特別展 京都と3Dプロジェクションマッピング
東京国立博物館で開催されている「特別展 京都-洛中洛外図と
障壁画の美」を見てきました。
特別にこの展覧会で2日間限りのイベント(実際は台風によって一日
のみになりましたが)として「中洛外図3Dプロジェクションマッピング
と特別夜間開館」に申し込み行ってきました。
特別展 京都-洛中洛外図と障壁画の美
http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/index.html
東京国立博物館
10月8日から12月1日
まずは展覧会の方の感想から。
正直展示物としては通常の美術展と比べて少なく見えるかも
しれません。ただ・・・それが結果的に素晴らしい空間と演出
に繋がっていたと思います。
石庭の部屋と障壁画の部屋、この二つが素晴らしく良かった。
障壁画の部屋はこういう見せ方はほんとに素晴らしいと思い
ました。実際に二条城で組まれている通りに展示されている。
こういう展示を見たかった!と言う感じ。感激でしたね。
襖の引手などをじっくり見てみるとやはり葵の紋が施されて
ましたねー。
そしてもう一つが龍安寺の石庭。こちらは4Kプロジェクター
を3台ブレンディングして壁面一面に投影してます。
その映像が冬から春へ、そして夏、秋と移り変わり、また
冬へとループしていきます。変わらない石庭、その四季を
感じることが出来る空間です。季節の移り変わりのところ
も上手く変わっていくのが良かった。
石庭自体は表情が変わらないが、その周囲の変化により
実は深い感情を内面に持っていることに気づかされる映像
になってます。
個人的には床にも投影してくれたら良かったんだけどな・・・。
他にもその龍安寺の襖絵、京都御所の襖絵などもあり。
目玉の洛中洛外図は数種類の屏風が並び、比較できるよう
になってます。岩佐又兵衛の舟木本は高画質の映像で
紹介され、初めての人でも楽しみどころポイントがわかる様
になっているのもうれしいですね。
狩野永徳の屏風もありました。
今回は続きに書くプロジェクションマッピング+特別夜間開館
をやっていたのでいつもと客層が全く違ってました。
東博の和物展示にはあり得ない位に若い人が多く、会社帰り
にイベントとして来てみたのかな、と言う感じでしたね。
こういうイベントっぽくすれば新しい客層がこれだけ来るという
のは良いことかと思いますよ。それもチケット代が高くなっても
これだけ来るんですものね。これでリピーター掴むにはさらに
イベント重ねることになるのですが(費用問題が・・・)。
そして、プロジェクションマッピングです・・・。
中洛外図3Dプロジェクションマッピングと特別夜間開館
http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/ticket/3d.html
朧月の下に東博の東洋館。そこに今回の京都展をイメージ
する映像がマップング映像として投影されてます。
前日の16日が台風で中止になったので、そちらの予定の
人も17日に来たと思われますが、そこまで見にくいことは
無かったです(展示室は少し混んでましたが)。
この写真は少し横から撮っているのでずれもありますが
正面から見れば気にはなりません。
この映像が入ったDVDもついてくるのでこれはお得でした。
プロジェクションマッピング、夜間開館、スマートフォンアプリ、
宝探しイベント、4K映像の展示などただ見せるだけの展覧会
とは違う試み盛りだくさんで攻めてきた京都展。
エンターテインメントとして、娯楽として、美術展を楽しむ事に
対する一つの提案の様に見えます。
もしくはただ見せて学ぶだけの美術展に対するアンチテーゼ
とも取れます。
広告的、エンタメ的企画(賛否両論あるかもしれませんが)を
挑戦としても、実験としても(そこら辺が遅れている美術界で)
試してみたい、と思った人がいたのかな、と思います。
まぁ、コストはかかるでしょうけどね・・・。
(正直、他の美術館/美術展でもこう言った事やりたいと思っ
ているところもあるでしょうが、お金の面で諦めた所は多い
でしょうね・・・、うらやましいだろうな、笑)
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