« トム・サックス ティーセレモニー(2回目)/COCHAEの絵付伝承折紙/NEWoMan ART wall. vol.17 津上みゆき w/ ANOMALY | トップページ | Mechanical Sensations/蚊遣り豚×36/PIXARのひみつ展 »

塩田千春展:魂がふるえる/フェイクニュース?/走泥社―現代陶芸のはじまりに

塩田千春展:魂がふるえる
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
Img_8060
塩田千春《どこへ向かって》
 
おそらく今年一番心待ちにしていた展覧会です。美術館の入口からすでに塩田千春作品になっています。ギンザシックスの黒い舟とは反転したような白い舟が宙に浮かびます。
 

このブログエントリの写真はすべて「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
 
 
Img_8071
塩田千春《手の中に》
 
展示室の一番最初にあるのが子どもの手を象ったブロンズの手が抱える何か。この何かの中には「鍵」が入っているそうです。鍵も塩田千春が良く使うモチーフですね。ただし、今回はこの手の中の見えない鍵くらいだったでしょうか?
 
Img_8097
塩田千春《不確かな旅》
 
そしていきなり赤い糸を使う塩田千春の代表的インスタレーションの部屋が現れます。やはり圧巻の作品ですね。感情を揺さぶってくるようなこの部屋。舟から湧き出てくるような糸は何がモチーフなのか?
 
Img_8081
 
Tsuy5560
塩田千春《不確かな旅》
 
塩田千春は生と死、記憶、存在などの形のないものを美しい作品として表現していますが、単純に美しいだけではない、多くの人が抱えている不安をヒリヒリと感じるような作品です。
 
Img_8102
塩田千春《皮膚からの記憶》(横浜トリエンナーレ2001)
 
そして塩田千春の歴史を追うコーナーへ。私が始めて塩田さんの作品をみたの2001年の横浜トリエンナーレの泥のドレスでした。一度目にしたら忘れられない強い作品でした。その後、この方の作品をどうしてもまとめて見たくて2005年に塩田さんの出身校である京都精華大学の個展を見に行ったのを覚えています。そこから塩田さんの個展や参加しているグループ展など色々な展覧会を観ました。
 
2005年の京都精華大学での展覧会の感想
ぎざぎざ~塩田千春展 When Mind Become Form
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2005/05/_when_mind_beco_361c.html
 
2007年の神奈川県民ホールギャラリーでの展覧会の感想
ギャラリー、小雨の表参道、横浜の曇天
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2007/11/post_c732.html
 
比較的最近のKAAT神奈川芸術劇場での展覧会の感想
塩田千春 | 鍵のかかった部屋
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2016/10/post-ea4c.html
 
ギンザ シックスの吹き抜けの展示の感想
塩田千春 《 6つの船 》/二人のカラリストの出会い デイヴィッド・ホックニー|福田平八郎
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/03/6-4f48.html
 
 
Img_8115
塩田千春《赤と黒》
 
Img_8108
塩田千春《再生と消滅》
 
今回の森美術館の展覧会が決まったのが2年前。その連絡が来て喜んでいる翌日に癌の再発が見つかったそうです。それから死と向かい合ってきた塩田千春。自分の身体の部分などをモチーフにした作品なども今回出ています。
 
Img_8122
 
Dpos9077
塩田千春《小さな記憶をつなげて》
 
今回の展示のなかで一番好きだった作品が窓際にあったこれ。展覧会全体では記憶や存在などをテーマにしていますが、記憶、そう、この小さなものたち一つ一つに繋がっていく記憶があるのですよね。小さい頃遊んだあのおもちゃ、クリスマスに買ってもらったもの、などモノに重なる思い出、そしてそのモノとモノに紐付く記憶がさらに繋がっていく。
 
Img_8134
 
Img_8139
 
Img_8146
塩田千春《静けさのなかで》
 
今度は黒い糸を使うインスタレーション。これは以前も見たことがあります。小さな頃焼けたピアノを見て、そこから美しい音が流れてくるように思えたという作家の思い出から発したものです。客席側も焼けていますね。
 
Img_8153
 
Img_e8148
塩田千春《時空の反射》
 
次も塩田さんが昔から展開しているモチーフである黒い糸とドレス、そして窓枠を使った作品です。
 
Img_8166
 
Img_8170
塩田千春《内と外》
 
窓枠の作品はこれのみ。もう少し大きいのがあるかと思っていたので少し寂しかったですが、それでもちゃんと抑えてきていましたね。
 
塩田千春は演劇などに舞台美術作家としても幾つも参加しています。私は以前に塩田千春が舞台美術を手がけ、チェルフィッチュ岡田利規が演出をした演劇「タトゥー」を観に行ったことがあります。
 
塩田千春の舞台美術「タトゥー」を見た感想
こんな事いつまでも長くは続かない〜塩田千春 in タトゥー
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2009/05/in-8c69.html
 
 
Img_8176
 
Img_8182
 
Img_8185
塩田千春《集積:目的地を求めて》
 
そしてスーツケースと赤い糸の作品。スーツケースの幾つかはゆらゆらと動いています。今までに「鍵と扉」や「靴」などが赤い糸に繋がっていた作品は見たことがありますが、今回はスーツケース。会場には他にもスーツケースを使った作品もあり、スーツケースの中の記憶、移動や旅、目的地を探して行くという意味では靴や扉などと近いのかもしれません。
 
Img_8192
塩田千春《魂について》
 
最後にドイツの子ども達が「魂」について話し合っている映像の作品。会場の初めにあった作品の手は塩田さんの実子からかたどったものだということでした。その特定性に比べて、今度は子どもたち多くが様々な意見を映像の中で繰り広げています。ただ、この子ども達もその親にとっては特定の存在で、その考えは親や生活などから影響を受け創り上げられた記憶の先にあるものなんですよね。
 
塩田千春の考える色々な記憶について、そこに入り込んでいってしまうような展覧会でした。
 
 
 
MAMコレクション010:フェイクニュース?
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection010/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
Img_8197
 
会田誠扮する首相のスピーチやユェン・グァンミン、ジョウ・ティエハイの作品。フェイクや記録。アート作品はある意味全てフェイクでもある気がするし、作品としては全て本物だともいえます。塩田千春の展示で見た内と外、裏と表に繋がる感じもしました。
 
 
 
MAMリサーチ007:走泥社―現代陶芸のはじまりに
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch007/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
走泥社とは60年以上前の京都の陶芸家グループ。京焼と言えば乾山や仁清などを思い浮かべますが、この走泥社は前衛的な活動を繋がっていたようです。この流れを読み解き、アーティストの中村裕太が陶芸を使ったインスタレーション作品を発表しています。陶芸とは言ってもそこにあるのはオブジェのようなものたち。思い浮かんだのはイサム・ノグチの作品でした。
 

|

« トム・サックス ティーセレモニー(2回目)/COCHAEの絵付伝承折紙/NEWoMan ART wall. vol.17 津上みゆき w/ ANOMALY | トップページ | Mechanical Sensations/蚊遣り豚×36/PIXARのひみつ展 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« トム・サックス ティーセレモニー(2回目)/COCHAEの絵付伝承折紙/NEWoMan ART wall. vol.17 津上みゆき w/ ANOMALY | トップページ | Mechanical Sensations/蚊遣り豚×36/PIXARのひみつ展 »