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レーピン展 トークショー“青い日記帳”×レーピン展

Bunkamura ザ・ミュージアムで「レーピン展」を見てきました。

国立トレチャコフ美術館所蔵 レーピン展
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_repin/index.html
Bunkamura ザ・ミュージアム
8月4日から10月8日

近代ロシア絵画の巨匠、日本初の本格的回顧展!
と言うキャッチフレーズで始まったこのレーピン展。でも・・・
ロシア絵画か・・・あまり良く知らないなぁ、と思っていたところ・・・

あの、アートブログ「弐代目・青い日記帳」のTakさんより教えて
頂いたトークショー
青い日記帳×レーピン展『ブロガー・スペシャルナイト』
と言うものに行ってきました。
弐代目・青い日記帳:http://bluediary2.jugem.jp/

ゲストは美術史家の山下裕二氏(明治学院大学教授)と、レーピン
研究家で美術史家の籾山昌夫氏(神奈川県立近代美術館 主任
学芸員)のお二人。
そして「青い日記帳」主宰のTakさんが美術展応援団として
ナビゲーター役で参加されていました。

閉館後の美術館でトークショーを聞き、その後会場を見て回れる
という贅沢な企画です。
※実は山下先生は日本美術史が専門。なんでロシア絵画の
 トークショーに・・・?と思ったら昔レーピン作品が来た時の展覧会
 で実物を見て好きになったそうです。
 また、あくまでもついでの理由のようですがBunkamuraの次々回
 展覧会「白隠展」の企画も担当されているとのこと。あくまでも、笑。
 
 

Img_2681※トークショーの様子

なんでも日本美術に置き換えてしまう山下先生の素敵なほど無理
矢理(?)な比喩に会場から笑いが漏れたかと思うと、籾山学芸員
がさすがのロシア絵画専門として様々な背景を説明。そこをうまく
Takさんが繋いだり煽ったり、という様な形でトークショーは進んで
いきました。

なにしろロシア絵画専門でやっている方は日本には少なく、本当に
「専門」と呼べるような人は両手にも満たないのでは?と言う事で。
正直、私もロシア人絵画作家、と言われても名前が出てきません。
その中でもレーピンはロシア国内では有名で日本で言えば横山大観
クラスの知名度のようです。ただし、横山大観のような奔放なタイプ
ではなく皇帝や政治的に使われるような絵も描いたかと思うと、大衆
の為の絵も描いているようにうまく立ち回れるタイプだったのでは、
とのこと。

他にもロシアの音楽や文学などの芸術は世界中に有名なのに何故
絵画はそこまで世界に浸透していないのか?政治的背景や戦争など
との繋がりなどを籾山学芸員がわかり易く説明してくれました。

※写真は会場に許可を得て撮影してあります。

Img_2689
「休息」(向かって右の絵)
絵に描かれているのはレーピンの奥さんとのこと。結構若い奥さん
を貰ったようで、レーピンの弟の奥さんはレーピンの奥さんの
お姉さんとのこと。その方が描かれている絵もありましたね。
目をつぶっているのですが結構美人じゃないですか?

Img_2692
「ピアニスト、ゾフィー・メンターの肖像」
山下先生おすすめの絵。注目は・・・二の腕だそうです。
薄塗のレーピンがこの二の腕は厚塗りしている。そこがまた変態的
でイイそうです。これをチラシやポスターにすれば中年男性客が
増えるのでは?と言うのも山下先生のお言葉でした。
他のおすすめも上から目線の女性とか・・・。
いやー、山下先生、私と趣味が同じです!

Img_2693
「思いがけなく」
レーピンの絵には隠された(?)意味なども結構あるようです。
この絵は帰ってきた男を迎える家族の絵なのですが、迎える家族の
顔や壁に掛けられた絵などに様々な意味合いが隠されているようで
革命家の男が予定より早い帰還をしているところかも、とか。

Img_2691
「日向で」
この方は本当に女性を描くのが上手いな、と思いましたね。
これは娘さんが描かれているのですが、まぁ、美人じゃないですか!
他の絵の女性も美人さんが多いです。基本レーピンが上手いのと、
まぁ、ロシアは美人が多いのでしょう。
山下先生は「この人(レーピン)は元々上手い人だ」と言ってました。
努力して上手く描ける様になった人と元々上手い人がいて、レーピン
は後者のようです。確かに簡単なデッサンやスケッチ、風景画などを
見てもこの方の上手さはわかります。レーピンの絵にハズレがない
のはその技術ともともと持っていた上手さによるのでしょう。
その上手い人が美人を描けば、そりゃ、ねぇ?イイに決まってますよ。

Img_2685
「皇女ソフィヤ」
これは怖い絵。よく見ると窓の外には死体が吊るされていて、皇女は
怒っているような感じ。不安な雰囲気たっぷりの絵です。

Img_2694
「作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像」
ムソルグスキーはロシアの有名作曲家。
あの「展覧会の絵」を作った人です。

このレーピン展はこの後巡回をするようです。
[巡回先]
浜松市美術館 2012年10月16日(火)~12月24日(月・祝)
姫路市立美術館 2013年2月16日(土)~3月30日(土)
神奈川県立近代美術館 葉山 2013年4月6日(土)~5月26日(日)

※ちなみに山下先生が企画担当された白隠展は・・・
白隠展 HAKUIN (仮称) 禅画に込めたメッセージ
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_hakuin.html
2012/12/22(土)-2013/2/24(日)※1/1(火)のみ休館

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