街並と叙情~四国巡り、建築編その5・アート編その6:直島家プロジェクト
浅井健一のソロシングル「危険すぎる」の参加メンバーが・・・
なんと!ですよベースに照井利幸(ブランキージェットシティ)、
ドラムが茂木欣一(フィッシュマンズ)、コーラスに椎名林檎
(東京事変)という顔振りです。
ブランキージェットシティ、シャーベッツ、ユダときてとうとうソロ
名義なベンジー、これはどーなっちゃうの?
カップリング曲はなんとDavid Bowieの「Rebel Rebel」の
カバーですよ。うっわぁー。
さーて、GWの四国三県、建築・美術と温泉を交互にツアー、
連続の投稿ですが、ようやく家プロジェクトのネタをあげる所
まで来ました。直島編の最後です。
家プロジェクトと言うのは直島の昔からある街の中の古い家
や由緒ある土地に街に根付いた美術展示を行っている物。
古い建物と現代美術の融合ってやつですよね。
街や建物に力があるので作品もそれに負けないような物で
なければいけないのですよ。
前回の旅行記
5月3日
直島 家プロジェクト
直島の本村地区という所は古い家並みが残っている所。
その中にある本村アーカイブと言う所でチケットを買う。
前に来た時は無料で予約無しで見る事できたなぁ。
まぁ、作品維持にお金がかかるんでしょう。当時来た時にも
宮島さんの作品は故障してましたしね。
午前中に来て見たら、島のおっちゃんが声をかけてきて
「角屋はここだよ!」
私が
「混まない内にまずは南寺」
と言ったら
「判ってるねぇ」
だって、笑。
そのおっちゃん曰く
「地中美術館はもう1時間待ちだよ」
うわー、まだ昼前なのに。
GWとは言え前日の平日のうちに行って良かった。
人少なかったもんなぁ。
昼過ぎに港に出ていた表示では2時間待ちのようでした。
とそんなこんなのやり取りしながら真っ先に来た家プロジェクト
南寺
昔この場所にお寺があった由緒ある場所。
この建物は安藤忠雄設計の木造建築です。
この建物の中で体験できるのが
ジェームズ・タレル「Backside of the Moon」
と言う作品です。
これは人数制限があるので時間を読み間違えると混む。
この時はまだ空いてました。
で、この作品は言葉や写真では絶対に表現出来ません。
体感が必要です。
ま、拙い言葉で書いてみますと・・・
中に入ると真っ暗です。スタッフに誘導されて壁に手を
当てながらまさに手探りで中に入る。
椅子に座ってますが真っ暗で何も見えません。
何がなんだかわからないままずっと座ってます。ここで
席を立って出てしまってはいけません。
15分位たったでしょうか?暗闇に目が慣れてきて何かが
ボーっと見えてきます。ほんの少しの、ほんとにぼんやり
とした明かりがあるのです。その光が四角い窓として薄く
見えてくる。さっきまでは何も見えなかったのに!
人間の目って本当に不思議です。それが見えてくると中を
歩き回る事すら出来ます。
えー、こういう風に書いても何が楽しいの?って思う人も
多いと思います。でも、機会あったら絶対に体験して見て
下さい。感動するような体験になります。時間と言う物を
体感できる素晴らしい作品。極上のインスタレーション。
で、次の家プロジェクトに向かいます。
南寺の近くの坂を上っていく。
この上には貴船神社と言う神社がある。
これは本物の神社。その脇を抜けていくとあるのが
家プロジェクトの護王神社
これは杉本博司さんが建てた作品です。
神社と日本古来の古墳の考えを絡めた物、だっけな?
正面からみたら神社。
近くには良くある寄付名盤があり、
「建築一式 福武總一郎」
とありました。
建物の近くに寄ってみると社殿から出ている美しいクリスタルの
階段が地面に刺さってます。
実はこの下は地下室になっています。
前に来た時はこれ出来たばかりで建物はあったけど地下に
は入れなかったんです。なので地下初体験。
海の方にグルッと廻ると狭い入り口がある。
そこからペンライトを頼りにトンネルに潜り込んでいくと
石室にたどり着きます。(HPより)
そしてそこから再び外界へ戻る時に海が見える。
細い通路から見えるこの景色が素晴らしい。
黄泉の国から戻る時の気持ちはこんな感じなんだろうか?
そしてそのまま山を下っていき次の家プロジェクト角屋へ。
神社から街へ下りて行きましたが、逆ルートで登る所に鳥居。
これは護王神社の鳥居って扱い?
で、さっきおっちゃんに声をかけられた所。
角屋
ここには宮島達男さんの作品があります。
古い家の土間には水が張ってある。
その水の中に漂うデジタルカウンターの数々。それが
宮島達男「Sea of Time '98(時の海 '98)」 (HPより)
カウンターの速度は一つ一つ異なっていて、これは島の
住人が個々にスピードを決めたそうです。
その他にも窓に埋め込まれた曇りガラスの中でカウントを
進めているデジタルカウンター (HPより)
(前回の時は故障しててなかなか動かなかった)や、
入り口のところの蔵に掛けてある水墨画の上にデジタル
数字をペイントした物 (HPより)
(前回見忘れた、今回見学禁止になっていたんだけど4年前
に来て見る事出来なかった話をしたら帰り際にちょっと覗いて
イイよって声かけてくれた、島のおばちゃん、素敵です!)
最後の家プロジェクトは事前予約が必要な
きんざ この建物の中にある作品は
内藤礼「このことを」 (HPより)
内藤礼さんのインスタレーションはなかなか見るところが
無いので本当に貴重です。建物中には一人で入っていく。
それだけ、そこで決められた時間をただ過ごすだけ。
何も動かない、何も変わらない、ただただ空間にいるだけ。
初めは建物の中においてある色んな物を見る。
じきにボーっと全体をみる。何もしない。それだけ。
ただただ空間を感じるだけ。近くで見えなかったものが
見えてきては漠然としていく。何も起こらない。
ゆるやかに光が変わっていく。時間の流れを感じる。
こんなにゆったりとした時間を過ごしたのは何時振りか?
そんな事さえ考えてしまう。時間の流れを感じる空間で
ある。やっぱり、この人の作品好きです。
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コメント
先日、直島に行ってきました。
「きんざ」他の人は、どんなこと感じたのかな・・・・と思って散策していたら、またまた、こちらに行きあたりました。(前回の旅行記の方でしたが・・・) ストックさせていただいていました。そしてこちらも追加もさせていただいたのですが、差支えありましたらおっしゃって下さい。
http://tabelog.com/rvwr/000183099/diarydtl/143658/
この記事は、私が10年前に見た時と同じ時期なんですね。受け止め方というのはこうも違うのかと・・・・(笑) あのエリアを歩いていいものかと思いつつ、やめましたが、方や・・・・
そして、今回は、なんとせせこましい見方をしていたものかと思いました(笑)
投稿: コロコロ | 2016/09/09 18:02
>コロコロさま
こんにちは。感想のピックアップ、私のエントリ二つも取り上げて頂いてありがとうございます、笑。
見方も感想も、人それぞれで、だからこその現代アートの楽しみだと思います。初見か二度目か?見る時期による外部環境の変化とか、見るときの気分の違いとか、まったく同じのは二度と無い状況ですからね。私は内藤さんの作品を既に見ていて好きな作家として見たのでゆったり見ることできました。
あと、確かきんざが荒れたのは台風とかの水害で作品が流されてしまったのがあった気がします。もしかしたら他にも荒らされたときもあったかもしれませんが。
投稿: KIN | 2016/09/09 19:27