幻想の銀河 山本 基×土屋仁応
幻想の銀河 山本 基×土屋仁応
https://www.company.theginza.co.jp/space/
ザ・ギンザ スペース
2020/6/2-8/2
ザ・ギンザ スペースの今回の展示も良かったです。前回の展示「しきのいろ 志村ふくみ・洋子 × 須田悦弘」も良かったですが、今回も同じような無駄の無い、キリッとした、静かな展示です。
山本 基の塩の造作で作られた空間の中に土屋仁応の木彫りの鹿たちが佇みます。入った瞬間にピリリとした静けさを感じて背筋が伸びるような展示です。
山本さんの作品は床に塩を固めて模様を作っていくもの。迷路の様にも、生物の這った跡のようにも見えます。天上と床がガラス面になっているので無限に映り込んでタイトルの様に銀河を思わせます。
ガラスの反射によって塩の模様が壁に影を投げかけています。単独の作品も一点掲示。
土屋さんの鹿達はその銀河の中に存在します。まるで水溜りの中で遊ぶようにも見える7匹の鹿達。そして鹿を見守るようにその上空に浮かぶ惑星のような木彫りの球。
群れを成すように鹿達は白い銀河にあつまり、思いをはせています。土屋さんの作風でもある、凛としたその姿は実在の生々しさと、想像上の高貴な世界、その両方を実現しているもの。
一匹、少し遅れて参加しているようにも見えるのが一番小さな個体。何か気になることがあるのか振り向き確認をしながら群れに参加。
ガラスの反射の光を受けながら、時間を停めているように白い銀河の雲の世界を生きる尊い鹿。
そして少しはなれたところから7匹の鹿達を見守るように眺める鹿の王。ガラス玉のその目はとても優しく感じられます。
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