「仏像の姿(かたち)」 ~微笑(ほほえ)む・飾る・踊る~
三井記念美術館
9/15-11/25
秋の仏像関連で期待の3つの展覧会の一つ(残り二つは東博の「大報恩寺 快慶・定慶」、サントリー美の三井記念の「京都・醍醐寺」)。結論から言うと私としてはこの三井記念の展覧会イチオシです!
重文指定の仏像などはあるもののスター仏師の作品などは無く、一見他の仏像関連の展覧会よりも地味に見えますが、この展覧会を観て仏像ファンになる人も居るのではないか?と思うような仏像の魅力をわかり易く伝えてくれる展覧会です。
仏像の格好や表情、装飾などに注目をしたこの展覧会、もちろんそれぞれの意味するところなどを掘り下げて観ることも出来ますし、単純に造形的な面白さを楽しむこともできます。特に同じモチーフを比較出来るような展示の仕方はわかりやすい。持っているもの、着ている服、微笑んだり睨んだりする表情、手足の動き、これらをじっくり楽しむことが出来ます。
仏師として信仰心から仏像を作るところからスタートするのでしょうが、じきに、より迫力を出したり、より魅力を深めたり、より違いを出したりすることを目指す事になるのっだと思います。ここで、現代で言うクリエイターとしての工夫や悩みに遭遇するわけですよね。他よりも神秘的に、他よりも生き生きと、表現力を追求するわけです。もちろん流行の表現や他の良いところ等を取り入れながら。モノを作る人の悩みを見ているようでした。
また、最後の部屋は東京藝術大学文化財保存学(彫刻)とのコラボ企画として仏像の研究による模刻作品や修復作品などの展示があります。普通の仏像展示では絶対に出来ないような、組立の仕組みなどがわかるこのコーナーも素晴らしい。
オススメの展覧会です!
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