レオナルド×ミケランジェロ展

レオナルド×ミケランジェロ展
三菱一号館美術館
6/17-9/24
 
レオナルド×ミケランジェロ展のブロガー内覧会に参加してきました。
※写真の撮影は内覧会で特別に許可を得たものです。
 
レオナルド×ミケランジェロ展、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロ・ブオナローティと言うほぼ同じ時代に活躍した二人の天才を真っ向から比べてみた、という展覧会です。なかなか、準備も大変だったようです。高橋館長がボソッと言っていました「作品が来てくれただけ本当に良かった」と。
 
まぁ、ダ・ヴィンチにしてもミケランジェロにしてもその絵画や彫刻を日本まで持ってくるのは容易ではありません。基本は素描や手稿、そして影響をうけた絵画などが中心、と思っていたのですが……。
 
ええ、凄いものが来ていました。この展覧会がはじまりしばらくした7/11から公開されているのがこれです。
 
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ミケランジェロ・ブオナローティ(未完作品、17世紀の彫刻家の手で完成)「十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)」
 
この像は2000年にミケランジェロの作品だと言うことが認められた作品。ミケランジェロが未完成で終わらせたものを後世、別の彫刻家が完成させたと言うものなんです。こんな大きな彫刻が日本に来てくれるなんて!
 
初期にこの展覧会を見に行った人すいません、もう、これだけを見るだけでも充分な展覧会です。もう、これだけでご飯三杯食べることが出来ます!ってくらい。もう一度いける人はこれを見に行くのをオススメします。さらに、なんと!これは写真撮影可能なんです。私が撮影したのは夜ですが、昼の光で観るのも良いそうです。(今後、混雑具合では撮影が可能な日時の制限をする可能性もあるということでした)
 
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さて、ここの彫刻、ミケランジェロ作であるサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂のキリスト像の最初のバージョンと言われています。ミケランジェロがこのキリスト像を彫っていくうちに大理石の内側にある黒い疵が頬の箇所に出てきてしまった。そこでこの像は途中で放棄して、別に作ったのがサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ聖堂に残されたバージョンだと言う話です。
 
この彫刻をじっくり見ると、筋肉の美しい左腕、片側に重心をかけ芯がずれた形になる身体などに表れているミケランジェロらしさ。それに比べ顔や右腕とそれが持つ十字架や縄、背中辺りは後世に手を加えられたのではないかと。キリスト像なのに裸身であり、身体つきなどが古代彫刻を思わせる姿勢である、そういった古代の作風と当時のキリスト像が組み合わさったこの作風もミケランジェロならでは、の様です。
 
 
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左)レオナルド・ダ・ヴィンチ《少女の頭部/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》
右)ミケランジェロ・ブオナローティ《〈レダと白鳥》〉の頭部のための習作》
 
さて、もちろんこの像が無くても興味深い展覧会であることは間違いありません。二つの素描を拡大した今回の撮影コーナーを見ても判るとおり「万能人」レオナルド・ダ・ヴィンチ、「神のごとき」ミケランジェロ・ブオナローティと言う天才二人が描いた素描などを並べ、その特徴や違いなどを比較する様な展覧会になっています。左利きのレオナルドの描いたものは左上から右下に向かう線によるハッチングが特徴。ミケランジェロは得意としていた斜線を交差させるクロスハッチングで立体感を出しています。他にも馬を描いた素描などでも両者を比較することが出来ます。
 
 
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フランチェスコ・ブリーナ(帰属) 《レダと白鳥(失われたミケランジェロ作品に基づく)》
 
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レオナルド・ダ・ヴィンチに基づく 《レダと白鳥》
 
ギリシア神話の「レダと白鳥」をモチーフにしたものを両名が描いています。今回の展覧会に来ている作品は模写だったり弟子の作品ではないかと言われているものにはなりますが、両者を比べて見ることが出来るのは贅沢です。
 
 
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レオナルド・ダ・ヴィンチ 『アトランティコ手稿』(ファクシミリ版)
 
レオナルドと言えば彼の残した手稿が有名ですが、この水車の仕組みなどを描いたものを見ると、この人はこう言う構造とかメカニズムとかそういうものが凄く好きな研究者肌なんだろうなぁ、と思いましたね。今ならオタクになってましたね。
 
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左手前)ミケランジェロ・ブオナローティ 《河神》
 
逆に筋肉美マニアなミケランジェロは完全なアーティスト肌なのでしょうか。23歳年上のレオナルドに対して作品を実現させられないことに対して批判したこともあったそうです。
 
二人の天才を比べる、なんてよく考えれば大それたことではありますが、今の現代の私達だからできる贅沢なのかもしれませんね。
 
 
 
三菱一号館美術館、実は次の展覧会もかなり気になっています。ロートレック、好きなんですよねぇ。
 

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パリ♥グラフィック ― ロートレックとアートになった版画・ポスター展
2017/10/18-2018/1/8
 
ボナールやドニ、ヴァロットンの版画やポスター絵等も見ることが出来るようなので期待です。

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shiseido art egg 沖潤子展/タクマクニヒロ Kind of Blue+/スペクトラムファイル 宮田彩加/Shizuka Tatsuno Glass & Soil Design Works/山本桂輔展「地底の雲」/d design travel SHIZUOKA EXHIBITION

ギャラリー関連いくつか感想まとめてアップ。
 
第11回 shiseido art egg 沖潤子展 <刺繍>
Kind of Blue+ タクマクニヒロ 写真展
スペクトラムファイル 17 宮田彩加
Shizuka Tatsuno Glass & Soil Design Works
山本桂輔展「地底の雲」
d design travel SHIZUOKA EXHIBITION
 
これら6つの展覧会について。
 
 
 
第11回 shiseido art egg 沖潤子展 <刺繍>
資生堂ギャラリー
6/30-7/23
 
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集めてきた古布を繋ぎ合わせそこに刺繍をしていくと言う作品。手法としてはどこかにありそうではあるが、今回は蛹と言うテーマを掲げている。幼虫が一度身体を溶かして蛹になり成虫へなるメカニズムは解明されていない。その不思議さを作品に 縫いこんでいくのだろうか?
 
 
Kind of Blue+ タクマクニヒロ 写真展
スパイラルガーデン
6/20-6/25
 
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青い色の入った写真の写真集ブルーノート。今回の展覧会カインドオブブルー。ジャズファンとして思わず気になる展覧会です。同じ青い空と言っても同じ青は無く、もちろん青だけではない。
 
 
スペクトラムファイル 17 宮田彩加
スパイラル MiNA-TO
6/19-7/2
 
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ゲストキュレーター杉浦幸子さんが選んだのは宮田彩加さん。銀座の名古屋商工会館「THE MIRROR」でも見ています。像をずらしたり崩したりすることの方が先なのか、技法としての刺繍が先なのか、セットで展開を思いついたのか、そこら辺を聞いてみたい。
 
 
Shizuka Tatsuno Glass & Soil Design Works
スパイラル MiNA-TO
6/19-7/2
 
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辰野しずかさんが備前焼や富山ガラス、大島紬、琉球硝子、津軽焼の鳩笛、漆硝子とそれぞれデザインに関わり生み出されたものたち。素材それぞれ別の物で、おそらく各地方で別の思考/嗜好を持っているでしょうからこれらと幅広くコラボレーションしていくのが凄いですね。
 
 
山本桂輔展「地底の雲」
ヒカリエ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
5/24-6/26
 
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彫刻作品を中心にした展示。プリミティブの様に見えるし、バラバラになったものをとにかく集めたように見える。でもこの中にいるとそれぞれが変に主張せず一体感があるように感じられる。気のせいかもしれないけど、笑。
 
 
d design travel SHIZUOKA EXHIBITION
ヒカリエ 8/ d47 MUSEUM
6/15-7/30
 
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静岡というとヤマハ関連とかスズキとかサッカーとかお茶とかね、まぁそういう感じですよね。箱根は神奈川の物ですし、富士山は山梨が所有権を奪おうとしてますよね。まぁ、伊豆は認めてあげますけど。
 
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そんな名古屋への通過地点(すいません、笑)ではありますが、静岡と言ったらこれです。桜えびに釜揚げシラス、わさび漬に生わさび、黒はんぺんフライ、あおさ汁、柑橘、静岡茶。結局は食べ物が一番その地域に行きたいという動機になりますね。静岡、また行きたいなぁ。
 

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水墨の風 ―長谷川等伯と雪舟

出光美術館の「水墨の風 」を観てきました。水墨画、好きなんですけど、展覧会としては地味ですよね。色が無いので仕方ないですが。ただ、この展覧会は確かに色味は地味なんだけど、かなり目を惹く作品が並んでいました。
 
 
水墨の風 ―長谷川等伯と雪舟
出光美術館
6/10-7/17
 
白と黒の絵の世界にはるかな奥行きがあったり、目に見えない風が描かれていたりと本当に絵に描かれている風景を超えた世界観を持っているのが水墨画。それを雪舟と長谷川等伯の二人の画家を中心に紹介する展覧会です。後期の展示を見てきました。
 
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はじめは雪舟とその源流になった中国絵画。たしかに雪舟の「破墨山水図」も良いのですが、私が気になったのは牧谿の「平沙落雁図」(後期展示のみ)。はじめ見たときに、これなんにも描いてないじゃない!と突っ込みを入れたくなったのですが、よく観ると雁が飛んで、山や木々が見えてきます。これ、元からこの位薄い墨で描かれてたのでしょうか?それとも時代を経て薄くなったのか。とにかく不思議な絵で気になります。
 
次の部屋が等伯。やはり等伯は凄いですね。個人的に好みでもあります。「松に鴉・柳に白鷺図屏風」ももちろんですが、個人的には「四季柳図屏風」(後期展示のみ)が良かった。この屏風には色の付いた柳が描かれているのですが、背景や柳の幹は水墨で描かれています。風を描いたと言われているこの絵、良いですね。
 
そして室町の水墨画や、雪舟や等伯から受け継がれた狩野派や文人画の作品が並んでいました。出光美術館の水墨の展覧会は地味ながらも良いですね。

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映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」

美術やファッションファンの中で話題だった映画「メットガラ ドレスをまとった美術館」。イベントや展覧会を作り上げていく苦悩などの共感もあったのでしょうか。私は少し斜に構えながら観ていましたが、結局は、これは面白いや、と。都内ではもうやっている館は減ってしまいましたが、今更ながらですがブログに残しておきたい映画としてメモ。
 
 
メットガラ ドレスをまとった美術館
 
 
「メットガラ」はニューヨーク、メトロポリタン美術館のファッション部門が資金集めの為に開催するイベントです。映画『プラダを着た悪魔』のモデルにもなったアナ・ウィンター主催で、数々のセレブたちが参加するファッション・イベント。そのイベントとこの年に開催される展覧会を作り上げていく裏側を見せる映画です。
 
 
ここ数年、美術家や美術館の裏側に注目した映画が多い気がします。宣伝等が変わって目にする機会が増えただけかもしれませんが。ドキュメンタリーだったり創作ものだったりと形は様々ですが、美術館系の映画はドキュメンタリー系が多いですかね。ただ、ドキュメンタリー映画は美術に興味ある人ならまだしも、そうでない人には結構退屈なものが多いのも事実。見る人が限られてしまうのですよね。
 
ところが、このメットガラ、ドキュメンタリー映画なのに本当に飽きない。きっと美術好きでなくても楽しめるものです。美術館と言っても、扱っているものがファッションなので、興味ある人も多いだろうし、見た目も華やかなのも一つ理由でしょう。俳優などのセレブなどが出てくるのもありますね。
 
 
正直、見ていて突っ込みどころも多い映画です。メインの二人に対しては「ちょっと君達、君達ばかりが苦労しているわけじゃないんだよ?」と言いたくなるようなそんな行動もある。そもそもメトロポリタン美術館と言う看板があってこそのものなのに、自分たちの都合を優先するところなどは、ちょっとなんだかなと思ったりもする。中国に関しての展覧会を自分達目線でしか語っていないようなところも見受けられる。
 
もちろん美術館側だって、メットガラやアナ・ウィンターを利用もしているだろうし、実際に高額な席料のイベントが埋まり、実際にそれが資金を集めており、注目されると言う現実があるのだ。結局はこれが美術館の運営の現実なのである。メトロポリタンの中でも低い扱いをされることがある服飾部門。ただ、だからこそ美術館単体では本来出来ないようなことが出来ることもあるし、だからこそ、この様な話題になることも出来るのである。
 
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なんだかんだ文句を言いながらも自分達の思う方向に、軌道修正をしつつ進めていく。まぁ、仕事と言うものはこう言うものだ、と普通に思いつつ、途中でスリリングなことを経由して、それを乗り越えつつ、そして最後の目を見張るばかりの賑やかなパーティー。溢れるばかりのセレブや超一流のブランドやデザイナーたち。デザイナーの服を着るセレブたちの目を楽しませる姿の連続は見事としか言えません。そこに流れるRolling Stonesのアンダーカバーオブザナイト!
 
ファッション界の生きる伝説のようなオジサマ達がやたらとカッコいいんだよね。ジャン=ポール・ゴルチエ、カール・ラガーフェルド、ジョン・ガリアーノとなんでこんなにカッコいいのか。リアーナ、ビヨンセ、ジャスティン・ビーバー、カニエ・ウェストなど音楽ファンも楽しめます。映画ファンとしては演出についてバズ・ラーマンが語っているところ、アン・ハサウェイやジョージ・クルーニーの姿。あと、ウォン・カーウァイ、いい仕事するね。
 
まぁ、これは楽しいや。

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アルチンボルド展/ル・コルビュジエの芸術空間

国立西洋美術館でアルチンボルド展とル・コルビュジエの芸術空間を観てきました。アルチンボルドはこれから混んできそうですね。早めに行くのをオススメします。

 
 
 

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ダヤニータ・シン インドの大きな家の美術館

写真美術館のダヤニータ・シン展、写真の展覧会というよりも現代アートの展覧会と言うイメージで、とてもコンセプチュアルで、好きな展覧会でした。
 
 
 

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没後50年記念 川端龍子 ―超ド級の日本画―

山種美術館の「川端龍子 ―超ド級の日本画―」の内覧会に参加してきました。いや、これ、この夏必見の展覧会ではないでしょうか?そして一つだけ言っておきます、この方のお名前はリュウコさんではなくリュウシさんで男性です!そこからです。
 
 
 

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「奇想建築」!サライ最新号(2017年7月号)の特集が!

サライの最新号(2017年7月号)が「奇想建築」と「家飲みビール」の特集をしています。奇想建築とは!面白そう!と言うことで読んでみました。

 
 
 

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坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス

ギャラリー・間の「坂 茂:プロジェクツ・イン・プログレス」を見てきました。
 
 
 

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大エルミタージュ美術館展/苫米地正樹 陶芸展/ルイジ・ギッリ展/菅 木志雄展/HEAT/Gallery Show

もう少し前になりますが六本木で見た幾つかの展示感想。
 
大エルミタージュ美術館展
森アーツセンターギャラリー
 
苫米地正樹 陶芸展
ROPPONGI HILLS A/D GALLERY
 
ルイジ・ギッリ 「Works from the 1970s」
タカ・イシイギャラリー 東京 
 
菅 木志雄「分けられた指空性」
小山登美夫ギャラリー 
 
HEAT
オオタファインアーツ 
 
Gallery Show
ワコウ・ワークス・オブ・アート
 
 
 

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«shiseido art egg 吉田志穂展/Alan Chan「HELLO GINZA!」/ロマン・チェシレヴィチ展/アブラハム・クルズヴィエイガス展