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白隠展(ブロガーナイト)

白隠は禅画や書を描いているお坊さん、と言ってしまえばそこまでで、
そういうのが好きな人じゃなきゃ難しいんだよねー、と一件思われて
しまいそう。
ところがかなりユニークな方で、絵もひねっていたり皮肉があったり
とかなり楽しめる。
この楽しさを伝えるのって難しい展覧会だな、と思いますが、これは
本当に見ても損はないものです。

白隠展 禅画に込めたメッセージ
Bunkamura ザ・ミュージアム
2012年12月22日から2013年2月24日
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin.html

ブロガーを集めたトークショーに行ってきたのでそのメモも併せて。

トークショーの登壇者は
山下裕二さん。「白隠展」監修者/明治学院大学教授
広瀬麻美さん。「白隠展」主催者
Takさん。アートブログ「青い日記帳」主宰者

トークショーの雰囲気
Img_4642_2

少し遅れて参加したため初めの方の話は聞くことが出来なかった
が、それでも興味深い話が幾つかあったのでメモ的に。

<メモ>
全国45か所から作品を借りてきた(交渉した)のが大変だった。
その多くがお寺だった。

各お寺と貸し出しの交渉をするのだが、各お寺にとって大事な画を
貸し出すのに檀家さんの会議にかけたり、と大変だった。
基本、美術や美術館と言う物を良く知らない人も多く、山下先生って
誰?Bunkamura・・・渋谷にも村があるんだ?的な扱いもあったとか。
良くわからない所に大事な画を貸すなんて・・・的な意見もあり、
貸すにしても勿論長い期間は難しい。
それが数多くのお寺の数だけあるのだから巡回展は難しい。

一番は萬壽寺の半身達磨(朱達磨)が出る、と言うのが殺し文句で、
あれが出るなら・・・とOKしてくれる所もあった。

半身達磨(朱達磨)
Img_4654

禅画と言うくくりで言うと仙厓と白隠が良く並べられるが、その
スタンスは全く違う。白隠は絵を描くのが目的ではなく、あくまでも
仏の教えを伝えるためのツールとして絵を使っており、それこそ
命がけで何枚も描いている。

また数が膨大な量で散在しているため今までに研究も進んでいないと
いう面もある。

自画像や達磨の姿に自分を映し出して描いた達磨画などを見ると
白隠は斜視だったのではないか?

・・・とこんな裏話が山下先生の軽妙なトークで続いていきます。
私のメモではその軽妙さが伝わらないのが残念。

ちなみにトークショーは達磨部屋(達磨画ばかり集めた部屋)で座布団
に座って車座になってやりました。この部屋はトークショーなどをする為
に(70名程入るように)設計しているという。

Img_4641_2

広瀬麻美さんが推している絵はやはり先ほどの朱達磨。

山下先生の推している絵はいくつもありましたがその中でもこの
「すたすた坊主」がお気に入りのようです。
Img_4672

Takさんはこの地獄図を推してます。閻魔様の上に仏様が居て
(前に実施したしりあがり寿さんとのトークショーではこの仏様の顔が
一番の悪人顔だ、と言う話題になったようです)下に色々な地獄図。
閻魔様の横の人の一生を表している橋も見どころ。
Img_4674

展覧会の入口はこの達磨画。
Img_4676_2

中国で死んだはずの達磨がその3年後に旅人の前に現れる。
片方の靴を持った達磨はこれからインドへ行くと言う。
旅人が中国に戻って達磨の墓をあけてみるともう片方の靴だけ
残っていた・・・と言うエピソードを描いた絵です。
ピアスや靴は現存する物なのでしっかりと描かれ、死んでいる
達磨は淡墨で描かれています。
これを入口に持ってきたのは、今、渋谷に白隠が蘇る!と言う
意味合いだそうです(皆、わからないけどね、と山下先生談。)

そしてこれも初めのほうにある書。
Img_4652

通常「南無」の後に来るのはありがたい言葉が多いが白隠はそれに
地獄大菩薩と続けている。地獄こそ菩薩である。地獄も極楽も表裏
一体である、と言うことらしい。
この思想がジョンレノンのイマジンに影響を与えているという。
天国も地獄もない、あるのは空だけ、と言うあの歌詞。
映画「イマジン」(イマジンのPVの方ではない)でジョンの家を映し出す
画面になんと白隠の達磨画が写っている、とのこと。
ジョンは白隠や禅の思想が好きで、それに影響を受けているという。
※はい、うちにあるビデオで確認しました。確かにありました。
 ビデオの後半、ニューヨークに移った後のダコタハウスの部屋の中に
 白隠の達磨画が飾ってあります。失われた週末前後の映像だった
 からアルバムでいうと「マインドゲームス」や「心の壁、愛の橋」あたり
 かもしくはその後の「ロックンロール」あたりの映像だったはず。

ちなみに私が一番好きだったのは絵ではなく書のほうで、これです。
Img_4657

動中工夫と言う意味を書いてあるのですがその「中」と言う字が・・・。
ま、一目瞭然ですよね。凄いです。グラフィカルです。
意味は「動中の工夫は静中に勝ること百千億倍」と言う手厳しいもの。

この後半の「書」のコーナーには他にも目を惹いたものが多く、

永青文庫の「円相」
Img_4662_2

「隻手」(両手を叩けば音がするが、では片手の音はどうか?それを
聞いてこい。と言うものを絵画化したもの)
Img_4670

「無字」(淡墨で描かれた「無」の字に濃墨の斑点)
Img_4668

と言う具合です。

展示の構成も凝っていていくつもの六角形で構成された展示室
が続いていきます。

Img_4667

本当に難しそう、とか禅画や書に興味がないとか、そんなの関係なく
て、とにかくおもしろそうな展覧会!と言う意味でおすすめです。

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