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リニューアル記念 特別名品展 + 杉本博司「海景 – ATAMI」、熱海巡り

MOA美術館がリニューアルして凄いことになっていると聞いて、行ってきました。凄いことになっていましたね。

 
 
 
リニューアル記念 特別名品展 + 杉本博司「海景 – ATAMI」
MOA美術館
2/5-3/14
 
熱海のMOA美術館がリニューアルしたと聞いて行ってきました。リニューアルで設計を手がけたのは現代美術作家である杉本博司さんと建築家の榊田倫之さんが主催の「新素材研究所」。事前に行った人からの情報を見ると凄いことになっているらしく、杉本博司さんの素材へのこだわりとかなんだとか、これは見に行かねば!と。リニューアル記念展という事でMOA美術館がもっている国宝三点が全部出展されています。更に杉本博司さんが熱海の海を撮影した「海景」シリーズの展示もあります。そして展示物の撮影可という事です。まぁ、こちらの団体さんってば贅沢なことをしてくれるじゃないですか!と。
 
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こちらの美術館、熱海駅からバスで登っていき、そこからエスカレーターを幾つも乗り継いで美術館へ向かいます。なんか天井に映像が映っていました。万華鏡の中の景色をリアルタイムに映しているという演出のようです。リアルタイム!
 
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上ったところからの景色。大島ですかね。海景シリーズの様にうまく切り取れないものですね。
 
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さて、入口から杉本博司さんのこだわりが早くも発揮されています。なんと扉が黒と赤の漆塗り。人間国宝の漆芸家、室瀬和美さんのお仕事だとの事です。何百年か経った根来の漆器の様に赤い漆が時を経て摺られて徐々に黒い面が出てきて……という遥か遠い時代へのストーリーが隠されているとの事です。黒漆扉の下には杉本博司さんのサインが、赤漆扉の下には室瀬和美さんのサインがありました。
 
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ロビーには一見普通の休憩ベンチに見えて、実は足元が凄いことになっているものがありました。クリスタル……。これ上の布張りベンチは再利用なのですか?これがなんかやたらと異質で。
 
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展示室の入口からして前とは雰囲気が異なります。どこかの茶室に入っていくようです。
 
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床、これがタイル割がぴったりなのですね。半端物のタイルが入っていない。普通は通路にあわせて既製品のタイルの端が切られてしまうですが、通路の幅にあわせた特注タイルなのでしょう。瓦のタイルだそうです。
 
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はじめの展示室は大きな一部屋だったのが真ん中に壁が出来ています。黒漆喰を塗った壁だとか。
 
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黒っぽいものを背負って展示物を見ることによりガラス面に映り込みが無く展示を見る事が出来るという考えだそうです。もちろん黒っぽければ他の素材でも良いのですが、黒漆喰を使うのは杉本さんの……(略)。
 
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斜めから見るとつなぎ目があるのでなんとかガラスがあるというのがわかりますが。
 
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正面から見たら高透過のガラスがゆえに本当にガラスがない様に見えます。ええ、案の定、ガツンとぶつかっている人も居ました。いや、だって、ガラスがどこにあるかわからないのだもの。
 
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そして、なんとガラスを外して露出展示をしているエリアも!美術館で屏風を露出で見る事が出来るなんて……。
 
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こんなところに使っている木も、良いものなんでしょうね。ほかにもケース内の床が木のところもありました。ホームページでは屋久杉、行者杉等を使っていると書いてありましたが。
 
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そしてその次の展示室、なんか真ん中にどーんと存在感のあるものが鎮座ましましてます。これも黒漆喰ですかね。この中に国宝である野々村仁清の茶壺「色絵藤花文茶壺」が展示されていました。ほぼ専用展示室扱いでしょうか?私は動揺したのか中の壷の写真を撮り忘れました。
 
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そして、その奥に国宝の尾形光琳「紅白梅図屏風」もあります。やっぱりこの屏風の迫力は凄いですね。去年これと燕子花が並んだなんて……。
 
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さらにもう一つの国宝の手鑑 「翰墨城」もこのエリア。古筆三大手鑑に数えられるこれ、さすが名筆ばかりが集まっています。
 
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写真の2枚は伝 紀貫之の名筆。紀貫之は本当に上手いですね。
 
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個人的に好きなのは伝 小野道風「継色紙」です。この間といい、崩し方といい、素晴らしいと頬ずりしたくなりますっ(しちゃいけません)!
 
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そして本阿弥光悦 筆、俵屋宗達 下絵「鹿下絵新古今集和歌巻」。はい好きです。良いですよねぇ。
 
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俵屋宗達は単独で「軍鶏図」もありました。
 
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琳派のものはこの美術館良いものがたくさんあります。尾形乾山「銹絵染付梅花散文蓋物」なんてマリメッコの柄のようじゃないですか。
 
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浮世絵画家達の美人画も並んでいます。勝川春章「雪月花図」が展示されているその横には……
 
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葛飾北斎「二美人図」、喜多川歌麿「桟橋二美人図」の並び。
 
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そして茶道具関連の展示では楽茶碗と井戸茶碗の競演。長次郎「黒楽茶碗 銘 あやめ」、「大井戸茶碗 銘 本阿弥井戸」です。
 
このあと、仏像コーナーがあって、最後に杉本博司さんの「海景」シリーズの中から熱海の海を撮影した「海景-ATAMI」の展示コーナーです。
 
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杉本博司さんの「海景-ATAMI」、これが何か知らない人は皆、絵だと思ったようですね。周りの方の会話がみんな「これ何の絵?」みたいな会話で面白かった。
 
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その裏にあったのが杉本博司さんの映像作品「加速する仏」。京都三十三間堂の千手観音の写真を映像化したもの。
 
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杉本博司「海景-ATAMI」の部屋は1997年の正月に撮影した物だということです。
 
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そして全ての最後の展示がこれ。杉本博司「月下紅白梅図」。尾形光琳「紅白梅図屏風」を撮影しモノクロのプラチナプリントで焼いたものを屏風とし、それを夜の紅白梅としたものが、最後を飾っていました。
 
今回のリニューアルについてのこだわりはこのインタビューに詳しく載っています。行く前に読んでおいた方がいいかもです。
 
特別インタビュー 杉本博司(現代美術作家)× 内田篤呉(MOA美術館・箱根美術館館長)リニューアルしたMOA美術館 ─ その魅力を探る
 
 
 
杉本さんの「新素材研究所」が手がける「小田原文化財団 江之浦コンプレックス」は今年の11月にオープンするという話です。元々はもっと前にオープン予定でしたが、こだわりが故に遅れたか、MOAの仕事が入ったからずらしたのか、まぁ、いろいろあるでしょうけど、今回のこのリニューアルを見る限りは、きっと凄いもの作るんだろうなぁ、と思いますね。今回の素材の使い方を実験台にしたものもあるかもしれませんね。
 
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その後のランチ。熱海と言ったら金目鯛ですよね!
 
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早咲きの熱海桜はもう散っているところでした。
 
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熱海から歩いていける(最寄は隣の来宮駅)来宮神社のご神体は樹齢2千年を超えた大楠。凄いですよね、木とは言え、生き物が2000年も生きている様を見ることが出来るとは。この大楠、全国2位の巨樹とのことです。1位はなんだろ?と調べてみたら鹿児島の蒲生のクスだそうです。幹周のサイズで決めてるのかな?第4位は佐賀県の川古の大楠と福岡県の本庄の大クスだし、楠木は大きくなるものなんですね。
 
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そして温泉入って帰ってきました。「日航亭」は少し熱めなお湯でしたね。近くで間欠泉が噴出しているのも見て、熱海満喫です。
 

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