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直島・豊島紀行 其の四 直島 家プロジェクト/Iラブ湯

直島で一番好きなのは私は間違いなく家プロジェクト。先にも書いたように地中美術館が一番凄いと思うのですが(今回、豊島美術館がそれを上まりましたが)個人的に空きなのはこの家プロジェクトです。
 
 
今回の直島(3回目)・豊島(初)関連エントリはこちらにまとめました。
直島・豊島紀行 其の七 旅程全体まとめ ご飯/その他アートなど
 
 
 
 
家プロジェクトとは直島の集落の中にある家を一軒まるまる使って一人の作家が作品を作り上げるというもの。街中のあちこちに、それも一見普通の家の中にアートがあるというものです。家プロジェクトも私が知っているものから比べてかなり数が増えていました。
 
家プロジェクトとして数えられているのは私が一度見たことあるもの「きんざ」「南寺」「角屋」「護王神社」、その後つくられた「碁会所」「石橋」「はいしゃ」と7つにもなります。本村エリアではこの他に前のエントリに書いた「ANDO MUSEUM」「直島ホール」なども見ることが出来ます。チケットセンターを兼ねる「本村ラウンジ&アーカイブ」も建築家の西沢立衛さんが空間デザインしていたりします。更に宮浦港エリアになりますが、直島銭湯「Iラブ湯」もこの流れになってくるでしょう。
 
 
 
家プロジェクト
 
まずは本村ラウンジ&アーカイブでチケットを買います。きんざ以外の6軒を周ることのできる共通チケットと1箇所だけのチケットがあります。また、きんざは事前予約制なので予約済みなら申し込み時間の30分前までにここでチケットを購入します(空きがあれば当日購入も出来そうだけど)。とりあえず見るのに待ちがある南寺は真っ先に行った方が良いと思います。混雑の時期は整理券を先に貰うことになるそうです。整理券は南寺で貰うのかな。本村ラウンジ&アーカイブで貰えるかどうかは不明。ベネッセホテルに宿泊している人はホテルで整理券入手できるみたいです。
 
 
 
きんざ:アーティスト 内藤礼「このことを」
 
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残念ながら中は撮影できませんが、この作品とても好きです。WEBで予約した時間の少し前に行って、注意説明を受け、家の中に入ります。15分ほど中に居ることができるます。家の中では細かいものがあちこちに配置してるけど、特に何か起こるわけではない。何か動くわけでも、特別な光や音や映像が流れるわけでもないです。全体を眺めたり、地面の近くに寄ったり、眼を凝らしたり、いろいろと見ていますが、じきにすることもなくなり何もしないでボーッとしています。そうすると、周囲の音が聞こえてくるようになります。車が通る音、風の音、横を通る人の足音や話し声など。それらは前からあったものですが、気にしたことなどありませんでした。ここでやることがなくなってから気になったもの。時間の流れ、普段気にしていること、気にしないこと、いろいろと考えをめぐらせる、この短い時間自体が作品なのかな、と思いました。細かい者達も、前に来たときに気づかなかったものなども眼に入るようになって、何度行っても楽しめます。ただ、苦手な人も居るようで、やることがなくなり5分で出てきたという人もいるようです。ちなみに斜め前にあいすなおと言うカフェがあるので昼過ぎに予約して、ここのカフェで時間調整していくと良いかもしれません。
 
このきんざ、私にとっては地中美術館や南寺とあわせて好きなインスタレーション上位の作品でした。元々内藤礼さんの作品が大好きで、その中でもまた行きたい!と切望するくらいの好きな場所でした。ところが今回、同じ内藤礼さんの豊島美術館を体験したときに、こっち(豊島美術館)の方が好きだ……と思ってしまったのです。もちろん両方体験して欲しいのですが、もし、どっちかであれば豊島美術館の方を優先させます。あの体験の後だと、このきんざが物が多く見えてしまう、それほどまでに豊島美術館での内藤礼さんは削られた、研ぎ澄まされたものでした。まぁ、作られた時代が違うので、内藤礼さんの変容としても両方見た方が判りやすいのは間違いないですけどね。
 
 
 
南寺:アーティスト ジェームズ・タレル 「Backside of the Moon」、建築設計:安藤忠雄
 
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ここは昔、お寺があった場所だということです。建築設計は安藤忠雄さん。周囲の建物と違和感がないようなつくりになっています。さて、ここも必ず体験して欲しいとオススメしたい作品です。一回の体験に人数制限があるので、まずここに来て(混んでいるときは整理券を入手して)それからゆっくりと他を回るようにしたいです。
 
入る真っ暗な空間。入るときに壁に手をつきながら前の人にぶつからないようにそろそろ歩かないとダメなくらい何も見えません。暗闇の中のベンチに座って数分すると眼が慣れていて、奥の壁にぼんやり光る白い光が見えます。この淡い光は元々最初からあったもの。人の目が慣れることで見えてきたのです。あんなにはじめは真っ暗闇だと思っていたのに、実はこんな演出と作品がここにはあったのでした。人間の眼って不思議。先に書いたきんざとあわせて時間の流れを体験する、そしてそこに気づきがある、そんな作品ですね。
 
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ちなみに隣の公園にあるトイレ、これも安藤さんが一緒に設計したものだそうです。
 
 
 
角屋:アーティスト 宮島達男 「Sea of Time '98」「Naoshima's Counter Window」「Changing Landscape」
 
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家の中に入ると部屋のど真ん中に池がある。水の中では様々なスピードでLED表示の数字が点滅しながらカウントダウンしている。家プロジェクト初期からあるこの作品は、当時島に住んでいた人にLEDカウンターを渡し点滅スピードをそれぞれに設定して貰ったものです。今では島にいなくなった人もいるでしょうし、亡くなった方もいるでしょう。でも、その人たちがこの島に住んでいたことはこうやって残っている。良い作品です。他にも窓がカウンター表示になっているものや、掛け軸になっている作品なども。中は撮影できませんでした。
 
 
 
護王神社:アーティスト 杉本博司 「Appropriate Proportion」
 
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この作品は前に来たときは建築中でした。上物は見ること出来たけど、地下には入れなかったのです。神社としての社は前と変わらず美しいです。
 
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クリスタルガラスの階段は迫力ありますね。この素材杉本さん好きですよね。この前杉本さんが設計に関わりリニューアルしたMOA美術館のベンチの足にも使われていました。
 
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そしてその地下へ。かなり細い通路を懐中電灯を持ちながら通って行くと、そこは神社の地下。そこに先ほどのクリスタルガラスの階段が地表を貫いて降りてきています。ガラスを通り抜けて差し込む光。地下も美しい、神の世界、でも黄泉の国のようです。
 
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そして、そこからの帰り道。通路を抜けて生者の世界に戻っていくときに見えるのが、水平線。杉本さんの「海景」シリーズを髣髴させます。しかし、あそこがもし黄泉の国であれば降りかえってはいけないのですよね……。
 
 
 
碁会所:アーティスト 須田悦弘 「碁会所」
 
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前来たときになかった作品です。大好きな須田さんの作品と言うことでここを見ることを一番楽しみにしていた作品です。庭に植わっているのは本物の五色椿。ちょうど咲いている季節で嬉しいです。そして振り返ると二部屋。一部屋は、今見た椿が落ちているような景色です。速水御舟の「名樹散椿」からのイメージだとの事。須田悦弘さんは木彫り彫刻で本物そっくりな植物の作品を作る人。部屋の中の椿は咲いたり枯れたりすることなく今の景色のまま、そのまま年中そこに存在します。庭の椿は季節を追いかけ、落ちて咲いて様々な姿を見せていきます。
 
そしてもう一つの部屋。基本は何も作品はありません。隣の部屋と同じく、部屋の境界線に竹が進入禁止のために置かれているだけです。まぁ、まさか、それが木彫りの作品だとはね……。須田さんは木彫りの技術ももちろんあるのですが、こう言う見せ方や物の置き方、もしくは隠し方によって空間自体をインスタレーションにしてしまうのがとても素晴らしいです。今回、ベネッセミュージアム棟がリニューアル中であの「雑草」を見ることが出来なかったのは残念ですが、これをようやく見ることが出来たので、もう満足です。撮影出来ないのが残念。
 
 
 
石橋:アーティスト 千住博 「ザ・フォールズ」「空(くう)の庭」
 
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こちらも初めて見る作品。塩産業で栄えた石橋家の家屋を使っています。お金持ちじゃないと塩は扱えないのもあり、かなり広い敷地で、しっかりとした造りの家でした。まず最初に見える庭、そして庭を眺める部屋の襖絵が千住さんの作品です。襖絵は岩絵の具で描かれた直島の岩壁。そしてその裏手にある蔵が千住さんお得意の滝の絵。今までにあちこちで千住さんの滝の絵は見て来ましたが、ここで、照明が無い中、蔵の窓から差し込むだけの自然の光でみるこの滝の絵は素晴らしかったです。裏手の中庭にはその滝から流れた水が流れていく、と見立てた形で、石橋邸だからというのもあり石橋がかかっています。こちらも中は撮影不可。
 
 
 
はいしゃ:アーティスト 大竹伸朗 「舌上夢/ボッコン覗」
 
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もうね、説明とかなんとか要らない、大竹さんならではのあの雑多な、カオスな世界がそのままあります。撮影できるのは屋外だけですが、それだけで充分カオスなのは想像できると思います。
 
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二階の窓から自由の女神が見えるじゃないですか。あれ、窓のところだけに顔があるわけじゃなくて、一階からの吹き抜けに足元から胴体から顔まで全部あるんですよ。どうやって搬入したのかな?窓から吊り下げて下ろしたのですかね。
 
 
 
他にも本村エリアには色々な楽しみがあります。
 
 
 
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いしかわかずはるさんの街中のあちこちにに糸で描かれた人や猫の線画作品を見て周ったり。
 
 
 
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昔やっていた染織家の加納容子が作った暖簾をかざる暖簾プロジェクトの時の暖簾をまだかけている家を見たりとか。
 
 
 
そして、本村エリアから離れて宮之浦エリアに有り、町の中で銭湯として実際に営業をしているのが大竹伸朗さんの「Iラブ湯」です。
 
直島銭湯「Iラブ湯」:アーティスト 大竹伸朗
 
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ええ、これ、入れるのですよ、銭湯に。中は写真撮影ダメですけど、まぁ、男湯は(きっと女湯も)外観と同じようなカオスで。
 
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昭和な感じの、微エロもあったり、タイル貼りに妄想しそうな文字が書いてあったり、海女さんのビデオがベンチに流れていたり。
 
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外を見上げたらで地球儀かと思ったら日本儀だったり。これを町の人が普通に運営しているのが面白い。海外の人なども入りにきてる様です。
 
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外観は夜の景色もなかなか良くて、この看板が光ると色っぽい女性と「ゆ」の文字に。
 
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このIラブ湯のタオルは買っちゃいます(すいません使用済みです)。冬の時期専用色です。
 
 
 

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