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ルーベンス展「ブロガー・スペシャルナイト」

アートブログ、弐代目 青い日記帳のTakさんのエントリで募集され
ていたルーベンス展「ブロガー・スペシャルナイト」に行きました。
現在、文化村で開催されているルーベンス展で閉館後にブロガー
を集めた内覧会です。

ルーベンス 栄光のアントワープ工房と原点のイタリア
http://rubens2013.jp/
Bunkamuraザ・ミュージアム
3月9日から4月21日

閉館後にブロガー50人で貸切、トークとその後展覧会を観覧と
言う形です。今回のトークは・・・
・Bunkamuraザ・ミュージアム キュレーターの宮澤政男さん
・TBSアナウンサーの小林悠さん
上記お二人のトークです。

TBSさんが主催に入ってますからね、小林アナの参加は嬉しい。
(見た目にも、、、いや、流れるようなトークの仕切りも美しかった)
また、宮澤さんは10年近くもベルギーに居た事があるという話で、
現地の美術館などでガイドもしたと。さすがルーベンスにも詳しい。

美術好きの小林アナがキュレーターの宮澤さんに質問や取材する
ような形でトークが始まりました。

場内はこんな感じでした。
Img_5499

小林アナと宮澤キュレーターのトークの様子。
Img_5493

え?小林アナが小さい?では、もう少し大きく・・・。
Img_5502

えー、これ以上やると内覧会呼ばれるブログNGリストに載りそうな
ので、ここら辺にしてメモ程度ではありますがトークの内容に沿って
場内や作品の紹介など。

※写真は主催者の許可を得て撮影しました。

入口にあったルーベンス自画像
Img_5527

ルーベンスは故郷のアントワープで修業をし、その後イタリアで
学び成功を収める。
その後アントワープに戻り工房を設立して多くの作品を残す。

展覧会の初めの方のコーナにイタリアで学んだルネサンス様式
などの影響を受けた作品がありました。
ルーベンスらしく無く(?)あっさり目のタッチの作品等もあり。

ちなみにルーベンス、アントワープと言うキーワードで思い出さ
れるのは「フランダースの犬」ですが、この話はイギリス人が
書いていて、実はベルギー人にはあまり知られていない。
ただ、日本人観光客が多く来るので、そのためにベルギー人が
銅像を作ってくれたとの事。

今回その「フランダースの犬」に出てくる画の版画が来てます。
版画なので左右が逆転している絵になってます。
Img_5536 Img_5514

さて、アントワープに戻ってきて宮廷画家になったルーベンス。
天才と呼ばれる所以はその多才さにもある。
人文学者でもあり、絵画を通して外交官的な役割も担っていた。
国境がいろんな国と接してるベルギーは多くの言語を話すこと
が出来る人が多いがルーベンスも同じく。
また、絵画を描くためにギリシア・ローマ神話、聖書などに対し
ての知識もあった。

イタリアでの成功もあり、大評判になり、注文が殺到。注文を
さばくために工房で弟子を使って数多くの作品を描きあげます。
基本はルーベンス得意の人物は本人が描く(最低でも主役級
の登場人物の顔だけはルーベンスか)。脇役や背景、動物等
は弟子が描いたものが多いのでは無いか?とのことでした。

脇役の顔などはルーベンスが習作を描いておき、弟子が描いた
ものもありそうです。
ルーベンスの顔の習作。
Img_5517

下の写真の左寄りの大きな作品などは端にいる天使の顔が
少し下手では?と言うことで弟子が描いたのでは?と。
Img_5530

弟子の中でも有名になった画家もいます。
また、別の作家やアトリエとの共同制作などもしていたようです。
風景や動物などを得意とする専門画家に一任していたとか。
そこらの弟子の絵や共同制作した画家の作品も今回の展覧会
後半コーナーにありました。

習作のシリーズも展示されてます。実はこれはルーベンスが自分
一人で描いている可能性が大きく、また、クライアントにこういう絵
を描きますよ、とOKを貰うためのものなのでかなりしっかり描いて
いるという。
Img_5547_5

今回の展覧会の見どころの一つ。
とにかくルーベンスは人物の表現が凄い。
そしてこの絵でもわかる様に構成も凄い。
ちなみにこの絵、近くで見ると下に流れる川の中や周囲に魚や
蟹などもいます。こういう所は実際に見ないとわかりません。
Img_5519_2 Img_5521

トークのお二人が口をそろえて言っていたのが、とにかく本物を
見ないとわからない!と言うこと(勿論ルーベンスに限らず)。
あと、解説者としては本物があれば、細かい情報をたとえ忘れた
としても絵を見ながら「凄い」事を伝えられるので楽だなー、とも
言ってました、笑。

私、個人的にはルーベンスの描く女性はぼってりとしていて(当時
の女性の好みがそうだったのだが)バロック様式のこってり感も
あり、正直すぐにおなか一杯になってしまう感も強く(油っこいもの
沢山食べれらない状態)あまり入り込めない事が多いのですが、
今回の展覧会では中ほどにある版画のコーナーがちょうどよい
緩衝材になってます。先に紹介したフランダースの犬に出てきた
絵の版画もありますし。

版画と言うのは当時ではとても重要なツールで、当時では有名な
絵は教会に行かないと見る事が出来ない事が多い。でも版画なら
遠くにあるものを見る事が出来る。みんな有名なルーベンスの絵
を見たいと言う思いが強いので版画もかなり作られていたそうです。

ただ、こだわり工房社長のルーベンス。版画と言えども手は抜かず
自作絵画の版画版権を取得して、自分の許可なしに版画を作る事
は認めません。作る場合もかなり厳しい指示や修正をかけて、
自分の納得のいくものしか作らなかったそうです。

会場には修正指示→完成、と言う流れがわかる展示もあります。

Img_5545

でも、刷り師は大変で、あまりに管理が厳しいので殺人未遂の
事件まで起こったとか!
ただ、そこまで管理しなくてはいけないくらいに大人気だったと
言うのは間違いないとのことです。

さて、トークも終盤。小林アナ、宮澤キュレーターそれぞれが
展示されている中から好きな作品を挙げてくれました。

まずは小林さんが好きな作品

毛皮をまとった婦人像(作品6)
これはティツィアーノ作品の模写なんですが模写する段階で
ルーベンスは描かれている女性を少しふくよかにして自分の
好みにしている。
そして後日このモチーフを参考に自分の若奥さんをモデルに
して裸で毛皮パターンで描くのである・・・。
Img_5524 Img_5528

小林さんがもう一つ好きな作品は
悔悛のマグダラのマリア(作品42)
これはヴァン・ダイクの作品なのですが描かれている女性が
泣いており、その赤い目、涙の盛り上がり、肌のツヤ感など
実物を見ないとわからない、この質感が凄い!

さて宮澤さんの好きな作品
天使からパンと水を受け取る預言者エリア(作品20)
なんと、宮澤さんはこの版画を持ってるとのこと。
かなり汚れた状態でオークションに出てたので比較的安価で
購入することが出来たという事です。紙は黄ばんでいるので
周りの台紙を濃い茶色にしているとか。
下の写真の奥にある作品です。
Img_5516

もう一点宮澤さんが個人的に好きなのが
ヘクトルを打ち倒すアキレス(作品21)
戦闘シーンを描く躍動感。力強さが得意なルーベンスならで
はの絵で本人描いてる率が高いそうです。
下の写真、左寄りの大きな絵。
Img_5531

ちなみに青い日記帳 Takさんの好きな作品はこちら。
比較的の初期の作品だからか普段イメージする様なあの
ルーベンスならではの濃さが無いスッキリした作品です。
Img_5533

とにかくルーベンスは国中のスターでもてはやされていた。
パッと見は普通のおじさん(小林アナ談、笑)なんですが、
それが実は凄いおじさん(宮澤キュレーター談、笑)だった。

外交官的な事もした、教養もあった、裕福で憧れの人。
さらに家族思いで品もある。
同じ万能人、天才でもダビンチとは全くタイプ違うですね。

ちなみに家族思いと言うとルーベンスは早くに亡くなった
お兄さんの子供を引き取っているとのこと。
また、子供と言うと、ルーベンスには8人子供がいた。
二番目の結婚はルーベンスが53歳の時。奥さんは16歳位
だったとのこと。そしてそこから5人の子供を作った・・・!
中年の鏡(宮澤キュレーター談、大笑)だったと。
いやー、男としてうらやましいですね。

ルーベンスはバロックの象徴であるとのことでした。
力強さ、躍動感、女性のムチムチさやゴテゴテさも含め
一つの時代を作った天才である。
同じ時代でもレンブラントなどとは対象的です。
この流れはルノワールにも引き継がれているのではない
可と言うことでした。描く子供の顔なども似てるし。

上手い絵、良い絵とはとにかく「引き込まれる」こと。
それが出来るのがとにかく凄い。歴史に出てくる数少ない
本当の天才の一人である。

ルーベンスは本人も作品もバロックである。この人抜きで
バロックは語れない。動き、色彩、官能、大胆さ、まさに
バロックであったとの事でした。

で、そのバロックさがそれほど好きでもない私でしたが、
やはり実物を見ると、その上手さ(技術、構成)には本当に
ひきつけられるものがありました。改めてルーベンスを
見直すのに良い展覧会です。
※おなかいっぱいになる感はやはりありますが。

そして見終わったあとのショップにあったフランダースの犬の
グッズに癒されて・・・
Img_5549 Img_5550

出口で待つパトラッシュの募金箱(盲導犬育成の募金)に捕る
のでした。
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