今年もやりました。今年最後のエントリになりますが、ここで一年を振り返ってみたいと思います。
 
まぁ、どうしても今年は例年とは違いますね。展覧会を見る本数も減りました。展覧会自体も海外から名作を持ってくる派手なものはほとんどなくなり、コレクションをどううまく見せるか(そこに現代アートを絡めたり)という形式のものも多かったです。そんな中での10本です。※去年までの「今年の10本」のリンクは一番下に貼っておきます。
 
まずはいつもどおり今年の10本、基本的には順位はつけず、見た順番で古いところから書いていきます。
 
 
「コズミック・ガーデン」サンドラ・シント展
銀座メゾンエルメス フォーラム
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/04/post-4a30c1.html
 
ギャラリーでの小規模の展示ながらなんか好きな世界でした。何が、と言っても具体的に言えませんが、一年を振り返ると思い浮かんでくる展示だったのでここに入れました。
 
 
パッション20 今みておきたい工芸の想い
東京国立近代美術館工芸館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/03/post-4a0e32.html
 
これは色んな思いからゆえに10本に入れました。この場所で見ることができる工芸館最後の展覧会。もちろん各作品は金沢でこれからも見ることができますが、場の記憶はこの展覧会と共に残る。
 
 
オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
東京都現代美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-16e7f6.html  
 
今までエリアソン展を見てきて、やはりうまい見せ方とコンセプトの立て方など今の現代アートにおいて外せない糸だな、と。正直、展覧会としては昔見た原美術館や金沢21世紀美術館の方が好きなのですが、時代に相応しい展覧会としてここに。
 
 
奇才―江戸絵画の冒険者たち―
江戸東京博物館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-9bacdf.html
 
個人的な好みの展覧会としては今年一番のものでした。コロナの影響で会期が中途半端になってしまいましたが、これフルバージョンでやっていたら展示替えことに来てしまい、何回くることになったやら。それだけ好きな展覧会。
 
  
ピーター・ドイグ展
東京国立近代美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-b0ea28.html
 
恥ずかしながら知らない作家だったのでしたが、ここまで素直に良いと思えることにびっくり。まだまだこう言う人が作品があるんだと言うのも楽しみ。もちろん世界的には有名な作家さんですので勉強不足ではありますが、それが故にこれからも新しい出会いがあるのですね。
 
 
ART in LIFE, LIFE and BEAUTY
サントリー美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-1ec7eb.html
 
毎年サントリー美術館の展覧会は10本に選ぶことが多く、趣味的にも合うのでしょうが、今年のこの展覧会から始まるリニューア3部作は良かった。どれを入れても良いのですが、個人的に好きな現代アートを絡めたこれを選びました。コレクションと現代アートを絡める展示は他の館でもやってますが、この展覧会は頭ひとつ抜けて良いです。新しい様式の一つのスタンダードになる気がします。
 
 
石元泰博写真展 伝統と近代
東京オペラシティ アートギャラリー
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/11/post-288075.html
 
たまにあるのですよね、こう言う、理由とかなく、グッと心に突き刺さってくる展示が。作品はもちろん素晴らしいし、展示も良かったですが、そう言うのと違って何か、グッとくるところがある。個人的な好みで言うと建築シリーズは何周もして見直しました。
 
 
トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション
横浜美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/11/post-739719.html
 
これもまた、新しい様式のスタンダードの一つとなるかも。複数館のコレクションから名作ばかりを集め、キュレーションをしっかりとした上で、一つの展覧会としてまとめあげる。コロナの前からあった企画だった様ですが、この時代にぴったりと合ったものでしたね。ただ、企画、キュレーション、見せ方などが良くないとただ集めただけの展示になってしまう。サントリー美術館の展覧会やこのトライアローグはそこが上手かった。
 
 
装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~
高島屋史料館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/12/post-835510.html
 
この展覧会をここに入れるのはもう完全に個人的なところ。こんな文字ばかりの展示、好きな人でなければダメだろうし、私でも全部しっかり読みきったわけではない。でも、この情報をまとめる意義やこれが書籍化される、そして何よりこれを開催してくれたことに感謝。
 
  
石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
東京都現代美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/12/post-37799b.html
 
正直、展示のパワーに押されて、この展覧会が良いのかどうかわからないまま、圧倒されて見終わった。素材への好みだけで判断していないか?と思っていたのだが、ブログにまとめていたら、後から見つめ直すことでこの展覧会のポイントが見えてきて、良い展覧会だと改めて思いました。ブログをやってて良かったです。
 
 
さて、ここまでで10本ですが、これ以外に今年はここにコメントしておかねばな件が2点。
 
山種美術館のクラウドファンディングについて。
第一の目標を1週間以内に達成、最終的には第二の目標も達成しています。正直、ここまで順調に達成するとは思っていなかったので、それだけ愛されているのだということが可視化された様で嬉しい限り。ただし、これでもおそらく数ヶ月の運営費程度でしょうから、まだまだこれから大変な状況は続きそう。でもこれだけのファンがいるので、頑張って欲しいです。
 
クラウドファンディング:山種美術館|コロナ禍を越え、日本画を未来に伝える活動にご支援を
https://readyfor.jp/projects/yamatane2020
 
東山魁夷と四季の日本画
山種美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/12/post-f8297f.html
 
 
原美術館の閉館について。
閉館を決めた原美術館、私が常々、都内で一番好きな美術館といっていた場所。最後の展覧会は2021年1月までですが、予約はすでにいっぱいで、もう見に行くことができないのが残念。作品や展覧会は少し遠くなるけどハラアークで開催もされるでしょうし、建物も美術館ではない状態で残るのかもしれない、でも原美術館としてのここにお別れなのが悲しいです。
   
加藤泉 - LIKE A ROLLING SNOWBALL
原美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/12/post-197045.html
 
 
 
さて、今年の振り返りとしてリニューアルオープンの美術館がありました。今年の10本にも入れたサントリー美術館、SOMPO美術館、ブリヂストン美術館から改名したアーティゾン美術館など。
 
美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語
サントリー美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/12/post-ffb2d3.html
  
珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び
SOMPO美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-312fc2.html
 
見えてくる光景 コレクションの現在地(アーティゾン美術館 リニューアル)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/03/post-c8156b.html
 
 
西洋美術はブロックバスター的な派手なものは少なかったですが、関係者の苦労によりギリギリ開催できたものなど本当に嬉しい限り。「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」や「画家が見たこども展―ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン」などは海外からの名品を日本で見ることができる有り難みを感じさせてくれるものでした。
 
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
国立西洋美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-237bbf.html
 
画家が見たこども展―ボナール、ヴュイヤール、ドニ、ヴァロットン
三菱一号館美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-657314.html
 
 
日本美術は今年の10本にも入っていますが、他にも「The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション」の粒揃いさ、「三井家が伝えた名品・優品 第2部 日本の古美術」や「美の競演―静嘉堂の名宝―」のコレクションの見事さ、「もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世」の新たな切り取り方などが面白かった。「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」に関してはまだ後期展に行っていないので感想は来年に回します。
 
The UKIYO-E 2020 ─ 日本三大浮世絵コレクション
東京都美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/09/post-d62d9a.html

三井家が伝えた名品・優品 第2部 日本の古美術
三井記念美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-68f93e.html
 
美の競演―静嘉堂の名宝―
静嘉堂文庫美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/09/post-4eee18.html
 
もうひとつの歌川派?! 国芳・芳年・年英・英朋・朋世
弥生美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/05/post-383927.html
 
 
現代ものについては現代アートの大御所たち「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」、「宮島達男 クロニクル 1995−2020」、「鴻池朋子 ちゅうがえり」などの大きめの展覧会は無事開催。他にも「DOMANI・明日2020 日本博スペシャル展」「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」「生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙」などの企画ものも面白いのがありました。小規模ながら「Tom Sachs:Retail Experience」「DOUG AITKEN - NEW OCEAN: THAW」など海外の作家の展示があったのも良かったです。ギャラリー系では「心ある機械たち again」「しきのいろ 志村ふくみ・洋子 × 須田悦弘」「幻想の銀河 山本 基×土屋仁応」など良かったです。ファッションの「ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム」、工芸寄りの「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」もじっくりと見てしまった。
 
STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ
森美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/09/post-d78678.html
 
鴻池朋子 ちゅうがえり
アーティゾン美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-a439ed.html
 
DOMANI・明日2020 日本博スペシャル展
国立新美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/04/post-2b63f5.html
 
古典×現代2020―時空を超える日本のアート
国立新美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-a90cac.html
 
Tom Sachs:Retail Experience
伊勢丹新宿店本館 2階 ISETAN THE SPACE
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/10/post-8da8a3.html
  
心ある機械たち again
BankART Station + BankART SILK
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/05/post-cc3448.html
 
しきのいろ 志村ふくみ・洋子 × 須田悦弘
THE GINZA SPACE
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/04/post-0c4347.html
  
幻想の銀河 山本 基×土屋仁応
ザ・ギンザ スペース
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-e285db.html
 
ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム
東京オペラシティ アートギャラリー
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-a4aff3.html
 
和巧絶佳展 令和時代の超工芸
パナソニック汐留美術館
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/08/post-a88fd2.html
 
 
今年はパブリックアートや建築を楽しんだ年でもありました。
 
メトロ銀座線にできたパブリックアート
京橋駅、中西信洋「Stripe Drawing - Flow of time」
銀座駅、吉岡徳仁「Crystallize(クリスタライズ)」
虎ノ門駅、中谷ミチコ「白い虎が見ている」

THE TOKYO TOILET
https://tokyotoilet.jp/
代々木深町小公園 /坂 茂
はるのおがわ コミュニティパーク /坂 茂
恵比寿公園/片山正通 ワンダーウォール
恵比寿東公園/槇文彦
東三丁目/田村奈穂
西原一丁目公園/坂倉竹之助
神宮通公園/安藤忠雄
 
ファーレ立川アート
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/10/post-fdcafd.html
 
 
立川に出来たGREEN SPRINGSのPLAY! MUSEUMも今年できたミュージアムですね。妹島和世の「Laview」にも乗ったし、隈研吾の高輪ゲートウェイも見た。
 
PLAY! MUSEUM/PLAY! PARK
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/10/post-f5b0ab.html
 
西武鉄道新型特急車両「Laview」(デザイン 妹島和世)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-9d186f.html
 
高輪ゲートウェイ(建築設計 隈研吾)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/05/post-968023.html
 
 
由布院・別府・大分にも年明けに行ってました。
 
COMICO ART MUSEUM YUFUIN(建築設計:隈研吾)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/05/post-06b44b.html

大分県立美術館 OPAM:建築/パブリックアート(建築設計:坂茂)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/05/post-a4183a.html
 
由布院アート、建築編
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-a21adf.html

別府アート、建築編
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-53a618.html

大分市アート、建築編
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2020/06/post-626a26.html
  
 
 
こんなご時世ですがなんだかんだで楽しむことはできてる感じですね。もちろん不安なども多いですが、それでもアートや建築やデザインを見ていることは楽しい。さて、来年も楽な年ではないと思いますが、でも、それでも開催してくれる展覧会、どんな展覧会を見ることができるでしょうか?楽しみです。
 
 
以前2012年に10年間の振り返りと言うのをやりました。10年後2022年にもう一度やろうかな。
 
過去10年で印象に残った展覧会10本選定
過去10年で印象に残った展覧会洗出し編

 

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美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語

美を結ぶ。美をひらく。 美の交流が生んだ6つの物語
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2020_3/index.html
サントリー美術館
2020/12/16-2021/2/28
 
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サントリー美術館リニューアルオープンの記念展、今回の「美を結ぶ。美をひらく。」3つ目となりますが、本当に全部レベルが高い展覧会です。もちろんそれだけコレクションの質が高いのもありますが、展覧会の企画やまとめ方、見せ方も全てレベルが高い。今までも特別な展示品を海外から持ってこなくても、良い展覧会を実施してきたサントリー美術館の自力をこのコロナのご時世に改めて感じ入りました。
 
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さて、今回は用の美的な作品が並びます。それも東洋と西洋を結びつけた様なものたち。古伊万里、鍋島、紅型、和ガラス、江戸・明治の浮世絵、ガレという6つの項目が織り上げられています。初めは西洋で求められ、マイセン窯などに影響も与えた古伊万里。水注、花形、面取り(六角、八角)、人物の模様などで区分け、そこに見られる西洋への影響、西洋からの影響などを展示で解説。
  
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そして鍋島藩が献上品として採算度外視で作らせた良品が鍋島様式の器。目を引くのが今のデザインに引けを取らないセンスの良さ。このデザイン、今、モダンな雑貨屋さんにも売ってるよね?というくらい完成度が高い良いデザインばかり。いや、今の効率化を求められるデザインだとここまで良いものを生み出すのが難しいかもしれません。
 
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今回の展覧会の中でも琉球の衣装である紅型の展示は素晴らしかった。紅型でちゃんと1コーナー使ってじっくりと見せています。紅型の模様のうち、山が幾つも連なる絵柄って最近どこかで見た気がするのだけど……。連山の模様は様々なところで使われている文様や絵のモチーフの様です。どこかで見たことあるものなのかも。これから注目して見てみたいところ。
 
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紅型の型紙を見せる見せ方も良いです。グラフィックの模様としても使われていますが、直接本物と影を見せたり、プロジェクションでの演出をしていたり。豆腐を乾燥させた台を使って模様を彫り出しているいるとかいう記述もあって、なかなか面白い。余談ですが、壁に穴があいていて隣の鍋島コーナーを覗きみえるのも良いですね。九州と琉球のつながり、というわけでもないでしょうが。
 
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和ガラス製品は良いの持ってますよねー、さすがサントリー!西洋のガラスへの憧れから、日本独自のものへと進化していった和ガラス。薩摩切子の完成度の高い輝き!かんざしや櫛にまでガラスを取り入れるガラスの小道具も面白い。
 
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さて、江戸時代のグラビアとも言える浮世絵もどんどんと技術的にも進化していき、西洋の様式なども取り込み明治時代には新しい表現を取り込みながら続いていきます。歌麿の養蚕場で働く女性たちの版画、服の模様が版押しで立体的にエンボスかかってて凄かった。小林清親の世代になるともう表現が別物でグラデーションの表現なんか素晴らしいです。刷り師さんが苦労しそう。
 
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最後のガレのコーナーはここだけで1時間いる事が出来そうなくらい良かった……。見事なガレの名品が並んでいます。私がガレを好きになったのは北澤美術館で「ひとよ茸」を見てから以降になるのですが、この「ひとよ茸」をサントリー美術館も持ってたのですね。ガレがデインした家具と合わせて展示されていました。
 
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最後のにあったのがガレの壺「風景」。少し手前にあった花器「木立」と併せて新所蔵品だそうです。花や虫などを表現していたガレは器の中に一つの自然界を描こうとしていたのか。それほど大きなものでもないのに、大きい視点の器です。
 
今回までのリニューアル・オープン記念展3連発で、こんなにコレクション品を出してしまって良いの?と思うくらいコレクションを見てしまった気がしますが、まだまだ凄いものは残っていそうです。サントリー美術館を見ているとこれからの展覧会の一つのあり方をみる様な気がします。

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石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか

石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/
東京都現代美術館
2020/11/14-2021/2/14
 
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とにかくパワフルで、情報量も多くて、圧倒される展覧会でした。事前にギンザグラフィックギャラリーで併催されている展示を見て、準備運動しておいて良かったかも。いきなり、この圧倒感の世界に飛び込むのは心臓に悪いです。それくらい圧巻という内容でした。良い展覧会でした。でも疲れた。
 
アートとデザインの差についてたまに話が出ているのを見ますが、答えは色々、もしくは無い、とような堂々巡りの話に大抵なります。野暮を承知で石岡さんのやっていることはジャンルとして分けるとデザインの領域。でも、そんな区分け方関係ないよね、と言える物ばかり。パワー的にも、質的にも、志的にも。ただし、やっていることは間違いなくデザインの仕事。
 
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まぁ、そんなことをわざわざ書いているのだから、私はデザインとアートの区分けに関して気にしているのだということなんですが、そんなことをチマチマ気にしている私の鼻を明かすようなものなのです、石岡さんの作品や言っていること、そこにある志が。すごい人がいたものです。昔からジェンダーレスを言っていて、それを体現もしている。そして何よりそれを実現出来る信念と実行力と想い。
 
結局、ジャンルとか、そう言う物をチマチマ気にしているのではなく、それらに対する想い、そしてその思いに対して伴う行動と言うものが大事なんですよね。
 
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資生堂に入って、現状の表現を変えてやると思いながら活動したこと。パルコや角川書店の広告で実施した人種や性別にとらわれないセンセーショナルなもの。Bunkamuraオープンの時代にタイムレス、エイジレス、ジェンダーレス、クラスレスの指標を上げていること。誰の真似でもないからできること。展示会場のあちこちで流れる石岡さんのインタビューの声と合わせて、強い想いが突きつけられます。
 
マイルス・デイビスと向き合うだけでも普通の人間は負けてしまいそうです。でも、石岡さんは真っ直ぐに向き合う。映画や舞台の衣装も、『ミシマ』『ドラキュラ』などを見てもただの一つの道具ではないもの。そう言えば『ドラキュラ』の衣装にクリムト「接吻」モチーフの衣装があったのは、映画を見たときには気がつかなかった。今回の展示で知りました。
 
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そしてターセム・シンの映画の衣装。きっと、衣装から導き出される物語もあったでしょう。『ザ・セル』は個人的に好きな映画ですがこうやってみると衣装から発しているシーンもあるのだな、と。『落下の王国』も同じく。
 
結構、思うままにやっているグレイス・ジョーンズのツアー衣装。シルク・ドゥ・ソレイユ:ヴァレカイの衣装も世界観が強い。北京オリンピックは色々と制限があったようで、デザイナーとしては20%も出来なかったと言っていました。まぁ、演出総監督のチャン・イーモウの世界観が強すぎましたかね。すごい演出した。オペラ ニーベルングの指環の衣装もオペラの世界の外の石岡さんだからこそのデザインでしょう。ただ、ビョークのビデオはビョークという奇才とのコラボならもっと素っ飛んだものになっても良かったなぁ、と思ったけど。
 
最後に石岡さんが作った最初の作品、高校生の時に作った絵本で締め括られている。世界に向けて英語で作られたこの本は夢を持った「えこ」という女の子のお話。石岡さんの想いを伝えるものでした。サラッと見ることを許してくれない展覧会です。

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MOTアニュアル2020 透明な力たち/MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す

MOTアニュアル2020 透明な力たち
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2020/
東京都現代美術館
2020/11/14-2021/2/14
 
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作家5組のグループ展になっています。片岡純也+岩竹理恵、清水陽子、中島佑太、Goh Uozumi、久保ガエタン。透明なカタチ(形)かと思ったら力(チカラ)たち、でしたね。
 
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片岡純也+岩竹理恵のコーナー、片岡さんの作品は横浜方面、BankArt関連の展覧会でよく観ますが都内で見ることができるのは貴重かも?手を触れずに電球がぐるぐる回っていたり、本がバラバラとめくれる装置など、役に立たないけど、じっとみてしまうもの。『わたしを離さないで』がぐるぐる回って離れたり接したり。
 
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清水陽子の作品は植物などにフェルメールの真珠の耳飾りの少女を光合成の原理を使って印刷。植物を使ったスピーカーなど技術と自然の組み合わせ。Goh Uozumiの作品は地面のQRコードなどを使ったテクノロジー作品。
 
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中島佑太の作品は壁の向こうに新しい生活様式のルールを投げかける。そして向こうには誰がいるの?久保ガエタンの作品は音や振動についてのもの。鯰、蓄音器、蘇言機などで振動を見せようとする。
 
 
 
MOTコレクション 第2期 コレクションを巻き戻す
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-201114/
東京都現代美術館
2020/11/14-2021/2/14
 
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第1部:戦後美術のその前へ、第2部:現代美術館のスタートラインという形で近代美術から現代美術への流れを見せていく展示。
 
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日本画の横山大観や近代洋画の時代から現代美術まで、日本の作家を中心に一気に見せてくれます。 
 
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常設作品も相変わらず。
 
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建築もゆっくりみることができました。
 

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「木の記憶」展( 二宮 日用美|にちようび 移転オープン)

「木の記憶」展
http://www.nichiyobi.net/
日用美|にちようび
2020/11/19-21、11/26-28
 
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 鎌倉で営業していた作家ものを扱うお店「日用美(にちようび)」がこの秋に二宮へ移転オープンとなりました。ようやく行ってきました。と言ってももう1ヶ月も前の話ですが、今更。
  
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二宮にある作家もののインテリア雑貨を扱うお店「日用美」。以前、鎌倉で営業していたお店が二宮駅から徒歩5-6分のところへ移転。古い家を改装してお店にしています。窓も古い家のそのまま、その空間にクラフト雑貨や食器、服、アクセサリーなどが置かれているのが雰囲気良い。
  
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今回は木の記憶、3人の木工作家さんたちの作品が並んでいます。そして、その木と言うとこにポイントが。
 
今回の展覧会の案内に書いてある文章から
 
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この場所に住むことを決めた時、
どうしても伐採しなければいけなかった木々がありました。
3人の木工作家がその木々たちを持ち帰り、日々の生活に寄り添うモノとして、新たな命を吹き込んでくださいました。育ってきた場所の記憶が刻み込まれている木の作品たち。
 
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とのことで、この地に家をリフォーム・建てる時に伐採した木を使った作品が並ぶと言うことです(全部の作品がその木を使った物というわけではない様です)。作家さん3人が作った木の年輪を感じさせる食器、照明カバー、スプーンなどが並んでいました。
  
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中矢嘉貴(ランプシェード、ペン他)
河内伯秋(うつわ 他)
Miyazono spoon(スプーン)
 
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正直、二宮、少し遠いな、と思ってなかなかいくことができていなかっのですが、行ってみたらあの空気感、海の近く、ゆっくり流れる時間などとても良い場所だと改めて思うところ。海近く育ちの私としては、魚が美味しいということもいいですよね。この場所にお店を構えたのも、なるほどと。
  

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生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙

生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/201017-210112_GardenOfLife.html
東京都庭園美術館
2020/10/17-2021/1/12
 
青木美歌
淺井裕介
加藤泉
康夏奈
小林正人
佐々木愛
志村信裕
山口啓介
 
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庭園美術館の素敵な館の中で8人の現代アート作家の作品が遊んでいるような、そんな展覧会でした。青木美歌、淺井裕介、加藤泉、康夏奈、小林正人、佐々木愛、志村信裕、山口啓介の8人の作家さんが参加されています。いつもの建物の入り口の横に加藤泉の作品がありおましたね。石を重ねてペインティングしていますが、加藤さんの作品だとすぐにわかるのが凄い。
 
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青木美歌のガラス作品は元々この建物にあったガラスの器たちの様な顔をしながら。家具や棚の中に並んでいます。圧巻なのは新館の小ホールの物量のある展示でした(この部屋は撮影は不可)。それとは方向性が違う、
バスルームにあったささやかな展示もまた素晴らしい。
 
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入ってすぐにあった淺井裕介の泥や血を使った絵など。カフェの中の壁やその前のガラスにあったのはマスキングテープを使った絵。ガラスの絵のあちこちに居た小さな葉っぱ君たちがかわいい。
 
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加藤泉の作品はこの館の中の住人の様に我が物顔であちこちに存在しています。よく探すと、あ、こんなところに!というところにも。金庫室ははじめて開いているのを見たかも。
 
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去年の2月に亡くなった康夏奈。絵画を立体化させたような、立体を絵画化させたような作品など。ジオラマかな?と思ったら絵画だったのが驚きです。
 
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小林正人の作品は新館の方がじっくりと見ることができたのかもしれません。ただ、不思議な雰囲気や、変形のキャンバスのものは休館の住人としての存在感もありでしたね。
 
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佐々木愛の作品、結構好きです。写真ではわかりにくいですが、白地に白で浮き上がるレリーフの作品。光の加減で見え方もかわるのがイイですね。
 
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志村信裕は映像と光を使ったような作品。羊を映した映像作品、天井にリボンの模様を投影したものなど。一番良かったのが音符に木陰の様な模様を投影したもの。美しかったです。建物の入り口の上に投影されていた金魚は来たときは気づかず。帰りに薄暗くなったら見えました。館内のガラスに映した花火も昼は見えませんでしたね。
 
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山口啓介の作品は外が明るいときに綺麗に見えました。カセットテープ大の透明な箱状の中に植物たちが埋められています。新館と休館の通路の作品は進むにつれ徐々にカラフルになっていました。手前は生きている植物をドライにしたもの。奥のカラフルなものは造花でした。
 
 
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カフェも8人分のイメージケーキがありました。8種類分のコラボケーキのデザインをするのも大変そう。
 
 

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海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~

海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~
https://www.shukokan.org/
大倉集古館 2020/11/3-2021/1/24
※事前予約不要。営業時間や休館日等詳細はホームページを参照ください。
 
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陶磁器好きにはたまらない展覧会でした。オーストリアのロースドルフ城に伝わる陶磁コレクションとその修復作品を見ることができる展覧会。
 
加えて佐賀県立九州陶磁文化館所蔵の古伊万里の名品が並んでいるのです。有田焼の歴史をおさらいしながら海外から来た名品を楽しむことができるというものになっていました。
 
※このエントリの展示写真は特別に許可を得て撮影しています。
 
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この展覧会は、茶道家である保科眞智子さんがオーストリアのロースドルフ城 現城主ピアッティ家と出会い、城に伝わる陶磁器の破片について知ったことが発端となったプロジェクト「古伊万里再生プロジェクト」に関連するものです。
 
ロースドルフ城に伝わる陶磁コレクションの多くは戦争により破壊され、その陶磁破片の中には日本で作られた古伊万里のものもありました。今回の展覧会のポスターも破片状態のものと修復されたものが並んでいますね。
 
 
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色絵花卉美人文盆器(組み上げ・部分修復) ロースドルフ城 所蔵
 
大倉集古館1階に入り、まず目に入ってきたのが今回の展覧会にとって象徴的なものでした。ロースドルフ城所蔵の古伊万里もしくは古伊万里をモデルとした倣製品1対を1つは一部割れた状態で、もう1つは修復したものを展示。修復前の写真もあります。
 
 
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1階展示風景
 
さて、そこから1階の展示は「第Ⅰ部 日本磁器の誕生、そして発展」として有田焼の歴史を辿るもの。ここでは日本磁器誕生の地としての有田、そして古九谷、伊万里、鍋島、柿右衛門、古伊万里金襴手と続き、一度途絶えた海外貿易が幕末に復活し、明治にかけて再び評価を得たと言う流れが展示品とともに説明されています。
 
ここで知っておきたいことととして有田焼、伊万里焼、古伊万里、古九谷様式、柿右衛門様式、古伊万里金襴手様式、鍋島焼様式という言葉が出てきますね。もちろん、前知識無くても会場の解説で理解できますが、これらの単語を事前に頭に入れておくとより楽しめます。
 
 
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1階展示風景 佐賀県立九州陶磁文化館所蔵品、佐賀県立九州陶磁文化館 柴田夫妻コレクション、今右衛門古陶磁美術館所蔵品、大倉集古館所蔵品などから名品が揃う。
 
現在では有田町地域で作られた磁器を「有田焼」、伊万里市(の主に大川内山地域)で作られた磁器を「伊万里焼」として区別しています。
 
ただし昔は、有田町地域やその周辺で制作されたものもすべて伊万里の港から輸出されていたため、消費地域ではそれらをまとめて「伊万里焼」と呼んでいました。また、現代の「伊万里焼」と区別して江戸時代に盛んに輸出していた時代のものを「古伊万里」と呼んでいます。
 
 
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1階展示風景 柿右衛門様式など。
 
当初は青単色の絵付けしか無かったのですが、その後様々な様式が出てきます。
 
「古九谷様式」は以前は加賀の九谷産と言われていた為にその名がついている青・黄・緑を使った色絵のもの。「柿右衛門様式」は乳白色に赤を中心とした色絵で、余白を生かした日本画のような図柄を描いたもの。

 
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1階展示風景 幕末から明治にかけての再評価。万国博覧会をきっかけに香蘭社が創業。
 
「古伊万里金襴手様式」は幅広い扱いがあるが、染付の上に金襴手という装飾がされた赤や金色をした豪華な磁器を主に指します。「鍋島焼様式」は鍋島藩の管理のもと献上品として作られた高級品です。現代の「伊万里焼」はこの鍋島の流れを汲むものになります。
 
 
  
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2階展示風景

さて、2階の展示は「第Ⅱ部 ウィーン、ロースドルフ城の陶磁コレクション」としてロースドルフ城の陶磁コレクションを中心に展開されています。古伊万里だけなく、中国の景徳鎮、西洋磁器のマイセン窯のものなどがあります。
 
 
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2階展示風景 ロースドルフ城所蔵品と今右衛門古陶磁美術館所蔵品が並ぶ。
 
面白いのは日本陶磁、西洋陶磁、中国陶磁のそれぞれが影響を与えあっていること。古伊万里風の模様のものが景徳鎮や、マイセン窯で作られていたり、有田で作られた瓶をランプシェードに加工したり、西洋風に金属フレームを取り付たりしています。
 
 
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2階展示風景 ロースドルフ城展示のイメージ
 
そして、第二次世界大戦後にこれら陶磁器の多くは破壊されてしまいました。現城主ピアッティ家はこれらの破片を廃棄せず、戦争がもたらした悲しみを伝えるものとして保存し、公開しているのです。
 
 
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2階展示風景 ロースドルフ城所蔵品の破片と修復、破壊された破片を見ると心が痛みます。
 
それらの破片の一部が陶磁器修復の第一人者 繭山浩司氏によって修復され、完成品として蘇るものを展示で見ることができます。一つの器として完成しているような修復や、破片のつなぎ目が見える組み上げ修復された陶磁器が並びます。
  
 
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2階展示風景
 
破片とはいえ、そこから読み取ることができる文化の交流や昔の技術、流行りなどの文化などは大事な文化遺産。それを実際に見ることができる展示はとても貴重ではないでしょうか?
 
 
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地下ミュージアムショップ
 
オリジナルグッズもいろいろと制作されていました。陶磁器の模様を元にした組紐やバッグなど。図録も良く出来ています。
 
日本の陶磁器の歴史を名品で振り返りたい、海外の文化交流を見たい、そんな人にはおすすめの展覧会です。

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東山魁夷と四季の日本画

東山魁夷と四季の日本画
https://www.yamatane-museum.jp/exh/2020/higashiyamakaii.html
山種美術館 
2020/11/21-2021/1/24
 
やってきました、山種美術館での東山魁夷の展覧会です。東山魁夷の描いた日本の四季にまつわる絵と、それに関わる近代・現代の画家たちの絵を集めたものです。 これの展覧会の存在がわかった時に、これは年末に行く!と決めたのです。そう、あの東山魁夷《年暮る》を見て年をおさめたいじゃないですか!(もちろん年明けに見ても充分魅力的な絵です……)
 
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(注、言うまでもなく上の写真はお菓子の写真です。)この絵は魁夷が描いた京都の四季シリーズのうち「冬」の絵です。他の魁夷の絵のような構図とは少し違う感じもあるのですが、とにかく惹かれます。静かな絵ですし、動きもないのですが、なんでこう目が離せないのでしょうか?しんしんと降る雪、音が吸収され、静かな景色が頭の中にも再現されます。川端康成の言葉をきっかけに出来たこの作品は、多くの人を捉える名作だと思います。
 
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魁夷の作品としては皇居宮殿に描いた作品の同趣作品である《満ち来る潮》やそのスケッチなど風景を描いた作品が並びます。他にも魁夷以外では四季を描いた作家、皇居宮殿に関連した作家などの作品が並んでいます。竹内栖鳳、魁夷の師・川合玉堂、山口蓬春など。菱田春草の《月四題》は好きな作品。墨で描かれた月と季節の植物。モノクロなのに色が見えるような作品です。
 
現代では千住博の作品が目を引きました。掛け軸の上半分に月、下半分に景色、それぞれ別の紙に描かれているのですが、月の光が下の景色に差し込んでいるのですね。別の紙に描かれているのにそれらの世界はリンクしているというもの。良かったです。
 
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さて、山種美術館が実施をしていたクラウドファンディング、凄いですね。初めの目標をあっという間に達成したかと思ったら、第二目標も達成。寄附に近い形のクラウドファンドでしたが、最終的には当初の目標額の2.6倍もの寄附総額となりました。
私も少しばかりながらも参加させていただきました。
 ↓
山種美術館|コロナ禍を越え、日本画を未来に伝える活動にご支援を
https://readyfor.jp/projects/yamatane2020
 
コメントを読むと、本当に愛されているんだな、と思います。これからが、まだ大変な時期ではあると思いますが、良い企画で新しい価値観の美術館を作り上げていってほしいと思います。
 

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装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~

装飾をひもとく~日本橋の建築・再発見~
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/
高島屋史料館
2020/9/2-2021/2/21
 
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高島屋史料館、行ったことがある人は知っているが、決して大きくない展示室である。1部屋のみで、まぁぐるっと1周、早ければ15分、じっくり見ても30分の展示ってとこでしょう、普通は。そこに今回は、
周辺の近代 現代建築の装飾を解説している展示なんですが、これが凄い。文字文字絵文字文字写真ときどき模型で埋めつくされていて、これ、しっかり読むと1時間では済まないよね、な濃い内容の展示になっていました。去年埼玉でやっていた「インポッシブル・アーキテクチャー」展監修の方がやってるのですね。
   
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まぁ、そんな読んでばかりの展示、よっぽど好きじゃないとね、と言う内容ではあるのですが、とにかく建築装飾について建物、その時代、どこにあるかが細かく書いてあります。
和風の融合のところでは通説を小気味いい感じでバッサバッサとやっている感じなども良くて、建築ファンならたまらない(でも、それ以外の人はこの展示そもそも見ないでしょう)もの。高島屋などの装飾の一部を解説したチラシ「日本橋建築めぐり」も配布、細部をイラストで説明していて街歩きマップとして最高。これを持って日本橋界隈の建築装飾探しに出かけられるものになっています。
 
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展示室の解説が多くて、流石に一度では読みきれない。下手な美術館でやる展覧会くらいの文章量あるのでは?もちろんこれだけの文章を読むのにも時間かかるし、覚えることもできない。また、来て読み直おせないかな、と思っていたところに、書籍化決定の嬉しいお知らせが。1月末に青幻舎から出版される様です。これは嬉しい。ちょっとじっくり本として読みたいものですね。本を読みつつ展示もまた見たいところ。展示室の方には模型もあります。昔、高島屋で開催されたコルビジェ・レジェ・ペリアン展の模型、あれは本ではわからない。 
  
 
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この時は
じっくり日本橋回る時間は無かったので、本が出たらそれを片方に日本橋巡りですね。ちなみに上の写真はこの展示とは関係ないですが、高島屋の本館1階にある 東郷青児の手掛けたエレベーターの扉絵。 

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舟越 桂 私の中にある泉

舟越 桂 私の中にある泉
https://shoto-museum.jp/exhibitions/191funakoshi/
松涛美術館
2020/12/5-2021/1/31
 
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久々に舟越 桂の作品をまとめて見た気がします。木の彫刻で特徴的な人物像をつくりあげる船越さんの作品はグループ展などでは良く見るのですが。庭園美術館の個展は2008年でしたね。
 
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今回の展覧会では舟越さんの作品を時代を追って紹介しています。初期の70年代の作品、比較的リアルな人物像を彫っていた80年代。ただ、どれを見ても舟越さんの作品だというのが一目でわかるのが凄い。普通の人を彫っても、スフィンクスなどを彫っても、どれも舟越さんの作品としての共通感があるのがすごいですね。
 
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2階にいくと、すこしづつ人としての形がなくなっていきます。形が変わったり、手が変なところに着いていたりと、何かの表現がより不思議な世界をつくりあげていきます。そして、とにかく人でも人外でも人の顔が魅力的。あと、女性の顔がイイのですよね、好みです。そして、舟越さんが家族のために作ったものがまた魅力的。木で作ったおもちゃ、ハンガーなどの日用品、クリスマスのカードなど、そういうものの一つ一つに子供たちや他の家族たちへの愛情が感じられます。

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内藤礼/ヴォルフガング・ティルマンス「How does it feel?」/Nerhol「lake, bridge, days, tree」/福永大介「はたらきびと」/宮島達男《カウンター・ヴォイド》

内藤礼
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/24201/
タカ・イシイギャラリー
2020/11/27-12/26
 
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内藤礼の個展!それは行きますよ。金沢での展覧会に行けなくて残念でしたが、東京のギャラリーでみることができるなんてありがたいです。規模は小さくても内藤さん要素がぎっしりと。水の入った瓶、映らない鏡、揺れる糸。
 
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カラービギニングシリーズもありました。白く見える画面ですが、色を塗った後に重ねられた白をじっくり見ていると、その下にある色がうっすら見えてくる、白ではない白。自然光で見るというのがまた良いです。色は光を反射して現れる。光が変化していくことで画面はまったく同じ状況ではない、色はその時間や天気などで見る環境としてすべて
異なるものになる。
 
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そして、この作品は初めて見ました。天井からぶら下がっている豆球。ただそれだけです。それでもそこに「太陽」というタイトルがつくとそこに希望を見出してしまいそうです。
 
 
 
ヴォルフガング・ティルマンス「How does it feel?」
https://www.wako-art.jp/2020wolfgangtillmans
ワコーワークスオブアーツ
2020/11/7-12/19
 
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ティルマンスの個展です。結構作品数が出ていました。時代も様々です。雑誌の切り抜きの様なものから額に入った作品まで形態も異なりますが、それぞれが全体を
構成し一つのティルマンスの作品として成り立っている様です。
 
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デジタルカメラのドットと星が混在するような日付変更線をまたいだところを撮影したものやストライプの様な作品。ぱっと見で写真だと判る作品と並び、これは写真なのかどうなのかも頭の中で混ざっていくようです。
 
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個人的に好きだったのは紙を丸めたものが光に反射する作品。曲線の美しさ、光の美しさ、シンプルさがそこに凝縮されていました。
 
 
 
Nerhol 「lake, bridge, days, tree」

http://www.ykggallery.com/exhibitions/nerhol-lake-bridge-days-tree/
Yutaka Kikutake Gallery
2020/11/7-12/5
 
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以前より、よリ抽象的になっている気がします、Nerholの作品。幾つもの紙を重ねて、それを切ったり削ったりすることで現れてくるもの。
 
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近くで見るとなんだかわからないけど、遠くから見ると浮かび上がったり。その逆に近くで見るとつかめる姿もあります。印象派の絵画のようだな、とも思いました。
 
 
 
福永大介「はたらきびと」
http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/fukunaga2020/
小山登美夫ギャラリー
2020/11/7-12/5
 
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さまざまな働いている人物たち。曖昧な顔つきの人々。働くというのは服装というアイコンによって象徴されているものなのかな、と。
 
 
 
宮島達男《カウンター・ヴォイド》
https://www.roppongihills.com/events/2020/07/006668.html
六本木ヒルズ(12月5日)
 
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森美術館のスターズ展との連動企画でカウンターヴォイドが幾夜か復活となりました。
 
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六本木ヒルズにあるこのパブリックアートは震災によって光が消されて、その後、何らかの機会がある時でしか点灯していません。久しぶりにこの動く数字たちを見ることができた気がします。

 

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MIYASHITA PARK アートやデザイン

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渋谷のMIYASHITA PARKにアート作品やデザインの見どころがたくさん。いまトピでも書きました。
 
MIYASHITA PARKにアートがたくさん!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9000.html
 
 
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駅側から行くと入り口にあるのが青と黄色の犬の彫刻「きゅうちゃん」、作家:Colliu。そのまま登って屋上へ向かいます。ビーチバレーやスケボーなどが出来るスポーツ施設になっています。
 
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その中のボルダリング施設の上にある黄色いチンパンジーが「YOUwe.」、作家:WA! moto “MOTOKA WATANABE
 
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屋上パークの中央辺りにいるハチ公はベンチになっています。「渋谷の方位磁針|ハチの宇宙」、作家:鈴木康広。
 
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普通にきゅけいするベンチもデザインされています。
 
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北側から施設に上るエスカレーターの天井には「Small Flowers Blooming on the Ground」、作家:福津宣人。中央側のエスレーターの壁面の壁画はTHE BLUE LOVE(sense + KAZ)の作。
 
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2階の南北を抜ける通路の休憩スペースもいろいろなデザインがありました。
 
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1階のルイヴィトンの意匠も面白い。
 
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明治通りの歩道沿いには「Any」、作家:Stone Designsの男女シンボルマークを合わせたようなもの。駅へ戻る方には計画された飲み屋横丁。
 
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横丁の脇の湯歩道には渋谷の季節を描いた「A DAY IN THE LIFE SHIBUYA」、企画・プロデュース:365ブンノイチ、イラスト:金安亮
 
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そしてその横にまだ残る本物の横丁。やはりこちらが魅力的に見えますよね……。
 

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160人のクリエイターと大垣の職人がつくるヒノキ枡「〼〼⊿〼(益々繁盛)」/「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展/チアオッツァ「木の上のピクニック」/第14回 shiseido art egg 藤田クレア展

160人のクリエイターと大垣の職人がつくるヒノキ枡「〼〼⊿〼(益々繁盛)」
http://rcc.recruit.co.jp/creationproject/2020
ガーディアン・ガーデン/クリエイションギャラリーG8
2020/12/1-12/25
 
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ガーディアン・ガーデンとクリエイションギャラリーG8の2つのギャラリーで開催されています。クリエイターがデザインし、職人が作ったヒノキ枡を販売し、売り上げをセーブ・ザ・チルドレンに寄付するというもの。
 
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ということで、わたしが買ったのは寺本愛デザインの枡。お値段は一つ(どのデザインも)2000円。お手頃です。
 
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枡、お酒飲んだりお米計ったりするだけでなく、小物入れにも使えるしなんか、アートな枡ならいろいろ工夫次第で飾れそうですね。
 
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デザインをした160人の中には浅葉克己、色部義昭、宇野亞喜良、葛西薫、菊地敦己、北川一成、佐野研二郎、永井一正、中條正義、服部一成、日比野克彦、ひびのこづえ、松永真、など有名なデザイナー、イラストレーターの方が揃ってました。   
 
 
 
「ベゾアール(結石)」シャルロット・デュマ展
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/200827/
銀座メゾンエルメス フォーラム
2020/8/27-12/29
 
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結石、ってあの結石ですかね?そしてそれが馬の結石とは!
 
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今回は上の階も展示に使用しているのですが、そこに石がありましたね。
 
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まぁ、馬への愛の展示なのですが、馬ならなんでも良いのか!と埴輪などもあったり、ちょっと面白いです。
 
 
チアオッツァ「木の上のピクニック」
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/window-display/201015/
銀座メゾンエルメス Window Display
2020/12/10-2021/1/26
 
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そして今回のエルメスのショーウィンドウはなんかほんわかした感じでした。現在の状況を鑑みて、自然への逃避を表しているようです。
 
 
 
第14回 shiseido art egg 藤田クレア展 
https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/474/
資生堂ギャラリー
2020/11/27-12/20
 
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動きものです、ちょっと面白い。メインの空間の真ん中には噴水。入り口には巻貝から何か飛び出ています。テーマに「繋がり」などを挙げていますが、それが何なのか何か良くわからない感じ、でもそれが面白い。
 
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動いています。貝の外側をなぞった動きで、それがそのまま音になっていたり、アクションを挟んで音に返還されたり。形を音にすると言う、可視化の逆?自然の形を可聴化したとでも言うような装置。
 
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粘性のあるような液体の中に金物が落ちる音。何を指しているのかは私にはわかりませんでしたが、なんか面白いです。記憶に残ります。
  
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資生堂のウィンドウディスプレイは家とか部屋とか。
 
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資生堂が生活を楽しくさせてくれる、って感じでしょうかね?
 

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石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか

石岡瑛子 グラフィックデザインはサバイブできるか
https://www.dnpfcp.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000761
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)
2020/12/4-2021/3/19
前期 {広告・キャンペーン}:2020/12/4-2021/1/23
後期 {グラフィック・アート}:2021/2/3-3/19
 
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東京都現代美術館(MOT)でも大きな展覧会が開催されている石岡瑛子。こちらもかなり濃密な展覧会になっていました。正直、いきなりMOTに行ったら圧倒されて冷静にみることができなかったかもしれません。こちらで観てから行ったのが良かったかも。
  
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前期、後期とわかれています。前期を見ました。パルコなどの広告のお仕事中心。マイルスデイビスのアルバムジャケットなどもあります。大きな空間でないのにいつもより濃密に感じるのは石岡さんの濃さなのだと思います。
 
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1階には石岡さんの言葉とダイジェストの映像。ここは構成は変わらず映像の中身だけ1期2期で変えるのでしょうか。地下は作品展示です。

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地下1階には石岡さんのインタビューの声が会場に流れてそこに様々な作品が並んでいます。朱入れされた指示書もあります。
 
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女性が第一線で働いていくのは今よりもっと大変な時代だったでしょう。決して負けず、信念で、そして素晴らしい仕事をして、認められていく。すごい人です。後期展示も行こうと思います。

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ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代

ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_buffet/
Bunkamura ザ・ミュージアム
2020/11/21-2021/1/24
 
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静岡の三島にあるベルナール・ビュフェ美術館の所蔵品をまとめて東京で見ることができる良いチャンス!このご時世だとなかなかそこまで行けないですからね。ベルナール・ビュフェ美術館のあるクレ
マチスの丘にはヴァンジ美術館もあるし、たまに行きたい場所です。
 
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初期のころから始まり、いろいろなシリーズの作品が展示されていました。サーカスを描いたシリーズ、ドン・キホーテを描いたものなど時代によってさまざまなモチーフを書いているビュフェ。一つ一つのシリーズが好きなら、もっと見たい!と思うかもしれませんが、初見の人にはこれだけ満遍なく一通りの絵を見ることできるのは嬉しい限り。途中、これも同じ人が描いたの?というような写実的な作品が出てきますが、ビュフェは素晴らしい技術があった上で、ああ言う絵を描いていたのがわかります。個人的には動物などを多く描いた博物誌シリーズ、ニューヨークの街並みを描いたものが好き。
 
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ビュフェはパートナーであるピエール・ベルジェとともに50年代に南仏で過ごしています。ベルジェは男性ですが、その後に女性のアナベルを奥さんと結婚をします。性別にとらわれない自由さを持っているのでしょうか。ベルジェは男性のみが対象のようで、その後、イヴ・サンローラン を公私に渡って支えていくようになります。
  
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様々なシリーズがありながらも共通するのが鋭く強い線。美術館の隣にあるカフェ「ドゥ マゴ パリ」のコラボデザートその線をイメージしているものでした。うん、チョコがおいしければそれでよいか。

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素材―その形と心/棚田康司「その場に、これ」

素材―その形と心
https://www.gallerydekasuga.com/ja/
gallery de kasuga
11/5-12/20
 
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工業用の素材をブランド化して商品やアートを
作っている春日さんが、素材のブランディングの空間としてオープンした空間。そこに素材をテーマに南條史生キュレーションで開催されたのがこの展覧会です。実際に春日さんが生み出した素地を使った作品もあります。
 
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須田悦弘、内藤礼などの作品があるのも南條さんが関わっているらしい作家並びな気がします。
 
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上出長右衛門窯や照屋勇賢などポップなところもありました。入り口のすぐ横で浮かびながら
ぐるぐる回っている落合陽一の作品も目を引きます。
 
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青木美歌、宮永愛子などの女性作家の作品は素材というイメージに合う形でとてもこの展覧会らしいと思いました。
  
 
  
棚田康司「その場に、これ」
https://www.voidplus.jp/
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2020/11/6-12/5
 
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独特の雰囲気を持った棚田さんの彫刻作品、その魅力がうまく伝わる展示でした。
 
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小さな白い空間に二人の女性、視線は合っていないながらも、見つめあっているのでもなくどこか意識しているのか。
 
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木彫りにシルバーの金継ぎの様な模様が描かれている作品も。素材のサイズやひび割れなどの問題ではなく、質感としてのシルバーの線の様ですね。
 
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時代や雰囲気が違っていてもどこかで棚田さんらしいj雰囲気をまとっている作品たち。
 
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展示スペースと事務スペースが兼用になっているような空間には東恩納裕一作品なども。
 
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この近くにあるプラダの建築。ヘルツォーク&ド・ムーロンの設計。2003年に出来て、20年弱経っていますが、未だに目を引く建築です。良いものは古びないし、いつまでたっても良いものです。
 

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M meets M 村野藤吾展 槇 文彦展

M meets M 村野藤吾展 槇 文彦展
http://bankart1929.com/MmeetsM/
BankART Temporary/BankART KAIKO
2020/10/30-12/27
 
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横浜市の旧庁舎を設計した村野藤吾、新庁舎を設計した槇 文彦の展示です。
 
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旧帝蚕倉庫のBankART KAIKOでは村野藤吾の展示。日生劇場のある日本生命日比谷ビル、新高輪プリンスホテル、箱根プリンスホテルなどの模型などがありました。やはり旧横浜市庁舎の資料は細かいところまであって、建築全体の図面以外にも手摺や取手などの詳細図までありました。ここら辺の曲線などは一体どうやって決めていっているのかな。
 
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そして道を挟んだ旧第一銀行のBankART Temporaryでは槇 文彦の展示。まずは横浜市新庁舎の模型です。
 
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ヒルサイドテラス、テレビ朝日など見慣れた建物もあります。
 
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東京体育館、幕張メッセ北ホールもそうなのですね。
 
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大分県中津市にある風の丘葬斎場はかっこいいですね。島根県立古代出雲歴史博物館など、いろんな場所でお仕事されていますね。
 
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中国の深圳海上世界文化芸術中心もすごいカッコいい建物。あと、最新建築?になるのかな、渋谷区のトレイ計画の一つタコ公園のイカトイレ。
 
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そして会場のすぐ隣にある新市庁舎にも寄ります。
 
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桜木町駅側には川があり、その横がとても良い感じ。桜木町方面に市庁舎2階から通路になっていました。
 
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商業もあり、広場もあり、今の庁舎のスタイルってこんな感じなのですね。
 

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宮島達男 クロニクル 1995−2020/千葉市美術館コレクション名品選2020

宮島達男 クロニクル 1995−2020
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/tatsuo-miyajima/
千葉市美術館
2020/9/19-12/13
 
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デジタルカウンターを使った作品で有名な現代アーティスト、宮島達男の個展が開催されると言うことで楽しみにしていました。前の大きな展覧会は水戸芸でしたよね。
 
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美術館に上がる前に1階、さや堂ホールですでに作品を見る事が出来ます。ここは無料公開ってことなのかな?
 
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床面にプロジェクションされているのが赤青黄の色の中を泳ぐ数字たち。もちろんカウントされています。色の上に立つと数字に自分の影が重なりますね。
   
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美術館に行くエレベーターも宮島さん仕様。会場では初めの方は映像作品が多いです。水に顔を付けるというやつや顔や身体の一部にデジタルの数字をペイントするもの。
 
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ガラス面に浮かび上がる数字。ベースの曇りガラス面の中に透明-曇り面を電極でコントロールする素材で数字を表現しています。直島の家プロジェクトにありましたね。自分が死ぬ日を決めてパソコンに入力することでそれまでのカウントダウンが始まる作品なども。千葉市美のコレクション作品とのコラボでミラーシートに数字が抜かれた隙間から川原温や李禹煥や杉本博司の作品を覗き見るような展示も良いです。
 
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後半、下の階にある大きな展示室には様々なタイプの宮島さんの作品が。透過するミラーを使った作品は最近の定番でもありますね。
 
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宮島さんの作品には0が無いのですよね。仏教感から無をなくしたというような話を前に聞いた記憶があります。生まれ変わりによって9の次は1となる。
 
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写真は撮れませんでしたが最後の方にあったのが「飛天」をイメージした最新作「HITEN-no.11」。淡い色合いが特徴です。そして最後のにある「地の天」はっ暗い部屋の中に闇の池の中に青い数字が浮かぶような世界。
  
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なんなら宮島さんの名作「メガデス」も見たかったなぁと思ってしまいましたが、いやいや、これだけまとめて見ることができるのは贅沢なことです。
  
 
 
千葉市美術館コレクション名品選2020
描かれた千葉市と房総の海辺/円山応挙とその周辺/なつかしい景色/特集 榎倉康二・宮島達男
https://www.ccma-net.jp/exhibitions/permanent/collection-2020-11/
千葉市美術館
2020/11/3-12/6
 
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コレクション展示、応挙の良い作品持っているのですねー。
  
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小林清親や川瀬巴水などの作品もあり、企画展に絡んで宮島達男作品もありました。 

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名和晃平「Oracle」/GYRE FOOD

名和晃平「Oracle」
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/kohei-nawa-oracle/
GYRE GALLERY
2020/10/23-2021/1/31
 
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GYREの吹き抜けにある名和さんの作品を見ながらギャラリーへ。明治神宮に名和さんの鳳凰を展示していたのには間に合わず(会期前半の期間限定の展示でした)。
 
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その鳳凰と同じシリーズ。春日の神鹿の厨子をモチーフにしています。木彫り漆泊仕上げだとか。
 
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名和さんと言えば、代名詞ともなりつつあるPixCellシリーズ。透明の球がキラキラしています。はく製のこれ、鹿だと思っていたらこれ牛の仲間なんですね。
 
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入り口近くにもPixCellシリーズのカラス。これhが中身ははく製ではないとか?Rhythmシリーズは菌の様な形の球が今の時期にはあれに見えてしまいそう。
 
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白い面に青いグネグネ動くもの。射出されたレーザーが白い面の顔料に反応しているのだとか。
 
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グルーガンで描かれたものや、ノズルで噴出した絵だとか、手法に対するアイデアは面白い。一定以上の作品の質をもう少し求めてくれないかな、と。多くの作品を生み出すためか、少しアイデアそのまま出しました的な感じもいくつかしました。

 
 
 
GYRE FOOD
https://gyre-omotesando.com/food/ 
  
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建築家・田根剛が手掛けたGYREの中の飲食エリア、GYRE FOOD。土や緑が建物の中に。その中での飲食。
 
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段々になっているスペースが目を引きます。この段に自由に座ったりしてそこで飲食をしても良い空間に。機能とデザインをうまく合わせたようなものですね。
 
 
 
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原宿駅の旧駅舎もおわかれなんですかね。
 

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日本美術の裏の裏

リニューアル・オープン記念展 Ⅱ 日本美術の裏の裏
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2020_2/index.html
サントリー美術館
2020/9/30-11/29
 
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サントリー美術館リニューアルオープン記念の第二弾は日本美術のコレクションに注目した展覧会。第一弾の展示も良かったですが、今回も見応えありました。しかし、本当に良いものお持ちですよね、コレクション品を中心にこれだけの展覧会を開催できるのだから。そこに加えて、企画力、見せる工夫なども良いのですから、良い美術館です。
 
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襖の向こうは屏風絵の世界「空間をつくる」。今回の展覧会、生活の中の美、と言うテーマがあるので、その生活を見せるような演出なのでしょうか。洛中洛外図屏風の前には床に絵と比較できるマップがありました。
 
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「小をめでる」のコーナーはもう、これ、萌えの世界。誰がこんなミニチュア作ろうとして、実際に作って愛おしんだのか。もう誰がみても悶えそうな可愛さ。
 
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「心でえがく」、いやこの絵は心でみないと理解できないでしょう。かるかやのヘタウマ世界。蕾が落ちたら家出をする夫を持った妻の立場も考えて欲しい。
 
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足跡マークに鳥の足跡。きっと鶴のあのお方の足跡ではないかと。吹き抜けもいい感じです。
 
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「景色をさがす」、名碗などにもう目もうつろ。この館のトレードマーク、仁清の鶴の香合もここにいました。
  
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「和歌でわかる」、いきなり駄洒落ですか。しかし、立体の漢字の影がひらがなになっているのはとても素晴らしい。
 
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道八の桜楓の器、本当に美しい。良い器です。京焼の先輩、乾山や仁清を取り入れながら洗練させた様な色絵の妙!そしてその乾山の器も引けを取らないです。
  
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土佐派も負けてはいませんが、和歌といえば宗達+光悦コンビにかなうものはいないでしょう(個人的見解です)。光悦のギリギリを責めていく様な書は本当にこの人は天才なんだな、と思わせます。
 
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最後に「風景にはいる」。箱根や小田原などの浮世絵など。サントリー美術館、リニューアルオープンの三部作展覧会、もうどれも素晴らしい。
 

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古賀絵里子・鈴木理策写真展「高野山・熊野」/音楽を奏でる写真たち 木之下 晃「世界の音楽家」/TOKYO MIDTOWN AWARD 2020

古賀絵里子・鈴木理策写真展「高野山・熊野」
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s12/201106012.html
2020/11/6-11/12
フジフイルム スクエア 富士フイルムフォトサロン 東京
 
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古賀さんの撮る高野山は神秘さの中にも生活があることを伝えてくれる。山間の集落に住む人たちの生活がそこに見えてくる。
 
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鈴木さんの撮る熊野は自然中に信仰があるのを思い出させてくれる。水の流れ、緑の木々、そしてそこにある光。人が何を見てきたのが。
 
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最後に観光協会のブースでアンケートに答えると作品が載っているミニ冊子を貰えます!そして行った日に、なんと鈴木理策さんが会場にいらっしゃる事を教えて頂き、その冊子にサインを頂きました。恵比寿写真美術館の展覧会の時に見た熊野の写真がまだ記憶に残っている話をさせて頂きました。
 
 
 
音楽を奏でる写真たち 木之下 晃「世界の音楽家」
http://fujifilmsquare.jp/detail/20100104.html
フジフイルム スクエア 写真歴史博物館
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音楽家の巨匠たちを撮影した写真。指揮者、演奏家、その一瞬を切り取った写真は、まさに音楽が聞こえるような写真でした。
 
 
 
TOKYO MIDTOWN AWARD 2020
https://www.tokyo-midtown.com/jp/award/
プラザB1 メトロアベニュー
2020/10/16-11/8 
 
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アート部門とデザイン部門、今回はどちらも個人的にこれ!というものは無かったかも。デザイン部門で「閉めない箱」はちょっとおもしろかったな。
 
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アート部門ではそこそこ面白いな、という作品が並んでいるが、これ!という決め手まではいかない感じで。写真の髪の毛の作品はインパクトがあったけど。 
 

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