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原安三郎コレクション 広重ビビッド

サントリー美術館の広重ビビッド、見ごたえありました。

 
 
 
原安三郎コレクション 広重ビビッド
サントリー美術館
4/29-6/12
 
 
原安三郎さんの浮世絵コレクションからの展覧会です。歌川広重の〈名所江戸百景〉、〈六十余州名所図会〉の二つのシリーズが中心となっています。
 
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ホントに色の状態が素晴らしすぎるものばかり。日本にこれだけ良いものがあるなんて!今刷ったばかりじゃ無い?と言うくらいの色の艶が素晴らしい。初摺と言う、今で言う初版みたいなものですかね?そんな貴重な作品が揃っています。初摺なので、絵師が色を決めているし彫師や摺師とのやり取りが色々とできるので絵師のこだわりが一番色濃く現れているものになるんですね。
 
この展覧会には葛飾北斎や歌川国芳の作品もあます。それも見所でこの二人の天才性は素晴らしいと思います。広重の前の時代、浮世絵で風景画といえば北斎です。〈冨嶽三十六景〉を代表とするこの天才の構図の見事さは言うまでもありません。浮世絵と言ったらこの人を指すのではないか?と言う位ですね。その北斎の幻のシリーズ〈千絵の海〉10図をまとめて見ることが出来る機会と言うのは本当に稀だそうです。今回はその10図が揃います。また、広重と同じ年に生まれた国芳も素晴らしいです。ちょうどBunkamuraで展覧会をやっていますが、全ての絵にアイデアが詰まっているのではないか?と思わせるようなこの人も天才だと思います。
 
さて、広重ですが、正直この二人のその天才性にはかなわないと思います(ま、それは私の趣味性による意見の勝手なイメージ、笑)。比較的安定して安心してみることが出来るものが多く、工夫しようとしてちょっと悩んでるそんな広重(繰り返しますが私の勝手なイメージ、笑)。ただ広重のその苦悩はたまにその天才たちの表現を並び超えていきます。それが構図の工夫と風、霞、雨などの自然表現の上手さです。
 
広重の作品で言うと有名なのは《蒲原 夜之雪》と《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》でしょうか。
 
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《蒲原 夜之雪》
 
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《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》
 
この雪の静かな具合、夕立の激しさの表現。ほかにも《六十余州名所図会 美作 山伏谷》の風の表現や全般に使われているボカシを使った水や霞などの表現。これは本当に目を見張るものがあります。これが得意技だったからか雪の降らない壱岐に雪を降らせて雪景色で描いたものなどもありましたね。
 
 
《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》と同じくゴッホが模写をした《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》も有名です。今回の展覧会メインビジュアルで使われいます。

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《名所江戸百景 亀戸梅屋舗》
 
広重の素晴らしい大胆な構図。手前にクローズアップしてトリミングをしたものを配置し、その奥に風景を描くという手法を良くやっています。手前に草花/動物や帆船などを置いてまるでそれが絵の主役のように見えますが、絵の主題はその奥の景色の方だというもの。手前に厳島の鳥居の大胆なトリミングなどを配置した絵なども良かったですね。亀を手前に配した《名所江戸百景 深川萬年橋》も目をひきます。
 

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《名所江戸百景 深川洲崎十万坪》
 
鷹を手前に鳥瞰で風景を描いた《名所江戸百景 深川洲崎十万坪》の構図はその際たるものではないかと思います。この時代に鳥瞰の絵はある程度想像で描いたのでしょうか?山に登って描いたのでしょうか?それを鳥越しで描くという発想は素晴らしいです。トリミングと言えば天橋立のトリミングの具合も面白かった。
 
浮世絵は当時のグラビア、チラシ、ポスターみたいなものだとするとこれはデザインとしての考え方の勉強になるのかとも思います。文化村の国芳/国貞、サントリーの広重などデザインに関わる人などに是非に見て欲しい展覧会ですね。

 
 

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