« 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― | トップページ | 全アートファン必見!『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?(ついに来週発売!) »

男性のための「ショーメ」展をどう見るか:「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ」

ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ
三菱一号館美術館
6/28-9/17
 
あの高級ジュエリーブランド「ショーメ」の展覧会が三菱一号館美術館で開催されいます。内覧会に参加させて頂きました。写真は内覧会で特別に許可を得て撮影したものです。
 
 
Img_5913
戴冠!ティアラの芸術 マイヨショール(模型)の展示
 
さて、ショーメ展、話題です。ジュエリーの美しさはもちろんですが、展示の演出や装飾が凄い!いつもの三菱一号館美術館じゃないみたい!と言う話も聞いていました。このティアラ模型の展示を見てもRの付いた壁面など工夫された展示になっています。これは男性でも見に行きたいですよね。
 
 
Img_6056
戴冠!ティアラの芸術 ティアラの展示
 
ただ、この展覧会、来場者は女性が多いと聞いています。まぁ、そうですよね。内覧会も女性ばかりでした(内覧会参加のうち男性は1割程度でした)。男性はなんとなく肩身が狭いです。さらにこれを一人で見に行こうとしたら、奥様や彼女が居る人は「私も連れてって!」と言われることでしょう。そして「あれいいな」「あれ欲しいな」となる可能性は大きいです。キラキラした物をねだられる可能性が高くなります。
 
 
Img_6005
戴冠!ティアラの芸術 「鮮紅色の情熱」
 
危険です。ショーメ展、危険です。さて、そんな時のための男性のためのショーメ展をどう見るかです。キラキラだけじゃないんだと、言い張るのです。
 
 
Img_5871
歴史の中のショーメ
 
まずは今回は歴史の中でのショーメの立ち位置を表す展示だと言うことを強調しましょう。写真の通り絵画と一緒に展示がされています。フランスの歴史の中で戴冠式に使われた宝石などを担当したのがショーメの創業者だったのです。
 
 
Img_6050
歴史の中のショーメ 皇帝ナポレオン1世より贈呈された教皇ピウス7世のティアラ
 
ナポレオンの話などをしていけば、これがジュエリーの展覧会と言うことも少し忘れるかもしれません。ただし、ナポレオンの皇妃ジョセフィーヌがショーメというメゾンの最初のミューズだという話までしてしまうと購買欲が戻ってきてしまう可能性はあります。
 
 
Img_5908
黎明期のミューズ 皇妃マリー=ルイーズのルビーとダイヤモンドのバリュールのレプリカ
 
ミューズのコーナーは、モチーフについてのネタで話を膨らませましょう。「麦」はローマ神話の農耕の女神ケレスを表していて、繁栄と多産の象徴で人気のモチーフだったとか。アジサイのモチーフはジョセフィーヌから娘のオルタンスへ受け継がれたものだとか。ナポレオンの2番目の妻であるマリー=ルイーズも式典の時はショーメを身につけ、それをナポレオンは権力や権威の象徴とした、など。
 
 
Img_5934
旅するショーメ 中国風のペンダント、ブローチ、ピンのためのデザイン画
 
過去の様式、異国の様式などをモチーフとして使っていたショーメ。異国風のジュエリーが並びます。ここで注目したいのがデザイン画。平面のデザイン画、そしてジュエリーとしての立体表現を比べていくのがオススメです。
 
 
Img_5953
自然を披露する
 
さて、この自然史のエリアが私は一番好きでした。植物や虫や鳥などの自然をモチーフにしたジュエリーが展示されています。
 
 
Img_5947
自然を披露する タコのネックレス、他
 
タコや虫などのモチーフ。自然のデザインは美しいと思います。ただ、虫は嫌いな女性でも、ジュエリーになると大丈夫な人も多そうですよね。何でなんでしょうね?
 
 
さて後半の展示では、身につける芸術=ジュエリーキネティック・アートとしてのジュエリーなどアートとしての造詣の美しさ、動きの美しさ、変化の妙を見ることが出来ます。
 
また、これは全体の展示を通して言えることですが今回の展示は年代別にはなっていません。並行して別に時代の作品を見ることが出来ます。時代により進化したダイヤモンドのカッティング地金の装飾などを見比べることが出来るのは嬉しいです。
 
 
Img_6032
遥けき国へ-ショーメと日本
 
最後は日本とショーメのつながり。日本のイメージの映像と展示を組み合わせた演出があります。西洋文化と日本文化のマリアージュが作品と展示の両方で表現されています。
 
 
Img_6017
遥けき国へ-ショーメと日本 ジャポニズムのブローチ「雷神」
 
マリー・アントワネットの日本の漆器コレクションやモチーフに日本のものを使ったものなども。雷神のモチーフはよく見ると太鼓がタンバリンっぽかったり、女性と向き合っていたり、これも西洋のイメージと混ざったものになっています。
 
 
Img_6001
戴冠!ティアラの芸術 「ペイン・ホイットニー夫人(ガートルード・ヴァンダービルト)の翼のティアラ」
 
さて、ここまで見て、いろいろと理屈的なことを言ってみたりして、なんとかキラキラから目を逸らそうと頑張ってみましたが、それは無理だということがほぼわかりました。私自身がこのキラキラに魅了されてしまうのですかね……。私が一番気に入ったのは上の「翼のティアラ」です。
 
さて、展覧会を観終わって、お腹がすいた頃に知り合いと話をしていてとても良いヒントを貰いました。「今日のショーメを見終わって、どんなイメージで、この後どんなものを食べに行くのですか?」と聞かれました。
 
これだ!と。
 
 
Img_5986
遥けき国へ-ショーメと日本 日本に着想を得たネックレス
 
そうか、物欲を食欲に転換してしまえば良いのか!と。ショーメのイメージでそれを食事に置き換えて食べに行けばきっとそれで満足するはず!
 
そうだなぁ、私だったらどうするかな……。イクラとかイメージするかな。ダイヤモンドの粒のキラキラ思い出してしまいそうだよね。やっぱりだめかな、ごまかせないかな。
 

|

« 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― | トップページ | 全アートファン必見!『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?(ついに来週発売!) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 男性のための「ショーメ」展をどう見るか:「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 1780年パリに始まるエスプリ」:

« 水を描く ―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお― | トップページ | 全アートファン必見!『いちばんやさしい美術鑑賞』ってどんな本?(ついに来週発売!) »