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美術館におけるネット検索の可能性

美術館の検索について面白い結果の記事を読みました。広報の戦略でもWEBが重要視される今の時代、いろいろと興味深い結果が出ています。
 
以下、NTTレゾナント株式会社より出たプレスリリースを参照下さい。
 
「gooウェブ検索」と「dメニュー」の検索回数から人気美術館ランキングを発表!
 
 
また、アートブログ「青い日記帳」のTakさんが上記プレスリリースを元に考察されたコラムは以下となります。
 
日本画から西洋美術まで! 今注目を集める美術館とは?
 
 
 
まずは検索回数が多い美術館の順位は以下となります。
 
1  足立美術館
2  国立新美術館
3  上野の森美術館
4  ジブリ美術館
5  兵庫県立美術館
6  横浜美術館
7  国立西洋美術館
8  根津美術館
9  サントリー美術館
10 佐川美術館
 
 
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そして、リリース内容と、そこにコメントをしているアートブロガーのTakさんの意見をまとめると
 
・検索の割合は女性が多い
・東京の美術館が多い
・美術館自体への興味と開催展覧会への興味の2つ方向性がある
 
と言う具合の様です。コラムの方では美術館と併せて検索されたワードなども載っています。根津美術館についての検索の揺れに関してはとても面白いことが書いてあります。確かに根津美術館は根津には無いからね、と友人に説明したことがあります。間違えますよね、あれ。
 
 
 
さて、「美術館自体への興味」と言うことと「開催展覧会への興味」この二つについてです。「開催展覧会への興味」と言うのはすぐに理解できます。○○展+●●美術館と言う見たい展覧会の情報収集となる検索方法ですね。
 
では、「美術館自体への興味」での検索について考えてみたいと思います。一位になった足立美術館がそうですね。他にもジブリ美術館、佐川美術館も同様の扱いになると思います。ただ、圧倒的に島根県にある足立美術館への検索率が多いです、何故なのでしょう?個人的にはここから発する一つの謎があります。
 
Sagawa
 
 
足立美術館
 
ジブリ美術館
 
佐川美術館
 
 
 
まず、足立美術館の検索に対するプラス点について想定すると
 
1.美術館独自の魅力1:アメリカの評価で日本一に選ばれた庭園
2.美術館独自の魅力2:横山大観作品が充実
3.観光地としてツアーに組まれている
4.大都市から離れているため情報が少ない
 
と言うところでしょうか。
 
Adachi
 
1.の理由においてはたまにネットを見ていて「日本一の庭園」という言葉の入ったニュースを見ることがあります。その度に私も調べてしまうので、これの影響はかなり高いと思います。ただ、残りの2.-4.に関しては主に旅行や観光情報を調べる時についでについてくるのがほとんどかと思います。 
 
 
そもそも美術館の広報と言うものには大きくわけて2つのターゲットがあるかと思います。
 
一つのターゲットはアートファン。こちらは内容などについての追求が多いでしょうし、ある程度狙いは掴めることが多いでしょう。ただし、絶対数は少ないです。
 
もう一つはそれ以外の旅行や余暇、デートなどの為に美術館や展覧会に行く、主に娯楽目的の人。こちらの方が圧倒的に数が多いと思うので、検索数もこちらのターゲットが調べた数に連動していくかと思います。
 
 
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そこで観光、旅行というキーワードが出てくるのですが、ここで一つの謎が出てきます。それなら何故、圧倒的に利用者が多い、京都や奈良の美術館がランクに入ってこないのでしょうか?または倉敷なども観光地と美術館が揃った立地だったりしますけどランキングに入ってきていません。
 
ジブリ美術館はまた別扱いかと思いますが、足立美術館にしろ、佐川美術館にしろ、日本において知名度が物凄く高いわけではないと思います。それぞれが観光地エリア近くではあるでしょうが、そのエリアがとても大きな観光地だというわけでも無いでしょう。もちろん知名度が低い、メインの観光地から少しズレる、だからこそ検索されるというのもあるでしょう。
 
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ただし、そうは言っても圧倒的に訪れる人数の多い京都や奈良の美術館が入ってこないのが判らないです。観光するところがどれだけ分散しようがそこに来るひとの数は圧倒的ですから。
 
となると、あとは検索をするという行為にかかわる年齢層が影響している気もします。ネットに親和性のある若い人が、年配の人が多い京都奈良ではなく、それ以外の土地やネットで話題になっているエリアを検索するのかと。
 
 
 
ネットでの広報と言うのは美術館などの施設においてとても大事なツールではあります。もし、検索と言うものが観光地としての現在の知名度や動員数にそれほど影響しないツールだと考えるとすごい可能性がありそうです。もちろん使い方によっては諸刃の剣となるところもあるかもしれませんが。
 
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アートファン以外の娯楽目的の人と先ほどは書きましたが、そこの層がアートファンになる可能性もあるわけです。更に、これから趣味などに関してプラスアルファなものを構築していき、そこに今後お金をかけてくれる可能性がある若い人が多いと言う事もプラスとなります。
 
もちろんこの仮説が全てではありませんが、何かに特化しているような地方の美術館や小さな美術館などにとっては上手く使えばとても話題になる可能性を秘めている、そしてこれから独自の基準を持ったアートファンが増えてくるかもしれない、そんな可能性が感じられる今回のブレスリリースの結果ではないかと思ってみていました。
 
 

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