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さわひらき「潜像の語り手」

さわひらき「潜像の語り手」
KAAT神奈川芸術劇場 3F中スタジオ
11/11-12/9
 
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シニカルで、でもファンタジーな映像作品を作るアーティストさわひらき。何度か展示を観に行っていますが昔から好きな作家さんです。まずはロビーに飛行機の映像。昔の作品と新しい作品がループされていますが、切れ目わからず、時代を超えても違和感ないですね。
 
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展示室のほうでは全体を1つの構成でみせているのが面白い。中央に壁があり、裏表横とそれぞれに映像が投射されています。
 
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その周囲に様々な小さな置き物があり、その中にも映像が流れています。入口にも透明スクリーンへの投射画像がありました。
 
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中央の壁の裏表横に流れるのは昔の作品から新しい作品まで。目を凝らしてみると歩くキッチン用具やお風呂などに帆船が浮かんでいます。
 
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部屋の中に飛行機が飛んだり、ラクダが歩いてたり、少し不思議なファンタジー的世界で、現代アートの映像作品なのにわかりやすいのが良いですね。
 
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近作ではよりシュールさが強くなっていますが、根っこは代わらない感じです。時間をずらしてあちこちに投影される作品。昔の作品の木馬のやつなどが好きですね。
 
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実写に手書きでアニメーションを加えたり、全部アニメーションな飛ぶ鳥のシルエットの作品なども良かったです。表と裏で同時に再生されているものもあるので全部を見るには裏で約1時間、表で約1時間を見ることになります。
 
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それらを管理するように時計の映像もあります。これリアルタイムな時間を刻んでいるのです。あっちの映像が始まった、こっちが始まった、と、あちこちに移動しながら見ていく人が多いです。
 
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ダンスパフォーマンス:島地保武×環ROY×鎮座DOPENESS
私が行った時は会場全体を使ったパフォーマンスの実施中。映像と一緒に動いていく身体やラップで発せられる言葉。それを追い、移動しながらダンスと言葉と演劇が複層に積み上がっていくような身体表現を重ねていく感じでした。
 

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風間サチコ「予感の帝国」/中西夏之 日射のなかで/「東京 橋と土木展」・土木コレクション2018

風間サチコ「予感の帝国」
NADiff Gallery
11/9-12/9
 
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風間サチコのディストピア的世界を版画で描く作品は一度見ると忘れられない。その日はこの人の作品だけが頭にこびりついてしまうので、もうこれはギャラリー破り状態ですね。
 
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未来のディストピア的世界を版画で描いているのですが、現代への風刺や皮肉がそこにある様な痛切な作品。版画なのに一点ものというのも面白いです。
 
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唯一無二の世界観だと思っていましたが、作品内に文字が入り、漫画などの展開をすると横山裕一さんの作品の世界観にも近いと言うところを感じました。立石大河亞あたりから発する流れにも見えますね。その前に遡ると誰なんだろう?ダリとかは繋がる気もする。
 
 
 
中西夏之 日射のなかで ー土神と狐 ー
10/19-12/9
Sgurr Dearg Institute for Sociology of the Arts
 
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宮沢賢治の「土神と狐」をモチーフにした作品。壁に貼ってあった宮沢賢治のお話を読んでしまった。童話だと思って読んだらトラウマになりそうな話です。
 
 
 
「東京 橋と土木展」/土木コレクション2018「TOKYO DOBOKU FROM-1964-TO 過去から未来。新しいトウキョウへ。」
新宿駅西口広場
11/20-11/23
 
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いや、凄いイベントでした。建築土木橋梁ファン必見ですね。イベントスペースに展示されている東京駅 丸の内駅舎保存・復原工事、水戸市低区配水塔、国立代々木競技場第一体育館、灯台などの図面や写真。
 
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そして橋コーナーには勝どき橋の図面まであります。青焼き図面展示も胸熱!
 
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稼動橋の模型は大人たちが目をキラキラして見入ってます。勝どき橋閉まりまーす!
 

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ルーベンス展―バロックの誕生/ローマの景観/リヒター クールベ

ルーベンス展―バロックの誕生
国立西洋美術館
10/16-2019/1/20
 
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ムンク展、フェルメール展と併せて上野で同時期に開催されている三大展覧会の一つになるのがルーベンス展。
 
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ただ、ルーベンスの描く女性で肉感的で太めで、もちろんそれが当時の美しい女性の条件でもあったのでしょうけど、個人的な好みでは無いのですよね。
 
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常設コレクション展にあったこちらの女性の方が好きだなぁ……。と私の好みはさておいておいて。
 
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そう言いつつもやはり作品のパワーは凄くて、実際に見たら引き込まれてしまいます。圧巻ですね。これが日本で見ること出来るというのは凄いことです。ただ、幾つかパワー弱いかな?と思ったら後世に大きく手を加えられたとか、ルーベンスは顔だけで残りは工房の弟子が描いたとか、そんな感じですね。
 
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ヴィタメールのチョコは美味しかったです。イタリアに住んでいた時期のルーベンスを取りあげているのに、出身地のチョコとのコラボってどうなの?と思ったけど、美味しかったらそれでいいか。
 
 
 
ローマの景観―そのイメージとメディアの変遷
国立西洋美術館
10/16-2019/1/20
 
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ローマの景色を描いた絵画などを集めた展示。やはりピラネージの版画が美しいですね。木村伊兵衛の写真、佐藤時啓の写真なども見どころ。
 
 
リヒター/クールベ
国立西洋美術館
6/19-2019/1/20
 
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リヒターの自宅にはクールベの作品が飾ってあり、その隣の部屋には自作がある、ということを模すようにして美術館でもその2人の作品を並べてみたという試み。
 
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これはいいですね。クールベの風景画がとても良いです。
 
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リヒターの写真からクールベの影響を読み取るのは難しいかもしれませんが、でもどこか繋がりもあるかと思います。
 
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コレクション展示ではハンマースホイが目に入りますよね。来年展覧会がある(ハマスホイ名義で)のですね……。

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田根 剛|未来の記憶/異国で描く/中村太一

田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building
東京オペラシティアートギャラリー
10/19-12/24
 
建築家 田根 剛関連の展覧会が都内で幾つか同時開催されています。田根 剛デザインのシチズンのイベント(青山スパイラル)、ギャラリー間の展覧会、そしてこのオペラシティでの展覧会です。
 
いまトピでそれぞれの展覧会についてまとめて紹介をしています。
 
【期間限定】伝説のインスタ映えイベント再び!海外で活躍の若手建築家が手がけた空間がすごい。
 
 
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さて、この中で一番規模が大きいのがオペラシティの展覧会です。細かい解説は無いのですが、感覚で掴める様な展示になっています。それぞれの感知国紐づくようなアイデアのネタなどが一緒に展示されています。
 
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こちらでざっくりと全体を掴んで、その後でギャラリー間で細かいところを見ていくというのが良かったかな、と思いました。
 
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入口すぐにあったのが田根剛の頭の中大公開みたいな部屋。自然のもの、渦、鉱物、他にも歴史などのエレメントたち。ここでアイデアの元がどのように繋がって変化していくのかを体感できます。
 
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田根剛まだ20代のころ、3人の若手建築が組んだ建築ユニット ドレル・ゴットメ・田根(DGT.)で〈エストニア国立博物館〉の国際設計競技に勝利したのが有名になるきっかけ。その〈エストニア国立博物館〉の映像コーナーがありました。
 
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あのザハハディド案が選ばれた日本の新国立競技場基本構想国際デザイン競技荷提案した〈古墳スタジアム〉の模型もあります。
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とにかくコンセプトやアイデアの発想などを見るのも面白いし、結構細かい詳細な点や材料などを見るのも楽しい。建築展は苦手、という人に見て欲しい展覧会でした。
 
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青森の赤レンガのミュージアムも田根剛設計でしたね。大き目な模型とそれと連動するアイデアの移り変わりの経緯の展示。更にこの元となる源流がギャラ間にある様な構成に見えました。
 
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そういえばこのオペラシティでやっていた2013年の「新井淳一」展も田根デザインでした。
 
 
 
収蔵品展064 異国で描く
東京オペラシティアートギャラリー
10/19-12/24
 
異国や南国の景色を描いた絵画など。西野陽一の海の生き物の世界などが良かったです。
 
 
 
project N 73 中村太一
東京オペラシティアートギャラリー
10/19-12/24
 
雑誌の切抜きなどの上から描かれたものだったり、具象的な絵だったり、掴みづらい感のある作品が並ぶ。この掴みづらさが持ち味になっている感じ。
 

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カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家

カール・ラーション スウェーデンの暮らしを芸術に変えた画家
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
9/22-12/24
 
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美術館に来てこの景色を見ることができるのももう少しですね(横にできる新館の美術館はこれより低い建物なので)。
 
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さて、画家であるカール・ラーションの作品を中心に、ラーションの過ごし方を見ながらスウェーデンの暮らしを見ているという流れの展覧会です。
 
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ということで、イケアジャパンの協力でイケアの家具を使ったカールラーションの家風コーナーがあり。
 
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ただ、この点展覧会の見所はカール・ラーションの妻のカーリンの手がけた生活のための品への素晴らしいデザインです。カーリンの素晴らしきデザインとついでにカールの絵画展、と言うのが実情の良い展覧会でした。この展覧会の主役はカーリンです。

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それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio

それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio
資生堂ギャラリー
1st:10/19-12/26、2nd:2019/1/16-3/17
 
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シンプルなデザインで色々な色のあるチラシが目を引きます。
 
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福原信三の言葉がテーマになっています。そのテーマのもとにASSEMBLEの内装デザインとTHE EUGENE Studioの言葉を使った仕掛け。歴史的な展示もあります。
 
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はい、内装だけ観ました……。いい感じの内装ではありますね。ただ、言葉とこのカフェ風の内装がどうリンクしているのかは掴みにくく。
 
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まぁ、ここでコーヒー飲んだり、トークショーをやったりして、「交流」とかそういう感じなのだろうな、とは思いつつも。
 
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言葉を使った仕掛けも、面白いけど、それ以上のものではなかった気もします。
 

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会田 誠とChim↑Pomのカラス/石塚隆則「飛天」/平成展 1989-1999

MAMコレクション008:会田 誠とChim↑Pomのカラス
森美術館
10/6-2019/1/20
 
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カタストロフィ展と同時開催です。森美の会田誠展に出ていたこのカラスの屏風絵も災害モチーフな感じですね。
 
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この絵、松林図屏風を参考にしたという話ですが、本当にかっこいい。そして会田さんのうまさがわかります。鳥の形のうまさとかすごい。そう言えば、今年やっていた会田誠展で出ていた新宿御苑の黒板絵に描かれていた動物たちもうまかったです。会田さんの絵で図鑑とか作りたいです。
 
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ただ、よく見るとかなりグロテスクな点もあります。世紀末的な。
 
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この屏風と対応する様にチンポムのカラスを集める映像も出ていました。
 
 
 
石塚隆則「飛天」
六本木ヒルズA/Dギャラリー
9/28-10/21
 
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可愛い熊が仏様の形に飛び回る様な彫刻作品。なぜ、仏像を熊で彫る!と思いはしますが、ま、可愛ければ、良いか!
 
 
 
平成展 1989-1999
東京カルチャーリサーチ(六本木ヒルズ森タワー52階 THE SUN & THE MOON内)
8/31-10/31
 
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平成を象徴するかの様な各種グッズや映像などが散りばめられた空間で、平成の中に入り込む(?)VRがありました。それは体験しませんでしたので、グッズを眺めるのみで。
 

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カタストロフと美術のちから展

カタストロフと美術のちから展
森美術館
10/6-2019/1/20
 
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正直、この展覧会を見てからなかなか感想を書くことができませんでした。忙しかったというのもありますが、とにかくこれほど感想を書く気が起きない展覧会というのも始めたかもしれません。
 
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もちろん、この展覧会がダメなものという訳ではありません(そうだったらそれはそれで書きやすい、笑)。私が個人的にこれに入り込めないのです。
 
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破壊や災害などをテーマにしているので、見ていて気分が重くなるのがその要因ではあります。後半にいくにつれそこから脱却や救いなどは出てきますが、私の中ではそれらは蜘蛛の糸よりも薄く、見ていて気分が重くなるものであることには変わりませんでした。
 
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メッセージなどを問いかけてくるアートというものに不満がある訳でもありません。今までその様な作品はいくつも見てきましたし、それらで好きな作品もあります。アートの役割の一つとして政治にしろ、人の負の面にしろ、何かしらの投げかけをしてくる様なものはあっても良いと思います。
 
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作品の質も決して悪いものではありませんでした。かなり好きなものもあったし、クオリティの良い作品もありました。
 
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ただ、同じテーマのそれらが延々と続いていくことがなぜか今回は受け入れられなかったのです。
 
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私の許容量が減っているのか、マイナスを受ける力が強くなっているのか、メッセージの受け取り方が偏ってきているのか、そもそも受け取る力が弱くなったいるのか。
 
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でも、結果として私は見て気分が重くなり、良い印象は持ちませんでした。感想としてはそれで十分だと思います。

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ピエール・ボナール展 オルセー美術館特別企画

ピエール・ボナール展 オルセー美術館特別企画
国立新美術館
9/26-12/17
 
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ナビ派の画家、その中でも日本かぶれのナビ派とも呼ばれたボナール。ボナールの作品だけの展覧会が開かれるとは!ナビ派とは印象派の後の世代のもので……などの説明っぽいことはさておいて、日本の浮世絵に感化された装飾性、幸せな感じの色合いなどが特徴です。
 
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そう、見ていて幸せそうな感じの世界観なのですよね、ボナールの絵は。比較的苦労しなさそうな(いや、実際はわかりませんが、恋愛関連で少しいざこざはあったようですし)幸せな色合いなのですよ。
 
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あと、ポスターなどのデザイン系のお仕事もしていたようで、これがなかなかセンス良く、勝手にセンスの良いお金持ちのお坊ちゃんと言うイメージを持ちました。猫や犬を描いたり、女性の水浴を描いたり、といろいろで。でも良い絵が多いのですよ。良い展覧会だったのですよ。
 
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まぁ、あの「叫び」が来日!とかいう強い推し作品が無い作家ですし、一般的には知名度もそれほどでしょうし、来場者数は少ないのは判ってはいたのですが、実際に少なかったですね。東山魁夷展とセットで行くのもイイですよ。
 
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本当に勿体無いです。良い展覧会です。みんな観に行きましょう!
 
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あと、ショップの横にボナールの絵の世界を映像で体験できる部屋がありました。
 
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幾つかの額縁の絵からその世界感が360度の映像になって部屋に広がる仕組みです。
 
ぜひ、観に行きましょう。

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生誕110年 東山魁夷展/紙工視点

生誕110年 東山魁夷展
国立新美術館
10/24-12/3
 
東山魁夷、とても好きな絵が多いです。魁夷ブルーと呼ばれる青い色調、輪郭線の無いぼんやりと形作られた山や木々、同色系で揃えた表現で少しづつ色を違えた画面、どれも好きです。
 
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魁夷の絵は構成は単純です。水面に映った景色なども、ほぼ画面の真ん中に水面と地面の切れ目がきます。普通は地面の方が多くなりそうなものなのに、ほぼすべてこの構成。奥行き感もパースがうまく取れているとは言えない絵が沢山あります。精緻さに関してはドイツやオーストリアを描いているものにうまく表現されているのに、日本の景色絵ではあまり精緻さが現される絵はありません。ただ、それなのに、とにかく惹かれるのが魁夷の絵なのです。
 
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10年前、国立近代美術館で開催された東山魁夷展が懐かしいです。そのときの感想をブログで書いていました。なんか今読み直すとエモい感じですが、この時の感想でほぼ魁夷の好きな点を全部言っている気がします。
いい事ばかりではないさ〜東山魁夷展: 今日の献立ev.
 
 
それなので、そこら辺の感想は上記過去エントリに任せて、今回の展覧会の目玉である唐招提寺障壁画について。東山魁夷の集大成とも言えるのがこの唐招提寺御影堂の障壁画。完成までに10年を費やしたと言います。現在、御影堂が修理されているので、まとめて全点、内部の構成そのままに東京で見ることが出来るのです。
 
他の魁夷の絵は景色の絵も白い馬が出てくるものもすべて静かなイメージです。北欧の景色の絵などはその極みかもしれません。基本、魁夷の絵には人が出てこないからでしょうか?(今回の出展作では1点だけ人がいるのを発見しました。他にもあるかもしれません。)
 
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ところがこの障壁画、その中でも「濤声」は特にまるで絵から音が出てきそうなくらいの動きがあります。海が産むうねり、響き、鋭さ。ところが他の襖の面では水墨画の静けさを表現しています。この障壁画を描くことにより、あの白い馬の絵が生まれたといいます。白い馬は祈りの表れだということです。
 
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そして時代を追って最後の部屋にある後期の時代の絵、本当に構図が変わりません。この部屋の一点を初めのほうに持っていっても違和感は無いでしょう(もちろん専門家にはわかるでしょうが)。構図や色合い、描き方などに軸があり、ブレていませんでした。
 
人気が高い作家なので、きっと混雑しそうな展覧会です。期間もそれほど長くは無いので早めに行くことをオススメします。
 
 
 
紙工視点 荒牧 悠/小玉 文/辰野 しずか
SFT GALLERY
10/17-12/24
 
国立新美術館、地下のショップ横のギャラリースペースでの展示。「紙」と言うものに対して3人のデザイナーが取り組んだ作品を展示していました。
 
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辰野 しずか
緩衝材のくしゃくしゃな感じを一つの質感としてあつかったもの。そこからうまれるものが結果として紙というものから自由になっている気がします。
 
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荒牧 悠
紙の組み合わせなどで形や構造をつくり、四角だけではない紙の楽しさを表したようなものたち。結果としてやじろべえに行き着いたものも。
 
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小玉 文
破れる、という紙独特の材質を上手く表現しているもの。金継ぎなどもモチーフにして結果としてカッコいい形になっている気がします。
 

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ムンク展―共鳴する魂の叫び

ムンク展―共鳴する魂の叫び
東京都美術館
10/27-2019/1/20
 
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今年の秋に最も注目の展覧会と言っても良いのではないでしょうか?現在、上野ではムンクとフェルメールとルーベンスをまとめて見ることが出来るという凄いことになっています。その中でもムンクの「叫び」は知っている人も多くて、この展覧会は間違いなく混雑するだろうという前評判どおり、初日から入場待ち時間やショップで行列が出来たとか。
 
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とにかく「叫び」は素晴らしかったです。「叫び」には幾つかのバージョンがあります。最も有名なのは、オスロ国立美術館所蔵の油彩作品ですが、今回が初来日になったのはムンク美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の《叫び》です。
 
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※出口にあった半立体「叫び」。人の裏側の処、誰か描き起こしたのよね。
 
この「叫び」、決して人が口に手を当てて叫んでいる姿を描いているのでは無く、自然界の叫びから耳を塞いでいるシーンなのですよね。この絵は「生命のフリーズ」というシリーズの一つで今回は同じシリーズの「絶望」も展示されてました。
 
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※入口にあったムンクの絵を使った4面モーフィング映像。
 
今回の展覧会はすべてがムンク作品の展覧会です。よくあるムンク(数点)とその周辺の作家展とは違います。少し精神を病んだところもあるムンク作品がここぞとばかりに並んでいます。
 
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ある時期はまるでフォーヴ派の様な色合いだし(実際フォーヴ派の画家はムンク作品に影響を受けている人も居るようです)、版画なども多く展示されていて、バリエーションある展覧会になっていました。
 
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そして、「接吻」や「マドンナ」、「吸血鬼」など他の代表作も見ることが出来てほんとうに満足です!月の光が水面にビヨーンと伸びるところなどを幾つも描いているし、太陽が光り輝く様なども、光や色の表現がとにかく独特です。
 
私が行ったのは平日でしたが、それでもそこそこの人が来ていましたので土日は混みそうですね。会期後半になると更に混むだろうから早めに良くのが良いかも。
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ショップはやはり平日でも部屋の外まで行列が出来る混雑。土日は初日で1時間待ちだとか。会期後半はこちらも更に混みそうですね。ポケモンコラボ商品が一番人気でアイフォンケースははじめの土日で売り切れ、再入荷待ち。私はこのスノ-ドーム買いました!
 

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木学 Xylology 起源と起点

木学 Xylology 起源と起点
旧平櫛田中邸アトリエ
10/27-11/10
 
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谷中にある旧平櫛田中邸アトリエという古い家で木彫り彫刻作家15人が集まって展覧会を開いています。この家の元の持ち主である平櫛田中氏も木彫の彫刻家であり、このアトリエ付住宅で開催されるのがピッタリの展覧会です。全点撮影OKと言うのもイイですね。
 
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さて、作品たちは家のあちこちに点在しています。まるでこの家の住民の様。真ん中の犬は中里勇太「つながれたひ」、両脇には中村恒克「白象」「ソグドの剣士-祈り2」。畳の空間にいきなり居る中里勇太の作品である犬がとてもいい感じ。
 
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この部屋には中村恒克「ソグドの剣士-祈り1」や木の卵から産まれたばかりのような少女、永島信也「芽生える少女」も居ました。
 
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個人的に注目は前原冬樹「一刻」。焼き秋刀魚の食べた後の姿を皿ごと一本の木で彫った作品で有名な方。痛んだうさぎ林檎がありました。前原冬樹作品は別の部屋で柿も発見。ミイラになった手のようなものも。
 
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この隣の部屋では小鉢公史の作品が数点とその奥では金巻芳俊の公開制作作品が置かれています。この展覧会の主催リーダーである金巻芳俊の作品「マドイ・カプリス」は2階の部屋にもありました。存在感が凄いです。
 
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窓際や棚にも白尾可奈子、村田勇気、HAROSHIの作品があります。まるで宝探しの様に住宅内を歩き回る楽しさがあります。
 
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入り口を挟んだ逆側の住居の方にも小畑多丘やねがくみこ、先ほどの村田勇気、前原冬樹の作品が。ねがくみこの作品はこの部屋だけでなく屋外にもあるので見逃さないように(冒頭の写真にチラッと写ってます)。
 
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入口にある北彩子「Find Me」も見落としてしまうところでした。タイトルの通りみつけないと!北彩子作品は階段を登った2階にもあり、木彫とアクリルが上手い具合に融合した作品でとてもいい感じです。
 
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2階に上ると石の様に見える佐々木誠の木彫作品やテーブルの上と下にある小畑多丘の作品など。テーブルの上の顔に嵌っているのはUSBですか?
 
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灰原愛の作品も好きです。「原因は意外なことかもしれない」と題された作品、頭の上に乗っているのは鳥のキウイですか?一体何の原因なのでしょう。首の凝りの原因でしょうか?
 
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TENGAone「Fabrication」も目を惹きます。段ボールの様に見えてこれも木彫。「Fabrication」の意味は偽造とかでっちあげと言う意味。
 
会期はあと1週間、上野の美術館(フェルメール、ルーベンスやムンク展などやっています)や谷中や根津に遊びに行ったら是非、ここに寄るのもイイと思います。この会場近くのSCAI THE BATHHOUSEでは名和晃平展が開催されていますのでセットで見るのも良いかと思います。
 
 

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名和晃平 Biomatrix

名和晃平 Biomatrix
SCAI THE BATHHOUSE
10/10-12/8
 
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SCAI THE BATHHOUSEには久々に来ました。谷中にある元銭湯を改装した現代アートギャラリーです。名和さんの展示を見るのは個人的には久々な気がします。韓国で大きな作品を作ったり、ルーブルで新作を発表したり、結婚したりと常に話題はチェックしていましたが。
 
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今回のメインの作品は「LIQUID」シリーズ。シリコンオイルに金属粉や顔料などを混ぜた液体を使ったプールがギャラリーの中央に設置されています。
 
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プールには細胞のような分割区切りがあり、その枡ごとに気泡が浮かび上がるという仕掛け。シリコンは粘度があるので気泡もすぐに割れずにゆっくり持ち上がっていく感じが生き物の様です。
 
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この面に照明が跳ね返って天井も細胞が生まれてくるような様子を醸し出していました。
 
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以前、このシリーズで黒いシリコンオイルを使った時は部屋中にオイルの匂いが充満していたのですが、今回はほぼ無臭。進化していますね。
 
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他にもぼこぼことした作品が数点展示されています。
 
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名和さんの代名詞となっているガラス玉を剥製などの表面に埋め込んだPixCellシリーズを超えて次の代表作になるのは何でしょうかね。
 
 
比較的近くで11/10まで木彫り作家さん15人が集まった展覧会をやっていますのでこちらもセットで見るのもイイかと思います。
 

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