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鈴木其一展

サントリー美術館 の鈴木其一展、展示替え含めてコンプしてきました。もちろん展示会としては素晴らしいものでした。個人的には3期めの展示が一番好みでした。
 
 
 

鈴木其一展
サントリー美術館
9/10-10/30
 
 
 
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サントリー美術館、鈴木其一展。正直、今年一番期待していた展覧会ですし、実際に見て良かったと思う、そしてたくさんの人に見て欲しいと思う展覧会です。日本画の展覧会の常として展示替が多いですが今回は5期に分かれてます。重なっている展示期間もあるので1+3+5期を見れば展示作品コンプリート可能と言うことで……はい、このためにサントリー美術館の会員になったようなものですから、コンプしました。
 
まぁ、結果として鈴木其一展、本当に良かったです。琳派と言うと今まで、光悦+宗達、光琳(+乾山)、抱一……そして+其一と言う流れで、あくまでも江戸後期の琳派、抱一の弟子的な紹介のされ方でした。琳派展の端っこ扱い。ただ、ここ数年の琳派の人気により。抱一個展、乾山個展もあって、そろそろ其一でしょうと言うタイミングでしたので、まぁ、満を持して、今な感じでもありますよね。若冲などの人気によって日本画自体が注目度あがってますし。
 
 
 
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で、この鈴木其一展ですが、琳派好きならこれは見ないと後悔します!と言う位の素晴らしい展覧会でした。其一の作品、見慣れてると思ってたのに、はじめに行った時は軽く見るつもりだったのですが結局は閉館時間まで居る事に……。
 
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まぁ、一番の目玉は通期展示の「朝顔図屏風」でしょうね。ポスターやチラシにもなっています。メトロポリタン美術館所蔵で12年ぶりに日本にきました。もう、膝が砕けると言うか、腰が抜けると言うか、これには狂気が混ざっている気がします。光琳の燕子花屏風図に影響されて描かれたと言われていますが、まぁ、洗練さでは燕子花屏風図が凄いが、絵に取り込まれそうな妖しさと迫力は朝顔図屏風の方がある。少し目線を低くして見たときの襲いかかられ感は凄かった!蔓などの形もバランスがとても取られている気がします。
 
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1期の展示は比較的、大人しめな作品が多かった気がします。抱一や他の江戸時代の画家の影響が見られるような作品があり、個人蔵作品なども多いのでレアなものもあったのかと。一期で一番の見所は「芒野図屏風」だと思います。あれはグラフィックデザインですよね。同じモチーフが表現を変えて繰り返される、本当に素晴らしい。あれだけ、の絵なのに、あれ以上の世界が広がっている。「十二ヶ月花鳥図扇面」の間の取り方とかも良いし、「歳首の図」の枠外と内側の繋がり方の見事さ、「水辺家鴨図屏風」のオリジナリティも良かった。
 
個人的に好きな作品は「暁桜・夜桜図」。朝や夜の薄闇と夜の桜のシルエット!これは本当にカッコ良い表現。
 
昔書いた大琳派展の感想で其一の作品何が良かったか見てみたら、今回チェックしたものと同じだった。「歳首の図」と「暁桜・夜桜図」の二つは今回良かった!
 
大琳派展: 今日の献立ev.
 
 
 
3期/5期の展示はもう、見事に江戸後期に琳派を復活させた、煌びやかな其一の世界が現れていました。比較的昔からの日本画に忠実な抱一よりも、デザイン的な形状の単純化、色合い、煌びやかさなど琳派の特徴を其一の方が強く出していますね。そこに応挙などの実写的な表現も加わり、更には浮世絵なども影響しているのではないかと思います。
 
その極めつけが「夏秋渓流図屏風」です。これは何度も見ている作品ですが、派手な面と実写的な面が色の具合にしろ描き方にしろうまく混ざっていて本当に狂気をこめた様な作品になっています。屏風の真ん中当りで少し目線を低くして見ると、水の流れが全て自分に降り注いでくるような錯覚を起こしてしまいます。結構見ていると怖くなる絵ですね。
 
更には「風神雷神図襖」もあります。宗達、光悦、抱一とそれぞれが屏風に描いたのと同じテーマで、其一が独自に襖絵として横長展開にして描いた物。また、この時期は個人的には「藤花図」(出光美術館所蔵のやつ)がみどころでした。あの辺にキラキラした感じに眩暈を覚えます。うん、あの作品は好きですね。これらと1期で好きだった「暁桜・夜桜図」「十二ヶ月花鳥図扇面」もまだ見ることが出来る3期の展示が私には一番満足感が高かったです。
 
 
 
兄弟弟子や其一の弟子なども含めた作品展示もありましたが、扇の絵が、まさにデザイン的な表現でものすごくカッコ良かったです。江戸琳派としては弟子への継承などを結構しっかりとやっていたのですかね。其一の手紙などの展示もありましたが、大好きな漬物があって、それを送ってくれたパトロンにお礼を言っている書物があり、そんなに漬物好きだったんだ、と楽しくなりました。
 
 
そういえば「流水千鳥図」が無かったなぁ。また見たいなぁ。

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