ジュリアン・オピー/池田良二の仕事/末松由華利
ジュリアン・オピー
https://www.operacity.jp/ag/exh223/
東京オペラシティ アートギャラリー
7/10-9/23
良い展覧会でした。何年か前に水戸芸術館で開催されたオピー展を見逃してしまった私としては、この展覧会はかなり期待していました。正直作品数はそれほど多くないと思いますが、サイズの大きな作品があったり、シンプルな構成はこれで十分だろうという内容だと思います。
オピーの描くシンプルな線、省略した表現、色の平坦な塗りつぶしなどはグラフィックやイラスト的なイメージを与えます。それがまた都会的なイメージに繋がるのもあるかもしれません。
絵に出て来る人も都会的なファッションの人が多いですよね。スタイリッシュだったり、太った人なども居て、顔は見えないのに、キャラクターとして、ああ、こんな人居そう、と思わせるような人たちです。
黄緑の背景のヘッドホンをしている女性が良かったです。他も同様なのですが、顔がわからないのに描かれている女性が魅力的です。服や持ち物、スタイルなどでその人がどんな人なのかを表現しているのですね。
この金物をカットして輪郭だけの立体造形も面白い。首がないのに……と思ったらイヤホンのコードで繋がっている!
大きな作品を見ると輪郭線が凹んでいるのが判ります。地の壁や板を黒く塗り、その上に色の付いたパーツを貼り付けていくようで、線が地色という発想なんですね。
都会的なイメージといいましたが、今回の展覧会には自然の風景の絵も出ています。これら自然の景色を描いたもの線が地色を拾っている部分だというのも同様です。鳥が凹んでいたりでっぱっていたりもしてますね。ただ、やはりグラデーションなどがない色の塗りつぶしの絵は自然を描いても現代的に見えますね。
鯉の作品は池に泳ぐ鯉をみるようです。日本的な要素がる作品ですね。オピーは浮世絵の収集家でもあるようですので、意識してか自然にかはわかりませんが日本的な要素は入ってくるのだと思います。日本的要素ではありませんが同じLED表現のカラスも面白いです。たまにフンをします、こいつら。
羊達は石の彫刻です。これは四国にある琴電高松築港駅前の石の彫刻の流れでしょうか。四国にあるのは高松の地元の石作業の職人と一緒に作ったもの。同じところで作っているのかな?電源や固定金具を隠すために、床と同じ素材を使って台をつくっているのもこだわり感があって面白い。
収蔵品展067 池田良二の仕事
https://www.operacity.jp/ag/exh224.php
東京オペラシティ アートギャラリー
7/10-9/23
池田良二の銅版画、様々なものがコラージュされているのに構図としてはすっきりとして間がある感じです。北海道生まれだと聞いて、北海道の地平線を思い浮かべました(北海道のどこかによっては全く関係ないと思うけど)。
project N 76 末松由華利
https://www.operacity.jp/ag/exh225.php
東京オペラシティ アートギャラリー
7/10-9/23
末松由華利の描く絵画は、絵の具がにんじでいたり垂れていたり、意図しない、自然に発生する要素による表現もあるように見えます。描くイメージと実際に描かれているものをどの様に埋めていくのか?それとも埋めていかないのか?気になります。
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