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和様の書

東京国立博物館の「和様の書」が凄かった。本当に凄かった。
日本人なら見ておかないといけないだろう!という展覧会です。

和様の書
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1602
東京国立博物館 平成館
7月13日から9月8日

書は歴史やその流れなどの知識が無いので、どうも敬遠してました。
今までも見たことはありますが、どうもピンと来なかった。
ただ、この展覧会が凄いと聞いていたのでなんとはなしに行ってみた
ら・・・いやー、ホントに凄かった!
特別な知識のない私がこんなに興奮して感動したのだから、きっと
知っている人は拝んでしまうのではないだろうか?

「和様」とは中国風の「唐様」に対して日本独自の文化を指す言葉。
中国から来た漢字を元に、日本独自の柔らかい筆致の漢字、それに
日本で生まれた仮名の書を「和様の書」と言ってます。

【第1章 書の鑑賞】
第1章は三大天下人(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)の書や茶の湯
で使われた書、また国宝の四大手鏡のうち前期では3つを見ることが
出来ました(そのうち1つは前後期で分割展示、残る1つは後期展示)。

見ることが出来た3つの手鏡のうち「手鑑 藻塩草」の美しさは本当
にため息ものです。
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茶の湯のエリアにあった、伝小野道風筆、継色紙「よしのかは」の
デザイン性は良かったです!惹かれました。
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【第2章 仮名の成立と三跡】

和様の書を創出した小野道風、藤原佐理、藤原行成。この三人を「三跡」
と言う。和様の書の祖、小野道風。それを進めた藤原佐理。優雅な和様
の書を確立させた藤原行成。平安時代のこの三人の書が現代まで残って
おり、そして感動や興奮を生むというのが考えてみると不思議です。
1000年以上もの前に書かれたものが今より圧倒的な美しさを持っている。

藤原行成筆の白氏詩巻などを見るとこの人はまじめだったんだろうなぁ、
と思います。真摯に書に打ち込む姿が想像出来る・・・。
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【第3章 信仰と書】
ここは平家納経の見事さ、地に金箔がまぶされた中にカチッとした文字の
浅草寺経や久能寺経、紺地に綺麗な金文字の金峯山理経など文字や紙の
見事さが目につきます。お寺ってお金あったんだなぁ、などと思って見て
おりました、笑。

その中でも竹生島経が特に好きでした。
地に花や蝶、鳥を銀泥で下絵としたものに、繊細な文字が書かれています。
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【第4章 高野切と古筆】
この章が凄かったです。私でも名前を聞いたことのある高野切の他に
太田切、本阿弥切などの名品が並んでました。

今回の展覧会で本当に凄い、と作品の前に立った時に足が止まってしまい、
思わずため息をつき、見てるうちに興奮してくる、と言う作品が5つあったの
ですが、そのうちの3つがここにありました。

その3つが
・第1種高野切、古今和歌集 巻第二十、伝紀貫之筆
・第2種高野切、古今和歌集 巻第五、源兼行筆
・本阿弥切、古今和歌集 巻第十二

高野切は第1種から第3種まであり書き手が違うと言われているそうです。
その中でも見とれてしまうくらいに文字が美しい第1種。
バランスが素晴らしく美しすぎる第2種の二つにため息が出てしまいます。

第1種高野切、古今和歌集 巻第二十、伝紀貫之筆
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また、草の絵を下絵にして趣向を凝らした美しさの本阿弥切も凄かった。

他にもシンプルでかっこよい石山切、斬新なデザインの雲紙本和漢朗詠集、
様々な紙の色がおしゃれな和漢朗詠集、草花の下絵にしっかり目の文字の
太田切など、このコーナーは何時間居ても飽きる事は無い・・・。

 

 

【第5章 世尊寺流と和様の展開】
ようやく最後の章だ・・・でもここにも私がため息をつき興奮をした残る
2つがあるのです。

・藤原定実筆 古今和歌集 序(巻子本)
・本阿弥光悦筆 四季草花下絵和歌巻

カラフルで美しい藤原定実筆 古今和歌集 序(巻子本)は現代の最高に
良く出来たデザインでも敵わないでしょう。
と言うか比べるな、言う位。

そして本阿弥光悦はもうこの人何?光悦ヤバいよヤバいよ、凄いよね?
と心の中で叫びながら見てましたよ、本当に。
光悦は今まで琳派の展覧会などで何度も見たのですが、ほら、そこは
他にも宗達や光琳、抱一などきらびやかな作品が周りにあるじゃない
ですか。でもこう言う書の展覧会で改めて見るとこの方のスバ抜けた
センスが本当に際立ちます。本当にこの人何者?って今更ですが思って
しまいました。舟橋蒔絵硯箱なんかが当たり前の様に置いてあるし!
画:俵屋宗達、筆:本阿弥光悦の作品などもあり・・・その中で特筆
なのが・・・四季草花下絵和歌巻。季節を追い様々な草花の下絵が
描かれ、そこに美しく崩された文字が絡む絡む。凄いですね。

本阿弥光悦筆 四季草花下絵和歌巻
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この章には他にも藤原行成の子孫が書いた個性的で華麗な書や江戸時代
の画と書の融合した作品などがありました。
後半は江戸初期の三筆(本阿弥光悦、近衞信尹、松花堂昭乗)の作品が
メインでしたね。
最後の最後にあった「いろは屏風」が一見、まったくこれでイイの?っ
てな出来(いや、たぶん名作ですが)で笑いを誘うのが締めとしては
素晴らしかった。

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