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ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように

水戸芸術館はいい展覧会をやりますね。
去年は私的去年の10本の中に2本もノミネートしました。
今年になって行ったヂョン・ヨンドゥ展も良かったです。
クリテリオムでやっていたGABOMIも見ました。



 

 



ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=413
水戸芸術館 現代美術ギャラリー
2014/11/8-2015/2/1



みえるもの、みえないもの



夢や希望、理想などの今現在見えない物。
その見えないものを可視化する。
それはもしかしたらただの空想かもしれない。
決して実現しているわけではない。
ならば何の意味があるのか?



手は届くのか?届かないからこそ再現するのか?



それは現実なのか?虚構なのか?



「奥様は魔女」と言う作品、これはここに出てくる人の未来の夢
などを仮想的に再現した物。元の自分のなりたい職業などに
扮した映像へ変化していきます。
Img_1521 Img_1522



夢がかなったように見えますがあくまでもこれが実現している
わけではありません。



こんな風に未来の夢や子供たちの描いた絵、理想の風景や
姿などを可視化していく作品が多いです。
現実と幻想を混ぜてなのが本当で何が現実ではないのかが
判らなくなって行くときもあります。



 



「シックス・ポイント」と言う作品。
カメラが街の中を横にパンしていく映像。人は止まったまま。
でも影が動いていきます。おそらくこれは書き割りの街の背景
や人や車を撮影しているのでしょうか?現実の街の写真を元
にしているのに、何か現実感がない街に見えます。
Img_1517



 



「日常の楽園」という作品は普段の風景を少しづつその人が
考える楽園に近づけると言うもの。でももちろんこれも実現
しているわけではありません。イミテーションの楽園の創造。
Img_1538



 



ある映画のワンシーンを再現する作品。正面から見ると
有名な映画のワンシーンを再現しているように見えます。
ところが横から見てネタばらしをするとまったく映画の
時代や写っているものとは違う書き割りの作り物だと言う
のがわかります。ところがその中に出てくる現実と映画の
シーンの意味合いが繋がったりするものもあり、そこに
虚構と現実の混ざり合いがおきます。
Img_1549



 



「ドライブ・イン・シアター」
車に乗ってスクリーンで映画を見る装置。車に乗って見る
と車の正面のスクリーンに映っているのが自分だと言う
のがわかります。映画と言う虚構の世界に出てくる自分。
そして、それを見る自分。
Img_1578



この後から続く3つの作品。これは作家が水戸に滞在して
作った作品。水戸に来てであった全盲の方に触発されて
作った作品です。



 



「ワイルド・グース・チョイス」
その全盲の方が毎日通勤経路などで撮った写真をまるで
ロードムービーの様に映像化したもの。
Img_1570
 



「ブラインド・パースペクティブ」
この展覧会で一番話題になっている作品です。



まず目に入ってくるのがゴミの通路。
Img_1571 Img_1580



3Dモニターデバイスのゴーグルをかけてこのゴミの通路を
歩いていきます。
Img_1602



そこに映るのはこの様な緑あふれる世界。ゴーグルをかけた
ままだとまるで森林の中の散歩の様です。3Dデバイスなので
振り返ったり、歩く速さなどにも対応した360度映像になって
いるので、本当に緑の中を歩いているようです。
ただ、一たびゴーグルを外すとそこにはゴミばかり。岩だと
思っていたのがゴミの山。蝶だと思っていたのが吊るされた
ビニール袋、がそこにあります。
Img_1585 Img_1587



 



「マジシャンの散歩」
実はこの作品が一番好きでした。作家の言いたい事などが
凝縮した作品なのではないでしょうか?



先の全盲の人の家から水戸芸術館までの道のりを韓国人
のマジシャンと一緒に散歩していきます。
道すがらにあるものや人などに対してコメントをしたり手品
をかけたりしながら進んでいきます。



Img_1615 Img_1599
例えばこんなシーンが・・・



カッコウの産卵の話をするマジシャンがマジックで卵を出し
そこに見上げると(映像内で)カッコウの彫像が現れる。
そのタイミングの時に信号機の青になった音楽・・・そう、
カッコウの鳴き声が流れるのです。さらにこの部屋の後ろ
を振り返るとカッコウの彫像がいるのに気づきます。
Img_1596



他にもビニール袋を掴み、手で丸める音が熱帯雨林の雨
の音へとなったり、そんな仕掛けが沢山です。



映像に出てくるものと手品のネタとトークの内容が混ざって
いき、現実と虚構のラインが乱れていく、まさにこの展覧会
全体のスタイルを映像化したような作品です。



最後のシーンはネタバレを見せる、ふりしてネタバレになっ
ていないのが少し苦しいかな。あの浮遊の仕方だとああ
言う映像にはありませんね、笑。ドローンを使った撮影だと
思います。



 



まぁ、この最後の映像が50分以上あるのですが、極端に
言うと、この50分だけでこの展覧会を語っていると言えそう
な必見の映像でした。



全体的にもいろいろ悩みながら探って行くのが楽しい展示。
同行の人と一緒に途中でこれは何を言っているのか?
あれはどう言う意味なんだろう?などと話しながら探りなが
ら見ていきました。とても考えさせられて良い展覧会でした。



 



 



GABOMI
http://arttowermito.or.jp/gallery/gallery02.html?id=415
水戸芸術館 クリテリオム89
2014/11/8-2015/2/1



こちらの展示も面白かったです。
写真を見ると、どこかで見たような気がするもの、ただ
ロールシャッハテストの様にも見える何かが映っている。
良く見ると水に映った景色である。それを建てに配置し
て縦長の何かに見せて展示するというもの。



 

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