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ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵

エッシャー展が始まりました。日本でも人気のあるM.C.エッシャーだまし絵作品をまとめて見る良い機会です!内覧会に参加させて頂きました。
 
生誕120年 イスラエル博物館所蔵
ミラクル エッシャー展 奇想版画家の謎を解く8つの鍵
上野の森美術館
6/6-7/29
 
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※写真は内覧会で特別に許可を得て撮影したものです。
 
まぁ、人によってはM.C.エッシャーって誰?ラッパーかDJですか?と言う人も居るかもしれませんが、笑、そんな方でもエッシャーの不思議な世界感が描かれた作品はどこかで見たことあるのではないでしょうか?
 
 
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M.C.エッシャー《ベルヴェデーレ(物見の塔)》
 
とても有名な作品です。私は小学校くらいの時にこの《ベルヴェデーレ(物見の塔)》のジグソーパズルを作った記憶があります。白と黒しかないので結構難しかったですね。
 
 
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M.C.エッシャー《滝》
 
この作品《滝》も有名です。ぐるっとめぐり永久循環する水の不思議な構造。私的には上記2点に加えて 《上昇と下降》と言う塔の周りの階段を延々と登っている兵士達の作品を加えた3点がエッシャーの有名作品3部作です。小さい頃からだまし絵てとして何度もみたものです。
 
今回尾展覧会ではエッシャーの作品を8つのキーワードに分けて展示をしていますがこれら3点は最後にある『錯視』のコーナーにあります。
 
 
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8つのキーワードは『科学』/『聖書』/『風景』/『人物』/『広告』/『技法』/『反射』/『錯視』
 
今回の展覧会の特徴としては前半のコーナーでまだだまし絵的要素が少ない時代の作品もあるということ。
 
 
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M.C.エッシャー《バルコニー》
 
だまし絵的要素が薄くても世界を見る視点は特徴的だったり、消失点が複雑な絵だったりするのはエッシャーらしいところです。風景画の版画もあり、エッシャーの手にかかると不思議とヨーロッパ各地の景色も幻想的です。
 
 
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M.C.エッシャー《バベルの塔》
 
『聖書』のコーナーもあり、エッシャーが創世記を扱った作品を作っていたとは知りませんでした。今回の展覧会に出ている作品はすべてイスラエル博物館所蔵の物と言うのもあり、キリスト教主題の版画も多いのでしょうか?他にも普通に《菊》《花火》などを描いた作品があるのも意外でした。
 
 
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M.C.エッシャー《昼と夜》
 
エッシャー作品の特徴の一つ「正則分割」を使った作品も多くあります。図形を反転させたり、回転させたりした上で色を変化させ隙間無く並べる技法です。
 
 
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M.C.エッシャー《メタモルフォーゼⅡ》
 
それらの技法や特徴の集大成と呼べるのが今回の展覧会の目玉作品でもある《メタモルフォーゼⅡ》です。展覧会の一番最後のコーナー『Epilogue.循環する世界』に象徴的に展示されていました。約4mもある大作です。実物を見ていると思わずその世界の中に吸い込まれそうになりました。これは本当に実物を見るべき作品、必見です。
 
 
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この展覧会は美術系ファン以外からもいろいろ話題になっていそうで早くも混みそうな予感がします。これは早めに行った方がいいですね。展覧会ナビゲーターとしてバカリズムが音声ガイドに挑戦、イメージソングにはサカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』を使用、ポスターやチラシのデザインは祖父江慎(コズフィッシュ)、エッシャーファンのクリエイターなどからのメッセージ、など広報も気合入ってます。
 
 
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展覧会の出口の方にそれらのメッセージは展示されていましたので「へぇ、こんな人がコメントしてるんだ」と帰り際にでも観てみるのもイイと思います。
 
音楽系に関してはサカナクションの他にもフレデリックのコメントがありました。両方とも凝ったミュージックビデオを作っているバンド、クリエイターとして惹かれるものがあるのが想像できます。
 
PV サカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』
 
イメージソングがサカナクション『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』なのはてっきりミュージックビデオの面白さで繋がって居るのかと思ってのですがエッシャーの絵はバッハの曲に影響を受けていたと言う話もあるので、そのつながりのようですね。バッハのカノンのずれながら繰り返される感じは確かに近いイメージかも。
 
 
Pf
 
個人的にはエッシャーの絵を見ているとピンクフロイド(と言うバンド)の音が頭の中に思い浮かびます。おそらく彼らのアルバム「ウマグマ」のジャケットデザインのイメージですね。同じ立ち位置の中でメンバーが入れ替わり無限に窓に映っていくこのジャケットデザインをした「ヒプノシス」もエッシャーに影響を受けていたのではないでしょうか?ええ、勝手な想像ですが。
 
 
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M.C.エッシャー《写像球体を持つ手(球体鏡の自画像)》
 
エッシャーに影響を受けたと言えば、大友克洋「Fire -ball」と言う漫画の表紙がこの自画像のオマージュだというのも有名です。
 
 
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「鶴下絵和歌巻(部分)」下絵・宗達、書・本阿弥光悦(京都国立博物館所蔵)
 
ちなみに勝手な解釈ですが、エッシャーの絵は琳派の単純化や繰り返しにも通じるところがある気もしませんか?ええ、私見ですけどね。
 
 
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進化する不可能立体錯視~真実がわかっても逃れられない不条理の世界
2017/7/4-8/19
 
そういえば以前、明治大学博物館で観た「進化する不可能立体錯視」の展示もエッシャーっぽかったです。
 
 
Fukuda
「ユーモアのすすめ──福田繁雄大回顧展」
 
今回の展覧会はデザイン系クリエイターなども見に行きそうです。エッシャーに影響を受けたデザイナーとして有名なのは福田繁雄(娘は画家の福田美蘭)。視点を変えると見方も変わるようなトリックアート的なポスターなどで有名です。以前、川崎市民ミュージアムなどで「ユーモアのすすめ──福田繁雄大回顧展」が開催されていましたね。
 
 
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デザイナーと言えば今回のミュージアムグッズの中に野老朝雄デザインのTシャツやトートバッグ、缶バッチなどがありました。Tシャツに書いてある文字は上からのアングルと下からのアングルがあるのですが、なんとそれぞれの文字のアウトラインは同じだというのでは無いですか!気づきませんでした。野老朝雄デザインと言えばあのオリンピックエンブレムです。そういえばあれも同じモチーフを組み合わせています。オリンピックパラリンピックの模様は青い部分の図形を並び替えるだけで出来ているって知っていました?
 
 
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そう言えば、展示会場のあちこちにでんぐりでんぐり君をはじめ、エッシャーの絵に出てくるキャラクター達が居るので見落とさないように!
 

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「クレマチスの丘」:永遠に、そしてふたたび/ 絵画と想像力 ベルナール・ビュフェと丸木位里・俊/ベルナール・ビュフェ再考 代表作から見るビュフェの半世紀、さわやかのハンバーグ

静岡の三島にあるクレマチスの丘。一つ前のエントリに書いたヴァンジ彫刻庭園美術館以外の美術館などについても。
 
クレマチスの丘
 
IZU PHOTO MUSEUM「永遠に、そしてふたたび」、ベルナール・ビュフェ美術館「絵画と想像力 ベルナール・ビュフェと丸木位里・俊」「ベルナール・ビュフェ再考 代表作から見るビュフェの半世紀」などの感想とあわせて。
 
ちなみに三島駅から歩いて20分弱の所に「さわやか」があることを前回、このクレマチスの丘に来た時に発見。はい、行ってきました。この為に普段よりも2時間早く家を出ました。さわやかのハンバーグ、前評判どおり美味しかったです。ここらの顛末は別のところで書くつもりです。
 
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さて、三島から無料シャトルバスでクレマチスの丘まで(バスは基本は1時間に1本で動いていない時間もあるので注意)。今回は3館観ました。こちら2館チケットや3館チケットなどもあるのですが(館毎に値段が違うので組み合わせが沢山でWEBには4館全部のチケット金額しか情報が載っていない)、クレマチスの丘のメールマガ会員になって1づつ会員割引を受けるのが一番お得です。
 
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まずはチケット売り場の手前にある駐車場に描かれた淺井裕介作品。
 
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そしてチケット売り場すぐ横にある草間彌生作品。
 
 
 
永遠に、そしてふたたび
IZU PHOTO MUSEUM
1/14-7/6
 
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ヴァンジ彫刻庭園美術館のエントリは一つ前に書きましたが、その隣にあるIZU PHOTO MUSEUMにも寄りました。杉本博司さんの設計らしいこの床から始まる建築のあちこちのこだわりも見どころです。
 
ここでの展覧会「永遠に、そしてふたたび」、すごく良かったです。横溝静、野口里佳、川内倫子、長島有里枝、テリ・ワイフェンバックと言う5人の作家の写真や映像などの展示。
個人的には野口里佳、川内倫子、長島有里枝の展示が凄く良かった。その中でも特に長島有里枝さんの写真に惹かれました。何か記憶を呼び覚ます様なトリガーになる写真です。
 
 
 
絵画と想像力 ベルナール・ビュフェと丸木位里・俊
ベルナール・ビュフェ美術館
3/17-6/12
 
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さて、ベルナール・ビュフェ美術館。企画展としては戦争を描いたという視点でビュフェと丸木位里・俊それぞれを取り上げています。
 
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丸木位里・俊の二人が描いた《原爆の図》。これはビュフェ《キリストの受難:笞刑》と並んで展示されていました。《原爆の図》、これが描かれた当時の時勢を考えるととても大変な事だったんだと思います。また、この作品を海外へ巡回したときに「中国人が南京虐殺の絵を持って日本で展示をしたらどうなる?」などと比較され、丸木夫妻のその行動について言われたそうです。確かに日本人としてそれはつらい事。しかし丸木夫妻も特定の人種を批判するためではなく、戦争の悲惨さを訴えたいが故の行動ではある。そしてなんにしろ、それらは目をそらしてはいけないこと。色々な思いが錯綜してうまく言葉に出来いです。色々と考えてみようと思いました。埼玉にこの丸木夫妻の美術館「原爆の図丸木美術館」があるのを知りませんでした。
 
 
 
ベルナール・ビュフェ再考 代表作から見るビュフェの半世紀
ベルナール・ビュフェ美術館
1/18-開催中(後期展示)
 
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ビュフェ美術館のコレクションからビュフェが開催していた「テーマ展」に焦点を当ててみるというこの展覧会も後期展示になっていました。前期と違う作品もあり、なによりこれだけまとめてビュフェの作品を見る機会はそうそう無いと思うので、行ったら是非、こちらも観て欲しいです。
 
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また、この館の前には「ベルナール・ビュフェ」と言う大輪のバラも。
 
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今回は休日おでかけパスで小田原まで行き、そこから三島に行きました。帰りもその逆です。
 
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帰りに小田原で降りて、海鮮を食べていくのも忘れていません……。
 

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「クレマチスの丘」:須田悦弘 ミテクレマチス/ヴァンジ彫刻庭園美術館の庭

静岡の三島にあるクレマチスの丘。自然公園の中に4つの美術館/文学館のあるエリアです。
 
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クレマチスの丘
 
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その中一つヴァンジ彫刻庭園美術館須田悦弘展が開催されるということで早速行ってきました。
 
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天気も良く、庭が素敵なこの美術館、あちこちに存在するヴァンジさんの作品達も気持ち良さそうでした。
 
 
 
須田悦弘 ミテクレマチス
ヴァンジ彫刻庭園美術館
4/22-10/30
 
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こちらのブログを見ていただいている方は既にご存知かもしれませんが、須田悦弘さんは私がとても好きなアーティストの方です。植物の木彫り彫刻作品を作る方なのですが、本物そっくりでリアルなその彫刻自体も魅力的ではありますが、その展示方法が特徴的でそこに惚れ込んでいるファンも多いのです。
 
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コンクリートの継ぎ目、ガラスケースの中、椅子の下など普段なら植物が生えてこないようなところにいきなり植物が生えているのですから見る方は驚きます。
 
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そして、なかなか見つけにくいようなところに隠すように設置されていることも。扉の影、棚の裏など知らないと素通りしてしまう展示の仕方。今回も雑草はその様な展示の仕方で何人か素通りして行く様でした。見つかられなくてもそれはそれで良い、と割り切ったような形です。一番須田さんらしい展示方法だったかも。
 
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見る方としては全部見つけたいもの。見つかられなかった時の悔しさは次の展示を発見する時のためのスキルになります。須田さんの展覧会では何も無い様に見える空間でファンがキョロキョロ作品を探しているのを良く見かけます。
 
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今回の雑草の展示も、須田ファンとしては「あ、ここかな、怪しい」とすぐ判る様な仕掛けでした。ただ、慣れていない人に取っては「まさかこんなところに作品があるわけない」と信じているのでなかなか見つからない。
 
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ええ、疑う心が作品を見つけやすくするのですね、笑。よく見ているとアートファンではなく、普通に遊びに来てる人は作品リストとわざわざ見比べて作品を一つ一つ確認して見ないのですね。
 
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建物の中にもヴァンジ作品が展示されています。庭に咲く実物のクレマチス、須田さんの木彫りのクレマチス、そしてヴァンジ彫刻作品の組み合わせ、見に行くことをオススメします。
 
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こちらの館では結婚式も挙げられるとのこと。行った時に式の予定があったようでセッティングされていました。
 
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ヴァンジ彫刻の説教壇も素敵です。
 
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庭では咲き誇るクレマチスたち。須田さんの木彫りの花と庭園のクレマチスがリンクするように見事に咲いていました。テッセンはまだ咲いてなかったかな。
 
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この花は色々な種類があるので須田さんの展示期間中、10月くらいまでは何かの種類のクレマチスが咲いているようですね。
 
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5月と言うことでバラも見ごろでした。
 
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単体でも見ごたえあるバラの花の乱れ咲きも圧巻です。
 

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