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「上村松園―美人画の精華―」展

皆さん、美人はお好きですか?
 
男女に関わらず魅力的な美人を見るのは眼にも心にも幸せを感じる人も多いと思います。そう今回は上村松園展とありますが、松園の作品を中心にした美人画展とでも言う様な展覧会になっていました。
 
「上村松園―美人画の精華―」展
8/29-10/22
 
※写真は内覧会で特別に美術館の許可を得て撮影したものです。
※掲載されている画像の作品は特に表示の無いものは全て山種美術館所蔵です。
 
山種美術館はこの上村松園や横山大観、川合玉堂、奥村土牛、速水御舟、東山魁夷など近代絵画を多くコレクションしています。それぞれの画家と交流のあった美術館創立者、山崎種二さんのコレクションが元になったからであります。今回の展覧会はその山種美術館が持っている18点の松園作品が全て出る展覧会。また、浮世絵や他の近代絵画の作家達が描いた女性たちが並ぶ、美人尽くしの展覧会でもありました。
 
 
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この様に美人画が並んでいます。一番手前は上村松園《新蛍》。
 
ちなみに冒頭の投げかけについては私は「好きです、大好きです」とお答えしておきます。ただ、そんな事を迂闊に言うと今の世の中では、女性を(もしくは男性を)外見だけで判断するのか!などとSNSで叩かれ炎上しそうですね、世知辛い世の中ですね、ええ……。
 
個人的には外見とはその人の内面が反映されるものであり、滲み出ている内面も含めて美しいのが良いのだ、と思っています。そう「美人とはただ形の美しさではなく、中身も含めたその人の纏う雰囲気が美しい人の事であり、そう言うのが好きなんです。」と今までは私は言っていました。ですが……まぁ、それを言うと「それは屁理屈だよね」「実際はカワイイのが好きなくせに」「綺麗な子が好きだよねぇ」などと反論を受けたものでした。
 
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舞妓と芸妓コーナー。左から片岡球子《むすめ》、橋本明治《秋意》《舞》《月庭》
 
そんな私に味方が出来ました。はい、松園先生がこう言っています。「女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである」と。そうですよね、表面的な美しさだけを見ているのではないのですよね?私たちは!と勝手に私と松園先生を仲間にしてしまいます。今度から反論してくる人には松園先生もこう言っている、と伝えたいと思います。ちなみに松園先生は女性です。
 
 
と前振り長すぎましたが、さて早速、今回の好きなタイプ3人を発表します(ええ、文脈上もちろん外見だけでなく中身も想定しての選出です、笑)。
 
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左:池田輝方《夕立》(部分)、右:橋本明治《舞》(部分)
池田輝方《夕立》に出てくるこの女性は良いですね。手前の女性のうなじの色っぽさにも目がいってしまいます。橋本明治《舞》は描き方のせいか二次元的ですがこちらも今風の美人さんです。もちろん内面もいいはずです。
 
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上村松園《庭の雪》
あやうくこのまま上村松園が描く女性が上がらないか?と言うところでしたが、いやいや、松園のこの絵の女性はイイですね。もちろん内面も……略。女性の周囲に描かれている雪の描き方も良いのです。
 
 
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上村松園《蛍》
さて、上村松園展なので松園の作品を紹介せねば。会場の冒頭に展示されていたこの絵、左下に要る蛍を見つめている女性の絵です。歌麿の浮世絵に似たようなポーズをした女性がいる作品があるそうです。松園は昔の美人図を熱心に研究していたとのことでした。
 
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上村松園《蛍》(部分)
この女性が着ている服を見ると、アールヌーヴォー風の模様があります。昔の浮世絵からを勉強していながらも、最新ファッションはちゃんと取り込んでいるところもそこは女性ならではと言えるのでしょうか。
 
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左:上村松園《新蛍》、右:上村松園《牡丹雪》(部分)
《新蛍》では簾越しの女性がまた色っぽく見えるのですよね。この薄透け感。ただ、やはり女性の描く女性、なんか凛とした感はあります。《牡丹雪》は先の《庭の雪》にもありましたが雪の軽やかに舞う感じ、空気感と言うのが本当に素晴らしいと思います。
 
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上村松園《砧》(部分)
また、山種美術館恒例の撮影可能作品もあります。今回は上村松園《砧》ですが、能の砧をモチーフにしたこの作品、砧を打つかじかんだ赤い指先なども必見です。
 
 
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浮世絵コーナー:左から鈴木春信《柿の実とり》(前期のみ)、鳥居清長《社頭の見合》(前期のみ)、喜多川歌麿《青楼七小町 鶴屋内 篠原》(前期のみ)
 
他にも先ほど写真にあげた舞妓と芸妓のコーナー、浮世絵のコーナーなども。ガラスケースに入った浮世絵は個人蔵らしく、凄く綺麗な色が残る浮世絵でした。
 
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左:京都絵美《ゆめうつつ》、右:北田克己《ゆふまどひ》
 
最後の部屋には洋装の女性の絵などがありました。明治大正頃のモダンガール的な女性の中に混じって現代的な上記2点の作品。特に京都絵美「ゆめうつつ」は昨年(2016年)に実施された山種日本画アワードの大賞作です。アワードをして保管して終わりでなく、ちゃんと自分達が評価した作品を美人画の文脈の中で展示をするというのがイイですね。同時代に生きる作家達の応援と言うことでは山崎種二さんの活動に繋がる様な事でもあるのですね。
 
 
 

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