« 「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」記者発表会 | トップページ | クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち »

さいたまトリエンナーレ2016

友人と飲んでるときに……「さいトリ」ってあまり話題になってないね。このままだと行かなさそうだから、約束をして行くようにしようか……みたいなノリでなんとなく行くことを決めたさいたまトリエンナーレ2016。なんと無料のアートフェスです。

さいたまトリエンナーレ2016
岩槻駅/与野本町駅〜大宮駅/武蔵浦和駅~中浦和駅周辺
9/24-12/11
 
以外に、と言ったら失礼かもしれませんが、見ごたえありました。なんと言っても無料のイベントなんですよね、これ。東京からわざわざ行くかどうか?、と言う話はありますが、ただ、行っても決して損はないレベルです。地元や近くの人なら行った方がいいですよ、とオススメできるものでした。しかし、このフェスの口コミ流れてこないですね……。
 
 
 
Img_9112
 
全体を通してサインやパンフなどにはタムくん、ことウィスット・ポンニミットの描く女の子が描かれています。このトリエンナーレは大きく3つのエリアに分かれていて「岩槻駅周辺」「与野本町駅〜大宮駅周」「武蔵浦和駅〜中浦和駅周辺」となっています(今回は西浦和や浦和駅周辺は行きませんでした)。また、時期により展示をしていない作品もあるので事前にチェックをして行った方が良いですね。
 
 
【岩槻駅周辺(旧民俗文化センター)】
まずは岩槻エリアに向かいました。駅周辺の展示はこの日はやっていなかったので専用シャトルバスに乗って旧民俗文化センターに行きます。ここは今回のメイン会場とも呼べる建物で、14組のアーティストの作品があります。
 
 
 
Img_9113
 
目《Elemental Detection》
まずはこれです。ちなみに写真は「目」の作品の写真ではありません、岩槻会場の入り口の写真です。この展示は撮影不可、ネタバレ不可と言うものなので(ちょっと注意説明多すぎな感もありますが)ここにはどんな展示か書けないのですが……いや、ほんとに驚きました。目の展示を見たことがある人は判るかもしれませんが、とにかく驚きを表現する作家としては今一番ホットなユニットではないでしょうか?さすが目です。今回も素晴らしい作品です。と言うか、目の作品は数回見ただけですが、今回が今のところ一番の衝撃です。正直コレだけを見に東京から来ても良いのではないかと思います。このトリエンナーレの楽しさ大半を占めましたね。ただ、晴れの日に行った方がいいと思います。雨だと驚き度半減になりそうですね。
 
 
 
Img_9118
 
マテイ・アンドラシュ・ヴォグリンチッチ《無題(枕)》
この会場で一番初めに目にするのがこの景色です。ただの枕(これは無印かな?)なのですが、それがこれだけ集まると、それだけで圧巻です。
 
 
 
Img_9119
 
ウィスット・ポンニミット《未来はプレゼント》
上記枕周りの回廊に展示されているポンニミット(タムくん)の作品。今回はタムくん大活躍です。
 
 
 
Img_9155
 
小沢剛《帰って来たJ.L.》
小沢さんの帰って来たシリーズ。J.L.とはあの伝説的4人組バンドを経て「想像してごらん?」などと歌った人です。あの曲が始まる!?と思ったらフィリピン語で歌いだされるのですね。
 
 
 
Img_9133 Img_9136
 
川埜龍三《犀の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう》
私達が作品を見ている場所を「さいたまA」とするとそれとは別に「さいたまB」があり、そのさいたまBから発掘された埴輪や歴史を展示してある部屋、と言うジョークをまじめな(?)取り組みで展開している展示。面白いです。
 
 
 
Img_9174_2
 
ソ・ミンジョン《水がありました》
目を惹く作品でした。単純に円筒形のスクリーンに水の映像と言う組み合わせなのですが、とにかく美しいです。好きな作品ですね。氷川神社の境内で撮影した映像だと言うことです。
 
 
 
Img_9181
 
藤城光《ボイジャー 2011》
ふくしまの被災者の思い出の品を漆でコーティング(保存の為でもあり、放射線をカットする意味もある)して、そこにふくしまから埼玉に非難してきた人のインタビューが重なる。
 
 
 
他にもアピチャッポン・ウィーラセタクン《Invisibility》の美しい映像、アダム・マジャール《アレイ #3》《ステンレス》のスパースローモーション映像による大宮駅ホームの映像などとにかくここは見ごたえある展示でした。
 
 
 
 
【与野本町駅〜大宮駅周辺】
大宮駅周辺はまとまって見る施設が無いので少しばらけた感じになっていました。与野本町駅にはチェ・ジョンファ作品のみでした。
 
 
 
Img_9198
 
秋山さやか《雫》
(会場:大宮駅周辺 市民会館おおみや)
さやかさんの滞在型制作ですが、お得意手法の刺繍も絡めながら自分宛に手紙を送ってそれをここに集めて展示。この場所の雰囲気ともあっていて良い展示でした。
 
 
 
Img_9212
 
ダンカン・スピークマン & サラ・アンダーソン《1000のデュオのための曲》
(会場:大宮駅周辺 大宮区役所)
大宮会場ではこれを忘れずに体験してほしいです。50分と長い体験ですが、その価値はあると思います。二人一組で体験をするものになります(一人で参加のときは誰か別の一人参加が来るか、スタッフの人と組むか)。音声プレーヤーとヘッドホンをして街中を歩きまわるのですが、音楽の流れる中からたまに指示が出るのでその指示に従っていきます。ところが実は二人一組の片側にしか指示が出てなかったり、違う意味合いの指示が出ていたりして、それでも繋がっていくコミュニケーションを体験していくもの。終わった後で、え?あの時の行動はああ言う意味だったの?と話し合ったり、そのずれを発見したりするのが面白いです。たまに見つめあったりするところがあるので、男同士(私はそうだったのですが)での参加はちょっと気まずいかも。見つめあいたい人と参加しましょうか……。これも雨降ったらやりにくいかもしれませんね。
 
 
 
他に大宮区役所会場では岡田利規《映像演劇 op.1 椎橋綾那》《映像演劇 op.2 青柳いづみ》もあります。
 
 
 
Img_9220 Img_9227
 
チェ・ジョンファ《息をする花》《ハッピーハッピー》
(会場:与野本町駅周辺 彩の国さいたま芸術劇場)
与野本町駅に移って広告にも使われているこの作品を見る。駅から少し歩くのと、この駅にはこの2作品しかないと言うのもありで、もう少しこのあたりに何か作品が欲しいところですね……。
 
 
 
 
【武蔵浦和駅〜中浦和駅周辺】
武蔵浦和駅から中浦和駅の間に作品が点在しています。旧部長公舎には4組の作家がまとまっており、なかなか見ごたえある作品が多いのでここも外せないですね。西浦和や浦和駅はこことは別の線となるので今回は行きませんでした。
 
 
 
Img_9301
 
野口里佳《はじめのことば》
(会場:旧部長公舎)
さいたま市産まれの野口さんの写真や映像。本当にこの人の撮る写真は好きですね。上手いと思います。残念ながら建物内は撮影禁止でした。
 
 
 
Img_9286
 
髙田安規子・政子《土地の記憶を辿って》
(会場:旧部長公舎)
高田姉妹の作品は切り絵などを使ったとても美しい世界観。地元の植物や動物などの記憶やイメージをこの建物に焼き付けるように残していく。
 
 
 
旧部長公舎会場には他に松田正隆+遠藤幹大+三上亮さんの音を効果的に使った作品や鈴木桃子さんの公開制作もあります。
 
 
 
Img_9261
 
Img_9267
 
アイガルス・ビクシェ《さいたまビジネスマン》
(会場:西南さくら公園)
武蔵浦和駅と中浦和駅の間くらいにある公園のこれ、とても目を惹いてました。こういうシンプルに迫力あるものは良いですね。何故サラリーマンが涅槃像の形なのか、身体に無数についている蜘蛛や蝿はなんなのか?色々深く読み解くのも面白いです。
 
 
 
Img_9250
 
Img_9252
 
ウィスット・ポンニミット《時間の道》
(会場:花と緑の散歩道)
武蔵浦和駅と中浦和駅近くの別所沼公園の間を通る散歩道沿いにはタムくんの描くサインがあちこちにあります。いろいろ覗き込みながら何が描いているのか探すのが楽しいです。
 
 
 
Img_9254
 
ダニエル・グェティン《STATION TO STATION》
(会場:花と緑の散歩道)
この散歩道にあるトリエンナーレの色を使ったゲートなど。作品と知らずに通りがかっている近所の人も居そうですね。
 
 
 
散歩道の行き着く別所沼公園には日比野克彦《種は船プロジェクトinさいたま》さんの作品がありました。
 
 
 
朝10時に岩槻に行き、夕方前には一通り見終わりました。映像などをじっくり見ると少し時間が足りないかもしれませんが、ほぼ一日で回ることが出来る距離だとは思います(今回見ることが出来なかった作品やエリア含めるとどうなのかな)。岩槻/大宮/武蔵浦和・中浦和それぞれにポイントとなる作品もあるのでバランスよく楽しむことが出来るものになっています。岩槻くらいの展示の塊がもう一つくらい(大宮とかに)あるといいんだけどなぁ、とも思いましたが、まぁ、無料だと言うことを考えるとかなり満足いくものだと思います。本当に近くの人は行かないと勿体無いですよ。東京から行っても良いです。これ、あまり話題にならないと「トリエンナーレ」と名乗ったものの、今回で……略。それは勿体無いですね~。

|

« 「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」記者発表会 | トップページ | クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38654/64365671

この記事へのトラックバック一覧です: さいたまトリエンナーレ2016:

« 「ボイマンス美術館所蔵 ブリューゲル『バベルの塔』展」記者発表会 | トップページ | クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス-さざめく亡霊たち »