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「茶碗に親しむ会」 arte classica by Ishiguro Gallery

古美術を扱っている石黒ギャラリーさんが表参道近くにオープンさせ
たギャラリー「アルテクラシカ」
そこで行われた「茶碗に親しむ会」に参加させて頂きました。

「茶碗に親しむ会」
arte classica by Ishiguro Gallery
http://www.arteclassica.jp/

このお店は「茶碗」を中心に扱ったお店です。茶碗と言えば「茶道」
の道具となりますが、茶道と言うと堅苦しく形式ばった、そして一般
の人には敷居の高い世界と言うイメージがあります。

そこで少しくだけた形で茶碗に親しみながら抹茶を楽しんでみよう、
と言う趣旨で店主の石黒さんが企画されたのがこの会です。
※現在、この会はまだオープンな形では実施されていないようです
 が1月以降には定期的にこの様な会を実施していきたいと言う考え
 があるようです。私はこのお店の設計に関わった方のご紹介に
 よって参加させて頂きました。一回4人位で体験する会となります。

ギャラリーという事でこちらのお店には古美術である茶碗が並んで
ます。モダンで温かみのあるデザインではありますが、古美術のもつ
高品質さも感じられる店内。
Img_3989

この奥のテーブル席で「茶碗に親しむ会」が開かれます。
大まかな会の流れとしては
・気楽な形でテーブルで茶碗を使って抹茶を楽しむ
・抹茶を点てる
・茶碗の扱い方を覚える
・現代作家の茶碗と古美術の茶碗を手に取って触れて比べてみる
と言う流れになっております。

その一部をご紹介してみます。

まずは茶道の入り口として和菓子・・・はい、おいしゅうございました。
主菓子は赤坂塩野 銘「雪の華」
Img_3967

さて、ここから茶碗と抹茶の世界に足を踏み入れます。

石黒さんに点てて頂いた抹茶を歴史ある茶碗で頂きます。
抹茶は柳桜園 銘「雅の白」
Img_3970

抹茶なんて前に飲んだのいつだろう?と思いつつ思ったよりも苦く
ない抹茶を味わいます。その時に使ったのがこちらの茶碗です。
共に江戸時代の茶碗で四角いのが萩焼、丸いのが朝日焼の物。
Img_3971_2

次に茶碗の扱い方。まずは石黒さんが見本を見せてくれます。
手にされているのは古い唐津茶碗。
茶碗を使う前にお湯に慣らします。椀に人肌くらいのお湯を入れ何度
か回していく。その後にボウルの中のお湯に茶碗を着けます。
Img_3972 Img_3974

ここまでしたらお茶を楽しんでもOK.という事で各自チャレンジ。
この様なセットでそれぞれ楽しんでみます。
Img_3976_2

お湯に慣らす儀式が終わったら抹茶を点ててみます。

私の点てた抹茶がこれ、、、なんですがさっき石黒さんが点てた抹茶
と味が違う!それもびっくりするほど違います。さっきはまろやかだっ
たのに私が点てのはなんか苦いのです。同じお茶を使っているはず
なのですが・・・点て方が違うだけでこんなに味が違うなんて・・・。
Img_3977_2

最後に茶碗をお湯で洗って(洗剤や道具などは使わない様に、との
事)抹茶体験は終わります。

さて、これから茶碗の名品に触れます。
斗々屋茶碗の品を実際に手に取ってみます。

まずは現代の作家の作った斗々屋茶碗の品。
Img_3979_2

そして同じ斗々屋茶碗でも江戸時代位のもの
Img_3978_2 Img_3980_2

これがね、やはり違うのですよ。見た目はもちろんです。
古ぼけ具合が、まぁ、正直、私なんかには良いのか悪いのか判断
などは出来ません。ただ手に取ってみると肌触りがなんというのです
かね、それだけ今まで肌に触れてきてるのだから、人の肌に馴染む
のが当然だろう、みたいな当たり前感があるのです。
うまく説明できませんが。

で、これで終わりかと思ったら・・・もう一品。

斗々屋茶碗の中でも明治時代の名士、井上馨さんが所蔵していたと
いう名品です。

斗々屋茶碗 銘「蝉乃小河」
Img_3985 Img_3983

箱にもしっかりと銘がうってます。
石黒さんが仰っていたのは「古い物とは大事にされている物である。
風呂敷や箱、紐にまで大事にされた跡がある。」という事で箱を結ん
でいる紐まで大事にしているそうです。「ちょっと病的な世界ですけど
ね」とも笑いながら言ってました、笑。
Img_3981

先の茶碗に比べて平べったく、色は全体的に薄く緑がかってます。
綺麗です。確かに先の茶碗よりもこちらの方が欲しくなりますが
・・・やはり私の目では前のと決定的な違いがあるかどうかまでは
判らないのです・・・が、触ってみると違います。
先の茶碗と同じように肌に馴染むのは当たり前で、それよりももっと
吸い付くような感じで手に平に乗ってくるのです。
吸い付く・・・ああ、これ以上私のボギャブラリーでは表現できない
のですが、違うのですね。

と、これで体験は一通り終了です。

石黒さんは古美術商としては三代目。今も以前までのお客さんを
中心に古美術商は続けていますが、やはり古美術を買うというの
は限られた人の世界と言う様相が強い。
でも、せっかくの日本の伝統ある良い物なのだから今まであまり
古美術などに触れた事も無い様な人にも時代のある茶碗の良さを
知ってほしい、触れてみて欲しい、楽しんでほしい、と言う思いが強く、
今回のお店のオープン及びこの様な会を開催となった様です。

いきなり茶道を覚えましょう、では敷居が高すぎる。
いきなり歴史ある茶碗を買いましょうと言っても普段使う物でもない。

どうやったら敷居を低く出来るのか?その一つの施策がこのお店と
会の開催です。

やはり茶碗が一番映える場所は「茶室」であり「茶道」の世界であ
る、と言うのは間違いない、と石黒さんも話しておりました。
ただ、茶室でなく、テーブルの上でも、普段の生活の中でも茶碗を
使って抹茶を楽しむことが出来るはずだし、茶碗の良さも分かって
貰えるはずである。

私みたいなモノ派としては良い茶碗を使ってみたい。から派生して
茶道に触れるのもイイかも、と、物→作法となる訳ですが・・・
一緒に体験した女性は逆の発想で抹茶の味が点てる人でまるで
違う事に大きな衝撃(感動)を受け、抹茶をうまく点ててみたいから
茶碗もイイ物が欲しい、と、作法→物と言う順番で興味が惹かれて
いくようです。
道具から入る派と最終目的重視派の違いですね。男性と女子の
差もあるか、その差も面白かった。

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古美術として並ぶ茶碗は50万~100万円超え位の物が中心でしょうか?
もちろん普段使いの器として使えるお値段ではありませんが、ちょっと
贅沢をしようかな、と思った時に使える物が並んでました。

石黒さんはこう仰ってました。
現代では70点くらいの物が多い。現代で生きていればその位のものは
すぐに手に入れようと思えば入る。でも100点に限りなく近いものは
なかなか体験できない。歴史ある茶碗に触れることによってその体験
を生活の中に取り入れてみてほしい、と。

ボーナスでパソコンを買う、洋服を買う、アートファンなら絵を買う、
私の方なデザイン好きならデザイン家具を買う、など考える事がある
かもしれません。その中に茶碗を買う、と言う様な選択肢もあっても
イイかな、と思いました。

そう言えばタイムリーなことにこんな記事を見ました。
趣旨は同じ。古道具屋やさんや古雑貨屋さんは皆同じ様な事を考え
るのかな・・・。

吉祥寺で気軽に楽しむ「お茶会」-雑貨店店主企画で定期開催へ
http://kichijoji.keizai.biz/headline/1551/

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コメント

生方 均様
その節は、「茶碗に親しむ会」にご参加いただきありがとうございます。
そして、早速生方様のブログでもご紹介いただき、重ねて御礼申し上げます。

美を求める方々の視点は、とても参考になり、生方様の生のお声を今後の参考にさせていただきます。

お近くにお越しの際は、是非茶碗に会いにお立寄下さい。
心よりお待ちしております。

投稿: ArteClassica | 2012/12/06 17:57

>ArteClassicaさま

こちらこそ貴重な機会ありがとうございました。
特に歴史ある茶碗に触れる事が出来たのは凄く
良い体験でした。
根津美術館や表参道のインテリアショップなどに
行くこともあるのでその際には寄らせて頂きます。
また、何かの機会があれば。

投稿: KIN | 2012/12/07 20:09

ご返信ありがとうございます。

とても意をくんで記事を書いて下さっているとオーナーが喜んでおりました!

投稿: ArteClassica | 2012/12/09 18:41

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