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『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』感想:B面

中村佑子監督の『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』と
言う映画の完成披露試写会に参加してきました。
この映画を見て私の内藤礼さんの作品対する個人的な感想
を中心に(映画と関係なく)書きます。A面の続き。
 
 
映画『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』公式サイト
 
劇場公開は9月頃、渋谷のシアター・イメージフォーラム
ほか全国順次公開予定との事です。
20150530_12_43_52_2
 
 
この映画を見ていたらどうしても私の個人的な内藤礼さん
の作品への振り返りをしたくなり、それを先に書いたA面
の続きとして書きます。映画とあまり関係ないのでB面と
して。アビーロードのB面みたいな個人的なエントリ。
 
え?そもそもA面、B面って何?って若い人たちは言うの?
レコードとかさ……カセットテープとかさ……ああ、知ら
ないのですね……。
 
 
私が初めて内藤さんの作品を見たのが2002年。食糧ビルの
中にあったRICE GALLERY by G2で。ビルの取り壊し前の
ギャラリー最後の個展でした。
 
ここで見た内藤礼さんの「地上に一つの場所を」が私の
現代アートへの印象を作り上げたものの一つなのです。
ただただ、面白そう、でしかない現代アートが心に残るもの
と変わった瞬間でした。
20060608124145(地上に一つの場所を)
 
 
内藤礼さんの作品にはその後も何度も体感する機会があり、
近々では庭園美術館での個展、資生堂ギャラリーの椿会など。
あとは2009年の神奈川県立近代美術館の展覧会は記憶に
残っている。
H1_2(内藤 礼「すべて動物
は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」)
 
 
MOTやトリエンナーレなどに参加している作品も見ているし、
ギャラリー小柳でも個展を何度か。
直島のきんざにある「このことを」も二度体験している。
Pict0206(家プロジェクト きんざ)
 
 
2回目の直島に行った時の感想
 
内藤礼考~「地上はどんなところだったか What kind of Place was the Earth?」
 
内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している
 
すきなもの、内藤礼
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2008/02/post_5801.html
 
内藤礼 信の感情、アーキテクツ/1933/Shirokane:東京都庭園美術館リニューアル
 
 
結局、その時の感情がどんなであれ、その時の状況がどん
なであれ、文字にしてしまうと似たような感想におさまっていく。
それでいてその時その時の感情などが揺り返してくるのだか
ら、ある意味たまらない、それが内藤礼さんの作品の記憶。
Pic02_2(「このことを」家プロジェクトHPより)
 
 
映画を見てて思ったのが、内藤礼さんの作品はそれを見て
いる人の感情を動かす。つまり作品を見ていながらも結果
として自分と対峙するすることになる。
映画で内藤礼さんの作品に向き合った5人の女性たちはそう
見えた。そしてその体験を画面で見ている私は、そこで
また自分に向き合う事になってしまった。
20141209_16_57_13_2(庭園美術館展示より)
 
 
以前、内藤礼さんの作品を見て書いたこと。
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静かな時の流れを感じ、そしてその中に身をたゆたう。
その時間の中に居るのが自分だと、自分の周りに巡る
のがそれと同じ時間だと、そこで気がつく。
 
内藤さんの作品を見る旅に時間の流れと言う物を考える。
普段は時間の流れと言う物は電車に乗り遅れるとか、
睡眠時間が、とか約束の時間とか、そんなもの。
 
ただただ何もせず、何かをジッと見て5分過ごす、と言う
のはかなり何か強い物がないと無理である。それが無い
のに内藤さんの作品の前に数分間居る。その時間の流れ
をいつも考える。電車に、約束に、睡眠に、そして内藤
さんの作品に、使う時間は全て同じ時間なのである。
私の周りにある、と言う事では。
 
でも、違う。何が?と聞かれても答えられないが。
 
言葉にできない、でも、言葉にしたい、内藤さんの作品
を見るたびに陥るジレンマである。
 
きっと、作家の想いもあるのだろうが見る人に委ねる、
そして見る人がそれぞれの(自分の)背景で作品を感じ
る、それが内藤さんの作品の特徴である。
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今度、作品集が発売になるという事で、これも楽しみです。
『内藤礼作品集 1986-2014』
http://www.millegraph.com/
 
 
家にある内藤礼さんの幾つかの図録などを見返してみた。

Img_6026 20150605_6_52_54
左:内藤礼×西沢立衛 豊島美術館写真集
右:発電所美術館 内藤礼「母型」写真集
 
両方とも未見の展示ですが、一瞬を捉えた写真が想像を
掻き立てます。

 

20141123_14_21_00 20150605_6_48_32
左:内藤礼個展 庭園美術館図録「信の感情」
右:内藤礼個展 神奈川県立近代美術館図録
  「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に
  水があるように存在している」
 
この図録2点。印刷が内藤さんの作品体験にかなうわけ
ではないのですが後で見る事により追体験をし、その時
の気持ちを呼び起こすことができる。
そのためにハッとする様な一瞬の写真、印刷の色合い
を図録にも求める事になる。写真は共に畠山直哉さん。
庭園美術館の図録はデザインが祖父江慎さん。
祖父江さんがこだわったのが色の再現。
廣済堂のドーナツドットと言う技術を使って色の階層表現
をより深く出しているそうです。立体感や色のなめらかさが
素晴らしいです。
 
 

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