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No Museum, No Life? これからの美術館事典、コレクション展等

話題の東京国立近代美術館「No Museum, No Life?―
これからの美術館事典」とMOMAT コレクションなどを
見て来ました。
No Museum, No Life?―これからの美術館事典
東京国立近代美術館
6/16-9/13
 
 
国立美術館5館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、
国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館)の合同展。
アルファベット順にキーワードを出し、各キーワードに沿って
様々な展示を見ていく、タイトルにある通り美術展の「事典」
な展覧会です。
 
国立各館のコレクション作品を使って展示をしているのです
が、アート作品だけではなく、美術館の設備やデータまでも
が展示作品になる、つまり「美術展」を一つの作品に仕立て
た様な展覧会として話題になっています。
 
展示の各エリアにこんな感じでアルファベットインデックスが
あり今自分がどこのアルファベットの場所に居るかがわかる
様に。会場構成も途中ショートカット出来たり、どこから事典
を見てもイイ、そんなことを意識しているという話でした。
見せ方については学芸員と一緒に会場構成のトラフ建築設計
事務所、グラフィック・デザインのneucitora 刈谷悠三さんが
加わっているそうです。
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こんな風にデータや、温度計等の美術館で使っている機器
も展示品としてアート作品と同等に並び解説されています。
20150704_15_30_20 20150704_15_21_49
 
 
たとえばAはから始まる展示。
Architecture 【建築】として各館の模型や図面、開館時の
資料などが並んでいました。
20150704_14_41_02
 
 
展示の見せ方も様々で捻ってみせているのがあったかと
思えばその隣ではストレートに見せていたり、見ている側
の想像に委ねたりと、幅広く、バラエティにとんでます。
 
Discussion 【議論】などではこの展覧会の議論の資料を
見せると同時にリアム・ギリックの照明を使った作品で
議論の場を作っています(この作品に気が付かない人が
多かったのではないでしょうか?)
 
Storage 【収蔵庫】では各館の収蔵庫の写真を原寸大に
引き伸ばし、そこに藤田嗣治の作品実物を当て込んでます。
コレクションを持つ4館に全て藤田作品があるという事で
こうしたとのこと。
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Education 【教育】のコーナーでは植物にアルファベットを
延々と教えているジョン・バルデッサリの作品が。
 
Frame 【額/枠】ではダニュエル・ビュレンのフレームを
イメージした作品の隣で額縁というフレームそのものを
見せる(フレームの中心が空洞になっているので壁の裏
にいる人が作品になると言う構成。)
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Hanging 【吊ること】のコーナーでは実際に吊ってある
ある作品(クロード・ヴィアラ)の隣に既製品の釣り金具。
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シュテファン・バルケンホールやロダンの彫刻を見るコーナー
かと思ったらPlinth 【台座】のコーナーでした、とか。
20150704_15_17_37 20150704_15_17_49
 
 
光をうまく描くルノワールの絵画の隣に実際の照明を当てて
いるだけの状態を見せた、Light 【光/照明】コーナー。
 
既製品を見せているのかと思ったらマルセル・デュシャンの
レディメイドの作品があるOriginal 【オリジナル】のコーナー。
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Naked/Nude 【裸体/ヌード】のコーナーは流石にアート
作品のてんこ盛り。棚田康司さんなどの現代アートまで
置いてあるのは良いですね。
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Internet 【インターネット】やJournalism 【ジャーナリズム】
では今や美術展にとっての影響が強いインターネット技術、
SNSの事など。良く見るブログなども綴じられていました。
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You 【あなた】はなかなかニヤリとしてしまう展示。
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Zero 【ゼロ】は展覧会の終わりの撤去、そして次の
展覧会の始まりを設定として、搬入や設営施工など
の裏方の様子を伝えていました。
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コレクション展の方にあった、田中功起さんのこの展示を
ちょっと思い出してしまいました。
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と言う具合で作品、道具や設備、表と裏、様々なものが
入り乱れる、とても見ていて楽しく、でも考えさせられる
そんな展覧会でした。
えーっと、タイトルは英語の格言的な言い回しですが、
某レコード屋さんのキャッチコピーも意識されている?
 
 
 
 
MOMAT コレクション、特集: 誰がためにたたかう?
東京国立近代美術館
前期:5/26-7/12
後期:7/14-9/13
 
事物-1970年代の日本の写真と美術を考えるキーワード
東京国立近代美術館
5/26-9/13
 
いつも上質なコレクション展。今回はあるアニメから
タイトルを取っていますね。
サイボーグ戦士「誰がためにたたかう?」
 
一番、誰がためにたたかう?っぽいのはこの岡本太郎
作品でしょうかね?これは自分との闘いか?
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竹内栖鳳、古賀春江などの名作。
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藤田嗣治は動物もの。
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村上隆や奈良美智
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イケムラレイコさんの作品も好きだな。
そして渡辺克己さんの写真は本当に好きです。
※以前ブログに書いたこちら参照。
とにかく凄い!渡辺克巳さんが撮った新宿の現実
20150704_15_52_59 20150704_15_44_45_2
 
前も思ったけどこのベンチや椅子、脚が内側に入っているのは
デザインだよね?だれのデザイン椅子だろう?
20150704_16_09_57 20150704_16_10_04
 
他にも戦争画なども結構あります。ここ数年はそういう世に
訴えかけるような作品を意識的に展示していますね、この
コレクション展は。
 
 
もう一つの事物もざっくりとですがうまくまとまった展示。
私はモノ派系がそんなに好きではないですが、その時代、
同時代の写真作品などもふくめて楽しめました。
 
 
荻窪の6次元で実施された今回の企画展に関係する
トークショーも聞きに行きました。
 
採用されなかったワードや没ネタ、展示の苦労などを
直接聞く事が出来てとても楽しいトークでした。
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若手の人がいろんな課題がありながらも、そしてこれ
から増えていく問題や、進んでいく技術に対応しながら
も、美術館のあり方を真剣に考えて、展覧会を作って
いってるんだな、と言うのを本当に感じました。
 
 
そんなこんなの仕掛けに関わるような事として、今回の
展覧会期間にこんなイベントを実施するようです。
 
MOMATサマーフェス
7/31-8/2
 
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ナイトミュージアムとしてなんと金曜は22時まで開館!
それぞれの日で野外シネマやシンポジウム、所蔵作品展無料観覧日、
おはよう! びじゅつ体操、ヤードセール、託児サービスなど盛り
だくさんなイベントをやるようです。
 
 
国立の美術館も面白くなってきてますね。
 

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