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内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える/クリテリオム94 北林加奈子

内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
7/28-10/8
 
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※写真は水戸芸術館のタワー。
 
今回の内藤礼展、今まで内藤礼作品に入り込めなかった人は水戸まで行って見なくても良いかと思います。ただ、ただ、内藤礼の世界に一度でもハマった人ならオススメです。水戸まで(どこから行くかは別として)行って損はない展覧会だと思いました。
 
磯崎新の設計した空間で自然光だけで展示をすると言うだけの世界。それで充分。そう、今回は自然光だけでの展示です。「照明」と言うものを一切使っていない。なので夕方には暗くなるし、9月10月は日没が早くなるので閉館も早くなります。そうでなくても部屋によっては光がさし込む部屋とそうでない部屋もあり、明暗の差があります。そこでホワイトキューブとしての空間や建築の妙をあらためて感じることができたりもします(先にも書きましたが磯崎新の設計)。自然の流れを感じることも出来る展覧会です。
 
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本音を言うと思ったより「モノ」はありました。もっと何も無いのを期待していました。まぁ、それでも「え?何もないよね?」と言う人もいると思います。また展示物も一つ一つは今までに見たのもの中心だし、コンセプトも新しいものでは無かった。ただその分、内藤さんの世界感をストレートに感じる展示ではあった。前の庭園美術館が消化不良だった人には満足な展示だと思う。作品リストを見ずに何も考えずに一周して、その後、リストを見て周るみたいな見方が良いかもしれないですね。何も見ないで空間をぼんやり見て廻りたいと思いました。私は一周目にリストを見てしまったので2周目に見ないで廻りました。
 
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個人的には「タマ/アニマ(わたしに息を吹きかけてください)」はまだ見ていなかったのでこれは新鮮でした。初めに入ってすぐにある「母型」は心を掴みます。あの中を通れればよかったのに……。鈴が鳴れば良かったのに……。
 
あとは、最後の部屋。あの部屋の展示が無ければ、私に取ってはまったく別の展覧会になったかもしれません。天井からぶら下がった糸を薄暗い部屋で見上げる様は初期の「地上にひとつの場所を」を想起させられ、紙の筒がぶら下がっているだけに見える「地上にひとつの場所を」も裏から光を透かして観たときのキラキラ感が観なくてはわからない何かのようでした。そして裏から透かすと言えば「恩寵」です。鏡文字で書かれていて透かさないと見えないメッセージ。ただ読めてしまうとふと心が救われそうな気もします。木の人形「ひと」のなかで唯一帽子をかぶっているひとがいるのもこの部屋でしたね。
 
そう言えばあの長いベンチの中ほどの窓も何か救いとなりそうです。カラービギニングシリーズに関してはいつもより色があった気もします。
 
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各部屋入口に入るときの注意事項が長いのだけれども、あの展示だと館としては仕方ないとは思います。ただ、二周目の時に顔を覚えておいてくれて、フリーで廻らせて欲しかったなぁ、とは思いました。あれで世界観に入り込むのに足が止まってしまうのは勿体ない。注意事項で展示について構えてしまうところはあった。間違いなく、内藤礼作品経験がある人にオススメの展覧会ですね。
 
いろいろ難しい展示ではありますが、水戸芸術館ファンや現代アートファンなら何かをつかめるかも知れません。内藤礼さんの展示としては、私、個人的には佐賀町エキジビット・スペースRiceギャラリー「地上にひとつの場所を」をはじめて観てから、神奈川県立近代美術館 鎌倉館の2009年の展覧会「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」が美術館での展示の基礎になり、豊島美術館「母型」で一つの完成型を見てしまった気がします(発電所美術館「母型」を見ること出来なかったのが悔やまれます)。現在は次の完成型に向けた時期な気がします。まだまだ追いかけて行きたいアーティストです。
 
 
 
クリテリオム94 北林加奈子
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
7/28-10/8
 
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初めに部屋に入った時に「陶」で出来た作品だとは思いませんでした。写真ではわかりにくいですが糸などの柔らかい素材が組み合わされているだけでとてもイメージが変わります。そうやって、目を逸らせて、でも近くで見ると本質である陶磁の硬さが見えてくるようなインスタレーションでした。
 
 
 
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帰りに納豆食べました。キムチ納豆にマグロ納豆に納豆オムレツに納豆の磯部揚げ。水戸と言えば、です。
 
 

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