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リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」

リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
原美術館
9/16-12/24
 
とても良い展覧会でした。個人的には好みの展覧会です。
 
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原美術館、1つ前の小瀬村さんの展覧会も良かったのですが、あの展覧会では個人的には「この場所独自の、この場所ならではの」と言う要素が少なくて物足りないと思っていました。小瀬村さんはそういう展示がいい、と事前に思い込んでいたのです、勝手に、笑。
 
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この展覧会では「この場所独自の、この場所ならではの」その点に関して満足行くようになってた。ここでしか見れない、ここだからこそ、ここでなければダメだと言う展示の局地性が素晴らしかったです。今回の展覧会ではこのお屋敷すべてを、お屋敷自体を作品としています。
 
ただ、この展覧会をもし何も前情報が無く楽しみたいのであれば、これ以降は展覧会を観たあとで読んでください。決して謎解きはしていない(出来ていない)ですが、仕掛けにかんしては写真付きであげてしまっているので。
 
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一番初めの部屋にはパネルにプロジェクターが投影されていますが、特に映像などは流れていない様です。これは採光の為のプロジェクターでしょうか?この様な文字や絵が描いているパネルは他の場所にもありますが、日本語の訳も紙一枚貼ってあります。ここには「花か枝かの選択」と書いてありました。
 
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一階の大きな部屋ではメインの映像と幾つかの採光のためのようなプロジェクター。ポリケースをプリズムの様に見立てて光を反射しています。
 
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映像はメインのビジュアルに使われているものですが、女性の脚を中心にしながらも物語が流れていく。脇の壁には木の板のようなもの。これは実は2階の展示でも出てきます。今回の展覧会は別の箇所で観たものが別の処に出てきてリンクしていくような展示が幾つかありました。
 
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庭に面した部屋の方にはラジオ。特に稼動してる訳でもなく、ただ、照明はこれに当っているので展示の為に置かれたもののようですが、何を示唆しているのかはわかりません。
 
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それと対面する壁にはパネル。「人生を編集しよう」と言う文字が消してあり、「人生は素晴らしい」で締めるこの言葉は先ほどのラジオと何か繋がってくるのでしょうか?
 
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庭と面しているところの逆側は区切られていて、そのエリアは暗くなっています。そこに差し込むのは先ほどのポリケースプリズムからの光。中には赤く染まった女性の顔と分数をカウントしている映像。これは良く見ると、投影されている女性の顔の下に描かれている女性の顔があり、その二つが少しズレているのがわかります。
 
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この部屋にあるパネルには「気をつけて剃れ」と書いてあり、まったく何を伝えようとしているのかわかりません。この言葉と先ほどの映像の「女性」「赤い」と言うキーワードには繋げたくはありませんが……。
 
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1階の大きな部屋を出て、庭やレストランへ向かう通路の脇にもパネルはあります。そこに書いてある「僕は何を見ているのかわからない」と言うのは私の意見です、と突っ込みたくなりますが。
 
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さて、2階で一番手前の部屋、布に下に言葉が投影されています。そして布の部分には映像の写真が重なる。映像の中で、ではありますが写真がめくれる。
 
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次の部屋、入ってすぐ右横の壁には窓と言葉の大きな映像。一番奥には窓。、窓の手間には小さな映像。大きな窓の映像は奥にある窓を撮影して投影しているのでは無いでしょうか?この映像の下に木板が打ち付けあるのが何かはわかりませんでした。
 
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映像ではないリアルな窓の下にはカップ。「Full of joy」と書いてあるカップは販売もされていましたね。
 
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窓の手前の小さな映像は1階にあった板が映っています。と思ったら立体の板がありました。立体の板に映像の板(おそらく1階にあったもの?)を投影しています。この展覧会には先ほどの窓もそうですが、この様に映像なのかリアルなのか判らない様な仕掛けがあります。この建物で撮影され、作り上げられた仕掛けですね。
 
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なんでこれがここにあるのかわからないものや、これは何を作用しているのだろう?と悩んでしまうものはたくさんありましたね。2階の一番奥の大きな部屋に行く通路を仕切る壁は何のためなのかはわかりませんでした。
 
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2階の奥の大きな部屋、手前の窓、そこに向けて廻る扇風機、奥には木陰の映像。
 
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手前の窓には言葉を投影。青く枠が出るときと出ないときの差がわかりません。扇風機もなんで吹いているのかもわかりません。
 
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奥の木陰の映像はゆらゆら揺れています。扇風機と繋がるのでしょうか?立てかけられた板は?壁にあけられた穴は?
 
 
と言う具合であちこちに仕掛けられている謎が全て解ける訳ではないが、そのわからないという点が想像をさせて、行間的な意味になっているのがまた良いです。何箇所を除いてほぼ自然光での展示になっています。夜に来るとまた違うように見えるようですね。真っ暗ななかで投影される映像や言葉、見えないリアルな窓と見える映像の窓。もう一度夜に体験してみたいです。
 
図録は作成中ということで、11月半ば頃になりそう。オンラインでも買えるみたいですが、図録買いに来がてら会期後半に夜にもう一度くるのも良さそうです。
 

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小原古邨展 -花と鳥のエデン-

開館20周年記念-版の美Ⅱ- 原安三郎コレクション
小原古邨展 -花と鳥のエデン-
茅ヶ崎市美術館
前期 9/9-10/8、後期 10/11-11/4
 
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知りませんでした、こんな人が居たなんて。明治時代の花鳥版画のスペシャリスト、小原古邨の展覧会を観に茅ヶ崎まで行ってきました。花鳥図と言うのは花と鳥だけでなく動物や虫なども含めて自然を描いたものを指します。ただ、今回の展覧会で動物や虫の絵もありましたが、圧倒的に鳥が描かれている絵が多かったですね。とにかく素晴らしい、茅ヶ崎まで行く価値ありです。
 
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今回展示されている版画は2016年にサントリー美術館で開催された「広重ビビッド」展と同じ原安三郎コレクションの版画作品。この茅ヶ崎市美術館がある高砂緑地は以前は原安三郎さんの別荘地の敷地でもあったそうです。原さんの当時のスペイン風洋風建築の別荘に関する展示もありました。
 
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さて、初版刷りの美しさも忘れられない「広重ビビッド」展でしたが、同じ浮世絵コレクターのコレクションということで既に期待が高まります。ちなみに前期、後期で全ての作品が入れ換え、全200点を超える作品数です。なんと、全点写真撮影可です。
 
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もちろん全点版画作品なのですが、まるで絵画のようなものばかりで、枝などの水墨表現+リアルな動物や鳥と組み合わせが素晴らしいです。サラッと筆で描いた水墨の枝のカスレやハネの表現を版画でやるのは難しそうです。それでいて版画ならではの表現もされている。
 
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鳥だけでなく植物と虫の絵も日本的ではあります。蔦系の植物を水墨で表現するのは日本画では良く観ます。今回の展示作品のほとんどの制作は「大黒屋」のもので『国華』創刊号や小林清親の版画と同じ版元ということですので技術は凄いです。ただ、この日本画独特の感じを出すのは清親の版画とはまた別の苦労がありそうです。また、月の表現なども構図が工夫されている。
 
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他にも構図の工夫が様々あって良かった。一見オーソドックスな日本画表現に見えるのですが、明治時代の画家ならではの様々な工夫があります。波との対比、連続していく変化、様々なデフォルメ。
 
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鳥を影だけで表現しているのも良かった。また、カラスを描いた作品が幾つもありました。同じ版で刷っても刷り方を変えると別の作品の様に見えるのも面白い。カラスの羽に関しては黒のベタ一色ではなく墨の濃淡で変化をつけていました。観る角度を変えると表現が変化します。
 
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雨の表現も多かったですね。木目を生かして刷る「板目摺」の技術を使ったものもありました。是非、近くで観たいです。動物や鳥などの表現がリアルなのですが、リアル過ぎない感じで、適度なデフォルメと背景の水墨表現との組み合わせなど、バランスがちょうど良い。
 
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ツイッターで話題になった温め鳥もあります。鷹などが小鳥を足で捕まえて一晩カイロ代わりにする。翌朝、その小鳥は逃がすのですが、暖めてくれた恩に報いるため逃げた方向にはその日は狩りに行かないと言うお話です。鷹匠に伝わる伝承と言う話なのでおそらく作り話かとは思いますが、冬の季語にもなっているそうです。
 
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この小原古邨、明治時代の版画家と言うことで、主に海外での評価が中心の作家なのですね。一説によるとフェノロサの指導で海外向けの作品を作っていたと言う話も(確実では無いようです)。日本ではあまり作品が残っていないこともあり、現在で確認できる記録も少ないようです。
 
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今回の展覧会では「大黒屋」時代以外での作品も幾つか展示されていました。祥邨や富邨などと名前を変えて活動していた時期などは、日本画と言うよりもより装飾性の高い色使いに見えました。また、この展覧会には歌川広重や歌川国芳の作品も数点あります。
 
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小原古邨の略暦や当時の様子などは図録及び図録に付いていたエイミー・レイグル・ニューランドさんの論文に書いてあります。読み物としてもかなり面白い内容です。図録は画像は大きくはありませんが作品が全点載っているようなのでこれは入手しても良いかもしれません。
 
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奇想の系譜や若冲以降の流れによるものでしょうか、最近は再評価の流れがよく取り上げられます。現在東京ステーションギャラリーで展覧会が開催されている横山華山もそうですし、渡辺省亭などもそうですね。若冲ほどのフィーバーまではなかなか難しいですが、現在では一部のファンの中での話題となっているそれらがもっと日の目を見ることはあるかと思います。
 
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個人的には渡辺省亭のリアルすぎる動物と背景の差異は小原古邨の版画を観た後でそれと比べると違和感を感じる部分もあります。もちろんそれが省亭の味なのですし、絵画と版画の表現の違いもあると思いますが、あくまでも個人的な好みとしては小原古邨くらい少しデフォルメした方がバランスは良い気もします。絵画と版画の差異はあるにしろ、共に中国 明朝の院体画風の表現に近く見えるので比較されそうな気もしますね。省亭の版画(『省亭花鳥画譜』など)を私はしっかりと見ていないので、そこら辺と観て比べてみたいです。まぁ、それぞれの表現に対してのあくまでも好みの話でもありますが。
 
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ニューランドさんの論文では古邨と幸野楳嶺の作風が近いとありましたが、調べた感じですと、論文のその後に書いたあった今尾景年の作品の方が近い気もします。ここら辺も機会があれば実物をしっかりと見たいところです。
 
特に明治時代の版画家は他にも新版画として海外で評価を得た人が多いでしょう。既に知られている吉田博や伊藤深水、川瀬巴水など以外にもこの小原古邨のような人は多いのではないでしょうか。海外コレクターなどからひょっこり良い作品が大量に出てきたりする可能性もありそうですね。今回は運良く、原安三郎コレクションとして日本に作品が多く残っていたのでこの様な素晴らしい展覧会を観ることが出来たことを嬉しく思います。
 
 

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[企画展] 日本画の挑戦者たち ―大観・春草・古径・御舟―

[企画展] 日本画の挑戦者たち ―大観・春草・古径・御舟―
山種美術館
9/15-11/11
 
日本美術院の創立120年を記念した展覧会です。日本美術院の創立に参加した横山大観・菱田春草、そしてそれに続く世代で活躍した小林古径・速水御舟の4人の作品を中心に新たな日本画を開拓しようとした画家たちの活動を紹介する展覧会になっています。
 
内覧会に参加させていただきました。写真は内覧会にて特別に許可を得て撮影したものです。展示作品はすべて山種美術館所蔵です。
 
 
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小林古径《清姫》全8点のうち5点
 
今回の展覧会、注目する点として小林古径の《清姫》全8点展示があります。様々に伝わる道成寺の伝説に能や歌舞伎のエピソードなども加え総括した古径ならではの清姫の物語をつくりあげたとのこと。
 
 
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速水御舟《名樹散椿》の関連グッズなど
 
また、もう一つ注目したいのが後期(10/16-11/11)に展示される速水御舟の《名樹散椿》(重要文化財)です。9月28日に全国公開される映画「散り椿」の公開を記念した展示だとのこと。今回、山種美術館にはこの《名樹散椿》関連のグッズも沢山出ていました。
 
映画「散り椿」公式サイト
 
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この映画、岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子 等という豪華キャストの映画なのですが、原作小説にあたる葉室麟「散り椿」(角川文庫)の表紙にこの絵が使われているそうです。それが縁で試写会会場の舞台挨拶背景に《名樹散椿》複製パネルが使われたとか。
 
 
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横山大観《喜撰山》※裏に金箔を貼り、紙を剥がして赤みを出す
 
さて、今回の展覧会の中心となる日本美術院、ここら辺の日本画についての時代や歴史の流れは実は私はそれほど詳しくなく、苦手意識があったりします。個々の作家や絵は好きなものも多いのですが。それなのでちょっと歴史背景を勉強をしてみようと思いました。それには最適の展覧会です。
 
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橋本雅邦《不老門・長生殿》
 
時代は明治。東京大学で講義をしていた雇われ外国人 フェノロサの指示の元に狩野派の狩野芳崖が古いモチーフと近代様式を組み合わせた絵を描くようになります。橋本雅邦も共に活動。フェノロサに学び、新しい日本画を発展させたのが岡倉天心。橋本雅邦の門下生が横山大観。岡倉天心はまず東京美術学校を創立しますが、反対に追われ新たに日本美術院を谷中の地で創立します。その時の中心メンバーが橋本雅邦、横山大観、下村観山、菱田春草です。
 
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菱田春草《雨後》
 
空気を描くことは出来ないか?という天心の問いに対して横山大観や菱田春草は朦朧体と言う技法を試みます。輪郭線の無い、ぼかしを多用した描き方はまるでターナーの絵のようです。それらの試みは当時の画壇には受け入れられず日本美術院は運営が悪化し五浦へ移転、一度は衰退します。
 
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富取風堂《もみぢづくし》
 
天心がなくなった後、横山大観や下村観山に加え今村紫紅、小林古径などにより日本美術院は再び谷中で復興。この時復興に参加していた今村紫紅、そして紫紅と共に赤曜会を結成した速水御舟や富取風堂などの次世代の画家達がそれから活躍していきます。
 
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速水御舟《柿》
 
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速水御舟《牡丹花(墨牡丹)》
 
先ほど、日本美術院周辺の歴史背景が苦手とは言いましたが、個人的には速水御舟の絵は大好きなんです。今回も御舟の絵が幾つかあり、嬉しいところでした。
 
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速水御舟《昆虫二題 粧蛾舞戯》
※この作品は10/14まで一般オープン日でも撮影がOKです(10/16以降は速水御舟《名樹散椿》が撮影OKとなります)
 
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速水御舟《昆虫二題 葉蔭魔手》
※この作品は10/14まで一般オープン日でも撮影がOKです(10/16以降は速水御舟《名樹散椿》が撮影OKとなります)。
 
それから新たな日本画の創造という院の方針を今に引き継ぎ現在も日本美術院は続いていきます。なかなかこれだけの流れを一通り見ることの出来る展覧会は他ではあまり無いと思います。
 
近代日本画を作り上げていき、それが現代まで続いている。これらは過去の産物ではなく今への道のりなんですよね。なかなか貴重な機会だと思います。
 

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「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展

「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展
八王子市夢美術館
7/13-9/2
 
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ナンセンス絵本で大人のファンも多いエドワード・ゴーリー。絵本と言うと一般的にはほんわかしたものが多い中、残酷でダークな世界観のゴーリーの絵本は世界中に熱心なファンを生み出しています。そのゴーリーの展覧会が日本で実施されるのをはじめに聞いたのは2015年とか2016年くらいだったでしょうか。2016年に大阪から始まり日本各地を巡回して東京に来るのをずっと待っていました。
 
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ゴーリーの描くモノクロで精細なペン画。表紙のタイトルや本文の文字なども本人が描いているものも多いです。謎かけのような文章、韻を踏んだ言葉たち、ABC順で展開される残酷な物語、ミステリー的な世界などとにかく独自な世界。絵が独特で、この世の物でないような生き物たちが活躍する物語はムーミンの作者トーベ・ヤンソンや、映画監督のティム・バートンもゴーリーファンだということに納得します。
 
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代表作でもある『うろんな客』という物語に出てくるマフラーを付けキャンバスシューズを履いた変な生き物などは謎を通り越して可愛く思えてしまいます。シュールなエンディングを迎える『優雅に叱責する自転車』、ABC順でただただ子どもが死んでいく『ギャシュリークラムのちびっ子たち または 遠出のあとで』など不思議な物語魅力にはまってしまいます。ゴーリー本人が困った時は「アルファベット・ブック」と言っていたようにABCで順を追って話が進んでいく話は幾つかあります。
 
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舞台も好きで、ブロードウェイの舞台『ドラキュラ』のセットと衣装デザインを担当。他にも様々なポスターデザインや、ギルバート&サリバンの喜歌劇「ミカド」の衣装デザイン画の展示もありました。
 
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そして、小さな子どもも本の中では何人も殺しているのに、猫だけは殺していないゴーリー。実際に6匹の猫と一緒に暮らしていた愛猫家だったとのこと。ミュージカル「キャッツ」の原作である詩人T.S.エリオットのテキスト『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』の挿絵なども手がけているようです。挿絵と言えばナンセンス詩人であるエドワード・リアのテキストに挿絵をつけた『ジャンブリーズ』『輝ける鼻のどんぐ』も必見。
 
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東京展は終了してしまいましたが、次は来年2019年1月19日から3月10日まで新潟市新津美術館で巡回されるようです。その後もまだ巡回されるのでしょうか?巡回情報は以下のWEBに出ています。
 
「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展」巡回情報更新!& MOE特別編集「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」発売中!
 

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エルメス「彼女と。」/「となりにくらす生きもの」安田ジョージ

エルメス「彼女と。」
国立新美術館
7/11-7/30(予約制)
 
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だいぶ前に体験した展覧会のレビューになります。「彼女」。そしてその彼女を追いかける「作家」。この2人を中心に紡がれる物語の展覧会です。と言っても何か良く判らないですよね。それをエルメスが展開していると言うから余計不思議です。
 
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美術館の展示場に映画のセットが造られています。そしてそこで「彼女」と言う一人の女性を追い求める撮影をしています。
 
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「彼女」を追う「作家」を演じる役者、もしくはエキストラとして私達はそこに参加するという段取りです。日時指定の事前申込み制。「作家」を演じる役者は各回で一人しか参加できないためあっという間に予約は埋まってしましました。エキストラは各回につき20人くらいは居たでしょうか?役者で参加の方が盛り上がるのは間違いないですが、残念ながらエキスとでの参加となりました。
 
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会場に居るのは「作家」役の参加者、そして彼女の友人を演じる何人かの役者、撮影スタッフを演じる何人かの役者。「彼女」自体は出てきません。彼女を追う物語。これがドキュメンタリーなのか、フィクションなのかの設定もありません。 観ているうちに、フィクションとノンフィクションが混ざっていきます。はたして彼女は実在するのか?それとも映画の中だけの話なのか?
 
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凄いな、と思ったのは場内にエルメスの宣伝的な文字がほぼ無いということ。もちろん役者さん達の着ている服や道具などはエルメスのもの。そう、この展覧会は動くエルメスの秋冬カタログなのですよね。もちろん私はそれを見てエルメスかどうか判断は出来ないので、まぁ、宣伝の対象外なのでしょうけど、笑。
 
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映画館のような映写室ではじめに設定を知らされます。画面で見た「彼女」に会いたくなた「作家」。「彼女」は「作家」に3人の友人の連絡先を渡す。「作家」はその3人から話を聞き、彼女の一面を知る。最後に彼女と自宅で会うことになる。そしてそのストーリーを私達エキストラと一緒に映画にし、その撮影をこれからします。と言う流れです。
 
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中に入ると映画の色々なシーンのセット。最初の友人から聞く話は冬の海のエピソード。ちなみに良く観ると杉本博司の「海景」シリーズが飾ってあるじゃないですか!これは本物ですよね、きっと。エルメスのコレクションでしょうか?
 
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二つ目のセットはアパートメント。彼女の恋人からスカイプで話を聞きます。パーティーから雪の中を逃げ出す彼女との想い出を語る彼。そして三つ目は彼女の隣人である花屋とのシーン。彼女の仕掛けた屋根の上でのパーティーの思い出の話が出ます。
 
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「作家」役として参加する人という設定がうまいな、と思いました。一般からの参加者なのですから台詞は少なめです。それでも話が流れるようなストーリーになっています。そして「作家」役でもあるし、「彼女」の友人に話を聞くインタビューワーの役割なので常にノートなどを手に持っていてもおかしくありません。つまり台本を常に抱えて見ることが出来るのですよね。そして「作家」なので男性でも女性でも大丈夫。この設定はいいですね。
 
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さて、ここまで3人から話を聞きましたが、これらはあくまでも作家の想い出は話を映画で撮影するという建前です。それを演じる役者たちのメイクブースや小道具が置いてあるストックヤードがセットの裏にありました。
 
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そして、先ほどの友人の語った思い出の中にあったシーンも撮影をされています。冬の海の波打ち際のシーンのセット。ここで彼女が冬の海に入って泳ぐシーンが撮影されていたのです。撮影時の映像が流れていました。
 
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また、恋人とパーティーを抜け出したシーンのセットもあります。こちらも撮影は済んでいて、撮影風景が流れています。
 
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次は隣人が語った屋根の上のパーティーのセット。ここで私達エキストラの登場です。モデルさんと一緒に乾杯をするなんて、夢のようなシーンを撮影します。
 
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さて、最後のシーン。ここでは彼女の妹から彼女の家の鍵を受け取ります。ただ、そこには彼女の姿はありませんでした。ただ、家にあるものから彼女がどの様な人か伝わってくるようです。
 
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正面にある絵画が誰の作品かが気になりました。ちなみに聞いているレコードは「Isaac Delusion」でした。
 
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最後、出口そばにあったのは「彼女」の控え室。ここに居るのは彼女自身なのでしょうか?彼女の役を演じる役者なのでしょうか?虚構と現実が混ざり合いそうです。
 
 
 
 
「となりにくらす生きもの」安田ジョージ
国立新美術館 SFT GALLERY
6/13-8/20
 
 
布や木彫りで造る動物達。安田ジョージさんの造る動物たちはその木の肌感や布の質感のせいかとても優しく感じます。ドローイングもとてもいい雰囲気。土に還るもので制作するというこだわりもいいですね。
 

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ビーマイベイビー 信藤三雄 レトロスペクティブ/コレクション展「新収蔵・北杜夫コレクションを中心に」

ビーマイベイビー 信藤三雄 レトロスペクティブ
世田谷文学館
7/14-9/17
 
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信藤三雄、レコードやCDジャケットのデザインで有名なデザイナーさんです。入口に有名な方々からのお花が……。
 
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松任谷由実、サザンオールスターズなどからピッチカートファイブ、フリッパーズギター、ミスターチルドレン、MISIA、さらには最近のAKB48まで様々なアーティストのジャケットデザインやポスターなどを手がけた人。
 
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80年代から最近までのアートワークがここぞとばかりに並ぶ会場は、もう、懐かしかったり、思い出が蘇ったり、大変でした、笑。
 
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展示会場デザインは遠藤治郎。コンサートの舞台美術などを手がけている方です。
 
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女優の夏帆を取り上げたポスターもいい感じです。
 
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会場内でピッチカートファイブやコーネリアス、UA、YEN TOWN BAND、ブランキジェットシティなどのポスターを観るたびにあの頃何をしていたか、甘い出来事やほろ苦い恋などが思い出されるのですよね。
 
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音楽と記憶って、何か結びついてますよね。曲を聴くと思い出す、あの何か。それと密接に結びついているジャケットデザイン。
 
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あの子はこのバンド好きだったなぁ、とか。カラオケで良く歌ってたなぁ、とか。アルバムの貸し借りしたなぁ、とか。
 
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いまトピの言うメディアでこの展覧会に関するコラムを書かせていただきました。こちらも参考に。
 ↓
東京は夜の七時で真夜中のマシンガンで笑って咲く花になろうよ「BE MY BABY 信藤三雄 レトロスペクティブ」
 
AKB48や夢見るアドレセンスなど、現在のアイドルなども手がけているのも凄いな、と思います。ただ、今のデータ配信時代になっている世の中、こう言うデザインと曲と思い出が結びつく事は少し弱まってしまうのですかね?
 
 
 
コレクション展「新収蔵・北杜夫コレクションを中心に」
世田谷文学館
4/28-9/17
 
北杜夫の原稿、そして北杜夫の父、齋藤茂吉関連の資料を展示してありました。ムットーニコーナーに新しい作品が追加されたということで、見て行きたかったけど、時間が会わず断念。次に来た時は観たいです。
 

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イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ/収蔵品展063 うつろうかたち 寺田コレクションの抽象/project N 72 木村彩子

イサム・ノグチ ─ 彫刻から身体・庭へ
東京オペラシティアートギャラリー
7/14-9/24
 
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イサムノグチの大きな展覧会と言うとMOTでの展覧会を思い出す人も居るのではないでしょうか?あれは2005年だったのですね。エナジーヴォイドが来たというのを覚えています。その後に横浜美術館での展覧会もありました。その後大きな展覧会は都内周辺では無かったとおもいます。待望のイサム・ノグチ展です。
 
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もちろん規模はMOTの時ほどではありませんが、今回イサム・ノグチが意識したという「身体」と言う物を軸に彫刻、遊具、ランドスケープを掘り下げていく展覧会でした。テーマが通っているので見応えありです。
 
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身体のドローイング、そしてそこと直接繋がるような不思議な形状の彫刻たち。ここら辺の形はイサム・ノグチのデザインした家具にも繋がってきます。
 
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照明器具に関しては身体性と直接的には繋がっていないというイメージではありますが、どうなんでしょう?
 
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そこから建築家とのコラボなどを通して空間の彫刻へと繋がっていくのです。ランドスケープや遊具といった視野を広げた展開。そこに、その中に子どもや人が入り込むことによって完成する作品ですね。
 
ちなみにイサム・ノグチの遊具などは日本各地で実際に体験できます。そこら辺の情報を「いまトピ」というサイトでまとめたことがありますのでこちらもご参考に。
 
触れて、遊んで、楽しむ。遊具や公園で体感、日本全国イサム・ノグチ体験スポットまとめ!
 
牟礼のイサムノグチ庭園美術館は2回ほど行きました。何度でも行きたい場所です。モエレ沼公園にはまだ行く機会が無く、一度は行きたい場所のひとつです。
 
 
 
収蔵品展063 うつろうかたち 寺田コレクションの抽象
東京オペラシティアートギャラリー
7/14-9/24
 
難波田龍起の作品をはじめとする抽象絵画の特集。難波田さんの作品が続き、少しお腹一杯になってくるのですが、他に李禹煥や辰野登恵子の作品などもあります。
しかりやはり難波田作品は強いですよね。体力がある時でないと対峙できない気がします。
 
 
 
project N 72 木村彩子
東京オペラシティアートギャラリー
7/14-9/24
 
コレクション展の後だからというのもあるのか、初め見たときは訳わからない抽象画に見えた。ところが少し離れてみると、とても美しい風景画になる。何歩か下がると、もしくは何歩か前に出ると急に変わる景色。同じ絵を見ているのに、である。印象派や点描画などを観ているような感じだが、それとはまた少し違うような、その気持ちよさでした。
 
 

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いわさきちひろ生誕100年記念 Life展「あそぶ」plaplax/「着るをたのしむ」spoken words project /生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。

今年はいわさきちひろの生誕100年の記念の年。幾つかのプロジェクトで構成されています。
 
いわさきちひろ生誕100年記念
 
「Life展」
・ちひろ美術館・東京
 「まなざしのゆくえ」大巻伸嗣 2018/3/1-5/12
 「着るをたのしむ」spoken words project 2018/5/19-7/22
 「あそぶ」plaplax 2018/7/28-10/28
 「作家で、母で つくるそだてる」長島有里枝 2018/11/3-2019/1/31
 
・安曇野ちひろ美術館
 「あそぶ」plaplax 2018/3/1-5/7
 「ひろしま」石内都 2018/5/12-7/16
 「子どものへや」トラフ建築設計事務所 2018/7/21-9/25
 「みんないきてる」谷川俊太郎 2018/9/29-12/16
 
「特別展」
・「いわさきちひろ展」国立歴史博物館(台湾) 2018/2/1- 4/22
・「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」 2018/7/14-9/9
 東京ステーションギャラリー 2018/7/14-9/9
 美術館「えき」KYOTO 2018/11/16-12/25
 福岡 2019/4月-5月[予定]
 
 
今回は「Life展」のspoken words projectコラボ「着るをたのしむ」、plaplaxコラボ「あそぶ」、そして「特別展」の東京ステーションギャラリー「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」についての感想です。
 
 
いわさきちひろ生誕100年記念 Life展
「あそぶ」plaplax
ちひろ美術館・東京
7/28-10/28
 
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先日描いた「デザインあ」でも展示に参加していたplaplax。いつも楽しい体験型の展示を展開しているユニットです。
 
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ちひろのアトリエをイメージした白いテーブルの上に様々な絵を描く道具。それらに触れていくと色が付いたり、小さなキャラクターが飛び出てきたり。
 
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ラジオが鳴る、猫が歩く、ちひろの頭の中のイメージを目に見えるような展示です。
 
 
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白い床の上を歩くとちひろの絵に出てくるようなにじみの絵と音が鳴る展示。
 
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延々と歩いて楽しむことが出来る展示です。ただし、待っている人が居る時は順番に。
 
 
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スクリーンの前に立つとちひろの絵の中に入る込むが出来るような展示も。サタデーナイトフィーバー状態なわたし。
 
 
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最後の一番大きな部屋には絵本を見るための遊具があります。
 
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建築事務所のA+Sa(アラキ+ササキアーキテクツ)とのコラボで造ったもの。
 
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トンネルあり、台もあり、中では絵本を読むコーナーもあります。子ども達が遊んでいる中に参加してしまいましたがとにかく楽しい展示でした。
 
 
 
いわさきちひろ生誕100年記念 Life展
「着るをたのしむ」spoken words project
ちひろ美術館(東京/安曇野)
5/19-7/22
 
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ファッションブランドのspoken words projectらしく、オシャレなちひろをモチーフにした展示です。
 
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実際にちひろが着ていた服、ちひろの絵をモチーフにした服などが展示されています。
 
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モデルさんがその服を着ているシーンも。
 
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一番大きな部屋はちひろが使った技法であるにじみを展開した布。ちひろの絵を描く技術にも注目してしまいます。
 
 
 
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。
東京ステーションギャラリー
7/14-9/9
 
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ちひろに影響を与えたもの(武井武雄、マリー・ローランサン、丸木位里・丸木俊(赤松俊子)夫妻など)やまだちひろらしさが開花する前の初期の油絵などの展示。そしてちひろらしさが出てくる水彩の絵。画家としてのちひろに注目した展覧会になっていました。切り口を変えて観て行くと、見慣れたちひろの絵にも様々な要素があるのがわかります。絵を描く技法にも注目して観ても面白いです。後半の展示はまるで抽象絵画のようですが、それでもやはりこれはちひろの絵になっているのが凄いです。最後の方にあるのが今年4月に亡くなられたアニメーション映画監督の高畑勲さんが監修したコーナー。巨大なちひろの絵のなかに入り込むことが出来るコーナーです。
 
こちらの展覧会は実は「楽活」と言うメディアでレビューを書かせていただきました。こちらの記事には写真も多くありますので是非見てみてください。
 
【楽活】100年目、あらたに出会ういわさきちひろ。『生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。』東京ステーションギャラリー
 
 
 
様々なジャンルの作家が様々なアプローチでいわさきちひろを切り取っていきますが、最後には結局すべていわさきちひろという「人」そのものにいきつくことになります。
この後もちひろ美術館(東京・安曇野)でアーティストコラボは続きます。じっくり1年をかけて観ていきたいです。
 
 

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デザインあ展 in TOKYO

デザインあ展 in TOKYO
日本科学未来館
7/19-10/18
 
NHKのEテレの番組である「デザインあ」。それを展示で体験できる展覧会です。東京では2013年に21_21 DESIGN SIGHTで展覧会を実施。そこからあちこちへ巡回してパワーアップして戻ってきました。番組と同じく、子どもも楽しい、大人にも新しい発見がある展覧会です。身の回りの物事を分解したり、別の角度から見たりして新しい発見をしていくこの番組&展示、まぁ、とにかく楽しい。一部をご紹介します。
 
デザイン あ展(←2013年 21_21 DESIGN SIGHTの時の感想)
 
 
 
まずは大きな展示空間「観察のへや」。身の回りの物を様々な角度から観察していきます。
 
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卵、といっても色々ありますよね?な展示。割ったり茹でたり焼いたり、そして最後の仕上げで形状が変わっていくカメレオンな食材でした。
 
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お弁当でも食材は様々。食材ごとに分解していきます。そして鱒寿司の潔さ!
 
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梅干の気持ちになることが出来る体験。お弁当の真ん中から頭を出して周りを見渡してみよう。そういえば中央に鎮座してますね、彼(又は彼女)。
 
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男性と女性の人形が並んでいます。かたちをどんどん単純化していくと……ああ、あのマークか!マークとして表現するにも単純化レベルがいろいろあるのですね。
 
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4文字あれば人の顔は表現できる……ようです。「きんさん」で顔をつくるとこうなります。似てますかね!いい男ですよね!
 
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街のあちこちにある看板。様々な書体が作られ使われています。その書体で「あ」を表現。
 
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一見普通の教室の風景ですね。これアップにすると凄いことになるんですよ。近づいてみてください!
 
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苗字とそれに対応する人工を文字のサイズで表現。私の名前もありました(比較的珍しい苗字なので見つけるだけで嬉しい)。
 
 
 
「体感の部屋」は360度ぐるっと映像の部屋。
 
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「あ」のテーマは中村勇吾の映像にコーネリアスの小山田圭吾の音楽。このコンビは今、21_21 DESIGN SIGHT「AUDIO ARCHITECTURE」でも展覧会を実施中ですね。
 
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「解散!」は岡崎智弘の映像+小山田圭吾の音楽。物の分解のこま撮り映像です。
 
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「森羅万象」は高野光太郎の映像+小山田圭吾の音楽、さらに大野由美子の歌。バッファロー・ドーターの大野由美子!紋についての映像。
 
 
 
さいごの「概念のへや」は時間やしくみについて掘り下げるところ。
 
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はやい「あ」、は高速移動している「あ」をシャッターコントロールしてアニメーションで流しています。
 
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おそい「あ」はゆっくりうごく「あ」を映像を早回しで再生。
 
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じかんを言葉で可視化して見せているじかんがくる。
 
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くうかんの入口、入口を使うのは人だけではない。犬やネズミだって使うのですね。plaplaxと言うチームがこの展示作品に参加しています(他の展示にも関わってます)がアナログな感じも良いですね。plaplaxの作品はちひろ美術館・東京でも展示されています。
 
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ひと ひと ひと。よく観ると制限された空間に人の足跡。相合傘やエレベーターの概念……そして満員電車!いやだー。
 
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自分が歯車になっていろいろものを動かしたりする装置も。社会の歯車ってやつですね。こちらはクワクボリョウタさんが参加しているパーフェクトロンの展示作品。パーフェクトロンも他の作品にも参加しています。さっきのたまごや弁当もそうでしたね。
 
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しくみ寿司は様々なしくみを回転寿司に採用してみたもの。ルーレットを使った偶然寿司が面白そう!
 
 
他にもいろんな楽しい「あ」がありました。これはとにかく楽しい展示です!またこちらの館は常設の展示もすばらしいものばかり。
 
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アート関連では宮島達男さんの作品もありました。こちらも楽しまないと勿体無いですよ!
 
 


 

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内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える/クリテリオム94 北林加奈子

内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
7/28-10/8
 
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※写真は水戸芸術館のタワー。
 
今回の内藤礼展、今まで内藤礼作品に入り込めなかった人は水戸まで行って見なくても良いかと思います。ただ、ただ、内藤礼の世界に一度でもハマった人ならオススメです。水戸まで(どこから行くかは別として)行って損はない展覧会だと思いました。
 
磯崎新の設計した空間で自然光だけで展示をすると言うだけの世界。それで充分。そう、今回は自然光だけでの展示です。「照明」と言うものを一切使っていない。なので夕方には暗くなるし、9月10月は日没が早くなるので閉館も早くなります。そうでなくても部屋によっては光がさし込む部屋とそうでない部屋もあり、明暗の差があります。そこでホワイトキューブとしての空間や建築の妙をあらためて感じることができたりもします(先にも書きましたが磯崎新の設計)。自然の流れを感じることも出来る展覧会です。
 
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本音を言うと思ったより「モノ」はありました。もっと何も無いのを期待していました。まぁ、それでも「え?何もないよね?」と言う人もいると思います。また展示物も一つ一つは今までに見たのもの中心だし、コンセプトも新しいものでは無かった。ただその分、内藤さんの世界感をストレートに感じる展示ではあった。前の庭園美術館が消化不良だった人には満足な展示だと思う。作品リストを見ずに何も考えずに一周して、その後、リストを見て周るみたいな見方が良いかもしれないですね。何も見ないで空間をぼんやり見て廻りたいと思いました。私は一周目にリストを見てしまったので2周目に見ないで廻りました。
 
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個人的には「タマ/アニマ(わたしに息を吹きかけてください)」はまだ見ていなかったのでこれは新鮮でした。初めに入ってすぐにある「母型」は心を掴みます。あの中を通れればよかったのに……。鈴が鳴れば良かったのに……。
 
あとは、最後の部屋。あの部屋の展示が無ければ、私に取ってはまったく別の展覧会になったかもしれません。天井からぶら下がった糸を薄暗い部屋で見上げる様は初期の「地上にひとつの場所を」を想起させられ、紙の筒がぶら下がっているだけに見える「地上にひとつの場所を」も裏から光を透かして観たときのキラキラ感が観なくてはわからない何かのようでした。そして裏から透かすと言えば「恩寵」です。鏡文字で書かれていて透かさないと見えないメッセージ。ただ読めてしまうとふと心が救われそうな気もします。木の人形「ひと」のなかで唯一帽子をかぶっているひとがいるのもこの部屋でしたね。
 
そう言えばあの長いベンチの中ほどの窓も何か救いとなりそうです。カラービギニングシリーズに関してはいつもより色があった気もします。
 
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各部屋入口に入るときの注意事項が長いのだけれども、あの展示だと館としては仕方ないとは思います。ただ、二周目の時に顔を覚えておいてくれて、フリーで廻らせて欲しかったなぁ、とは思いました。あれで世界観に入り込むのに足が止まってしまうのは勿体ない。注意事項で展示について構えてしまうところはあった。間違いなく、内藤礼作品経験がある人にオススメの展覧会ですね。
 
いろいろ難しい展示ではありますが、水戸芸術館ファンや現代アートファンなら何かをつかめるかも知れません。内藤礼さんの展示としては、私、個人的には佐賀町エキジビット・スペースRiceギャラリー「地上にひとつの場所を」をはじめて観てから、神奈川県立近代美術館 鎌倉館の2009年の展覧会「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」が美術館での展示の基礎になり、豊島美術館「母型」で一つの完成型を見てしまった気がします(発電所美術館「母型」を見ること出来なかったのが悔やまれます)。現在は次の完成型に向けた時期な気がします。まだまだ追いかけて行きたいアーティストです。
 
 
 
クリテリオム94 北林加奈子
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
7/28-10/8
 
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初めに部屋に入った時に「陶」で出来た作品だとは思いませんでした。写真ではわかりにくいですが糸などの柔らかい素材が組み合わされているだけでとてもイメージが変わります。そうやって、目を逸らせて、でも近くで見ると本質である陶磁の硬さが見えてくるようなインスタレーションでした。
 
 
 
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帰りに納豆食べました。キムチ納豆にマグロ納豆に納豆オムレツに納豆の磯部揚げ。水戸と言えば、です。
 
 

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さあ、今、我が人生の最大の出発にきた(草間彌生美術館)

さあ、今、我が人生の最大の出発にきた
草間彌生美術館
4月1日-8月31日 木・金・土・日・祝日営業
前期:4月1日-6月17日
後期:6月21日-8月31日
1日4回(11:00 / 12:30 / 14:00 / 15:30 各回入れ替え制)
 
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ようやく行って来ました、後期展示でした。私が行ったのは7月なので少々前にはなりますが、毎月、翌月分の事前申込みが始まるとすぐに埋まってしまうような状況で人気の施設ですね。
 
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世界的にも人気の草間彌生作品を常設する美術館があるということは貴重なのでは無いでしょうか?
 
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申込み時間の少し前に建物に到着。1階は受付+ショップ、2-3階は企画展示室、4階は常設展示、5階はライブラリー+屋上の常設展示になります。2階のトイレは鏡貼りで草間ドットがありますので見逃さないように。
 
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2-3階は年に数度か展示も変わるようで、絵画系のものが中心でした。大きめの作品もあります。4階の常設は1点のみ。暗い部屋に入り無限カボチャ(料理名みたい)の展示です。
 
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マジックミラー貼りの箱の中に無数のカボチャが光っております。
 
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時間制御で真っ暗になり、そこから徐々にここのカボチャに光が点ります。
 
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床面もミラーなのでまさに無限カボチャ。
 
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5階のライブラリーから屋外に出た部分に大きなカボチャ。
 
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そういえば常設展示はカボチャばかりですね、笑。企画展示はカボチャじゃない作品もありました。企画展示部分は写真は撮れませんが。
 
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この屋外のカボチャはモザイクタイル貼りですね。
 
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ここから下まではエレベーターで戻ります。この中もミラー貼りで草間ドットがありますね。時間に余裕があればエレベーターで途中下車して他のフロアに戻っても大丈夫です。
 
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ビルの外側のガラスも1階部分は草間ドット仕様です。
 
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内側から見るとこんな感じです。1階の入れ換え時間は1時間半ほどありますが、正直1時間もあれば充分でしょうか。5階の部屋を2回見ましたが1時間もかからずでした。
新宿からバスで行きましたが、バスの時間は調べておいた方が良いかもいしれませんね。海外から来たアートファンなどには喜ばれそうな施設です。
 
 

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