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平安古筆の名品

五島美術館の「平安古筆の名品」展を見てきました。地味です、地味だと思ったら凄い作品ばかりでした。

 
 
 
平安古筆の名品
五島美術館
10/22-12/4
 
 
書の展覧会です。一見、地味ですね……と思ったらですね、凄い名筆が揃ってるビックリするよな展覧会でした。平安初期の900年頃に仮名として簡略な字形に整理されて、その後鎌倉時代までの300年の間、華やかな古筆の時代の作品の展示になっています。
 
書は私はまったく読めないのですが、文字の形、レイアウト、紙の美しさあたりにはまってしまい、展覧会に行くようになりました。文字の描く曲線が好きなので平仮名系が好きで、和様の書が好きなんですね。その和様の書を産み出したと言われるのが書の三蹟と呼ばれる三人、小野道風・藤原佐理・藤原行成です。今回の展覧会は平安時代の古筆を集めたものですから、もちろんこの三人の筆があります。
 
Img_9541
 
個人的にいいな、と思った書を作家別にメモしました。
 
 
 
小野道風の書はやわらかく美しい文字ですね。少しインテリっぽい感じがありますけど。表現力がピカイチです。作品2の二枚に和歌を分けて書いたときのバランスの良さとか凄いなと。作品32は料紙の美しさも見所です。作品43,44は本阿弥切なだけあり、名筆です。44なんか、うつろな世界を文字で表現しているようなそんな風にも見えました。
 
2 重要文化財 継色紙  伝小野道風筆
32 小島切 伝小野道風筆
43,44 本阿弥切 伝小野道風筆
 
 
 
藤原佐理はなんか神経質そうな文字が私は好みでは無かったです。
 
47 筋切 伝藤原佐理筆
 
 
 
藤原行成は流れるような文字を書いているのが多いです。結構まじめそうな人だなぁと言う感じの文字が多い。作品3の流れるような文字、作品27の優しそうな文字だったり勝手に不器用な天才を思い浮かべていました、笑。作品84,85は斜めから見たときの料紙の美しさは素晴らしかったです。白地にシルバーの雲母で模様描くなんてなんて凄いデザインセンスです!
 
3 古今集切(未詳歌集断簡) 伝藤原行成筆
15 升色紙 伝藤原行成筆
27 亀山切 伝藤原行成筆
36 針切 伝藤原行成筆
84,85 松籟切 伝藤原行成筆
 
 
 
三蹟以外では紀貫之の文字も美しい。高野切が幾つか出てました。高野切に特集されるくらいですから本気の美しさを狙ってきますね。とにかく自然な感じの文字を書く人だな、と思いました。作品31は料紙の美しさも見所です。
8,10 重要文化財 高野切(第一種) 伝紀貫之筆
13 高野切(第二・三種) 伝紀貫之筆
19 名家家集切(興風集) 伝紀貫之筆
31 重要文化財 寸松庵色紙 伝紀貫之筆
 
 
 
作品38の紫式部が書いたと言われる文字がとても優しそうな感じだったり、作品55の料紙の美しさ、作品64,66,67はさすが石山切です、紙も文字も好きだし、作品94はとにかく上手いなと思いましたね。
 
38 久海切 伝紫式部筆
55 銀切箔唐紙切(金玉集切) 伝源俊頼筆
64 石山切(貫之集下)
66 67 石山切(伊勢集)
94 今城切 伝飛鳥井雅経筆
 
 
最後の方は西行作が色々とあり、私は好みとしてはそうでもないのですが、書が実用化に向かっている時代にこれだけ個性的なものを残しているのだからかなり当時では書に関しては前衛な人だったのではないかと?
 
103 曾丹集切(枡形本)  伝西行筆
104 橘為仲集切 伝西行筆
106 小色紙 伝西行筆
108 白河切 伝西行筆
 
 
 
書を見ていると、間違いなく文字が読めると今より数段楽しめるかもしれないけど、そんなことしちゃうと、一つの展覧会に何時間居ればいいのだろう?と言う気もしてきて、まだそこまで踏み込むのはやめにしようと躊躇してます。まぁ、今は文字にしろ紙にしろ形や色の美しさを楽しんでいます。と言うかそれだけでもはまってしまうのが書の恐ろしさですね。今回は「平安古筆」の展覧会でしたが、この他にもこの後の時代も含めると世尊寺流や寛永の三筆である本阿弥光悦・近衛信尹・松花堂昭乗あたりも素晴らしい書があるので、本当にはまると深そうな沼ですね……。

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