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ヴァロットン ―冷たい炎の画家

三菱一号館美術館「ヴァロットン ―冷たい炎の画家」のブロガー
特別内覧会に行ってきました。
アートブログ「青い日記帳」×三菱一号館美術館さんの企画です。
※写真撮影は内覧会のため許可を取っております。

「弐代目・青い日記帳」
http://bluediary2.jugem.jp/

また先日荻窪の6次元で実施された「ヴァロットン・ナイト」にも
参加しましたのでその内容なども交えUPします。

 

「ヴァロットン ―冷たい炎の画家」
http://mimt.jp/vallotton/about.html
三菱一号館美術館
6/14-9/23

ヴァロットン展の内覧会に参加してきました。
また、その前に荻窪6次元で開催された「ヴァロットン・ナイト」にも
参加しましたのでそこで聴いた話なども含めて。

Img_2423(ブロガー特別内覧会)

Img_2149(ヴァロットン・ナイト)

ちなみに荻窪6次元のトークショー「ヴァロットンナイト」ですが、
発表して一晩で予約一杯になったそうです。正直ヴァロットンと言う
画家がそれほどまでにネームバリューは無いと思います。
なんですかね、でもなんか気になる、と言うあの雰囲気は・・・。

正直言うと私もヴァロットン、なんか気になるなー、と言う程度の
ものでした。でも何が気になるか良く判らない。
ハッキリ言うと今でも判らない。
でも、見て判ったのは、なんか好きなんですよ。間違いなく好き。

まぁ、なんか変なんですよね、ヴァロットンの作品って。いろいろと。

Img_2373こんな絵、気になりませんか?

 

【複数の視点】
Img_2353「ボール」
手前と奥で視点が違う。これは二つの視点で撮影された写真を
元に描いたようです。
6次元のヴァロットンナイトの時にこの絵については来場者の感想
などを色々と聞いてました。これが明るいととるか暗いととるか。
そして手前の土と奥の緑、左側の影と右側の日差し、手前の子供
と奥の大人たち、いろいろな視点でいろいろな物語が語られていま
した。もう、これだけで一時間語れそうな感じでした。

内覧会でも高橋館長も学芸員の杉山菜穂子さんも真っ先に
この作品の前で説明を。
Img_2421

他にも部屋うちを描いている絵で手前のテーブルと奥の人物の
視点が明らかに違うのもありました。ここらも写真をもとにしていた
のでしょうか?

 

【アングル】
Img_2362「夕食、ランプの光」
食卓の手間に邪魔な影が。これは画家本人の影とのことです。
普通なら邪魔になりそうな影を敢えて一番手前にもってくるこの
アングル。いったい何を狙ったものでしょう?

Img_2355「貞節なシュザンヌ」
敢えての手前のソファの背、の向こうの3人の密談。女性の怪しげな
目に、男性の頭のハイライトと今回の展覧会で気になるNo.1です。

2章のテーマが”平坦な空間表現”でした。ここら辺にあった絵も
かなり描いているもの、描き方、アングルが面白かったです。
浮世絵やナビ派の影響が色濃く出ている気がします。

 

【お尻】
とにかくお尻が目につく絵が多いです。お尻マニアでしょうか?
Img_2348 Img_2397

圧倒的なのは「臀部の習作」。上の写真右側。
いくらお尻が好きとはいえ、このお尻・・・美しいモチーフではない
ですよね?いや、趣味は色々だけど、絵にかくなら美しいもの
ではないのかな・・・?これを19歳で描いていたなんてね・・・。

後は次の神話の所で出てくるけど全般的に女性が美しくない
とか・・・何かトラウマが・・・。
Img_2436

 

【美しくない神話】
神話に出てくる神様って美男美女が多いですよね?ところが・・・

Img_2399「竜を退治するペルセウス」
ペルセウスが竜を退治してアンドロメダを助けるシーン。
三段腹の王女アンドロメダ、大道芸人の様なペルセウス。
そして竜退治・・・いや、これワニでしょ、ワニ。

神話モチーフとしてはこんな絵も。

Img_2405「引き裂かれるオルフェウス」
黄泉の国の秘密を男性だけに話したオルフェウスはこの世で
女性に痛めつけられます。引きちぎられたり石で叩かれたり。
女性に何か変な認識でもあるのでしょうか・・・?

そして、その絵を見た後にその斜め前にある絵を見ると・・・
Img_2407「憎悪」

アダムと言イヴのパロディのこの絵、この女性がヴァロットンの
奥さんの顔にそっくりなんだそうです。
女性に変な認識が・・・つまり奥さんに何か・・・?

 

【版画】
私は版画作品が一番好きでした。
ヴァロットンの中でも変でいて、でも比較的判り易いのが版画作品。
実は一番作家の心に素直な作品が多いのではないでしょうか?
「にんじん」の挿絵もヴァロットンだったのですね!

Img_2358 Img_2414

男との女の「情」を描いたもの、群衆や一般の世の中に対する皮肉、
そして最後に戦争に対する想い・・・。
一番ひねってあるアイロニーたっぷりの風刺画である版画が、一番
作家にとって素直に見えるというのが、ヴァロットンならでは、な
気もします。
白と黒のコントラストだけで浮かび上がる版画はセンスの塊です。

Img_2379 Img_2376

 

他にもナビ派との繋がり、日本の浮世絵の影響なども展覧会で見る
事が出来ます。下の絵には浮世絵が描かれています。展覧会では
この絵の隣にその実物(ヴァロットン所有の浮世絵)の展示が!

Img_2367

 

「ヴァロットンナイト」で6次元のナカムラさんが言っていたのが・・・
冷たいと熱い×抽象と具象、4つのカテゴリーを作るとヴァロットン
は冷たい具象。「熱い」系は確かに展覧会など見ていてもお腹が
いっぱいで満足度はある。ただ、意外に取り上げられない「冷たい」
系の方が現代のイラストレーターなどには影響を与えているのでは
ないか?
Img_2178

確かに熱い系はわかり易いけど、影響として根っこに残るのは
冷たい系な気がします。

 

あと、今回音声ガイドがスマートフォンのアプリになって出てます。
http://mimt.jp/vallotton/goods.htm

大きな画面で画像を見る事もできるし、展覧会終わっても自分の
携帯に情報が残るのはイイですね。このエントリ書くときにも重宝
しました。

 

キャプションやサインなどにヴァロットンの絵に出てくるモチーフが
あちこちでてくるのも今回の展覧会の楽しみかも。

Img_2345

Img_2394 Img_2451

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