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Mechanical Sensations/蚊遣り豚×36/PIXARのひみつ展

Mechanical Sensations
https://art-view.roppongihills.com/jp/shop/adgallery/mechanicalsensations/index.html
六本木ヒルズA/Dギャラリー
6/21-7/7
 
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10名のアーティストのグループ展。注目はケント紙を使った作品を生み出す2大アーティスト、伊藤 航と小坂 学がそろっています。
 
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この時計は小坂 学の作品。ペーパークラフトなんですよね、これ。リアルすぎです。
 
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この細かい工作は伊藤 航のペーパークラフト作品。まさに基盤、回路といった今回のテーマ。
 
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小坂 学作品は他にもあります。とにかく紙で球形に近いものを作るときはどうするのでしょうね。
 
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伊藤 航の作品はさらに変質的(褒め言葉)。ファンのやつなんてたまらないですね。
 
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ナカダマコトの少しづつ違う形の木彫を幾つも作り、それでコマ撮りアニメを作るという作品は大変そうですね。
 
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照井 譲の樹脂のつぶを一つづつ置いて作っていった作品。根気が要りそうです。
 
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村松英俊の良く見ると一部が大理石の彫刻になっている作品も面白い。

 
 
蚊遣り豚×36
https://art-view.roppongihills.com/jp/shop/news/2019/06/3235/index.html
六本木ヒルズ A/Dスペース
6/19-7/7
 
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こちらは36人の作家が作った蚊取り線香入れの豚。
 
アサ佳、足立貴隆、伊豆野一政、伊藤千穂、稲垣 直、井上裕起、馬川祐輔、金田花季、兼行誠吾、小孫哲太郎、篠原 希、シマムラヒカリ、志村観行、白木千華、高木基栄、瀧下和之、田中雅文、ツォン ウェンティン、苫米地正樹、戸屋ちかこ、ナカムラジン、沼野秀章、原 泰介、原田省平、廣崎沙羅、穂高隆児、堀口彩花、正守千絵、水谷 満、宮岡貴泉、宮下サトシ、宮田 琴、村越琢磨、山口由次、山田浩之、横山玄太郎
 
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井上裕起さんのは上にサンショウウオ!もう豚関係なく。
 
 
 
PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス
https://www.tokyocityview.com/pixar-himitsu-ten/
東京シティビュー
4/13-9/16
 
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まぁ、正直ピクサーものはあまり今まで見たことないのですが、子ども達やカップルが楽しそうに遊んでいる雰囲気は良いですね。
 
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女性の何人組かで来ている人も多いですが、ピクサーが好き仲間なのか、たまたま六本木ヒルズに来て遊んでいるのか。そういう、たまたま来ても楽しいと言うのはこう言うエンタメ系の展覧会の良いところ。
  
 
 
 
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六本木ヒルズの上からの名建築見学。黒川紀章設計の国立新美術館が良く見えますね。
 
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六本木ヒルズの上からの名建築見学。そうか、新国立競技場(隈研吾設計)がここから見えるのですね。あれがザハのあれだったらなぁ、と思ってしまいますよね……。
 

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塩田千春展:魂がふるえる/フェイクニュース?/走泥社―現代陶芸のはじまりに

塩田千春展:魂がふるえる
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
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塩田千春《どこへ向かって》
 
おそらく今年一番心待ちにしていた展覧会です。美術館の入口からすでに塩田千春作品になっています。ギンザシックスの黒い舟とは反転したような白い舟が宙に浮かびます。
 

このブログエントリの写真はすべて「クリエイティブ・コモンズ表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
 
 
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塩田千春《手の中に》
 
展示室の一番最初にあるのが子どもの手を象ったブロンズの手が抱える何か。この何かの中には「鍵」が入っているそうです。鍵も塩田千春が良く使うモチーフですね。ただし、今回はこの手の中の見えない鍵くらいだったでしょうか?
 
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塩田千春《不確かな旅》
 
そしていきなり赤い糸を使う塩田千春の代表的インスタレーションの部屋が現れます。やはり圧巻の作品ですね。感情を揺さぶってくるようなこの部屋。舟から湧き出てくるような糸は何がモチーフなのか?
 
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塩田千春《不確かな旅》
 
塩田千春は生と死、記憶、存在などの形のないものを美しい作品として表現していますが、単純に美しいだけではない、多くの人が抱えている不安をヒリヒリと感じるような作品です。
 
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塩田千春《皮膚からの記憶》(横浜トリエンナーレ2001)
 
そして塩田千春の歴史を追うコーナーへ。私が始めて塩田さんの作品をみたの2001年の横浜トリエンナーレの泥のドレスでした。一度目にしたら忘れられない強い作品でした。その後、この方の作品をどうしてもまとめて見たくて2005年に塩田さんの出身校である京都精華大学の個展を見に行ったのを覚えています。そこから塩田さんの個展や参加しているグループ展など色々な展覧会を観ました。
 
2005年の京都精華大学での展覧会の感想
ぎざぎざ~塩田千春展 When Mind Become Form
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2005/05/_when_mind_beco_361c.html
 
2007年の神奈川県民ホールギャラリーでの展覧会の感想
ギャラリー、小雨の表参道、横浜の曇天
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2007/11/post_c732.html
 
比較的最近のKAAT神奈川芸術劇場での展覧会の感想
塩田千春 | 鍵のかかった部屋
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2016/10/post-ea4c.html
 
ギンザ シックスの吹き抜けの展示の感想
塩田千春 《 6つの船 》/二人のカラリストの出会い デイヴィッド・ホックニー|福田平八郎
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/03/6-4f48.html
 
 
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塩田千春《赤と黒》
 
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塩田千春《再生と消滅》
 
今回の森美術館の展覧会が決まったのが2年前。その連絡が来て喜んでいる翌日に癌の再発が見つかったそうです。それから死と向かい合ってきた塩田千春。自分の身体の部分などをモチーフにした作品なども今回出ています。
 
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塩田千春《小さな記憶をつなげて》
 
今回の展示のなかで一番好きだった作品が窓際にあったこれ。展覧会全体では記憶や存在などをテーマにしていますが、記憶、そう、この小さなものたち一つ一つに繋がっていく記憶があるのですよね。小さい頃遊んだあのおもちゃ、クリスマスに買ってもらったもの、などモノに重なる思い出、そしてそのモノとモノに紐付く記憶がさらに繋がっていく。
 
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塩田千春《静けさのなかで》
 
今度は黒い糸を使うインスタレーション。これは以前も見たことがあります。小さな頃焼けたピアノを見て、そこから美しい音が流れてくるように思えたという作家の思い出から発したものです。客席側も焼けていますね。
 
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塩田千春《時空の反射》
 
次も塩田さんが昔から展開しているモチーフである黒い糸とドレス、そして窓枠を使った作品です。
 
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塩田千春《内と外》
 
窓枠の作品はこれのみ。もう少し大きいのがあるかと思っていたので少し寂しかったですが、それでもちゃんと抑えてきていましたね。
 
塩田千春は演劇などに舞台美術作家としても幾つも参加しています。私は以前に塩田千春が舞台美術を手がけ、チェルフィッチュ岡田利規が演出をした演劇「タトゥー」を観に行ったことがあります。
 
塩田千春の舞台美術「タトゥー」を見た感想
こんな事いつまでも長くは続かない〜塩田千春 in タトゥー
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2009/05/in-8c69.html
 
 
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塩田千春《集積:目的地を求めて》
 
そしてスーツケースと赤い糸の作品。スーツケースの幾つかはゆらゆらと動いています。今までに「鍵と扉」や「靴」などが赤い糸に繋がっていた作品は見たことがありますが、今回はスーツケース。会場には他にもスーツケースを使った作品もあり、スーツケースの中の記憶、移動や旅、目的地を探して行くという意味では靴や扉などと近いのかもしれません。
 
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塩田千春《魂について》
 
最後にドイツの子ども達が「魂」について話し合っている映像の作品。会場の初めにあった作品の手は塩田さんの実子からかたどったものだということでした。その特定性に比べて、今度は子どもたち多くが様々な意見を映像の中で繰り広げています。ただ、この子ども達もその親にとっては特定の存在で、その考えは親や生活などから影響を受け創り上げられた記憶の先にあるものなんですよね。
 
塩田千春の考える色々な記憶について、そこに入り込んでいってしまうような展覧会でした。
 
 
 
MAMコレクション010:フェイクニュース?
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamcollection010/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
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会田誠扮する首相のスピーチやユェン・グァンミン、ジョウ・ティエハイの作品。フェイクや記録。アート作品はある意味全てフェイクでもある気がするし、作品としては全て本物だともいえます。塩田千春の展示で見た内と外、裏と表に繋がる感じもしました。
 
 
 
MAMリサーチ007:走泥社―現代陶芸のはじまりに
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/mamresearch007/index.html
森美術館
6/20-10/27
 
走泥社とは60年以上前の京都の陶芸家グループ。京焼と言えば乾山や仁清などを思い浮かべますが、この走泥社は前衛的な活動を繋がっていたようです。この流れを読み解き、アーティストの中村裕太が陶芸を使ったインスタレーション作品を発表しています。陶芸とは言ってもそこにあるのはオブジェのようなものたち。思い浮かんだのはイサム・ノグチの作品でした。
 

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トム・サックス ティーセレモニー(2回目)/COCHAEの絵付伝承折紙/NEWoMan ART wall. vol.17 津上みゆき w/ ANOMALY

トム・サックス ティーセレモニー(2回目)
https://www.operacity.jp/ag/exh220/
東京オペラシティ アートギャラリー
4/20-6/23
 
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2回目のトム・サックス展に行って来ました。茶道の解釈をまじめに取り組んでアートに展開したもの。茶道やイサム・ノグチへの愛のあるオマージュです。一回目の感想はこちらに。
 
トム・サックス ティーセレモニー/ポップアップストア(その他オペラシティ 衣真一郎展等)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/04/post-e09b90.html
 
 
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トムに茶道を指導した先生のお茶のパフォーマンスを丁度やっていました。
 
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とにかく一見パロディに見えかねない展覧会でありますが、みんな愛を持って真面目に取り組んでいます。
 
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そして、2回目に行った一番の目的はこの椅子の背中のデビッド。ボウイの名前を撮影すること。一回目に行った時にこの名前があるのを知らず、後日友人の写真で知って、はい、わざわざ来ました、2回目。他にもミュージシャン系で見つけたフランク・ザッパの名前。
 
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シド・バレットやマーヴィン・ゲイも発見しました。
 
 
 
COCHAEの絵付伝承折紙
http://www.nact.jp/information/museumshop/gallery/cochae/
国立新美術館 B1F SFT Gallery
5/15-7/22
 
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鶴の折り紙とか誰でも一度は作ったことがあるのではないでしょうか?そんな昔から伝わる伝承折紙用に絵を付けた紙を作成し、ポップな折り紙を目指したデザイン。二つ折りチラシを切って作るとクジラが出来ますので、持ち帰って折ってみてください。
 
 
 
NEWoMan ART wall. vol.17 津上みゆき w/ ANOMALY
https://www.newoman.jp/art/art_details.php?article_no=10
NEWoMan ART wall. (新宿駅ミライナタワー改札横)
5/31-6/22
 
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日々のスケッチから生まれた風景画。風景のようでいて、とても抽象的な景色の絵でもある。VOCA賞や大原美術館のプログラムなどにも選ばれている津上みゆきの絵を新宿で見ることが出来ます。
 

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デザインの(居)場所

デザインの(居)場所
https://www.momat.go.jp/cg/exhibition/wheredesign2019/
東京国立近代美術館工芸館
5/21-6/30
 
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工芸館所蔵のデザイン作品のコレクションの展覧会です。あのチラシやポスターのデザインを見て、もっと賛否分かれるチャレンジングな展示方法なのかと思ったけど、それほどではありませんでしたね。
 
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まぁ、いろいろ賛否両論ある攻めたデザインのポスターですが、ここまで横長にするとさすがにちょっとこのデザインでは無理があるかと…。
 
ただ、展示されているものはとても素晴らしいものばかりなので、これで250円ならオススメです。デザインや工芸に関係する人なら是非に。良いものを安く見ることが出来る展覧会。
 
 
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「国境」という展示タイトルの最初の部屋にはカッサンドルのポスターやクリストファー・ドレッサーなどの作品。産業革命からアールヌーヴォー、アールデコ、バウハウスと様々な国のデザインを見ることができます。
 
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時代や国を象徴するような様々な作品、ガレのガラス、マルセル・ブロイヤーの家具などがありました。
 
 
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次は「領域」。奥にイサム・ノグチのあかりがあったり椅子やポスターなど須藤玲子の布作品などを見ることが出来ます。
 
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椅子コーナーは剣持勇、柳宗理、イームズ、ブロイヤー、アアルトなど見応えのある名作チェア(とワゴン)が並びます。
 
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一番奥には田中一光のグラフィック。各コーナーの床にはチラシのデザインを模したコーナーサイン。
 
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この各コーナーのカテゴリー分けやその名でのコーナータイトル+その説明がここら辺から徐々にわかり難くなってくるんですよね。
展示品を選んでから、思いつくままに分けて、後からはめ込んでる感……。ちょっと表層的だと感じました。このテーマ分けやキュレーションが何を指しているのかは掴めなかったが、ま、先にも書いたように展示物は良いものばかりなのでそこを注目していきましょう。
 
 
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続いては陶器関連の展示となります。人間国宝とデザイナーの作品を並べたり、エンツォ・マーリの作品(SAMOSシリーズのラインナップ全展示)が並んでいます。
 
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エンツォ・マーリがデザインした陶器SAMOSシリーズは形の同じ材でも組み方で違うデザインになったり、同じ組み方でも形の違う材だと雰囲気が変わるとかやってる。
 
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これらは組み方などに注目してみるとまるで竹や木の工芸品のデザインにも見えます。この人は更にこれをガラスでもやってるのが凄いです。
 
 
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その間に「世界のポスター展」コーナーがありました。伊東深水のポスターは貴重ですね。
 
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そして「時間」のコーナー。イサム・ノグチのあかりがここにもありました。森正幸のお碗を見ると形は同じでも色や模様で印象は凄く違うものだと気づきます。
 
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亀倉雄策や松永真のポスターがあり、その前に椅子に座っていいよ!コーナーも。ジョージ・ナカシマの椅子って不安定そうに見えてすわり心地良いのが不思議です。
 
ほんとうに展示品はとても良いものばかりで、デザインと工芸をつなぐ様なものばかりの必見の展示なんだけど、「つかみどころのないデザイン」(チラシより)を掴みどころないまま表面的に分けて展示してしまった、的にしか見えなかった。なんでこの分け方なのか、がとても表層的に感じました。
 
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最後にある人間国宝コーナーも忘れずに。また、この建物の家具や建物自体のデザインもゆっくりと見て欲しいところ。
 
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工芸館は石川県へ移転することが決定しています。建物の移築ではないのでこの建物はここに残るのだと思いますが、どう使われるのでしょうか?取り壊されはしないと思いますが今の様に一般の人が入れる施設として使われるかは不明です。
 
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今回、九段下から初めてこの館に向かったのですが、途中に通る北の丸公園がとても気持ちよかったです。このルートは良いですね。
 
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あと、近くにある歩道橋ですが、これなんで段数をもっと増やして上を平らにしなかったのでしょうね?階段を上がってゆるやかにスロープになっているのは何故なのかなぁ、と思いました。

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クリスチャン・ボルタンスキー - アニミタス II(CHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II)

クリスチャン・ボルタンスキー - アニミタス II(CHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II)
http://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/
エスパス ルイ・ヴィトン東京
6/13-11/17
 
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私が大混乱を起こし、もう一度行かねばと心に決めた国立新美術館「クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime」と時期を同じくして開催されているこの展示。国立新美術館にもあった作品のシリーズ「アニミタス」の別バージョンが2点展示されています。
 
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このアニミタスは現在4つのバージョンがあり、アタカマ砂漠(チリ)でのバージョンが1作目、その後、日本の豊島《ささやきの森》(2016年)、ケベックのオルレアン島《白》(2017年)、イスラエルの死海のほとり《死せる母たち》(2017年秋)と展開されています。
 
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すべて、星座の配列で並んだ棒に日本の風鈴が取り付けられ、それをその土地の死者の魂の物語として、日の出から日没までをワンカットで撮影したもの。映像時間は10時間以上あるので全部を見ることは難しいですね。
 
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国立新美術館では《白》をみることが出来ますが、こちらでは《ささやきの森》と《死せる母たち》の二つを向かい合わせで見ることが出来ます。
 
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《アニミタス(死せる母たち)》では生き物の気配がありません。国立新美術館の《白》も同様でした。以前、庭園美術館で見ましたが1作目も同様なのではないでしょうか?
 
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《アニミタス(ささやきの森)》ではセミの声を聞くことができます。他の3作と比べて緑も豊かな「生」の映像のようです。ただ、風に揺られ流れる風鈴の音は死者の魂を運んでいるのではないかと思います。
 
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映像の足元にある草花は枯れ、会期が過ぎると共に変化していくといいます。記憶というものを感じ、見せてくれる展示になっています。
 
 
国立新美術館のほうの展覧会についてはひとつ前に作品解説無しの所感ブログエントリを書きました。
 
クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/06/post-358857.html
 
こちらの展覧会、読み解こうとするととても難しい展覧会なの知れませんが、感じようとすれば簡単な展覧会なのかもしれません。
 
クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime
http://www.nact.jp/exhibition_special/2019/boltanski2019/
国立新美術館
6/12-9/2
 
国立新美術館の展示と併せてみなければ、ですね。


 

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クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime

クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime
http://www.nact.jp/exhibition_special/2019/boltanski2019/
国立新美術館
6/12-9/2
 
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ボルタンスキー展、行ってきました。どう表現して良いか難しい。きっとこの頭の中の混乱を整理するためにもう一度行くことになるでしょう。
 
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正直、各展示としてはボルタンスキーの好きな面とそうでない面の両方がありました。ただ、今回の展示としてはあくまでも一つ一つの展示を見るのではなく展覧会自体が一つの大きなボルタンスキー作品として成り立つものであるから、それをどう感じるかなのだと思います。
  
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大阪での展示は見ていませんが、話から想像していたより東京での展示は部屋で別れていましたね。ただ、一つ言えるのは好きも嫌いも含めそれだけ頭や心を揺さぶられる展覧会だと言うのは間違いないです。
 
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私は初回だったので渡された解説を読みながら会場を廻ってしまったのですがそれはしなくても良いかもしれません。解説などを読まずに、ふらふら会場内を歩き回り、何かを感じるというのが良い鑑賞かと思います。
 
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場合によっては「負」の意識も入り込んで来るかもしれません。何でも受け入れられる状態でふらふら歩いているといるのは危ない。真っ直ぐに入り込んで来ない様に、対峙するような感じで歩き回るのが良いかも。
 
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普通に考えると「現代アートに慣れていない人」には場合によっては推奨できない展覧会かもしれません。良くある「わからない」展示や作品が並んでいます。負のポイントに触れて拒絶反応を示してしまう人もいるかもしれない。
 
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ただ、そう言う表層的なものではないですよね、この展覧会。それをどう表現していいのかかわからない……
  
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こう言う風に考えてしまうのがいけないのかもしれません。表現しようと言うのが間違いかもしれません。単純に展覧会を感じてみるのが良いのかもしれません。そういう意味では先ほど挙げた「現代アートに慣れていない人」の方がこの展覧会を「感じる」ことが出来るのではないか?とも思いました。
 
とにかく感じるために、もう一度行くべきだと思いました。また、時期を同じくして表参道のエスパス ルイ・ヴィトンでもボルタンスキーの作品が展示されていますのでこちらも併せて。 
  
 
こちらの展覧会については少しこの「アニミタス」の説明も含めて一つ後にブログで書きました。
 
今日の献立ev. クリスチャン・ボルタンスキー - アニミタス II(CHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II)
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/06/post-e79fc7.html
 
こちらはシンプルに「アニミタス」と言う作品のみに浸ることが出来る展覧会でした。
 
クリスチャン・ボルタンスキー - アニミタス II(CHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II)
http://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/
エスパス ルイ・ヴィトン東京
6/13-11/17
 
国立新美術館の展覧会でも出ていた「アニミタス」の別バーションが2つ展示されていました。

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Meet the Collection -アートと人と、美術館

Meet the Collection -アートと人と、美術館
https://yokohama.art.museum/special/2019/MeetTheCollection/index.html
横浜美術館
4/13-6/23
 
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全展示室を使って横浜美術館のコレクション作品を公開する展覧会です。ただ、コレクション作品を展示するだけでなく、一部で4人のゲストアーティストを招き、そのアーティストの作品とコレクション作品を併せてコラボ展示するという試みを行っています。
 
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4人のゲストアーティストは束芋/淺井 裕介/今津 景/菅 木志雄。入口の吹き抜けにその4人のうちの1人、淺井 裕介の作品が迎えてくれます。これ、裏側からの表情のチェックも忘れずに!淺井 裕介は別にコレクレションコラボ展示の部屋があるのですが、それ以外にもところどころに作品がありました。
 
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さて、いつも企画展が開催されている時と逆のルートで展示室に入るとまずあるのが日本画の部屋「こころをうつす」。ここは束芋の作品がコラボ展示されています。束芋作品に出て来る「女性たち」と日本画に出て来る女性たちを重ねながら見て行きます。鏑木清方の描く「遊女」の女性は何度見ても色っぽくて、こう言う女性になら騙されてもいい、と思ってしまいます。束芋の作品は残念ながら撮影不可でした。
 
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そしてその次の淺井 裕介コラボの部屋「いのちの木」が凄かったです。円形の部屋の壁面ぐるっと全てが泥で描かれた淺井 裕介作品になっています。赤い背景と相まってとにかく圧巻の部屋。
 
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泥の絵も不思議な生き物有り、ちょっとした微生物のようなものたちも居たり、それだけでも楽しめます。そしてその絵の中にコレクション作品が混ざっているようなスタイルになっていますね。
 
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淺井 裕介の世界観の中に居てもおかしくないようなファンタジーな感じの物が多かったですね。シャガールや長谷川 潔の版画に出て来る生き物たちはそのままこの部屋で生活しているようです。
 
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この部屋の外側には宮川香山の作品が並んでいました。横浜に工房を構えた香山ですが、今では明治の超絶技巧人気もあり全国的に有名になりつつありますね。
 
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次が「まなざしの交差」の部屋。ロバート・キャパやピカソ、マン・レイやブニュエル+ダリ「アンダルシアの犬」など。
 
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フランシス・ベーコンや奈良美智などの作品もありました。
 
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その次は写真のコレクションも素晴らしい横浜美術館ならではの部屋「あのとき、ここで」。ロバート・キャパやアルフレッド・アイゼンスタッドの名作品が目に留まります。
 
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ブレッソンや木村伊兵衛などの作品が並ぶ中、コーナーの最後を米田知子が締める形に。
 
 
さて、次からは後半戦。ここまでで約半分です。 
 
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後半戦のはじめは「イメージをつなぐ」と題して今津 景とのコラボ部屋です。イサム・ノグチを手前にエルンスト、デルヴォー、ダリ、キリコなど不思議な世界感をもつ作品がすらっと並んでいます。
 
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そして次が「モノからはじめる」。モノ派の菅 木志雄とのコラボ部屋です。そして次の部屋にある菅 木志雄「環空立」という作品に続いていきます。これがまた素晴らしい作品です。
 
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部屋とその周囲がこの作品に染まっているようで、この作品の体内に他の作品が組み込まれているようでした。
 
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そして次の部屋が「ひろがる世界」。長谷川 潔の版画から始まり、マグリットやカンディンスキーの作品などがあります。
 
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部屋の真ん中にはイサム・ノグチがあり、その向こうにダリの作品が見えます。エッシャーや岩崎貴宏の作品もありました。
 
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部屋の外の望遠鏡で岩崎貴宏の常設作品を忘れずに見て、最後に美術館の紹介の部屋で締めるという構成の展覧会。すごく見応えありました。ありすぎてちょっと疲れるくらいに……(MOTのもそうですが、コレクション見せます!な展覧会だと制限も少なく、詰め込めるから頑張ってしまうのでしょうね、どの館も。自分の子どもみせるような感じで。ただ、もう少しコントロールしようよ……的な気持ちも)。

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中山英之展 , and then

中山英之展 , and then
https://jp.toto.com/gallerma/ex190523/index.htm
TOTOギャラリー・間
5/23-8/4
 
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実はタイトルの「, and then」……「それから」と言うのが全ての展覧会でした。まさかね、建築展を観に行って、メインの展示が映像とか音楽だとは思ってもみなかったです。いや、普通に建築模型の展示などもありますがそれらはあくまでもサブなんです。
 
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模型などは建築時のもの。それらは今回の展示のメインであるものの「その前」なんですよね。建物と言う物は計画して、設計して、建設して、そして……使う。使っていくうちに変わっていくものや変わらないものが出てくる。つまりは使ってこその建物なんですよね。
 
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そんな建物が使われてどうなっているか、「それから」の展示。手書きのコメントやイラストなどが柔らかく展示の説明をしていますが、これはあくまでも前振り。
 
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メインは模型展示を見た後の上のフロアで流れる映像なんです。
 
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細長い「O邸」の生活、つまりそこでの今を伝える映像。
 
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クローバーの生えた地面に少し浮くように建てられた「2004」をアニメーションとスライドショーで見せる。
 
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吹き抜けを上から下まで往復しながら住居兼仕事場の一日を追う「弦と弧」。
 
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道と地下を挟んで繋がっている「家と道」では4箇所の定点カメラごとの音楽が最後に合奏となり一つの曲となるもの。
 
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他にも石のテクスチャーを紙や板に貼った展示や薬草園蒸留所などの展示も。
 
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建築展と言うものの発想を変えてしまうような展示でした。なんなら模型展示も無くしてしまえば良いのに、とも思いましたが。
 

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生誕125年記念 速水御舟

生誕125年記念 速水御舟
http://www.yamatane-museum.jp/
山種美術館 6/8-8/4
一部展示替えあり(前期: 6/8-7/7、後期: 7/9-8/4)
 
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※内覧会に参加してきました。
※掲載写真は特別に撮影の許可を頂いております。
 
待望の山種美術館「速水御舟」展です。速水御舟と言えば山種美術館、と言うくらいに所蔵作品も多く、なんとそのコレクション全120点を前期・後期に分けて全て公開するという展覧会。
 
40歳という若い年齢で無くなった御舟の10代の作品から晩年の作品までが展示されています。写生画や人物画のスケッチなど今まであまり見ることのなかった絵なども含まれ、この機会を逃すとなかなか見ることが出来ないものもあるかもしれませんね。
 
  
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速水御舟《名樹散椿》重要文化財 山種美術館所蔵
 
さて、速水御舟といえば有名なのがともに重要文化財になっている《名樹散椿》と、今回の展覧会ポスターにもなっている《炎舞》の2作品。この《名樹散椿》は前期展示(6/8-7/7)のみの公開ですが、この期間であればなんと《名樹散椿》と《炎舞》を二つ同時に見ることが出来ます。
 
《名樹散椿》の光沢を抑えた美しい地の金色は「撒きつぶし」という金の粉を一面に撒き散らす技法で塗られていて金箔の10倍もの量の金を使うそうです。
 
 
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速水御舟《富士(小下図)》 山種美術館所蔵
 
下図ではありますがこんな富士山の絵もありました。これは是非に近くで見て下さい。この色の滲ませ具合が凄くいいです。大正5年のまだ若き頃の御舟の絵。下図というのもあってか、とてものびのび描かれている気がします。
 
 
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速水御舟《炎舞》重要文化財 山種美術館所蔵
 
ところがそこから10年たたないうちに御舟は一つの様式美としての最高傑作を生み出します。それがこの《炎舞》です。精密に描かれた蛾と、妖しげな炎。そして何よりじっくり見て欲しいのがその背景にある闇です。本人が「もう一度描けといわれても、二度とは出せない色」と語ったという、ただの黒ではない深い闇。
 
 
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速水御舟《夜桜》 山種美術館所蔵
 
この《夜桜》は御舟の絵の中でも私がとても好きな絵の一つです。色があるかないかのギリギリのところ、それでも見ていると頭の中には桜のピンク色が浮かんでくる。ずっと見ていたい絵です。他にも、すぐ隣に展示されている《紅梅・白梅》も同様に最小限の色みで構成された素晴らしい絵でした。
 
 
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速水御舟《翠苔緑芝》 山種美術館所蔵
 
そして《夜桜》と同じ年に描かれたのがこの装飾的な《翠苔緑芝》。同じ人が描いたとは思えない振り幅。先に出た《名樹散椿》の前年に描かれたもので、ともに琳派に強い影響を受けた作品です。今回の展覧会ではこの《翠苔緑芝》が普段から撮影可能ですので、じっくりと紫陽花の花のヒビ割れた表現、黒猫の盛り上がるような毛並み、島ような緑などの技法を楽しむことが出来ます。
 
館長のトークではこの描き方はキュビズムに影響を受けているかもしれない、という話が出ていてびっくりしました。日本や中国の古典を意識しながらも海外の様式を取り入れる、まさに古い日本画を破壊しながらも新しい日本画を建設していく、そんな時代の画家です。
 
 
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速水御舟《裸婦(素描)》等 山種美術館所蔵
 
この後、御舟は渡欧し、エルグレコの作品に興味を持ち人物画のデッサンなどを勉強します。裸婦像やヨーロッパの都市を描いたスケッチなどが展示されています。
 
 
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速水御舟《暗香》 山種美術館所蔵
 
そして晩年、さらなる高みを目指した御舟の絵はとにかく素晴らしいの一言です。この絵のタイトル《暗香》。暗闇の香り、という目に見えないものを描くとこうなる、というもの。まさにこう言うことか!な絵だと思います。
 
 
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速水御舟《あけぼの・春の宵》 山種美術館所蔵
 
亡くなる前の年の作品です。琳派を超えて、現代的でもある様な日本画。御舟ならではの日本画を構築しています。この絵の横に水墨をベースに牡丹を描いた傑作《牡丹花(墨牡丹)》も展示されていますが、こちらも目を引きます。このレベルの作品を亡くなる前の同じ年に作成しているというのも凄いです。
 
 
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速水御舟《あけぼの・春の宵》のうち「あけぼの」一部拡大 山種美術館所蔵
 
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速水御舟《あけぼの・春の宵》のうち「春の宵」一部拡大 山種美術館所蔵
 
「あけぼの」の柳のラインの背景に浮かぶ美しいグラデーション、「春の宵」の薄い暗闇の中に舞う一枚一枚の桜の花弁の様はため息が出てしまいます。
 
 
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速水御舟《一本松(写生)》《三本松(写生)》 山種美術館所蔵
 
そして御舟は昭和10年に40歳で亡くなるのですが、その年に描いた写生画がこの松の絵。キュビズムの様にデフォルメされたこの形は、もし御舟が長生きしていたらどんな絵を描いていたのか、想像しても仕方ないとは思いつつも考えてしまいます。
 
 
さて、山種美術館の次の展示も楽しみです。山種美術館が実施する日本画の公募展「Seed 山種美術館 日本画アワード」の2回目が開催されます。
 
Seed 山種美術館 日本画アワード 2019
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2019/seed2019.html
山種美術館 8/10-8/23
 
2016年に開催された1回目も見に行きましたが、力のある若手作家の作品たちはとにかく見ていて面白い。今回も期待です!
 

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ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道

ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
http://www.nact.jp/exhibition_special/2019/wienmodern2019/
国立新美術館
4/24-8/5
 
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現在、ウィーンに関する展覧会が都内で3つ、東京都美で「クリムト展」、目黒区美で「世紀末ウィーンのグラフィック」展、そしてこの国立新美の「ウィーン・モダン」展が開催されています。ようやくこの3つ目「ウィーン・モダン」に来れました。
 
クリムト展 ウィーンと日本 1900
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/04/post-58d1aa.html
 
世紀末ウィーンのグラフィック
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2019/04/post-7bda09.html
 
この「ウィーン・モダン」展、デザインや工芸などを含むウィーンの背景を探っていく展覧会だという内容は知っていたのですが、クリムトやシーレの絵がポスターになっているのもあり、なんだかんだキャッチーなそこら辺がメインかな、と思いながら観に行ったのですが……かなりボリュームもあり、ちゃんとしたウィーンの歴史を振り返る展覧会でした。
 
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展覧会はハプスブルグ家、神聖ローマ帝国、オスマン帝国などのウィーンの成り立ちから始まり、ウィーンを取り囲む城壁を壊し、そこに環状道路をつくり街を近代化させていく、世紀末ウィーンと呼ばれる時代を迎えるところへ繋がって行きます。この街を俯瞰する再現ビデオが良く出来ていました。
 
この時期にウィーンで開かれた万国博覧会には日本も出展していて(初めて日本が公式に参加した万博)、ヨーロッパへの日本文化の影響として「ジャポニズム」も強く出てくる時期です。クリムト展に小原古邨の浮世絵が出ていましたが、クリムトも浮世絵を集めていたりしてますね。
 
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世紀末ウィーンは総合芸術で、建築、美術、音楽、グラフィック、演劇、文学など全てを包括した総合芸術となっています。特にクリムトが保守派から独立して作った新しい芸術の流れである「ウィーン分離派」には建築家、デザイナー、画家なども参加して素晴らしい建物やかぐ、工芸品などを生み出しています。
 
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※文化服装学院の生徒さんが作ったクリムト作品を再現及びイメージした衣装
 
展覧会の半ばくらいまでクリムトやシーレは出てきませんが、その分、建築ファンや音楽ファンも楽しめる展覧会になっています(ポスターなどを見て行くといつクリムトが出てくるだ、と思ってみてしまいそうですけど)。
 
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建築ファンとしてはオットー・ヴァーグナーなどのコーナーもありますし、シーレの絵やクリムトの絵も見ることが出来ます。点数的にはスケッチが多く占めますけどね。クリムトの絵が1点撮影OKと言うのも嬉しいです。
 
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※新美のロビーにある、クリムトの絵が描かれたピアノ
 
世紀末ウィーンやウィーン分離派について、この時代の美術の象徴であるクリムトに絞った都美の展覧会、グラフィックデザイン好きのための目黒区美の展覧会、そしてその全体を俯瞰してみることの出来るこの新美の展覧会、3つ揃って見ないと勿体無い!
 

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The Nature Rules 自然国家

The Nature Rules 自然国家
https://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/433/
原美術館
4/13-7/28
 
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来年で閉館が決定した原美術館。残る展覧会はもう数本と言ったところでしょうか?なるべく最後まで見続けていきたいですね。美術館としては無理にしてもこの建物は残るのでしょうか?この入口のところの足元の絵(?)なども残ると良いですが。
 
さて、今回の展覧会のテーマである「自然国家」について、まずはその背景を知っておく必要があります。
 
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朝鮮半島の38度線周辺の非武装地帯には未だに地雷が埋まっており、65年にも渡って人の立ち入ることが出来ないエリアになっています。
今ではそこは絶滅危惧種を含めた豊かな自然の大地となっています。その生態系を守りながら自然と共生していき、今後この土地をどのようにしていくべきかを考えるプロジェクトの展覧会です。
 
人間が治めるのではなく自然が治める「自然国家」がこのプロジェクトの立ち上げ人でもある崔在銀(チェ ジェウン)は理想とするもの。そのあり方を崔在銀の声掛けによって様々なアーティストが提案していきます。
 
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建築家 坂茂はこの土地を通るための20kmもの「竹のパサージュ」を提案。この1/2スケールのものが中庭に再現されていました。この空中通路/空中庭園に沿って各所に点在する東屋の一つが李禹煥の「透明茶房」。スケルトンの茶室ですね。
 
他にもスタジオ ムンバイの竹の籠のようなスペース、川俣正の鳥の巣のようなスペース、オラファー エリアソンとセバスチャン ベーマンのユニット「スタジオ アザー スペーシズ」の提案する水滴を集めるパビリオンなどがあります。キム テドンの宇宙の写真、イ ブルのスケッチなどもありました。
 
その中でもスン ヒョサンの提案する鳥の修道院は印象的でした。またチョウ ミンスクとチョン ジェスンは生命と知識を未来へ伝えるために種などを保管するためトンネルを利用した地下貯蔵庫の提案をしています。
 
プロジェクトの発起人である崔在銀はこのエリアを象徴する鉄条網を溶かして鉄の板にし、踏み石としたインスタレーションを展開。まだ今後もこのプロジェクトは広がっていくようで、他にも参加する作家も増えていき、宮島達男なども参加が決まっているようです。
  
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終わり行く美術館で見る、これから発展していくプロジェクトの展覧会。この原美術館も館としては終わるかもしれませんが、ハラミュージアムアークへ場所変えたり、ここで展覧会を開催した作家もここでの展示を元に発展していくでしょうし、形を変えて残るのだな、と改めて思いました。
 

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井上嗣也展 Beginnings/eatrip city creatures/菅 木志雄「上弦間下弦」

井上嗣也展 Beginnings
http://www.dnp.co.jp/CGI/gallery/schedule/detail.cgi?l=1&t=1&seq=00000738
ギンザ・グラフィック・ギャラリー
5/14-6/26
  
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力強いクリエイティヴ。写真や文字が印象的なそのデザインはとにかく目を引きます。このコムデギャルソン+オノセイゲンの烏(?)のグラフィックの力強さ。
 
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ファッション系のポスターでしょうか?スカートの裾と仏像の足元を並べるデザインには驚きました。
 
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21_21 DESIGN SIGHTの展覧会ポスターや渋谷パルコ Last Danceは比較的最近のものですね。
 
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アンリアレイジのアメンボのポスター、コムデギャルソンなどのポスターもモノクロなのに目に入ってきますよね。
 
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レコードジャケットの仕事では懐かしいものが。阪本龍一やロンカーター。これ持ってます。サントリーオールドや忌野清志郎+阪本龍一「いけないルージュマジック」は懐かしい。
 
 
 
eatrip city creatures
https://www.ginzasonypark.jp/program/012/
Ginza Sony Park
4/20-5/24
 
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銀座の地下水と、人の声や街の音などで食物を育てるプログラム。丁度ピアノの演奏をしていましたが、植物に音楽を聞かせると良いというのは本当なのでしょうかね?
 
 
 
LUMINE meets ART AWARD 2018-2019
菅 木志雄「上弦間下弦」
https://www.lumine.ne.jp/lma/map/artist_6/index.html
LUMINE各所:EWoMan ART wall.
5/21-5/29
 
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今年のLUMINE meets ART AWARDは見逃してしまいましたが、このウィンドウだけは見ました。
 

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六本木アートナイト2019

六本木アートナイト2019
https://www.roppongiartnight.com/2019/
六本木各所
5/25-5/26
 
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実は今年はアートナイトの当日(25日夜から26日まで)参加はしませんでした……。前の日に行って、その段階で見ることが出来たものをサラッと見てきたくらいです。六本木ヒルズアリーナのメインステージではリハーサルをしていて、毛利庭園脇のふろしきプロジェクトも準備中。
 
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66プラザ周辺も前の日だったのと昼だったので少し作品の様子を見た程度で……。
 
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メトロハットの吊り下げられた石はちゃんと見ることできました。
 
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ヒルズのウェストウォーク内では幾つかのミュージックビデオ作品。ボタンを使ったアニメーション作品は凄いです。木版画のアニメ(木の板の方を使っている?)も凄いですね。
 
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そして、さわひらきさんのアニメーション作品も。実はこれが目当てです。
 
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ミッドタウンでも展示されていましたがそちらは寄らずに、国立新美術館のチェ・ジョンファ作品を見て、今年のアートナイトはナイトでもなんでもなく前日の昼に済ませたのでした。
 

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ウィリアム・モリスと英国の壁紙展-美しい生活をもとめて-

ウィリアム・モリスと英国の壁紙展-美しい生活をもとめて-
https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/19/william_morris/
そごう美術館
4/20-6/2
 
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「役に立つかわからないもの、あるいは美しいと思えないものを家の中に置いてはならない」byモリス
 
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厳しいこと言いますね、モリスさん。なかなかお金持ちでないとその実践は難しそうですけど、でも気持ちはそうでありたいですね。
 
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しかし、それだけモリスのデザインした壁紙や、モリス商会の商品であるそれらは美しかった。納得のものばかり。
 
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製品と言ってもほぼ工芸品と言っても良いこだわりの物ばかり。壁と言う面が大きいものに力を入れればかなりな見応えとなるのはなるほどですね。
 
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現代では昔よりも色も多いので無機質な壁紙の方が良い場合が多いのかもしれません。ただ、モリスのデザインをモノクロに落とし込んだ現代のデザインもありましたが、元がしっかりしているからかそれでもかなり見応えありましたね。
 
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壁紙フェチにはたまらない展覧会でした。最後のコーナーにあった金唐革紙の展示も面白かったです。グッズも買うのを我慢するのが大変でした(少し買ってしまったけど)。
 

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熊澤酒造/小原聖子 個展 「TIN TONE」

熊澤酒造
https://www.kumazawa.jp/
 
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茅ヶ崎の熊澤酒造に行ってきました。こちらは湘南エリアに残っているただ一つの日本酒の蔵元。入口のから緑の気持ちよい感じですね。
 
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地酒のほかに地ビールやイタリア料理、洒落た和食屋、パン屋などを敷地内に作り日本酒の古臭いイメージを変える様な施策を取って成功しています。古い蔵を利用したカフェなどは雰囲気もあって来ている人も楽しげです。
 
 
小原聖子 個展 「TIN TONE」
https://www.kumazawa.jp/mokichi/okeba/
okeba gallery
5/18-5/30
 
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日本酒の桶を置いていた場所がギャラリーやショップとして使われています。私が行った時は錫の作品を作る小原聖子さんの展示が開かれていました。錫のバングルは初めて見ました。
 
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奥のスペースは地元エリアの作家さんの作品を置くショップです。工芸品やアクセサリーなどが並びます。丹羽健一郎さんの器を手に入れました……。
 

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トム・サックス「Smutshow」/LEE MINGWEI「THE TOURIST」/須田一政 追悼写真展/新里明士、田幡浩一 in light-Ceramic and Drawing/アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン/ゲルハルト・リヒター "PATH"

トム・サックス「Smutshow」
http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/tomsachs2019/
小山登美夫ギャラリー
4/20-5/25
 
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オペラシティでその全体観を見ているので部分部分を見てもかなり楽しめました。
 
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茶道に対して深く、そして真面目に愛を捧げている作品達。
 
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イサム・ノグチへの愛も感じられます。イサム・ノグチ「接吻」へのオマージュ作品や「AKARI」とのコラボなど。
 
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パロディと取って気分を害する人も出るかもしれませんが、これに愛を感じ楽しむのもイイと思いますよ。
 
 
 
LEE MINGWEI「THE TOURIST」
https://www.perrotin.com/exhibitions/lee_mingwei-the-tourist/7151
PERROTIN TOKYO
5/15-6/26
 
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以前、森美術館で個展の開催をしたリー・ミンウェイの展示。「THE TOURIST」と言うコミッションワークを発表しています。奥の部屋には村上隆作品などが展示されていました。
 
 
 
須田一政 追悼写真展「Issei Suda: A Personal Retrospective」
http://www.zen-foto.jp/web/html/about.html
禅フォトギャラリー
5/24-6/15
 
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今年の3月に亡くなった写真家 須田一政の回顧展です。モノクロで奇をてらわない構図の写真。実は心に染みるのはこう言うものかもしれない。
 
 
 
新里明士、田幡浩一 in light-Ceramic and Drawing
http://www.ykggallery.com/exhibitions/akio-niisato-kouichi-tabata-ceramic-and-drawing/
Yutaka Kikutake Gallery
5/10-6/1
 
新里明士が造る光が透過する穴あきの器、白い紙に白い色鉛筆で描いた田幡浩一の絵。共に光を意識した作品である。個人的には新里明士の光器は白磁ものが好きなのですが、今回は色が付いたものが展示されていました。
 
 
 
アキラ・ザ・ハスラー + チョン・ユギョン「パレードへようこそ」
http://www.otafinearts.com/jp/exhibitions/2019/post_126/
オオタファインアーツ
4/27-6/29
 
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セクシャリティや差別などをテーマに作品を作るアキラ・ザ・ハスラー、プロパガンダポスターを利用した作品を作るチョン・ユギョンの2人展。マイノリティに対しての意識などから生まれた作品は変に見えるが、この変と言う意識がもしかしたら変なのかもしれない、などとも考える。
 
 
 
ゲルハルト・リヒター "PATH"
http://www.wako-art.jp/top.php
ワコウ・ワークス・オブ・アート
4/20-6/1
 
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写真に引っかき傷を付けた作品やガラスの立体作品が並ぶ。油彩でなく写真にひっかき傷をつけることにより1点物作品となると言う……ちょっと私はあまり入り込めなかったです。

 

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東京都現代美術館リニューアル

東京都現代美術館 MOTリニューアル
https://www.mot-art-museum.jp/renewal2019/
東京都現代美術館
 
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東京都現代美術館リニューアルに際してサインや什器はスキーマ建築計画と色部義昭さんが担当。
 
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色部さんのサインデザインは好きなのですが、このベニヤ合板と仮設パイプの様な什器やサインシステムはこの堅い建物にあってない気がした。
 
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ぱっと見、軽い。ただ木の感じを表に出すのは堅い美術館のイメージを変えることには成功してるでしょうか。ただ、どうしてもチープ感が否めないのですよね。
 
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ちゃんと木素材を使って木目を出すというよりもパイプの感じなどと合わせて合板ベニヤ風に見せているのが狙いなのか、それとも予算の都合上こうなってしまったのか、どうなんでしょうね。
 
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サインに使われているグラフィックの規定のものを使っているものもあるのかな、トイレとか。描き下ろしていたとしても東京都が選んでいるので比較的硬い方向になるのはあるのかも。
 
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飲食コーナーは地下と2階に登るところの2箇所。登る側はサンドイッチ屋さんですが、そこの外が開放されています。前からそうなのですが、なかなか外に出る人も少なかったので、ここを気軽に使えるようになるのは良いかも。
 

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百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-/MOTコレクション ただいま / はじめまして

百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/weavers-of-worlds/
東京都現代美術館
3/29-6/16
 
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東京都現代美術館リニューアル後の展覧会「百年の編み手たち 」。東京都現代美術館のコレクションを中心に近代から現代への流れをまとめて観る良い機会ですが、とにかく物量が多かったです。
 
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これよほど興味ある人でないと飽きずに見れないよね?と言うくらいの濃密さ。展示とは詰め込むのではなく、間引く必要もあるものなんだと改めて感じました。個人的には近代は入り込めず後半の現代でようやく楽しめました。ただ良い作品はさすがに多いですね。
 
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後半の現代美術コーナーは流石です。会田誠、梅津庸一、Chim↑Pom、O JUN、毛利悠子、福田美蘭などこの館のコレクションならではの作品の並びです。
 
 
 
MOTコレクション ただいま / はじめまして
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/2019/pleased-to-meet-you/
東京都現代美術館
3/29-6/16
 
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さて、こちらは東京都現代美術館リニューアル後のコレクション展示コーナーになります「MOTコレクション ただいま / はじめまして」。こちらの展示は現代アートに特化してるので安心して見ること出来ます。
 
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やはり、こちらのコレクションは贅沢ですね。修復をしていた作品や休館中にコレクションに加わった作品などの紹介です。あの宮島達男作品も修復中だったのですね。
 
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修復と言えば、建物の修復をテーマに作品にしてしまったのが髙田安規子・政子。トランプの作品以外に屋外に作品があります。これは今後もずっと残る作品なのでしょうか。
 
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マーク・マンダースの作品は見たかったものの一つ。これは良かったです。手塚愛子も良かったなぁ。
 
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さかぎしよしおう、棚田康司などの作品も並んでいます。棚田康司、これはクリムトですかね?
 
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サレ・フセインの作品も良かったし、五月女哲平/今井俊介の作品が並ぶ部屋も壮観ですね。

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