琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術/青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち

琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/45 
アーティゾン美術館
2020/11/14-2021/1/24
 
Img_9228_20210219163201
Img_6922_20210219163101
前期
  
だいぶ前に終わった展覧会ですが、琳派作品とアーティゾンが持っている印象派の作品を並べて展示、共通点を探っていく展覧会です。まぁ、琳派と印象派、並べる必要ないよね、とは思いますが、似ているところもあるので、まぁ、企画としてはこれはこれで……。前期後期分かれていて、前期展示は去年、後期展示は今年になってから見に行きました。入り口入ってすぐの序章「洛中洛外図屏風」は前期展示の写真(後期は「江戸図屏風」)。序章は前期では京、後期では江戸の展示。
 
Img_6926前期
Img_9232後期

 
そして第1章からま琳派作品がこれでもか、というくらい並びます。まずは花木草花というテーマ。琳派の本筋のテーマですね。俵屋宗達の工房が絡んでいたと思われる伊年印「草花図屏風」(前期)は渋い。酒井抱一「芥子藪柑子図」(後期)も良かった。前期には尾形光琳「槇楓図屏風」などもありましたね。
 
Img_9237後期
Img_9248後期

 
酒井抱一「新撰六歌仙四季草花図屏風」(後期)は和歌の描いてある赤い色紙をポイントとして使い、そこに目が行きます。酒井抱一+鈴木其一「夏図」(後期)は周囲にはみ出た絵もとても面白い、工夫いっぱいのもの。他には物語絵のテーマに出ていた俵屋宗達「蔦の細道図」(後期)は目玉の一つです。左右逆にしても繋がるアイデアが素晴らしい。墨の世界というテーマに出ていた酒井抱一「白蓮図」(前期)は好きな作品の一つ。鈴木其一「芒野図屏風」(前期)などもあって贅沢です。
  
Img_9266_20210219163201
Img_9268_20210219163201

 
さて、第2章、この辺りから琳派と印象派の作品が入り乱れてきます。継承というテーマでは直接的な師・弟子という形ではなく作品でオマージュを捧げ繋がる琳派の池田孤邨「青楓朱楓図屏風」や鈴木其一「藤、蓮、楓図」。そのすぐ隣にはコローを慕ったピサロやシスレーの風景画が並びます。
 
Img_6955
Img_6988 
 
水の表現というテーマ、間というテーマについてもそれぞれ琳派の描く水、印象派の描く水などを比べてみることができます。琳派の水の表現と比べるモネ「睡蓮」の様な静かな水。うーん、正直、たまたまテーマが同じなだけな感じもありますが。
 

Img_6972
Img_e7179 
 
ドガの踊り子の像や絵画のすぐそばに俵屋宗達「風神雷神図屏風」(後期)を置くのも凄いですね。宗達の風神雷神は久々に見たかな。また、光琳や抱一、其一の風神雷神と比べてみたいですね。ちなみに写真はショップにあった風神雷神図屏風グッズです。
 
Img_9292
Img_7007

 
扇の形に注目したテーマでは中村芳中「四季草花図扇面貼交屏風」が良い。一つ一つの絵がかわいくて凄い良いのですよ。天才ですね。
 
Img_e7029
Img_7027_20210219163101

 
注文主というちょっとなんとかコーナーを作りましたと言う感じのテーマでは尾形光琳「孔雀立葵図屏風」とルノワールの描いた少女や女性の絵が並びます。
 
Img_7057_20210219163101
Img_7060

 
それからしばらくアーティゾン美術館のコレクションを中心とした印象派周辺の作品が並びます。
 
Img_e7073
 
もう琳派は終わりかな、と思ったら最後にすごい展示が出てきました。セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャト-ノワール」と鈴木其一「富士筑波山図屏風」の並び。それもサント=ヴィクトワール山を中心に供えて、両脇に富士山と筑波山を配置するという驚きの展示。こんな展示は今まで誰もやったことないのではないでしょうか?これをやりたいがためにこの展示の企画が生まれた気もします。
 
 
 
青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/46
アーティゾン美術館
2020/11/3-2021/1/24
 
Img_7159
Img_7150
 
最後の階はコレクション展示と特集コーナー「青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」
石橋財団の創設者 石橋正二郎さんが久留米出身なのですね。青木繁、坂本繁二郎という久留米出身の画家の作品を多く持っています。
 

| | コメント (0)

阪本トクロウ gap/大岩オスカール: 隔離生活

阪本トクロウ gap
https://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2021_01/4372.html
art front gallery
2021/2/5-3/7
 
Img_0665
Img_0666

 
吉祥寺の美術館でも展覧会開催中の坂本トクロウの個展です。このシンプルな世界がとても好きです。
 
Img_0669
Img_0667
 
シンプルな中にも趣向がこらされたものもあって、この抽象的にも見える模様は空撮画像を描いたもの。色数を抑えて(色を変えている?)のでぱっと見、それが海なのか山なのか盆地なのか街なのかが判らない。でも飛行機で見降ろした時の風景の様に見えてきます。
 
Img_0668
 
さすがにこの山の絵はリストを見なくてもわかりました。
 
Img_0674
 
もう一つの部屋も阪本さんの展示です。
 
Img_0675
Img_0682_20210209170801
 
このハイウェイの立体交差の絵は一番好きでした。こういう間がある絵は阪本さんの絵に多いですよね。門のゲートの絵も良いなぁ。
 
Img_0676
Img_0678
 
自然の絵も好きでした。簡素化すると琳派の様にも見えてきます。色を抑えているから色が魅力的に見えてくるのか。
 
Img_0680
 
リストには無い、作品でした。いつ頃の時代のものかな。このサイズ位なら買おうと思えば買えそうな値段なのですよね。
 
 
 
大岩オスカール: 隔離生活
https://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2021_01/4371.html
art front gallery
2021/2/5-3/7
 
Img_0687
Img_0688
 
事務室兼ギャラリーエリアは大岩オスカールの展示。ニューヨークで今のコロナ禍の生活なのでしょうか。
 
Img_0690
Img_0691
 
閉まっているお店の入り口部分、木の板を実際に貼ってありますね。

| | コメント (0)

阪本トクロウ|デイリーライブス/浜口陽三 ぶどうとレモン/萩原英雄 物語をカタチにする

阪本トクロウ|デイリーライブス
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/index.html
武蔵野市立吉祥寺美術館
2021/1/9-2/28 
 
Img_9409
Img_9404_20210209170001
 
坂本トクロウ展が吉祥寺で開催!と言うことで期待して行ってきました。いや、好きな作品ばかりでとてもいい展覧会でした。入場料300円というのも良いですね。
 
Img_9398_20210209170001
Img_9399_20210209170001
 
入り口部にあった横長の絵、何が描いてあるかと思ったら湖の遊覧船。この面積を使って、この様に描くのか、と驚きます。それが故にこの詳細部分に目が行ってしまうものです。
 
Img_9430
Img_9432
Img_9421
 
端っこに細かいものが描かれていたり、中央がスコーンと抜けていたり、この間の取り方がとても良いです。日本画出身の方だからこういう間のある絵が得意なのでしょうか?
 
Img_9433
Img_9488
 
ここの3つの並びがまたたまらなかったです。日常の何気ない風景。決して「絵になる」風景とは違いますが、それを絵にするのですよね。「絵として」魅せるのがとてもうまいです。
 
Img_9434
Img_9491
 
裏口の様な何気ない景色。決してメインとはならない、でも、ここに注目するのが素晴らしいです。
 
Img_9440
Img_9501
 
この会議室のさりげない佇まい!非常口、扉のレバー、人のいない空間、なんでこの空間を描こうと思ったのでしょう?そしてなんでこんなさりげない空間の絵が目を引くのでしょう?
 
Img_9443_20210209170001
Img_9496
 
引きの構図による間、と近くで見た時の細かさ。団地も生活感が現れそうで、生活はそこに見えません。あくまでも絵のモチーフです。モチーフとして普通は見落とされるようなものでも、いや、それだからこそ描くのでしょうね。
 
Img_9448_20210209170001
Img_9493
 
必要ではないものは絵の中に描かないのかもしれませんが、なんでそれが必要なのかもわからないものとも取れるものが描いてある。それがこの絵には必要だったのは絵を見ればわかりますが、描く前に作家さんがどのようにそれを判別しているのか、それとも見たまま、作家さんの目にこう映っているから描いたのか。
 
Img_9452
Img_9450_20210209170001
 
何かの抽象画と思ったら横断歩道。こう言う切り取りもうまいです。トリミングしたありますが、これも日常の中のなんてことない景色。
 
Img_9482
Img_9506
 
この絵が一番好きだったかな。なんか抽象的な模様かと思ったら階段に落ちた木漏れ日ですよ、これ。この絵はちょっとグッときた。
 
Img_9454_20210209170001
Img_9502_20210209170002
 
夜景も素敵です。街が描かれている夜景も、上空から明かりしか見えない夜景も、余計な情報は無く、もうそれが最低限必要な要素なんだと削り落として描かれている(作家さんは見たままで削り落としてはいないのかもしれない)。
 
Img_9459
Img_9467
 
空撮の絵を色数を抑えて描いた、これなんの模様と言うシリーズや水面などを描いたシリーズもあります。2/5からは代官山のアートフロントギャラリーでも個展が始まっています。
 
 
 
浜口陽三 ぶどうとレモン
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/indexhama.html
武蔵野市立吉祥寺美術館 浜口陽三記念室 2020/10/1-2021/2/28

萩原英雄 物語をカタチにする
http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/indexogi.html
武蔵野市立吉祥寺美術館 萩原英雄記念室 2020/10/1-2021/2/28
 
吉祥寺美術館に来たらこちらものぞいていきます。版画の作り方を勉強できる浜口陽三ルームは今回は果物をテーマにした作品が、萩原英雄の作品はギリシア神話やイソップ物語をテーマにしたものなどが。
 



| | コメント (0)

THE TOKYO TOILET (坂茂、片山正通 ワンダーウォール、槇文彦、田村奈穂、坂倉竹之助、安藤忠雄):有名建築家の渋谷区トイレリニューアル2020年全箇所回りました

THE TOKYO TOILET
https://tokyotoilet.jp/
 
Top300
 
THE TOKYO TOILET。渋谷区の17か所の公共トイレをクリエイターたちが手掛けるプロジェクト。いまトピにも書きました。
 
話題のスケスケトイレは壮大な計画の始まりだった
https://ima.goo.ne.jp/column/article/8820.html
 
他にもあった!あのスケルトントイレに続く有名建築家のトイレ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/8964.html
 
全17か所のトイレのリニューアルのうち2020年に7か所工事終了したので見てきました。去年見たものですが、今さらあげてみます。
 
2020年は坂茂、片山正通 ワンダーウォール、槇文彦、田村奈穂、坂倉竹之助、安藤忠雄のデザインしたトイレが完成。今後、藤本壮介、伊東豊雄、マーク・ニューソン、NIGO、安藤忠雄、隈研吾、佐藤可士和のトイレが公開予定。   
 
はるのおがわ コミュニティパーク
坂 茂 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/haruno_ogawa/
 
Img_e2329
Img_e2327
 
SNSで話題になったのがここ。坂 茂デザイン。代々木公園駅近くです。中に人が居ない時は透明になっています。 
  
Img_e2338
Img_e2324
 
人が中に入り鍵を閉めると不透明になるガラス壁。あられもない姿が公開される心配はないはず。ウムガラス系の電極を通すと不透明になるガラスを使っています。
 
Img_e2321
 
普段は透明なので夏場は中が凄く暑いです。冷房もないので厳しいですね。
 
 
代々木深町小公園
坂 茂 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/yoyogifukamachi_mini_park/
  
Img_e2303
Img_e2300
 
先のはるのおがわコミュニティパークの色違い。場所もそれぞれすぐ近くにあります。坂 茂デザイン。
 
Img_e2304
Img_e2301
Img_e2298
 
先に書いたように夏には厳しいですが、あれだけ話題になって、このプロジェクトが注目されるきっかけを作ったトイレなのは評価できるところ。
 
  
恵比寿公園
片山正通 ワンダーウォール 2020年8月5日 オープン
https://tokyotoilet.jp/ebisu_park/
  
Img_e2914
Img_e2901
 
片山正通デザイントイレは恵比寿駅の西口から少し先の公園。
 
Img_e2921
Img_e2916
 
木目の様な模様のコンクリートを積み木の様において少し迷路感のあるトイレ。
 
Img_e2922
Img_e2919
 
結構硬派な感じですね。個人的には一番好きなデザインかも。
 
 
恵比寿東公園
槇文彦 2020年8月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/ebisu_east_park/
 
Img_e3019
Img_e2928
 
恵比寿駅東口から少し先の川沿いの公園です。槇文彦 デザインのトイレ。
 
Img_e2941
Img_e2931
 
中央に坪庭の様な空間があり、ぐるっと小屋の様に個室やガラス仕切りが配置。休憩用のベンチもあるのが素敵。

Img_e2930
Img_e2935
 
たこ滑り台があるので通称タコ公園、そこにあるイカトレイと槇さんが言っている様です(タコは槇さんデザインではありません)。
 
 
東三丁目
田村奈穂 2020年8月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/higashi_sanchome/
 
Img_e2864
Img_e2892
 
恵比寿駅から北側に少し行き、線路沿いにあるトイレです。プロダクトデザイナー 田村奈穂のデザイン。
 
Img_e2881
Img_e2876
 
よくぞこんなところに、と思う狭いエリアを三角形の建物の構造をうまく使って建てています。
 
Img_e2880
Img_e2874
 
赤いビビッドさなど目立ちますが、結構使いやすいかも。
 
 
西原一丁目公園
坂倉竹之助 2020年8月31日 オープン
https://tokyotoilet.jp/nishihara_itchome_park/
  
Img_e2624
Img_e2623
 
幡ヶ谷駅近く、坂倉竹之助デザインのトイレです。坂倉準三の息子さんなのですね。
 
Img_e2630
Img_e2628
 
白い部分は半透明で中には木々のグラフィック。外に生えている樹木の影と相まって良い感じ。
 
Img_e2627
Img_e2625
 
夜になって電気が点くと全体が行燈の様に光る様です。そこに浮かび上がる木のグラフィックの影が綺麗なのかな。
 
 
神宮通公園
安藤忠雄 2020年9月7日 オープン
https://tokyotoilet.jp/jingu-dori_park/
 
Img_e2558
Img_e2549
 
渋谷駅から北側へ、MIYASHITAパークを抜けていったところにある公園のトレイは安藤忠雄デザイン。
 
Img_e2560
Img_e2552
 
片側にせり出した屋根、ルーバータイプで外光を取り入れる通路の壁。
 
Img_e2556
Img_e2548
 
機能は特に犠牲になっていなくて、比較的オーソドックスな形状。両側から入れるのも機能的。
 
    
Img_e2925
 
今年にこの恵比寿の駅前トイレもリニューアルされるのですね。ここは佐藤可士和デザインになるとか。
 


| | コメント (0)

DOUG AITKEN(ダグ・エイケン) - NEW OCEAN: THAW

DOUG AITKEN(ダグ・エイケン)- NEW OCEAN: THAW
https://www.espacelouisvuittontokyo.com/ja/detail
エスパス ルイ・ヴィトン東京
2020/11/13-2021/2/7
 
05901
 
ダグ・エイケンのNEW OCEAN!昔、2002年頃でしたっけ、オペラシティで見て感激した展示です。その再編成版のようなものですかね、今回の作品は。見たのは去年になります。

05903
05902
 
天井からつられた3面スクリーンが2つ向き合っています。6面投影の映像ですが、3面ごとには同じ映像が流れています。
 
05904
05906
 
水滴や氷、解けた氷が川になって流れていく。水の音などの自然の音に重なってするどい電子音が重なっていきます。電子音と自然の音によりより映像の中に包まれることに。
  
05905
059thumb
 
陽の光が天体をめぐり、水をうみ、水が流れていく、氷河を削るという水の形態の変化。
 
05907
 
2002年のオペラシティ(上の写真はその時の図録)の展示の最初の方にあったのがこのTHAWだったようです。そこまでははっきりと覚えていませんでした。展示の一つに天井まで使った映像の空間があり、寝そべってみていた記憶があります。それと比べるとこじんまりした空間になりますが、それでもこの作品はおすすめです。
 
ダグエイケンはミュージックビデオなどもつくっていて、それらも含め「いまトピ」で紹介していますのでこちらも併せてみてください。
 
とにかく必見!圧倒的な没入感で水の世界を体感するアート
https://ima.goo.ne.jp/column/article/9247.html


| | コメント (0)

大山エンリコイサム展 夜光雲/宮永亮展「KAA10」

大山エンリコイサム展 夜光雲
https://yakouun.net/
神奈川県民ホールギャラリー
2020/12/14-2021/1/23
 
Img_9695
Img_9699
 
大山エンリコイサム、ストリートアートを元にした作品を作っている作家。初めにあった作品が日本の絵巻のような作品。大山さんの展示で日本美術の流れを見るとは思いませんでした。ストリートアートの流れの大山さんらしい作品ももちろんあります。
 
Img_9705
Img_9712

 
面白かったのは立体の積層作品。板を何枚も積層させています。何かモチーフかあるのでしょうか?ところでエンリコイサムってどこで切れるのかが気になります。エンリコ・イサム?エンリ・コイサム?エン・リコイ・サム?
 
Img_9715
Img_9720

 
最後の大きな展示室の作品は少しはみ出してたりしましたが、ストリートアートの流れならもう少し床や壁にはみ出したりした方が勢いが生まれて良い気もしますけど、少し大人しい展示になっていたきもします。上の階の展示もコンセプトは面白い。スプレーで絵を描く音を聴きながら白い壁を見る。想像力で壁に絵を見る展示ですが、もう少し何か欲しいところでした。
 
  
 
宮永亮展「KAA10」
https://www.kaat.jp/d/KAA10
KAAT神奈川芸術劇場アトリウム他
2020/11/21-2021/1/31
 
Img_9690_20210210153901
Img_9630
Img_9629
 
KAATの冨安由真展と合わせて、このKAATの共有空間で展示されていた作品も見ました。宮永亮が今までのKAATのパンフレットなどの広告宣材を使って映像作品を作っています。パブリックな空間なので一部を除き無料で見ることができます。
 

| | コメント (0)

冨安由真展|漂泊する幻影

冨安由真展|漂泊する幻影
https://kaat-seasons.com/exhibition2020/
https://www.kaat.jp/d/hyouhaku
KAAT EXHIBITION
2021/1/14-1/31
  
 
Img_9624
 
コロナの影響で半年ほど公開がずれ込んだ冨安由真展。楽しみにいていました。冨安由真、そう、あの2018年のshiseido art eggで展覧会入場待ちの行列を作った人です。
 
「第12回 shiseido art egg」冨安由真展 くりかえしみるゆめ
http://ubukata.cocolog-nifty.com/my_favorite_things/2018/08/12shiseido-art-.html
 
さて、結論から言うととても好きな展示でした。資生堂の時も同じですが、冨安さんの展覧会は好き嫌いがとても分かれそうです。展覧会の良い悪いなどではなく、好みかどうか、それがこの展覧会を評価するところかと。
 
「不確かなもの」を見せる展示。資生堂の時と同じテーマではありますが、全く違う手法で、より深く見せてくれています。想像や妄想を喚起させて、見る側にそこにある物語を委ねていく展示。
 
Img_9683
 
資生堂の時は細かい仕掛けでホラーハウスの様なイメージを作り上げていましたが、今回はまた違った感じで、この「劇場」という特性をうまく使った演出になっています。劇場で使われている照明を使って、大きな空間をその明暗で仕切る仕組み。
 
それによって見えない物語性を生み出しています。その隙間に対しての妄想や想像によって展示に物語がうまれる。おそらく行間を読むとか、想像するとか、妄想が苦手な人はこの展覧会は何が良いのかわからないでしょう。そう言う仕組みの展覧会です。
 
ここからネタバレも出てくるのでまだ、見ていない人で、これから行く人はこの後はまだ読まないようにご注意ください。
 
Img_9635
Img_9634
 
「こちらの扉をひいて中にお入りください。」と書いてあるのは劇場の重い鉄の扉。この段階で『注文の多い料理店』を思い浮かべてしまいました。そして、中に入って、そこにあったのが……扉?扉です。もう、これでワクワクしてしまった私は、もう、冨安さんの術中にはまってしまっています。
 
Img_9638
 
その先にあったのは、ずっと先まで続く長い長い廊下。よく見てみると真ん中あたりに人がいます。え?と言うことは……。
 
Img_9640_20210121173701
Img_9642
 
廊下から中に入ると暗い大きな空間。大きなと言っても暗いので目が慣れるまではどんな空間かわかりません。入り口近くのラジオからザザザというような音が流れたり、壁に廃墟の様な部屋の映像が流れたりしています。説明もなく、情報との言えない指針をさぐるように。
 
Img_9647
Img_9653
 
そして照明がスポット的に点灯して、消え、また別のところで点灯して、消えを繰り返していきます。そこには先ほど映像で見たようなテーブルやイスなどが並び、まるで廃墟のホテルに迷い込んだ様。
 
そしてそれらに住まうのが動物たち。熊や鹿やワニ等がそこに我が物顔でいるところに自分が足を踏み入れてしまったのに気づきます。見ている人は明かりが点る順を追って導かれるように移動していきます。何かの痕跡を辿るかのように。
 
Img_9655
Img_9659_20210121173701
 
廃墟のホテルの中の幾つかのシーンが一つ一つ展開されていきます。大きな空間の中なのですが、暗い空間で回りが良く見えないので、照明があたる部分だけシーンが浮かび上がります。照明で区切られた空間。劇場ならではの演出です。ミラーの使い方もうまい。後であの壁にはもともとミラーがあったよな、と思い出しました。
 
出来れば空いているときに見たい展示ですね。人が多いと色々と感じ方も変わってきてしまう。正味を感じ取れないかもしれない。土日はすでに入場制限がかかっているという話です。
 
Img_9688_20210121173801
 
さて、これで終わりではありません。大きな空間を出ると、再び廊下へ出ます。瞬く照明、そこにある車いすは置き去られたのか何かを待っているのか。そして、人がいないのに両側に見える人影。
  
Img_9672
Img_9675
 
廊下からもう一つの部屋へ。こちらもブラックボックスの部屋。照明がバラバラに壁にかかる絵画を照らし、それを追って見ていく。そこには答え合わせのように廃墟となったホテルの中身が描かれている。同じようで、違うような景色。
 
Img_9677
Img_9678
 
以前、人がいた場所の痕跡を描く、それだけではなく再現し、別の生き物たちを住まわすように、そこにある何かを表現する。冨安さんが表現する「不確かなもの」を感じ取って、この絵で頭の中で再現していく儀式をしている様です。
 
Img_9679
 
絵画の中には全く生き物はいないように見えましたが、良く見たら一匹の猫が居ました。不確かなものの中に、一つの確かなもの、それがこの猫なのでしょうか?
 
資生堂の時の直接的な「何かの存在感」の表現はホラーハウスのようにも見えましたが、今回はより曖昧に、より想像的に、より妄想させるようにみせているので、前に感じたお化けという存在とはまた違う感じでした。この曖昧なものに名前を付けれられない、でもそれはある、と信じてしまうような、そんな体験です。
 
Img_e9749
 
藤原印刷さんが手掛けた図録も美しい。小口の金の仕上げも雰囲気在ります。今回の展覧会に関するものだけでなく、冨安さんの作品集になっています。 今回の展示に関しては、展示の写真ではなく、そのもとになった廃墟に動物たちが居る写真と展示してあった絵画が載っています。サイン入りのものを入手できました! 

| | コメント (0)

博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり

博物館に初もうで ウシにひかれてトーハクまいり
https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=dtl&cid=5&id=10591
東京国立博物館 本館
2021/1/2-1/31
 
Img_8928
 
正月初めての展覧会は、2日からやっている博物館に初もうで。今年は獅子舞とかいろんなイベントも中止になったみたいですね。ばったり友人夫婦にあったりしました。
 
Img_8929_20210210155001
Img_8940_20210210155001

 
正月らしさといえば東博のあの階段の正面に生花が。まずは本館を見て、その後に表慶館でたてもの展を観る予定(たてもの展は別エントリにしました)。
 
Img_8946
Img_8950_20210210155001
Img_9031
 
さて、正月ならではの企画展が丑年にちなんだ「ウシにひかれてトーハクまいり」。このタイトルの元ネタは牛に引かれて善光寺参りということで「牛に引かれて善光寺参り」の景色を描いた図とかがありました。他にも牛の顔をした古代インドの仏像など。渡辺華山の描いた牛もあり、牛づくしの展示コーナー。
 
Img_8955
Img_8958
 
さて、ここに来たらコレクション展示の方も見なければ。猿の埴輪、なんかスペインかどこかで修復されたキリストみたいですね。長谷川等伯「松林図屏風」も正月に見ることができる国宝としてもう定着してますね。
 
Img_9009
  
そして伊藤若冲「松梅群鶏図屏風」。テレビで若冲ドラマやっていたのでその影響もあるのか、この絵の周りに人が集まっています。
 
Img_8995
Img_9002_20210210155001

 
点描で執拗に描かれた灯籠、ヒョッと迷いなく描かれている鶏の尾、まんまるくて可愛いひよこ。目を引く絵ですよね。
 
Img_9019
Img_9023
 
書の関連もかなり良いものが並びますが、その中で注目だったのが小林一茶「詠草」。歌に書いてある琵琶の湖畔の線や点は亀を指しているのか、つまりイラスト入りの書の掛け軸!?あと、応挙の良い作品も並んでいます。
 
Img_9059
Img_9065

 
仁清のスマートな器、樂家の四代目、一入の黒樂なども見応えあります。
 
Img_9070
Img_9075

 
そして表慶館の図面コーナーが胸熱!この後、たてもの展でいく歴史ある建物の図面をじっくりと!
 
Img_9082_20210210155101
Img_9083_20210210155101
Img_9089_20210210155101

 
いやいや、この本館の建物も見逃せない。素敵なところがたくさんあります。蔦系の模様が繰り返し使われていました。
 

| | コメント (0)

「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」古代から近世、日本建築の成り立ち

「日本のたてもの―自然素材を活かす伝統の技と知恵」
古代から近世、日本建築の成り立ち
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/tatemono/
東京国立博物館 表慶館
2020/12/24-2021/2/21
 
Img_9090
 
東博、科博、建築資料館の3館で開催されている「日本のたてもの」展。古代から近世、日本建築の成り立ち というサブタイトルの付いた東博の展示を見てきました。建築模型パラダイス。国宝の建物をこんなところからあんなところから見ることができるのです。
 
Img_9095
Img_9099
Img_9102_20210121172301
 
まず入り口すぐに3つの塔、一条寺三重塔、法隆寺五重塔、石山寺多宝塔。唐招提寺金堂は真っ二つの断面構造が見える模型です。屋根の裏とか普段見えないところがどうなっているのか見てしまいますね。
 
Img_9113
Img_9116
 
神社の模型もあります。春日大社本社本殿、檜皮葺屋根の檜皮の再現が凄いです。
 
Img_9130_20210121172301
Img_9131
 
茶室は如庵が出ています。こちらも再現性が素晴らしい。茶室の中に入っていけるような錯覚を覚えます。
 
Img_9163
Img_9168
 
東大寺の三門も大きい。分割されているのでこちらも断面が良く見えます。研究のための模型と言うこともあり、実際の構造を再現しているのですよね。
 
Img_9158
Img_9170_20210121172301
 
襖絵や庭の再現性が凄い大仙院本堂、黒い松本城も良いです。松本城、近くまで行ったことはあるのですが、登らなかったのですよね。こう言うのを見ると実際に行ってみたくなりますね。
 

| | コメント (0)

リー・キット (Screenshot)/工藤麻紀子展「空気に生まれかわる」/内藤礼(二回目)/青花の会|骨董祭 2020

去年の末にみたもので幾つかUP出来なかったものをまとめて。
 
リー・キット (Screenshot)
http://shugoarts.com/news/27470/
シュウゴアーツ
2020/12/12-2021/1/30
 
Img_e8756
 
何を示唆しているのかはわからないが、とにかくそこに静かに佇んでいるのが
リー・キットの作品。そこにあることが自然の様で、そこにあるべくあるようなそんな作品。好きです。最後に原美術館で見たかったなぁ(原美最後の展覧会は予約取れず)。
 
Img_e8766
Img_e8759

 
なにげなくある映像や写真が何か意味がある様で、意味がンあくてもそれがあるのが当然の様で。実は窓のあるの壁面を造作で作ったいたり、どこまでが作為なのか、それとも何気ない作用なのかわからない。それが良いですね。
 
 
 
工藤麻紀子展「空気に生まれかわる」
http://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/kudo2020/
小山登美夫ギャラリー
2020/12/11-2021/1/16
 
Img_e8772
 
景色の中に紛れる不思議さ。浮かんでいたり、変なところに何かあったり。それでも何か日常の様な世界。
 
Img_e8774

Img_e8777

 
アニメの様だったり、抽象画の様だったり、風景画の様だったり、それが混ざっているのが普通の世界のように見えます。
 
 
 
内藤礼(二回目)
https://www.takaishiigallery.com/jp/archives/24201/
タカ・イシイギャラリー
2020/11/27-12/26

 
Img_e8753
Img_e8749

 
去年の1回目で書きましたが、ギャラリーの決して大きくない空間の中でも内藤さんの作品は内藤さんの作品であり続けるのでした。一つ一つの要素がそうで、そしてそれらが醸し出す全体もそうなのでした。
 
 
 
青花の会|骨董祭 2020
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/2020.html
赤城神社・あかぎホール/AYUMI GALLERY/AYUMI GALLERY CAVE/セッションハウス・スタジオ/工芸青花
12/25-12/27(25日は内覧会)
  
Img_e8800
Img_e8798
 
様々な骨董屋さんが出店している青花の骨董市。ぐるっと回ってきました。古伊万里や古九谷などを見ていました。これらに「古伊万里」と表記されていなかったらこの値段を出して私は買えるだろうか?と。自分の見る目というものを養いたいな、と思います。
 
Img_e8802
Img_e8804
 
そういえばラカグはアコメヤになったのでしたね。そうなってからまだ一度も入ってないかも。
 

| | コメント (0)

«2021年以降の気になるアート展メモ(2021年1月2日時点→1月8日更新)