光琳アート -光琳と現代美術-
熱海への日帰りツアー、メインの目的はこのMOA美術館
「光琳アート」。先のエントリ、ブルーノタウト「熱海の家」と
隈研吾の「水/ガラス」見学と一緒に大人の遠足的な感じ
で行ってきました。
琳派イヤーである今年の、注目琳派関連展覧会です。
光琳の国宝「紅白梅図屏風」と「燕子花図屏風」が並ぶと
言う贅沢な展覧会です!
尾形光琳300年忌記念特別展「燕子花と紅白梅」
光琳アート -光琳と現代美術-
http://www.moaart.or.jp/exhibition/korin/
MOA美術館
2/4-3/3
※写真は美術館に許可を頂き撮影しております。
琳派イヤーな今年。あちこちで琳派関連の展覧会が
開催されます。その中でも注目の一つになっている
のがMOA美術館の「光琳アート」です。
光琳の作品を中心にして、琳派に影響を受けた近現代
アートまでを一気に紹介する展覧会です。
尾形光琳の国宝、MOA美術館蔵「紅白梅図屏風」と
根津美術館蔵「燕子花図屏風」が並ぶというのが話題
になっています。
この二つは今年、根津美術館でも並ぶとの事。こちら
MOAでは現代アートを絡めた展覧会で根津の方は
光悦/宗達などを絡めた展覧会になるという事です。
2月の梅の時期に紅白梅図を持っているMOA美術館
でこの二つの屏風が並び5月の燕子花の時期に根津
美術館で並ぶという洒落た構成ですね。
と、いう事で並んでます!この二つの同時公開は56年
ぶりだとか。ここから展示がスタートして光琳から現代
まで続いて行く琳派の系譜の紹介となります。
まずはMOA美術館蔵「紅白梅図屏風」。
真ん中の流水が不思議で迫力あります。この流水の
色は当時は銀だった、元々黒の部分を作り黒+銀
だった、紺+銀だったなどと色々な説があるようです。
根津美術館蔵「燕子花図屏風」はなんどか根津で
見ています。紅白梅図と向い合せになるとはね・・・。
そして、今回の私的トピックス!は紅白梅図の下に
落ちているもの・・・な・ん・で・す・よ!
そう、紅白の梅の花と花弁が屏風の下に落ちています。
まるで屏風の梅の樹から花が零れ落ちたように・・・。
そう、このブログを見ている方ならもう判るかとは思い
ますが須田悦弘さんの作品です、これ。
今までも屏風の花がこぼれた様な演出はしたことありま
したが、国宝作品にやるとは・・・持ち主のMOA美術館
でなければ出来ないでしょうね。
あと、一つ気になったのが須田さんの作品の割には梅の
造詣がそれほどリアルに見えない・・・なんでだろう?
と思って良く見たら・・・これリアルな梅というよりも
屏風に描かれた光琳梅に似せた造詣なのですね、きっと。
「四季草花図巻」尾形光琳
「槇楓図屏風」尾形光琳
その他、光琳の作品が続きます。よだれが出てきそう
です。展示は前半は光琳に絞り込み、他に乾山と仁清
が少しあるくらいです。
後半からは「光琳を現代に生かす」と章して、琳派に
影響を受けた近現代作家の作品が並びます。
春草の作品がすごくいい色だったなぁ。
「落葉」菱田春草
この部屋には他にも「風神雷神」今村紫紅、「八ツ橋」
川端龍子などもありました。福田平八郎「花菖蒲」と
いう作品が目を惹き、さらにその正面に「漣」も。
「漣」福田平八郎
「杜若図屏風」神坂雪佳
フロアを降りると杉本博司の部屋です。紅白梅図屏風を
モノクロ写真で撮りプラチナプリントして屏風にするという
もの。色味の諧調がモノクロに転換され神秘的な様相が
漂っていました。
次の部屋は加山又造や友禅の着物、工芸ものなど。
この部屋で目を惹いたのが田中一光のポスターでした。
いや、改めてこの人は本当に凄いセンスだと思わされ
ました。見たら見るほど琳派なデザインなのに一光さん
ならの個性が強く、そしてカッコいい。凄い。
あと、北大路魯山人の如何にも乾山な京焼器も良い。
「ミュージック・トゥデイ 1973-92」田中一光
「田中一光グラフィックアート植物園展」田中一光
最後は現代作家の作品が並びます。
会田誠は3点も出てましたね。群娘図’97美しい旗、
紐育空爆之図、と。村上隆はヴィトンのロゴを銀箔
に写した屏風。
福田美蘭「風神雷神図」はフランシスベーコンが
風神雷神を描いたら、という様な作品。
平松礼二の作品は紅白梅図屏風をストレートに
イメージさせるものでした。
双子の姉妹、 高田安規子/政子の作品も面白い。
切手などを切り取ったり、刺繍したりする作品です。
紅白梅図 高田安規子、政子
現代の陶芸などの作家作品も。
十四代今泉今右衛門の作った菊花の壺は美しい。
白い地に白い菊の花が立体的に浮かび上がる。
樂焼の樂吉左衞門さんは3点出てました。
ミュージアムショップも充実してました。
図録はA5サイズの『光琳アート』。熱海から持って帰る
のにいいサイズです。
そして光琳の屋敷を再現した光琳屋敷がこちらのお庭に
あるので、これも見るのを忘れずに。
そして、そして、展覧会とは全く関係ないけど、これが目的
だなんてことは全くないけど、熱海に行ったら海の幸。
金目鯛の煮つけとか・・・。
| 固定リンク
コメント