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オットー・ネーベルナイト(6次元ナカムラクニオさんトークイベント):オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代

オットー・ネーベル展 シャガール、カンディンスキー、クレーの時代
Bunkamura ザ・ミュージアム
10/7-12/17
 
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東急百貨店本店ショーウィンドウ
 
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催された学芸員の廣川暁生さん×6次元ナカムラクニオさんのトークイベントに参加してきました。閉館後の展覧会会場を廻りながらお二人の話を聞くという贅沢なイベントです。
 
※写真は特別に撮影の許可を得ています。
 
トークをしたナカムラクニオさん:6次元http://www.6jigen.com/
 
 
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会場内トーク風景
 
このオットー・ネーベル展、なんかデザイン好きとしては気になっていたのですよ。そう言う人多いと思います。でも、なんか、ざっくりとカンディンスキーとかクレーっぽいと言う「微妙な」イメージが自分の中にあって、なかなか行けていませんでした、私。そういう人多いと思います。いや、でもね、デザイン好きなら行った方がいいですよ、この展覧会。ってようやく見に行った私が言うな、と言う感じですが、笑。
 
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ネーベル展入口
 
ナカムラさんのトークがあるというのをきっかけに行って気づいたのが、まず、オットー・ネーベルの絵、なんかカワイイのですよ。比較的あたたかみのある色を使っているからでしょうか?うん、暖かく優しいのがカワイイ。上の写真、この展覧会の入口のところからしてカワイイ。受付のカウンターはハラーシステムを使っていますかね?なんか優しい色合いのモンドリアン風にも見える。
 
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ネフの積み木
 
展覧会のはじめの部屋ではネーベルと同時代に活躍した初期バウハウスの活動が紹介されていました。ミュージアムショップではバウハウスのネフの積み木も売っていました(上の写真)。展示ではブロイヤーの椅子やグロピウスの椅子などもあり、デザイン好き必見です!
 
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左:「夕暮れる(エロマルディ海岸)」1930年、右:「建築のフォルムと緑」1931年 共にオットー・ネーベル作(ベルン美術館所蔵)
 
ネーベルは建築技師としてスタート、詩人となり、絵を描き、俳優としても活躍したという人とです。多才と言うか、節操ないというか、ですが、おそらく彼の中ではそれらの活動は繋がっていたのだと思います。それが一番顕著に出ているのがこの建築を描いたシリーズではないでしょうか?
 
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左:「プロイセンの塔」1930年、右:「建築的な青」1933年 共にオットー・ネーベル作(ベルン美術館所蔵)
 
この建築シリーズ、個人的にこの展覧会の中で一番好きなシリーズでした。透明感、重なり感にシンプルさや幾何学的な単純化、そして色合い。絵としては同じ時期に描かれた大聖堂シリーズの方が立派なのですが、私はこのあたりの絵が好きです。 
 
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「イタリアのカラーアトラス(色彩地図帳)」1931年 オットー・ネーベル作(オットー・ネーベル財団所蔵)
 
展覧会ポスターにも使われています。ネーベルがイタリアで風景を色分解して解析したスケッチ。これが先ほどの建築シリーズにつながります。町を色で捉える、この視点は凄いです。前の建築シリーズの構図から風景に広げてここまでたどりついたのだと思います。
 
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ネーベルのスケッチブック等
 
ここのコーナーにあるスケッチブック、完成作品よりもこちらの方がネーベルの頭の中を覗き込むようで、とにかく面白い。色の捕らえ方や独自の視点、発想の元ネタがここにあります。デザイン好きな方、ここは必見ですよ、本当に!
 
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一番左:「赤く鳴り響く」1935年,1945年 オットー・ネーベル作(オットー・ネーベル財団所蔵)
 
この後、抽象さがより強くなっていくのですが、音楽的な絵画があったり、非対称と言う言葉を使ってイメージを絵に表現していきます。中国の易経の世界を取り入れたりもしていたそうです。正直ここら辺(特に音楽のところなど)はクレーの影響が強いようにも思えますが、どちらかが真似をしたというよりも、それぞれの見る方向が同じで、その結果行き着くところ(絵)が似ていた、と言う事だったようですね(ネーベル本人談)。
 
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左から「小さな世界2/小さな世界3/小さな世界4/小さな世界7」1922年 ワシリー・カンディンスキー作(宮城県美術館)
 
初期の頃はシャガールの色合いに影響を受け、そしてカンディンスキーやクレーと繋がりもあったネーベル。ぱっと見ると似たような感じの絵もあります。この展覧会ではシャガール、カンディンスキー、クレーの絵もあり、実際に見て比べることが出来るのがまた贅沢です。ぱっと見の形はクレーに似ていても、色の塗りつぶし方、描き方や塗り方のラフさ/緻密さはかなり違ってたりするものです。写真や印刷ではこれは判らない。見に来て良かったと(シャガールやカンディンスキーやクレーの絵を見ることが出来たという点でも、ですが)思いました。
 
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会場内トーク風景
 
そしてルーン文字や近東に影響を受けたシリーズと続きます。ルーン文字を絵画化していたネーベルは近東の同じような文字をデザイン化した模様を見て、自分のやっていたことは間違っていなかった……と思ったのだとか。トークショーはこの部屋でまとめトーク。
 
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トークショー配布資料:ナカムラさんの解説
 
ちなみにネーベルは「バウハウスは私の事柄ではない」と言っていたようですね。あんなに似ているのに、笑。まぁ、先に書いた様に、結果行き着くところが……と言うことなんでしょうけど。じゃあ、何故カンディンスキーやクレーなどと親交があったかと言うと、バウハウスの活動と関わっている女性と結婚したことが大きな影響だったようですね。女か……笑。
 
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ミュージアムショップのグッズコーナー
 
ネーベルの作品ってデザイン的にも使いやすいのか、とにかくグッズがいいです、カッコいいです。欲しくなります。6次元 ナカムラさんも言っていましたが、芸術性を高めたクレーやカンディンスキーに比べて、ネーベルは職人的な要素が強いのではないかと。それでモダニスムなどとは違い温かみがある印象が残るそんな作品が多いのではないかと。この暖かさがグッズになっても出ているような気がします。
 

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