石井海帆展「本のなる木」
荻窪6次元で石井海帆さんの個展「本のなる木」を
見てきました。なかなか取り組みが面白く・・・。
石井海帆展「本のなる木」
http://umiho.tumblr.com/
6次元
12/10-12/19
6次元で個展をやっていた石井海帆さん。抽象画の作家さん。
パッと見て抽象画の割には色や形に何か感情などとは別の
ところでハッキリ目指すところがある感じだなー、と思って
作家さんが在廊していたので話を聞いて見ました。
ほら、アンフォルメルとか具体とかって欲望を勢いでガーッと
出して描いている様な作品も多いじゃないですか。そういう
作品ばかりではないですが、どうも抽象画はそういうイメージ
の物も多くて。そう言う物と比べると少し冷静に形や色を
捉えていると言うイメージがあったのでした。
彼女は何か見たものや聞いたもの、なんらかのインプット
があるとそれらに関してのイメージがすぐに頭に浮かぶの
だそうです。そしてあとはそれを形にしてあげればよい、
アタマに浮かんだイメージをそのまま形にしているだけ、
なのでとても簡単だし、悩まないし、すぐに描けると・・・
いやいや、それ大変だから、普通は、笑。
なんかスナフキンの音楽の作り方に似てますね。
海帆さん自身が音楽をやっていると言うのも関係あるか。
実際にこちらでライブペインティングをしていましたが、
本当にすらすら描いています。そしてそれを活かした形
で展開されているのが今回の展覧会のタイトルでもある
「本のなる木」。
これは6次元のナカムラさんが描いた言葉に海帆さんが
絵を付けて、一つの絵本として完成させようと言うもの。
言葉などからイメージを作り上げる彼女ならではの物。
その原画が展示されていました。
そしてその合間にもどんどん作品を作り上げていく海帆
さん。日々作り上げられている作品見ながら「今日は
良い音楽聞いたのかな」とか「悲しい事あったのかな」
とか想像してみるのも面白いかもしれません。
そしてもう一つ彼女ならではの取り組みが、来場した人
と話をしながらそのイメージをその場で描くと言うもの。
その人を見て、話をして、声を聴いて、浮かんできた像を
さらさらっと描き上げていく。
私も描いてもらいました。私のイメージは下の写真。
どうでしょうか?
実は初め、その人のイメージで描かれている事を知ら
ず私の横でさらっと描かれたこの絵を見て「ああ、他の
展示されている作品より色や構図が私好みだな、好き
だな」と思ったのです。本当に。そりゃ、自分のイメージ
の絵だもの、当然ですよね(ま、どれだけ私が自分の
こと好きだよ、と言うのは、さておいて)。
あともう一つ、これはその場では言っていなかったの
ですが、この作品が自分の好み的にイイ感じだったの
がなんでだろう・・・と実はしっくりこなかったのです。
抽象画に関しては私はあまりのめり込まないタイプで
形や表現の面白さで評価することが多かった。
外から冷静に見て(下手するとデザイン的に)判断する
事が多かったのですね。ハッキリ言うと抽象画に心は
動かされない!と思って距離を置いてました、笑。
それがそう言うのを判断する前にイイな、というのが
あったので、いつもの抽象画への自分の見方と少し
ちがうな、と戸惑いました。
なんでこれにイイ感じを感じたのだろう?と・・・。
その戸惑いを探るためにその場で画をぐるっと一周
回して何が?構図が?色が?自分の好みだったのか
(絵を回すなんて実は作家さんに失礼でしたね、笑)
確認しようとして、種明かしとして、私のイメージで描い
た絵なんだと教えてもらい、それでしっくりきた、という。
期間中、基本は在廊されているようですので、もし行か
れた方は作家さんに声をかけてみると描いていただけ
ると思いますので是非。
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