« Chim↑Pom「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」 | トップページ | 六本木アートナイト2016 »

速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―

山種美術館で「速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―」のブロガー内覧会に参加してきました。
 
 
 

速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―
山種美術館
10/8-12/4
 
「速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―」青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会に参加してきました。※作品の写真は一部を除き内覧会にて特別に撮影のOKを頂きました。今回の展示は全て速水御舟の作です。
 
 
Img_9623
《炎舞》山種美術館所蔵
 
御舟展ではありません。速水御舟の「全貌」展なんです。御舟と言えば山種美術館ですが、そこに他の美術館の作品も含めた、本当に速水御舟の「全貌」展になっています。兄弟子である今村紫紅の影響を受け、日本画を変えていく!と言う思いの元に絵を描き、40歳で亡くなった速水御舟。副題に 日本画の破壊と創造 とありますが、御舟は一人の作家とは思えないほど時代ごとに作風を変えているとのこと。朦朧体を使い、群青にはまり、静物画を描き、琳派を取り入れ、エルグレコの影響を受け、とめまぐるしく変化を遂げていっています。もちろん山種美術館所蔵の代表作《炎舞》もあります。
 
 
Img_9641
《鍋島の皿に柘榴》個人蔵(スライドより)
 
群青にはまっていた時代の名作《洛北修学院村》滋賀県立近代美術館所蔵[10/8-11/20展示]は正面から見た山と俯瞰した村と言う面白い構図です。絵の中にとにかく青が多いです。この群青の時代のもう一つの名品が《京の舞妓》東京国立博物館[11/22-12/4展示]です。そしてこの後、取り付かれたような青い絵は描かなくなり、金地に静物画と言う組み合わせの絵を幾つか描きます。色紙大の正方形の紙に書いたそれらの絵はお祝いとして描かれたものも多かったようです。《鍋島の皿に柘榴》は色紙大より大きく、金地ではありませんがこの時代の静物画です。視点の移動などもふくめてセザンヌを思い出してしまいますが、お話を聞くとセザンヌに直接的影響を受けたと言うよりも同時代の洋画家・岸田劉生などからの影響が大きいだろうと言う話でした。
 
 
Img_9645
《樹木》霊友会妙一コレクション(スライドより)
 
そしてひときわ目を惹くのが、この《樹木》。人体のように身をくねらせた形。どこでこの樹木を見たのでしょうか?興味深い絵です。
 
 
Img_9590
《名樹散椿》山種美術館所蔵
 
そして、琳派を強く取り込んだ絵画としては大きな屏風絵2点《翠苔緑芝》《名樹散椿》です。宗達の様に形を単純化したような描き方も取り入れ、琳派をまっすぐに継承しているかとも思いきや、《翠苔緑芝》のアジサイのひび割れの表現や、《名樹散椿》では金地を撒きつぶしという表現で描いていたり、自分ならではの琳派を表現しようとしていたようにも見えます。
 
 
Img_9597
《赤梅・白梅》山種美術館所蔵
 
《赤梅・白梅》も美しい絵ですね。他に《木蓮(春園麗華)》岡田美術館所蔵も目を惹きます。私がとても大好きな絵なのですが、鈴木其一が似たような絵を描いています。線が無く、墨の濃淡だけでこれほどの表現力を出しているこの技術力は本当に素晴らしいと思います。
 
 
Img_9601
《夜桜》山種美術館所蔵
 
私が御舟作品で一番好きな作品かもしれません。色があるのかないのかギリギリの処を攻めた様な絵です。植物や魚などは御舟は得意としていて、そういうものを描かせた時の技術力は目を見張るほどですね。スケッチなども展示してありましたが、本当に上手い。
 
 
さて、それに比べて人物画はそれほど上手くないイメージがある御舟です。日本では既に大家として評価されていた御舟でしたが、ヨーロッパに行ってデッサンがまだ未熟なのに気がつき、改めて勉強をしなおしたそうです。また、この頃はエルグレコの表現に注目をしており、エルグレコの絵今日を受けた人物画としてモダンガールを描いた《花ノ傍》株式会社歌舞伎座所蔵も展示されていました。御舟はの同時代の流行や風俗に根ざしたものを描きたいと言っていたそうで、歌舞伎や宝塚を観に行き、そこに来ている女性の流行の髪型やファッションを見ていたそうです。
 
 
Img_9612
《暗香》山種美術館所蔵
 
そして亡くなる直前の数年、この頃の御舟の絵は素晴らしいの一言です。暗闇の香りを絵にする、まさにそう言う絵です。
 
 
Img_9615
《あけぼの・春の宵》山種美術館所蔵
 
Img_9632
《牡丹花(墨牡丹)》山種美術館所蔵
 
亡くなる前の年の作品です。《あけぼの・春の宵》などは琳派を超えて、現代的でもあり、御舟ならではの日本画を構築しています。このレベルの作品を同じ年に作成しているというのも凄いです。《牡丹花(墨牡丹)》などは他の画家なども墨で牡丹を表現しようとした様なのですが、この様にはなかなか描けないようです。御舟はこの翌年に40歳で亡くなるのですが、もし長生きしていたらどんな絵を描いていたのか、想像しても仕方ないとは思いつつも、考えてしまいます。
 
 
 
Img_9640 Img_9648
 
そういえば、山種美術館入り口近くにある、足元撮影スポット、なんと炎舞が追加されているではないですか!これは、と前からネコさんふくめて両方試してみました。
 
 

|

« Chim↑Pom「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」 | トップページ | 六本木アートナイト2016 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38654/64393185

この記事へのトラックバック一覧です: 速水御舟の全貌 ―日本画の破壊と創造―:

« Chim↑Pom「また明日も観てくれるかな? 〜So see you again tomorrow, too? 〜」 | トップページ | 六本木アートナイト2016 »