東山魁夷と日本の四季
山種美術館での青い日記帳×山種美術館 ブロガー内覧会
「東山魁夷と日本の四季」に参加してきました。
東山魁夷と日本の四季
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
山種美術館
11/22-2015/2/1
※写真は館側の許可を得て撮影をしております。
東山魁夷の絵、好きなんですよ。結構人が描かれている絵って
そんなに実は好きじゃなくて、景色とか、動物や鳥、植物などの
絵が元々好きなので、人が出てこない魁夷の絵は安心して見る
事が出来るというのもあるかもしれません。
今回の内覧のトークで話が出てましたが、絵に人がいなくても
描いた魁夷、そして見ているあなた、二人の人がここには描か
れている、と東山魁夷本人が言っていたとか。
いやー、自分の姿を絵に映して見たくないですね、笑。
今回の展覧会、絵のキャプションにあまり説明がありません。
その代り・・・魁夷本人がその絵について語った言葉が表示され
ています。そこから想像して膨らむ見方と言うのも面白い。
魁夷の大作「満ち来る潮」が展示室の奥にドーンとありますが、
その周囲にスケッチや下絵などがあり、それらと比べて見る事
が出来るのが嬉しいです。
こんな感じで紙にグリッドを描き構図を決める下絵。
真面目でマメな作家さんだったんだと感じ入りました。
大きな絵を描くときはこの様にしていかないとバランスを
取るのが大変なんでしょうね。
そして今回の内覧会の目玉と言える実験が。
この絵、作家さんの希望で展示するときにはフットライトで
下から光を当てて見せるようになっているようです。
そのフットライトを消したらどうなるかをこの時だけの実験
として見せてもらいました。
上の写真はフットライトありの写真ですが、消すと下1/3位が
どんより暗くなり目で見る感じの印象がだいぶ違います。
この絵は金や銀の箔が散らされていて、水しぶきや光の輝き
がキラキラと光っているのですが、それが黒っぽく沈んで見え
ます。フットライトで下から煽っている効果がはっきりと出て
いるのが判りました。
なお、魁夷だけでなく同時代の周囲の作家たちの作品もあります。
川合玉堂の各作品「早乙女」「山雨一過」「
「
「朝陽桜」橋本明治(山種美術館所蔵)
しかし、やはり今回は魁夷でしょう。魁夷ブルーと呼ばれる青。
実際は青から緑にかけての様々な色がありますが、この色彩
の美しさが好きだと言う人も多いはず。
この絵などは今の時期にぴったりですね。
私が好きな2枚。「年暮る」はまさに”しんしん”と言う状況を
そのまま絵にした感じです。
そして実は一番好きかもしれない「春静」。斜めの山の稜線
で山全体を描かずに表現、そのななめラインと対応する様
な桜の樹の斜めの線。デザイン、構図的に素晴らしいです。
今までなんども魁夷の作品は見ていますが、改めて魁夷の魅力
を確認するはちょうど良い展覧会ですし、もちろん初めて魁夷に
興味をもつための展覧会としても良いと言えると思います。
山種美術館恒例の今回の展覧会モチーフの和菓子は以下の
5種類。私は右下の黒い塊の物を食べました。
満ち来る潮の岩をイメージしたものだそうです。
粒のあんこがしっかりしているのですが中に餅が入って意外に
アッサリ食べる事の出来るものでした。
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