ホキ美術館の建築と企画展「人思い、人想う」
ホキ美術館
http://www.hoki-museum.jp/index.html
ホキ美術館は写実絵画専門の美術館ですが、同時にその形状
からして建築好きにはとても有名な美術館。ただ、千葉の土気に
あるというのもあり、なかなか行く機会がありませんでした。
ようやく行ってきました!
※建築内部の写真は許可を取って撮影しております。
通常は展示施設内は撮影禁止です。
このなんか宙に四角いチューブが浮いているような建物。
雑誌などで何度も見てます。
建築や展示に行く前に・・・ここのミュージアムレストラン「はなう」
もおススメです。片岡護さんプロデュースのイタリアン。
写真はボロネーゼとデザート。ハヤシライスが数量限定で有名。
さて、建築を見て回りましょう。外側から。
駐車場と逆側のエリアになるところが一段低くなっていてそこ
から建物が飛び出ているのを見るエリア、このアングルが有名。
細い四角の箱が浮いています。浮いている部分は金物で
出来ているそうです。
別の角度から見ると凄く長い四角いチューブがずどーんと坂の
上から貫いてきているのがわかります。
中に入るとこれが回廊状態の展示室になっていました。
さっきご飯食べていたレストランエリアはコンクリ造です。
四角い積み上げの上がレストラン。下は展示室。
駐車場側から見るとこんな感じ。コンクリ造の部分と金物の
部分がここで合わさります。バスで来ると初めはこちらが
見えてきます。写真で見た浮いている感じがなく、建物高さ
もこちらは無いのでイメージと違って「おやっ?」となります。
と、言う具合に外部をぐるっと一周しました。他にも同じような
人たちは沢山いて、まぁ、アートにあまり興味なさそうよね?
みたいな方(笑)も含めてここに来る人の割合は建築ファンは
とても多そうですね。
見に来る価値はあると思います。設計は日建設計の山梨知彦さん。
さてこれだけの建物です。内部も凝ってます。内部の様子と
展覧会も含めてご紹介を。
※建築内部の写真は許可を取って撮影しております。
通常は展示施設内は撮影禁止です。
小ネタから。サインは白壁に白いエンボスでオシャレ!なんだ
けど・・・やはり判りにくい面もあったようでトイレなどは色が
付けられてました。
先ほどの金物で作られた四角いチューブ状の建物エリアは
なんと磁石を使った道具で絵を掲示しております。
こちらの建物で、中に入って真っ先に目につくのが天井では
無いでしょうか?穴が沢山あいてます。
これダウンライトの穴、煙感知器やスプリンクラーの穴、空調
の穴などの設備系のためのものなのですが、それだけだと
設備自体が目立ってしまうので、関係ないところにも穴をあけ
ておいてそれを一つのデザインとしてしまったというもの。
照明の差し替え穴もあるようですね。下から差し替えが出来る
仕組みになっているようです。
金物チューブエリアの展示室はこんな感じ。自然光が右側の
壁の下部から入るという仕組み。気持ち良い。回廊の幅が
均一でなく緩やかにカーブしているのが面白い。小路みたい。
ここがギャラリー1と言う「展示室」と言うよりも「展示廊下」と
でも言う様なエリア。企画展がここで行われてます。
企画展「人思い、人想う。」
http://www.hoki-museum.jp/exhibition/index.html
ホキ美術館 ギャラリー1
5/22-11/16
個人的には一番初めにあるポスターなどに使われている絵
に描かれた女性が好みです。
って私の女性の好みなんか聞いてませんね?
写実絵画、と言う事で本当にどれも写真家と見紛う様に精緻
な絵なんです。だから描かれている女性に関してもとても
リアルに、そこにいるように見えてきて・・・。
ただ、実は近くで良く見ると書き方は様々。実は筆跡の残る
荒っぽいタッチで描かれていたりするものもあります。ところ
がそのような絵も少し離れて見るとやたらとリアルに見える
から不思議。逆に本当に絵具で描かれたのか?と思う様な
くらい緻密に描かれたものもあります。肌の透明感などは
どうやって描かれているのやら・・・。
ホキ美術館主催のアートスクールで館に来ていらっしゃった
石黒賢一郎さんにお話を聞く機会がありました。
石黒さんの作品はキューティーハニーやエヴァンゲリオン等
のイメージをモデルに重ねたりして、他の作品よりコンセプト
的なイメージがあります。ただ、実際に絵を見るとやはり
人物の肌の透明感、髪の毛の再現性、背景のリアルさなど
確固とした技術の上に成り立っているのがわかります。
ご本人は、展示されている自分の絵を見たら、すぐに持って
帰って加筆したいと思うと言ってました。実際にそうして加筆
したものもたくさんあるようです。
写実絵画は特に表現性に関しては終わりがなさそうですね。
その後ギャラリー2から9までは常設展としてホキ美術館の
コレクションが展示されています。
コレクション作品の中で目を惹いたのが五味文彦さんの
静物画。ガラスや水など透明な物の表現がものすごく
リアルで素晴らしいです。じっと見ていると本当に目の前
にそのものがあるようで、立体的に浮かび上がってきて、
額が無ければ思わず手を伸ばしてしまいそう。
果物などの瑞々しい表現、壺のつるんとした感じ、パン
などの乾いた感じなど質感が違うものを見事描き分けて
います。良く見ると目が行くところにピントがあって、外に
ずれにつれてピントがぼやけているのもあります。その
演出表現がリアルさを更に強めているのでしょうか?
さて、建築ネタに戻りますが・・・。
途中の階段の手すりの収まりがいったいどうやって納めた
のやらな作りでした。
最後の方には各作家さんがホキ美術館のための描きおろし
を中心とした100号以上の大作「私の代表作」を展示して
ある部屋もあります。
この階段は実は片持ちなんですよ・・・左側のガラス面には
踏面は繋がってません・・・。
とまぁ、内部も建築的にこだわってるところも多く見どころ
たっぷりでした!
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